チョウ目
マダラガ上科マダラガ科(ブドウスカシクロバ)
メイガ上科ツトガ科(シロオビノメイガ、マエアカスカシノメイガ)
ヤガ上科シャチホコガ科(セダカシャチホコ)
ヤガ上科ヒトリガ科(カノコガ)
ヤガ上科ヤガ科(ヒメエグリバ)
ブドウスカシクロバ(Illiberis tenuis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・マダラガ上科・
マダラガ科・クロマダラ亜科>
マダラガ科クロマダラ亜科のガで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで、ほぼ全国に分布する。
日本以外では、シベリア、朝鮮半島から中国、インドに分布している。
出現時期は6月の年1回。前翅長は12mm前後で、開張は20~30mm。
翅は半透明で翅脈と縁沿いは黒色、内側は透明で、基部は青灰色の光沢がある。
触角、頭部、胸部から腹部にかけては金属光沢のある藍色で、オスの触角は櫛歯状。
昼行性で、蜜を求めて花に集まる。幼虫の食草は、ブドウ、ヤマブドウなどのブドウ科の葉である。
幼虫は、十分に成長すると落葉中に繭を作って越冬する。
2013/5/21
多摩川へ行く途中の道端にある、ハルジオンの花で給蜜中の本種を見つけました。
透明な翅に黒い翅脈が明瞭で、翅の外縁は黒味を帯びています。
前羽の前縁の一部や胸部、腹部が瑠璃色が光って、蛾らしくない光沢を放っています。
触角は、オスが櫛歯状(拡大写真参照)で、メスはひげ状なので、この個体はオスと思われます。
口吻は黄色で、よく目立ちます。触角の先も黄色いですが、これは花粉が付いたものと思われます。
なお、マダラガ科の幼虫には、毒棘(どくきょく)を持つものと、体液に触れると皮膚炎を起こす種があります。
本種の幼虫は毒棘を持つ種類のようですが、成虫にはそのようなものはありません。
シロオビノメイガ(Spoladea recurvalis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・シャクガ上科・
ツトガ科・ノメイガ亜科>
ツトガ科ノメイガ亜科のガで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、ほぼ全国に分布する。
日本以外では、アジア、オーストラリア、北米まで広く分布している。
出現時期は6月~11月で、年に5~6回と多い。
開張は21~24mmで、前翅、後翅はともに濃褐色で、それぞれのほぼ中央に白条が1本ある。
さらに、前翅には前縁から後縁に向けて中央部まで1本の白条がある。
日中に草原などでよく見られる昼行性で、花の蜜を求めて訪花する。また、灯火にもよく飛来する。
幼虫は、アカザ科(ホウレンソウ、アカザなど)やウリ科の葉を食害する。
幼虫は5齢を経て体長15mm前後の終齢幼虫となる。
終齢幼虫の頭部は淡黄褐色で、多くの褐色斑紋があり、胴部は半透明で、緑色を帯びる。
2012/7/5
多摩川の河川敷で足元から飛び出してきたので撮影しましたが、あちこちでよく見かけるガです。
昼間もかなり活発に活動するようで、近づくと逃げていきます。
よく見かけるガですが、どの科に属するのかはっきりせず、同定には手間取りました。
2013/9/18 2013/9/20
多摩川の河川敷で、ツルボやマーガレットコスモスなどの花で、よく見かけるようになりました。
昼間に飛び回り、盛んに給蜜しているようです。
近づくと逃げるのですが、直ぐにまた戻ってきます。
マエアカスカシノメイガ(Palpita nigropunctalis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・シャクガ上科・
ツトガ科・ノメイガ亜科>
ツトガ科ノメイガ亜科のガで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで全国に分布する。
日本以外では、樺太からシベリア、朝鮮半島に分布している。
出現時期は4月~9月で、南方では通年で見られる。開張は29~31mm。
翅の前方の縁沿いに赤褐色の帯があり、翅は鱗粉が少ないため半透明である。
光の当たり具合で、回折による淡い虹色の構造色が見られる。
昼行性で、蜜を求めて花に集まるが、夜に灯火にも飛来する。
幼虫は、頭部が黄褐色で、体が薄緑色。前胸背楯は後方と側方で黒く縁取られることが多い。
幼虫の食草は、ネズミモチ、キンモクセイ、イボタノキなどのモクセイ科で、成虫で越冬する。
2013/5/14
多摩川へ行く途中の道端にあるボケの葉に止まっているのを見かけました。
前翅前縁が赤褐色で、翅には鱗粉が少なく透けて見えるのが特徴です。
成虫のオスの尻尾には、黒い毛束があるそうなので、この個体はメスということになります。
セダカシャチホコ(Euhampsonia cristata)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・
シャチホコガ科・トビモンシャチホコ亜科・Euhampsonia属>
シャチホコガ科Euhampsonia属のガで、在来種。
以前は、Rabtala 属に分類されていたが、Euhampsonia 属に移された。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで広く分布する。
海外では、アムール地方、朝鮮半島から中国、台湾、ラオス、タイ、ミャンマーに分布する。
出現時期は5月~8月で、開張は65~83mmの大型のシャチホコガである。
全体に黄褐色~赤褐色で、前翅には細い濃褐色条と小さな淡黄色紋がある。
なお、体色は北に行くにつれ黄色味が強くなり、南に行くにつれ赤味が強くなる。
胸部中央には長い毛の束(冠毛)が突出して、鬣(たてがみ)のようになっているのが特徴。
オスの触角は両櫛歯状で、メスの触角は糸状である。
幼虫の食草は、コナラ、ミズナラ、クヌギなどのブナ科コナラ属の葉で、成虫は食べない。
2015/5/21
多摩川へ行く道端で、民家の壁に止まっている本種を見かけました。
翅が傷んでおり、特徴の鬣もあまり立っていませんので、羽化後時間の経った個体のようです。
拡大したものが右端ですが、鬣状の毛が寝てしまっていますね。
前翅中央縁よりの2個の淡黄色の紋も、はっきりと見えています。
カノコガ(Amata fortunei fortunei)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・
ヒトリガ科・カノコガ亜科・カノコガ属>
2015/6/1<オス> 2013/6/17<メス>
ヒトリガ科カノコガ属のガで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、ほぼ全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
出現時期は6月~8月で、年2回発生する。昼行性で、給蜜のために花を訪れる。
開張は30~38mmで、翅は黒色の地に半透明な白斑がある。この鹿の子模様が和名の由来。
なお、この翅の黒い部分は、光の加減で青い金属光沢が見られる。
頭部は光沢のある黒色で糸状の触覚があり、胸部は黒色。腹部は黒に黄色の帯模様がある。
なお、黄色い帯模様は背面まであるものが2個、背面に達しないものが4個ある。
2013/6/17 多摩川の土手で、カノコガが急に見られるようになったのは、先週の金曜日(6/14)です。
土手の草むらでかなりの数がふらふら飛んだり、枯れ草に止まっていました。
その時は、カメラを持っていなかったので、今日、撮影したものですが、相変わらず多いです。
腹部が細いのがオスで、太いのがメスですが、写真を見ればその差は一目瞭然ですね。
2015/6/11 今年も土手の草むらで、カノコガが目に付くようになりました。
多摩川のこの場所では、カノコガの1回目の発生はこの時期になるようです。
ヒメエグリバ(Oraesia emarginata)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・
ヤガ科・エグリバ亜科・オラエシア属>
2014/4/24 2014/4/24 2015/10/28
ヤガ科オラエシア属のガで、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、台湾、アジアからインドに分布している。
出現時期は5月~11月。開張は32~40mm。
体色は全体が褐色で、暗色の細い斜め線の模様があり、畳んだ翅の背がえぐれて凸凹している。
幼虫は、全体の地色が黒色で、頭部後方に3個の黄白色の斑が並び、胴部の点列に連なっている。
胸部の各環節には、大きな黄色紋があり、その前後に赤橙色、黄色、白色の斑紋が並ぶ。
成虫の地味な配色と比べると、幼虫はシックで派手な模様である。
幼虫の食草はツヅラフジ科のアオツヅラフジで、成虫はブドウ、モモ、ナシなどの果汁を吸う。
2014/4/24 多摩川からの散歩の帰り道、道端のアオツヅラフジに、真っ黒な芋虫が付いていました。
その時、以前見たセスジスズメの幼虫を思い出し、同じ幼虫だと思いました。
後で、写真を改めて見てみると、セスジスズメの幼虫とは斑紋が異なります。
調べ直し、食草のアオツヅラフジに付いていることもあり、ヒメエグリバの幼虫と判断しました。
2015/10/28 昨年、幼虫を見かけた同じ場所で、今年も少し若齢の幼虫を見かけました。
既に葉は食べつくされていましたが、この幼虫は茎を食べたようで、先の方がありません。
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