オオバコ科・シソ科・モクセイ科

シソ目

  オオバコ科(ヘラオオバコ、オオイヌノフグリ)

  シソ科(ヒメオドリコソウ、ホトケノザ)

  モクセイ科(トウネズミモチ)


ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)

<シソ目・オオバコ科・オオバコ連・オオバコ属>

オオバコ科オオバコ属の1年草~多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。

日本では、ほぼ全国的に分布している。オオバコと異なり、踏みつけには弱い。

ヘラオオバコはヨーロッパでハーブとして食用や薬用に利用され、家畜用飼料としても栽培されている。

草丈は、大きい物は50㎝を超えることもあり、披針形の葉も数十㎝になる。

和名は、その葉の形がへら状であることに由来する。

花期は6月~8月で、長い花茎を立ち上げ、その先に円柱状の花穂を付ける。花は下から順次咲き上る。

花からは、メシベと4個のオシベが長く飛び出す。

2013/1/29

多摩川の土手で、ヘラオオバコが根生葉をロゼット状に広げて、春の到来を待ちわびていました。

いつでも花茎を立ち上げて、花を咲かせる準備はできているようです。


オオイヌノフグリ(Veronica persica)

<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>

オオバコ科クワガタソウ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。

日本をはじめ、アジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種として定着している。

日本では全国に広がっており、どこでも見られる。

草丈は15~25cmで、茎はよく分枝して横に広がる。

葉は、下部では対生し、上部では互生する。葉身は長さ12mmほどの卵形で先が尖り、鋸歯がある。

花期は2月~6月で、上部の葉腋から長さ1~2cmの花柄を伸ばし、直径8mmほどの花を1個付ける。

花冠は4裂し、裂片は淡青色に濃青色の縦じまがある。うち1個が小さく、色も薄い。

萼も4裂する。オシベは2個で、メシベは1個ある。

果実は、長さ約4㎜、幅約6㎜のやや扁平なハート形で、縁にだけ長い毛がある。

2012/3/27

3月の中頃から一面の枯れ草の中、最初に色鮮やかに咲きはじめ、目を楽しませてくれます。

近縁種のイヌノフグリの種子の形状から付けられた名前を引き継いで、大型の冠が付いたものだそうです。

2012/12/26           2013/1/30           2013/2/28

12/16 多摩川の河川敷で、枯れ草の中でオオイヌノフグリを見つけました。

花期は3月~4月のオオイヌノフグリですが、既にポツリポツリと花を付けています。

1/30 年を越して、いささか葉はくたびれていますが、花の数は少し増えてきました。

2/28 春が近いことを感じているんでしょうか、かなり花の数が増えてきました。

2014/2/26                2014/3/4

昨年の秋以降、ポツリポツリと咲いていましたが、春が近づくとともに一気に花が増えてきました。

アップで撮影してみましたが、赤紫と青紫のグラデーションがなかなかきれいです。


ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)

<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>

2013/3/1                2012/3/30

シソ科オドリコソウ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。

日本をはじめ、北アメリカや東アジアにも帰化しており、日本では、主に本州に広く分布する。

草丈は10~25cmで、4稜形の茎には下向きの毛が生える。花期は3月~5月。

葉は対生し、長さ1~2cmの三角状卵形で、有柄。脈が深く、花期には赤紫色を帯びる。

葉の上部の葉腋に、長さ10mm前後の淡紅色の唇形花をたくさん付ける。

オシベは4個で、メシベの花柱は先が2裂する。萼は5裂し、裂片の先は尖る。

果実は4分果で、頭部が平らになる。分果には3稜があり、基部に大きな種沈がつく。

 

ヒメオドリコソウは、背丈も花も小さめのため、姫の冠が付いています。

どちらかというと、花よりも暗紫色を帯びた葉の方が目立ち、群落になっていると存在感があります。

左の写真では、冬を越した濃色の葉が残り、花茎を少し伸ばして花を少し咲かせ始めています。

一方、1ヶ月程経った右の写真では、花茎を大きく立ち上げ、新しく伸びた葉は明るい色になっています。

2013/1/11

昨秋に芽吹いて、年を越したヒメオドリコソウです。

まだまだ、花が咲くような状況ではなく、春の訪れを待っているようです。


ホトケノザ(Veronica persica)

<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>

シソ科オドリコソウ属の越年草で、在来種。道端や田畑の畦などによく見られる。

日本をはじめ、アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布する。

日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に広く自生する。

草丈は10~30cmで、花期は3月~6月。

葉は対生し、長さ2cm前後の丸みのある扇状で、鈍い鋸歯がある。

上部の葉腋に長さ2cm程の紅紫色の唇形花を多数付ける。

その中に、つぼみのまま結実する小さな閉鎖花が多数混じる。

 春の七草にある「ほとけのざ」は、本種とは別のコオニタビラコの事です。

2012/3/27

花の形は、縦長で、ヒメオドリコソウの花を引き伸ばしたような形をしています。

小さな花ですが、花の色が目立つので、結構、存在感はあります。

2012/12/26

本来の花期は、3月~6月なのですが、河川敷の川縁近くに少しですが咲いていました。

春の花なのですが、師走のこの時期に狂い咲きです。暖かかったのかも。

2013/1/30                  2013/2/1

多摩川河川敷のホトケノザ、年を越して咲き続けていました。

大雪の影響も感じさせず、綺麗な花を咲かせていました。


トウネズミモチ(Ligustrum lucidum)

<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・イボタノキ属>

モクセイ科イボタノキ属の常緑高木で、中国中南部原産の帰化植物で要注意外来生物。

日本では、本州中南部から四国、九州にかけて分布している。

樹高が10~15mで、幹は灰褐色に粒状の皮目がある。

葉は対生し、長さ6~12cmの卵形で先が窄まって尖り、全縁。

やや薄い革質で、日にかざすと葉脈が透けて見える(ネズミモチは透けな)。

花期は6月~7月で、長さ10~20cmの大型の円錐花序に白い小花を多数つける。

花冠は長さ3~4mmの筒状で、先が4裂し、筒部と裂片とはほぼ同長である。

裂片の先は尖り、平開から反曲する。オシベは2個で花冠から長く突き出し、メシベの花柱も少し出る。

果実は長さ8~10mmの楕円形で、10月~12月頃に黒紫色に熟す。果実は白い粉をかぶる。

2013/1/11

多摩川に向かう途中の公園に、樹高が10mに近い大きなトウネズミモチの木がありました。

大きな木なので、花の頃には気付かなかったのですが、実を見てトウネズミモチと分かりました。

木全体に、この写真のように大量の果実を付けていました。

2013/1/17

上記の写真を撮った6日後には、この写真のように果実はすっかり無くなっていました。

ヒヨドリによってすっかり食べつくされたようです。

2013/12/12

12月に入って、真っ黒に熟したトウネズミモチですが、鈴なりになっていたのは、果実とドバトです。

連日、ドバトが果実を食べに訪れ、既に半分ほどになってしまっています。

堤防の外にあるトウネズミモチは、前述の通りヒヨドリなどが食べつくしますが、河川敷はちょっと違うよう。

この後、果実が少なくなってドバトが来なくなると、ヒヨドリが来ていました。