カマキリ科

カマキリ目

 カマキリ科(オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリ)


オオカマキリ(Tenodera aridifolia)

<カマキリ目・カマキリ科・カマキリ亜科Polyspilotini族Tenodera属

カマキリ科カマキリ亜科の昆虫で、在来種。

日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄に分布している。

海外では、朝鮮半島から中国、東南アジアに分布する。

日本最大のカマキリで、体長はオスで70~90mm、メスで80~110mmある。

南にいくほど大型化する傾向があり、北海道産では大きくても100mm程しかないが、

九州産では、オスでもメスと変わらない体長になるものもある。

体色は緑色型と褐色型があり、チョウセンカマキリやウスバカマキリと似ている。

これらとは、オオカマキリの後翅の付け根の多くが暗紫褐色である点で区別できる。

外観的には、ウスバカマキリとは前脚基節内側の黒い紋の有無(オオカマキリにはない)で、区別できる。

前脚基部内側が、チョウセンカマキリは橙色で、オオカマキリは黄色(上縁はエンジ色)な点で区別できる。

2013/9/19

多摩川の河川敷にあるコスモス畑で、ニラの花とコスモスの花でメスのカマキリを見かけました。

ニラの方は、イチモンジセセリを捕えて食事中でしたが、そのすぐ横でイチモンジセセリも給蜜中でした。

仲間が犠牲になっている間は、自分に危害が及ぶことはないと知っているのでしょうか?

コスモスの方の個体は、かなりお腹が大きく、産卵が近いのかもしれません。

後翅や前脚の付け根を確認できれば良かったのですが、時間がなくてできませんでした。

そのため、見た目では、チョウセンカマキリかオオカマキリか即断できません。

写真を撮り、後で、特徴を比較して本種としました。決め手は前頭部中央の縦縞模様です。

イチモンジセセリを捕えて食事中の個体を3方向から撮ってみました。

最初に見たときには、口吻がまだ動いていたのですが、頭部から食べたようで、3枚目ではなくなっていました。

2013/12/17

多摩川の川縁で、イタドリの枝にへばり付いているカマキリの卵塊を見つけました。

卵塊の形状から調べた結果、オオカマキリの卵塊と分かりました。

チョウセンカマキリの卵塊はもっと細長くなり、ハラビロカマキリはその中間くらいになります。


チョウセンカマキリ(Tenodera angustipennis)

<カマキリ目・カマキリ科・カマキリ亜科・Polyspilotini族Tenodera属

カマキリ科カマキリ亜科の昆虫で、在来種。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布している。

海外では、名前の通り朝鮮半島、中国に分布する。

なお、一般にカマキリというと本種を指す。

出現時期は、幼虫は4月頃から見られるようになり、成虫は8月~11月に見られる。

体長は、オスで60~80㎜、メスで70~90mmと、オオカマキリよりやや小型。

体色は緑色型と褐色型があり、オオカマキリによく似ているが、いくつか異なる点がある。

その識別は、以下の点で行える。

前基節基部間の色 オオカマキリは黄色で上縁がエンジ色、チョウセンカマキリは橙色

後翅の色     オオカマキリの後翅は多くが紫褐色、チョウセンカマキリの後翅は全体が淡褐色

2013/7/12

多摩川への途中にある公園で、トラマルハナバチを撮影していて本種に気付きました。

まだ、幼体でオオカマキリと区別が難しいのですが、体色が薄目なので本種としました。

褐色型の成虫は、全身茶色で、前翅の側面のみ緑色なのですが、幼体は全身茶色一色です。

オオカマキリとは、カマの付け根の色が鮮やかなオレンジ色かベージュかで区別できます。

鮮やかなオレンジ色であれば本種です。時間がなくて確認しなかったのを後悔しています。

2013/8/30

幼体を見かけた公園で、チョウセンカマキリの成虫を見かけました。

幼体と異なり、褐色型ではなく緑色型の成虫です。

カメラを向けただけで、上体をゆすって威嚇してきます。気が荒いですね。

写真撮影後、カマの付け根を確認するために、捕獲しましたが、かなりカマで引っかかれました。

確認した結果、前脚基部内側の色からチョウセンカマキリと判断しました。

2013/11/14

河川敷の元花壇と思われる脇に積まれていた木材の所で、チョウセンカマキリを見かけました。

ちょうど胸元がよく見える角度だったので、アップで撮影してみました。

カマの付け根、前脚基部内側の色がよく分かると思いますが、鮮やかなオレンジ色です。


コカマキリ(Statilia maculata)

<カマキリ目・カマキリ科・カマキリ亜科・ウスバカマキリ族コカマキリ属

カマキリ科コカマキリ属の昆虫で、在来種。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布している。

海外では、台湾に分布する。

体長は、オスで36~55mm、メスで46~63mmになる。

体色は、褐色や紫がかった褐色が多いが、緑色や赤褐色の個体もいる。

特徴は、名前の通り小型であること以外に、前胸腹板の黒色帯、前脚基部と腿節内側の黒い模様。

草むらに生息しているが、地上性が強く、地表を歩きまわっていることも多い。

また、敵にあうと死んだふりをする事がある。

2013/9/24

多摩川に向かう途中の道端で、コカマキリを見かけました。

久しぶりに見かけたコカマキリですが、カマの独特の模様で直ぐに分かりました。

写真を撮ろうとしたのですが、草がじゃまで良い位置に動いてくれません。

手で、下から突いていたら、地面に降りてきてしまいました。

カマの模様が分かるように拡大したのですが、黒と白とピンクの斑紋が内側にあります。

また、内縁刺の基部は、1本おきに黒いのも特徴です。

2013/11/5

多摩川に向かう途中の神社の境内で、コカマキリを見かけました。

いたずら心から、本当に死んだふりをするのか確かめたくて、突っついてみました。

その結果がこの写真です。本当に死んだふりをするんですね。ちょっとびっくりです。


ハラビロカマキリ(Hierodula patellifera)

<カマキリ目・カマキリ科・カマキリ亜科Paramantini族・ハラビロカマキリ属

カマキリ科ハラビロカマキリ属の昆虫で、在来種。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布している。

海外では、東南アジアに広く分布する。

体長は、オスで45~65mm、メスで50~70mmと雌雄の差は少ない。

他のカマキリと比較して、横幅が広く見えるのでずんぐりした印象を受ける。

大半は緑色型であるが、まれに紫褐色の個体も見られる。

前翅に白斑が1個あり、前脚基節前縁に3~5個の突起があるのが特徴。

2013/10/21

多摩川への途中にある公園で、アジサイの葉の上でハラビロカマキリを見つけました。

そのずんぐりとした体形から直ぐにそれと分かりましたが、オスかメスかは不明です。

カメラを持っていなかったので、携帯で撮影しましたが、ちょっと前ピン気味です。

見ずらいですが、前羽の中央前寄り右側面に白斑が見えています。