ブドウ目
ブドウ科(ツタ、エビヅル)
フトモモ目
フトモモ科(ブラシノキ)
ミソハギ科(ミソハギ)
マメ目
マメ科(ムラサキツメクサ[アカツメクサ]、ヤマハギ)
ツタ(Parthenocissus tricuspidata)
<ブドウ目・ブドウ科・ツタ属>
ブドウ科ツタ属のつる性の落葉木本で、在来種。
北海道から本州、四国、九州と全国の山野に分布する。
ツルは太いもので数cmになり、古いツルの樹皮は黒褐色。
本年枝の樹皮は赤褐色~黄褐色で無毛。丸い皮目が多数ある。
葉には2種類あり、花の付く短枝の葉は大きく、長い葉柄がある。
葉身は長さ5~15cmの広卵形で、上部は3裂して先は鋭く尖り、縁にはまばらな鋸歯がある。
花の付かない長枝の葉は、小さくて葉柄も短い。葉身は単葉~3深裂するものまで多様。
短枝の先に集散花序を出し、直径5mmほどの黄緑色の5花弁の花を付ける。オシベは5個。
果実は液果で、直径5~7mmの球形で、秋には藍黒色に熟す。
2013/12/11
多摩川への道路脇にある学校のサクラの木にツタが絡みついていました。
気が付くとすっかり紅葉して、真っ赤な葉を日にさらしていました。
左端の写真の葉は、花の付く短枝の葉で、大きく、長い葉柄が見えます。
中央と右端の写真は、花の付かない長枝の葉で、小さく、葉柄も目立ちません。
2013/12/10
多摩川からの帰り道、いつもと違う道を歩いていて、民家の壁に張り付いているツタを見かけました。
見事に紅葉していて、黒に近い濃赤紫色から黄赤色まで、そのグラデーションがきれいでした。
見られたのは花の付かない長枝のみで、壁を横に這って広がっていました。
エビヅル(Vitis ficifolia)
<ブドウ目・ブドウ科・ブドウ属>
2013/7/1 エビヅル(雄株) 2014/5/27 エビヅル(雌株)
ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木で、雌雄異株。
日本では、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
葉の大きさは5~6cm程度で、切れ込みの浅いものと、深いものの二通りがあり、裏面はクモ毛に覆われる。
円錐花序を出し、黄緑色の小花を密生させる。
果実は、1cmほどになり、熟すと黒くなる。食用になるが特有の青臭いにおいを持つ。
多摩川に行く途中の道端で、植栽に絡みつくエビヅルの雄株の雄花と雌株の両性花です。
雄花は、開花すると花弁が落ちてしまうので、長いオシベのみがモジャモジャと見えます。
両性花は、雄花と比較するとオシベが短く、子房が大きいので、見た目はかなり異なります。
さて、これらが受粉に成功し、その後どう成長したかは下記をご覧ください。
2014/11/13
秋になって、エビヅルの葉も紅葉が始まっていました。
紅葉した葉では、葉の表面の葉脈に残るクモ毛が、白く目立つようになります。
紅葉は、全体でみると部分的のもので、かなりまだら模様です。
2014/9/10 2013/11/5 2014/11/13
雌株の果実ですが、9月には緑色だったものが、11月にはしわしわになっていました。
昨年の同じ時期には、きれいに黒く熟していたのですが、今年はまるで状況が異なります。
天候の影響なのかもしれませんが、それにしても違いすぎます。
ブラシノキ(Callistemon speciosus)
<フトモモ目・フトモモ科・ブラシノキ属>
フトモモ科ブラシノキ属の常緑高木で、オーストラリア原産。
樹高は数mになり、枝先に10cm前後の穂状花序を付ける。
開花後直ぐに花弁や萼は落ちてしまい、多数の雄しべが残る。
花糸は赤(または白)で、黄色い葯が付き、その様がブラシのように見えるのが名前の由来。
花後、果実が枝を取り巻くように付き、数年は残る。
2013/10/7
多摩川への道路脇の民家で、ブラシノキが季節外れの花を付けていました。
本来の花期は、5月~6月のはずなのですが、満開状態です。
今年は残暑が厳しく初夏と似た気候だったのが、影響しているのでしょうか?
ミソハギ(Lythrum anceps)
<フトモモ目・ミソハギ科・ミソハギ属>
ミソハギ科ミソハギ属の多年草で、在来種。湿地や田の畔などに自生する。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、海外では朝鮮半島に分布する。
草丈は50~100cmで、四角い茎は直立して株元は少し木質化し、細い地下茎を伸ばして群生する。
葉は十字状に対生し、葉身は長さ2~6cmほどの広披針形で、基部は茎を抱かない。
花期は7月~8月で、直径15mmほどの紅紫色の花を上部の葉腋に多数付ける。
花弁は4~6個で、同数の萼片と付属体が交互にある。萼片はは三角形で、付属体は針状で開出する。
オシベは12個あり、長いものが6個と短いものが6個ある。
花後、萼片が閉じて、萼筒に蓋をするが、付属体は平開したままになる。
2013/9/13
多摩川の河川敷にある元花壇であったと思われる場所で、本種を見かけました。
数株だけですが、花序にたくさんの花を付けていました。
花色が紅紫色なので、比較的小さい花ですが遠目にも良く目立ちます。
ミソハギとエゾミソハギ
近縁のミソハギとエゾミソハギは、分布域や生育環境もほぼ同じでよく似ています。
しかし、注意深く観察すると下記の3点で識別することができます。
(1)葉が茎を抱くか否か
(2)萼に毛があるか否か
(3)付属体が直立するか平開するか
エゾミソハギ(Lythrum anceps)
<フトモモ目・ミソハギ科・ミソハギ属>
ミソハギ科ミソハギ属の多年草で、ユーラシア大陸や北アフリカに広く分布する。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、湿地に見られる。
欧米では、観賞用に栽培されている。
草丈は50~150cmで、茎は上部で分枝し、茎や葉、花序などに短毛がある。
葉は対生か3枚の輪生で、葉身は長さ2~10cmの披針形で、全縁。基部は茎を抱く。
花期は7月~8月で、多数の枝先に穂状花序を付け、多くの紅紫色の花を付ける。
花の直径は20㎜ほどで、花弁は5~6個が多く、同数の萼片と付属体が交互にある。
萼片は三角形で、付属体は針状で直立する。オシベは12個で、内6個が長い。
花後、萼片が閉じて、萼筒に蓋をするが、付属体は直立したままになる。
ムラサキツメクサ(Trifolium pratense)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属>
マメ科シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ、西アジア及び北西アフリカ原産の帰化植物。
別名はアカツメクサで、白花のものはセッカツメクサともいう。
日本には、シロツメクサと同時期に牧草として移入され、野生化したもの。
地上を這うシロツメクサと異なり、茎は数十cmの高さになる。
葉は互生し、3出複葉。いわゆる三つ葉で、全体で直径15~30mmになる。
各小葉には、中ほどに三日月形の白い模様が入り、縁には細かい鋸歯がある。
葉柄は長さ1~4cmで、2本の托葉を持つ。
花期は5月~8月で、球形の花序を頂生する。花柄は短く、シロツメクサのように長くならない。
花冠は長さ12~18mmで、萼は筒型で先が5裂する。花は筒状の蝶形花である。
花色は、ピンクのものが多いが変異があり、白に近いものから紅紫色のものまである。
2012/10/30
多摩川の土手は、9月にも除草が行われ、その後、ムラサキツメクサが再び、新芽を伸ばしていました。
数は少なくなりましたが、まだ、いろいろな花色の花を咲かせています。
ヤマハギ(Lespedeza bicolor)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属>
マメ科ハギ属の落葉低木で、在来種。秋の七草の1つ。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ウスリー川辺りまで分布ている。
樹高は1~3mで、根元から多数の細い枝を出し、先で多数に分枝する。
葉は互生し、3出羽状複葉で、小葉は長さ数cmの楕円形。
小葉の先は丸くなるが、主脈の先が髭のように尖り、飛び出るものもある。
花期は、7~10月で、花序は基部の葉より長い花柄を出して、多数の花を付ける。
花冠は淡紅紫色で、長さ10㎜ほど。旗弁は翼弁や竜骨弁より長く、竜骨弁は翼弁より長い。
萼は4裂し、上側の萼歯は浅く2裂する。萼歯は萼筒よりも短い。
豆果は、長さ6㎜前後で、扁平で丸い。種子は1個だけ入っている。
※ 秋の七草:おみなえし、おばな(ススキ)、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎ
2012/8/21
多摩川に行く途中の公園に植えられていたヤマハギです。
秋の七草の1つですが、8月の初旬から咲き始めていました。
落葉低木ですが、地上部は一部を残して枯れ、毎年、新しい芽を根元から出します。
2012/9/5
花序が大きく伸びて、花が次々と咲いています。
マメ科の花は、根元に1つある旗弁、中央の竜骨弁と、それを挟み込むように翼弁が2個付いています。
ヤマハギでは、旗弁が大きく立ち上がって目立ち、翼弁が小さくて、竜骨弁が前にかなりせり出しています。
2012/10/8
ヤマハギの花が終わり、果実ができていました。
平べったくて、あまり厚みのない鞘で、丸に近い形状をしています。
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