バラ科(Ⅱ)

バラ目

  バラ科モモ亜科(カナメモチ、レッドロビン、アメリカザイフリボク、サンザシ、シャリンバイ、

          トキワサンザシ、ボケ、カリン、リンゴ、ハナカイドウ、サクラ[カンヒザクラ、

          カワズザクラ、カラミザクラ、ヤマザクラ、ゴテンバザクラ、ソメイヨシノ]、ハナモモ)

          (参)クサボケ


カナメモチ(Photinia glabra)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・カナメモチ属>

バラ科カナメモチ属の常緑小高木で、在来種。照葉樹林の低木である。

日本では、本州中部以南から四国、九州にかけて自生している。海外では、中国にも分布する。

新芽の色が美しい紅色なのが特長で、その中でも特に紅色が強い個体を「ベニカナメ」と呼ぶ。

なお、葉が赤みを帯びるのは、新葉のときのみで、時間と共に普通の緑色の葉になる。

和名の「カナメ」とは扇の「要」のことで、実際、扇の要に用いられていた事に由来する。

また、「モチ」とはモチノキ(黐の木)に似ていることに由来するといわれている。

樹高は3~5mで、幹は暗褐色になり、老木は樹皮が縦に裂ける。

葉は互生し、長さ5~9cmの長楕円形で、先は尖り、基部は楔型。縁には細鋸歯があり、革質で無毛。

花期は5月で、茎先の複散房花序に多数の小花を付ける。花は直径7~8mmで、白い5弁花。

花弁は長さ2~3mmの広卵形で、基部に軟毛があり、最初は平開しているが、後に反り返る。

オシベは20個で、花弁より若干短いが、花弁が反り返るとオシベが目立つようになる。

果実は長さ5mm前後のナシ状で、赤く熟し、光沢はない。

 

2014/5/7

多摩川への道路脇で、満開になっている本種をみかけました。

あまり、新葉が赤くならない木のようで、いくらか赤みがさす程度です。

花は、白い五花弁ですが、ほとんどの花は花弁が反り返って、後に回り込んでいます。

そのため、花弁よりもオシベの方が目立ちます。

2015/4/1            2015/4/22             2015/4/22

4/1 カナメモチの新芽が伸び始め、花序も伸び始めていました。

4/22 新葉も大きく開いてきましたが、赤というより淡いえんじ色のような色をしています。

花序も大きく展開し、開花が始まるのも近いと思われます。

2014/6/3

花が終わり、果実が大きくなり始めています。

まだ、枯れたオシベやメシベが残っていました。

2014/9/29           2014/11/17            2014/12/3

9/29 カナメモチの果実ですが、秋になって少しふっくらとしてきました。

ただ、色合いや形にほとんど変化はなく、この先、どのようになって行くのか気になります。

11/17 カナメモチの果実が、一段とふっくらとして、赤く色づき始めました。

12/3 12月の声を聞いた頃には、カナメモチの果実は真っ赤に色づいていました。 


レッドロビン(Photinia×fraseri)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・カナメモチ属>

米国で作出されたカナメモチとオオカナメモチの雑種で、常緑小高木である。

カナメモチの選別品種(ベニカナメモチ)に似るが、本種の方が色が鮮やかで、葉が大きい。

新芽が非常に鮮やかな赤になるため、最近はベニカナメモチに変わって生け垣などに利用されることが多い。

なお、新芽が赤くなるのは、アントシアニンを多く含むためだが、葉が堅くなると緑に変わる。

樹高は3~5mで、幹は灰黒~黒褐色。葉は互生し、長さ7~10cmの差円形で、縁に小さな鋸歯がある。

花期は5月~6月で、茎先の複散房花序に多数の小花を付ける。花は直径7~8mmで、白い5弁花。

花弁は長さ2~3mmの広卵形で、最初、平開しているが、後には若干反り返る。

オシベは20個で、花弁より若干短い。葯が白く、花粉が成熟していないようである。

なお、赤い果実が付くとの記載があるが、結実しないものも多いのか、果実は見たことがない。

 

2015/4/1

多摩川に向かう道路脇の民家の生け垣や公園で、鮮やかな紅色の新葉を伸ばしている本種を見かけました。

この時期になると一面に真っ赤な新葉が伸び出してくるので、見た目も鮮やかです。

 2016/4/25

花が咲く頃になると、真っ赤な葉も色あせてきます。

同じレッドロビンでも、花が付く木と付かないか極わずかしか付かない木があります。

この写真の木は、非常にたくさんの花を付けていますが、隣の木には全く咲いていません。

花は、カナメモチの花とそっくりですが、花弁はあまり後には反らないようです。

2016/5/13

本種の花を見ると、オシベの葯が白いままなので、花粉が出ていないように見受けられます。

その結果ですが、ご覧のとおり花柄を残して全て落花してしまい、果実はありませんでした。

交雑により作出された品種のため、不稔性なのかもしれません。


アメリカザイフリボク(Amelanchier canadensis)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・ザイフリボク属>

バラ科ザイフリボク属の落葉小高木で、北アメリカ原産。ジューンベリーの別名を持つ。

本州の岩手県から四国、九州の雑木林の林縁などでは、日本在来種のザイフリボクが見られる。

樹高は0.2~8mで、樹高を押さえることができるので、盆栽にも利用される。

葉は長さ3~5cmの楕円形で、先はやや尖り、基部はやや心形。縁には鋸歯がある。

4~5月頃に白く細長い5枚の花弁を持つ花を咲かせるところは同じでも、果実の熟す時期が異なる。

アメリカザイフリボクが6月頃には収穫期になるのに対して、ザイフリボクは秋に熟す。

果実は、見た目はブルーベリーに似て、熟すると黒紫色になる。

本種は、果樹として人気が出て広がりつつあり、生食やジャム、パイの材料にも使われる。

在来種の果実は、渋みがあるので、生食には向かず、果実酒などに利用される。

 

2014/4/10

多摩川への道沿いの公園で、満開の時期を過ぎ、半分以上が散ってしまった本種を見かけました。

最初、花弁が散って、オシベが放射状に出ている所を見て、変な花だなと思ってしまいました。

しかし、周りをよく見ると細長い白い花弁を付けた花があり、先に見たものが花弁が散った後と分かりました。

写真を撮り、後で調べてザイフリボクの花と分かりましたが、在来種か移入種かまでは分かりませんでした。

長い花弁の花よりも、花弁の散った後のオシベが印象的でした。

2015/4/3         2015/4/3         2015/4/16

昨年は、花がほぼ咲き終わった頃に気が付いたので、ツボミとかの写真がありませんでした。

今年は、満開少し前に撮影しました。ツボミから開花直後の花序の様子です。

2014/5/8

ザイフリボクの果実です。子房が大きく膨らみ、その頂部に萼が残っています。

子房が大きくなる速度はかなり早く、一月しか経っていませんが、直径10mm程度になっています。

果実の成長と共に、萼片の大きさが相対的に小さくなり、カッパの頭(萼片が毛)のように見えてきました。

ただ、カッパにはない、お皿の中央から毛(メシベ)が1本生えてはいますが。

 2014/5/15

一部の果実が赤く色付き始めていました。他の果実も赤みが差し始めています。

そのため、6月に収穫期を迎える、アメリカザイフリボクと分かりました。

もう少し熟したら、試食してみたいと思います。

2014/5/19             2014/5/22             2014/5/30

アメリカザイフリボクの果実ですが、しっかりと色付き、食べ頃も近いと思われます。

しかし、この果実は野鳥にとってもご馳走のようで、熟した端から食べられていきます。

左の写真を見てください。熟したものは、しっかりと食べられています。

とはいえ、たくさん熟し始めると、食べられずに残るものもあり、試食してみました。

黒紫色になるほど、熟したものは残っていませんでしたので、できるだけ赤みの強いものを選びました。

若干酸味はありますが、十分に生食可能でした。ただ、かなり種が多く、ちょっとそれには閉口しました。

5/30の写真には、完熟して干しブドウのようになったものが写っています。

他の3個は、おいしくいただきましたが、今年最後の試食になりました。


サンザシ(Crataegus cuneata)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・サンザシ属>

バラ科サンザシ属の落葉低木で、中国原産の古い時代の帰化植物。

熟すると赤くなる果実は生薬、果実酒、ドライフルーツなどに使われる。

樹高は1~3mで、若枝は紫褐色で毛があり、古くなると灰褐色で無毛になる。

なお、小枝が変化した長さ3~8mmの細い刺が多数ある。

葉は、長さ2~6cmの広倒卵形で、葉裏にはわずかに毛があり、葉表は無毛。

基部は楔形で、先が3~5裂し、不規則な鋸歯がある。葉柄は長さ4~5mmで狭い翼がある。

花期は4月~5月で、散房花序に直径10mm前後の白い5弁花を5~7個付ける。

花弁は長さ6~7mmの倒卵形で、オシベは20個。子房は先に毛があり、5室で、花柱は4~5個。

果実は直径1~2cmのナシ状の偽果で、秋に赤色か黄色に熟す。果実の頂は窪んで萼が残存する。

果実は、特異な匂いがあるが、酸味があって可食できる。

 

2014/4/28

多摩川への道路脇の公園で、樹高が数十cmの低木が、多数の白花を付けていました。

後で調べて、サンザシの花と分かりました。名前は知っていましたが、花を確認したのは初めてです。

樹高があまり高くならず、白い花を付け、真っ赤な果実を付けるので盆栽に向く樹種とのこと。

2015/4/21

今年もサンザシがたくさんのツボミを付けていました。

気の早いのが1つだけ、開花していました。といってもまだ半開きに近いですが。

2014/6/27             2014/6/25             2014/6/25

サンザシですが、気が付くと直径1cm程の立派な果実をたくさん付けていました。

秋には赤から暗紫色に熟して、生薬、果実酒、ドライフルーツなどにできます。


シャリンバイ(Rhaphiolepis indica var. umbellata)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・シャリンバイ属>

2013/5/8            2013/5/8            2013/5/21

バラ科シャリンバイ属の常緑低木で、在来種。

日本では、本州の東北地方以南から四国、九州にかけて海岸近くに自生している。

海外では、朝鮮半島、台湾に分布する。

樹高は1~4mで、若い枝には褐色の軟毛があり、小枝は輪生状に付く。

葉は互生し、葉身は長さ4~8cmの長楕円形で、革質で光沢があり、浅い鋸歯がまばらにある。

葉先は尖るものと、丸いものがあり、丸いものはマルバシャリンバイと呼ばれることもある。

ただ、中間型もあり、両者を明確に区別することができないため、種内変異とされる。

花期は5月~7月で、枝先に総状花序を出し、直径10~15mmの白い5弁花を多数付ける。

花弁は長さ1cm前後の倒卵形で、先は丸く、しばしば歯牙がある。

萼筒は漏斗状で、萼片は長さ5mm前後の卵状三角形。先が尖り、褐色の軟毛が密生する。

果実は直径7~12㎜の球形で、10月~11月に黒紫色に熟し、白粉を被る。

中には直径7~8㎜の球形の種子が1個入っており、褐色で光沢がある。

 

5/8 多摩川の河川敷にある通路脇に、ユキヤナギと共に植生さています。

今年もユキヤナギの後、たくさんの花を付けていました。

5/21 花も盛りを過ぎ、残っている花もまばらな状態でしたが、ちょっとアップで撮影してみました。

残念なことに、その後、根元付近からバッサリと剪定されてしまい、今は見る影もありません。

何のために剪定したのかよく分かりませんが、もう少しやり様があるのではと思ってしまいます。

2013/8/13

多摩川の川縁に残っていたシャリンバイが結実していました。

秋には、熟して真っ黒な実になるでしょう。

2013/12/12

真っ黒に熟して、残っていた果実ですが、冬になって食べ物が少なくなった今、

直ぐ上にあるトウネズミモチと共にドバト(カワラバト)の餌となっています。

2014/5/16

昨年、剪定されずに残っていたシャリンバイが満開になっていました。

開花直後の花は、花弁や花糸は純白で、オシベの葯は綺麗なレモンイエローです。

開花後、時間が経つと、オシベの花糸や花弁の根元が紅紫色を帯びて、葯も褐色に変わります。


トキワサンザシ(Pyracantha coccinea)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・トキワサンザシ属>

2013/5/14                 2013/5/8

バラ科トキワサンザシ属の常緑低木で、ヨーロッパ南部から西アジア原産。

日本では、本州から四国、九州にかけて植栽、あるいは、一部野生化している。

樹高は2~6mで、樹幹は直立して枝には刺があり、褐色の毛が生えているが、後に無毛。

葉は互生し、長さ2~4cmの倒卵形で、縁に細かい鋸歯がある。

葉先は丸くて、先端側が最も幅が広く、ピラカンサの中では最も幅が広い。

花期は4月~5月で、葉腋に散房花序を付け、直径10mm前後の白い5弁花を多数付ける。

オシベは20個で、花糸の長さは2㎜弱である。萼片は5個ある。

果実は、直径5~8㎜の扁球形で、晩秋に真っ赤に熟し、一際、目を引く。

 

多摩川への道路脇の公園で、トキワサンザシが白い花を枝一杯に咲かせていました。

トキワサンザシの花は、一気に咲くので、花の時期は短く、1週間ほどで終わります。

同じ白花ですが、コデマリの花が球状に集まるのに対して、トキワサンザシの花は横に広がります。

2014/4/28

トキワサンザシが花序を立ち上げ、たくさんのツボミを付けていました。

ツボミは、まだ固くて開花はまだちょっと先になるようです。

2014/5/8

トキワサンザシのツボミも、緑色から白く色付き、開花もそう遠くはなさそうです。

2015/5/8

日当たりの良いところでは、ちらほらと咲き始めています。

もう数日もすれば、かなり開花が進み、本項最初の写真のように満開となります。

※ この写真は、昨年と同日に撮影したもので、年により気象条件が異なるので、開花時期もずれます。

2013/5/23

花後、花弁が落ちた後、果実が徐々に大きくなり始めています。

2013/6/17

花後、1ヶ月弱が経過して、いくぶん果実もふっくらとしてきました。

2013/7/2

果実がかなり大きくなり、残っている萼片(へた)も目立たなくなってきました。

2012/10/27

夏の終わりごろには、果実はもう少し大きくなって、秋には上記のように真っ赤に色付きます。

秋のトキワサンザシの様子に関しては、「秋の野草」をご覧ください。


ボケ(Chaenomeles speciosa)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・ボケ属>

バラ科ボケ属の落葉低木で、中国原産の帰化植物。

日本への渡来は古く、平安時代に移入されて観賞用に栽培された。

日本では、本州から四国、九州に植栽として、または、自生している。

樹高は1~2mで、茎は叢生してよく分枝し、若枝には褐色の毛がある。

古くなると灰黒色になり、樹皮には縦の浅い裂け目ができ、小枝は棘となって残る。

葉は互生し、長さ5~9cmの長楕円形で、縁には細かい鋸歯があり、付け根に腎臓形の托葉がある。

花期は3月~4月で、葉より先に開き、花色の基本は朱色だが、白から緋紅色まで、変化に富む。

果実は、数cmの楕円形でカリンに似て、良い香りがし、果実酒に使用される。

なお、日本固有種であるクサボケは、茎が地を這うか斜上して、樹高は1m以下である。

 

2012/4/5

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

花色は、赤が多いですが、植栽として植えられているものは、白、ピンク、赤とにぎやかです。

2枚目の写真を撮影しているとき、ちょうどニホンミツバチが飛んできて、うまく収まってくれました。

2013/3/26                 2013/3/28

3/26 今年もボケの花が満開になり、多くの花を付けていました。

昨年も撮影した1本の木で白から赤まで、いろいろな花色の花を付けるボケです。

3/28 今年になって気が付いたのですが、同じ赤でも、深紅に近いものもあるようです。

写真では分かりにくいのですが、見た印象がかなり違いました。

2013/5/14

3月には花を咲かせていたボケですが、結実していました。

ただ、あれほど花を咲かせていても、その果実はそう多くはありません。

さらに、大きくなった果実は数えるほどしかなく、いびつに歪んで小さいままのものが多いです。

その果実は、直径5cm程で意外と大きく、花梨のように良い香りを放つので、果実酒の材料になります。

2013/7/12

さて、結実していた果実ですが、2ヶ月経ってかなり大きくなりました。

日の当たる方が赤く色づいていますが、日焼けでしょうか。

秋には、花梨のように黄色く色付きます。

クサボケ(Chaenomeles japonica)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・ボケ属>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラ科ボケ属の落葉低木で、日本の在来種。

日本では、本州から四国、九州に自生しているが、減少傾向にある。

樹高が低く、全体に小振りなため、名前に「クサ」付いているが立派な木である。

花は、葉より先に開き、花色の基本は淡紅色だが、白花もある。

果実は、数cmの円形でカリンに似て、良い香りがし、果実酒に使用される。

2009/4/12

高尾山の頂上から少し下った所で見かけたクサボケです。

時期的には、ちょうど満開になったくらいで、枯れ草から顔を出しています。

見て分かる通り、上記のボケと比べると樹高が非常に低いことが分かると思います。


カリン(Pseudocydonia sinensis)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・ボケ属>

バラ科ボケ属の落葉小高木で、中国東部原産の帰化植物。

樹高は5~10mで、大きくなると樹皮は鱗片状にはがれる。

小枝は円柱形の紫赤色で、刺はなく、初めは軟毛があるがすぐに無毛になり、淡色の皮目がある。

葉は互生し、長さ4~8cmの楕円状卵形で先が尖り、縁には細かい鋸歯がある。

花期は3月~5月で、葉より先に開き、花色の基本は淡紅色だが、白から緋紅色まで、変化に富む。

花は直径30mm前後の5花弁で、雄花と両性花が混じる。

両性花はオシベの中央に花柱が5個あり、子房を包んでいる萼筒が長い。雄花は花柱がなく、萼筒が短い。

オシベは多数あり、長さは花弁の半分ほどである。

果実は、大きなものは15cm程になり、熟すと黄色くなる。

果実には、果糖、ビタミンC、リンゴ酸、クエン酸、タンニンなどを含み、トリテルペン化合物の芳香がある。

ただ、石細胞が多いので堅く、砂糖漬けや果実酒に使用される。加熱により渋みは消える。

秋には紅葉するので、庭木として植栽されることも多い。

 

2015/4/9

多摩川に行く途中に、カリンが生垣に使われているのは知っていたのですが、花を見た記憶がありません。

今年、別の民家の庭で花を見かけたので、行ってみるとたくさん花を付けていました。

ピンクの細めの花弁が平開し、直径は3cmほどありました。

2016/4/25          2015/6/8             2015/8/18 .

花後、果実が大きくなっていく様子です。

子房が大きくなり始めても花がらは付いたままで、かなり大きくなるまで残っていました。


リンゴ(Malus pumila)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・リンゴ属>

2014/4/10             2014/4/15             2014/5/9

バラ科リンゴ属の落葉高木で、カザフスタン南部、キルギスタン、タジキスタンが原産地とされている。

そのため、植物学上は「セイヨウリンゴ」と呼ばれている。

日本には、ヨーロッパやアジア経由で移入されたと考えられている。

日本では、病害抵抗性、食味、収量などの品種改良が進んでおり、なかでも「ふじ」が有名である。

世界で最も生産量の多い品種で、中でも中国の生産量が多いといわれている。

リンゴは、自家結実性が低く、1本ではなかなか結実しない。

そのため、S遺伝子型の異なる複数の品種を一緒に植える事が多い。

樹高は10~15mで、幹は紫褐色から徐々に灰褐色になる。新枝には軟毛が密生し、古くなると無毛となる。

葉は互生し、葉身は長さ5~10cmの広楕円形で先は尖り、鈍鋸歯がある。

両面とも初期には短毛があるが、葉表は徐々に無毛となる。

花期は4月~5月で、枝先の散房花序に直径3~4cmの花を3~7個付ける。

花柄は長さ1~2.5cmで綿毛が密生し、萼片は長さ6~8mmの三角状披針形で、花床筒より長い。

5個の花弁は長さ15~18mmの卵形で、白色~淡紅色。オシベは20個あり、花弁のほぼ半分の長さ。

子房は5室あり、花柱5個は基部は合着し、腺毛がある。

果実はナシ状果で直径4~12cm(原種では2cm前後)になり、赤色や黄緑色、黄色に熟す。

熟するとヘプタコサンを含んだ蝋状の分泌物に覆われる。

 

4/10 多摩川に行く途中の道路脇で、見かけた小さな木がいつの間にか大きく成長し、ツボミを付けました。

4/15 咲いた花の特徴から、バラ科の木と分かったのですが、調べても名前が分かりません。

直ぐ側に咲くハナカイドウとは、葉は似ていますが、咲く時期が若干遅く、花の特徴も微妙に違います。

5/9 花後、花柄が残っていたので、果実がなれば何か分かるかと思ったのですが、全て落ちてしまいました。

2015/4/9             2015/4/16             2015/4/16

今年も、たくさんの花を付けていましたが、今年も結実する事はありませんでした。

ただ、偶然見かけたリンゴの花が、そっくりなことに気が付き、調べてみました。

その結果、種類までは分かりませんが、リンゴであると確信が持てました。

結実しないのも、1本のみでは難しいことと符合します。

想像ですが、誰かの捨てたリンゴの種が発芽して、道路脇で大きくなったのではないでしょうか。


ハナカイドウ(Malus halliana)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・リンゴ属>

バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木で、中国原産の帰化植物。

日本では、北海道南西部から本州、四国、九州で植栽される。

大きな実のなる「ミカイドウ」に対して、綺麗な花が咲くので「ハナカイドウ」と命名された。

樹高は2~5mで、幹の下部から枝分かれするように乱れながら樹形を形成する。

葉は互生し、葉身は暗緑色の長さ3~8cmの長楕円形で、基部は楔形、先は長く尖り、縁には鋸歯がある。

花期は4月~5月で、新葉と同時に短枝の先に散房花序を付け、淡紅色の花を4~6個付ける。

花は直径30~35mmで、花弁は5個以上あり、長さ15mm前後の倒卵形。基部に短い爪部があり、先は円形。

花托筒は外側が無毛。萼片は長さ3~5mmの三角状卵形で、花托筒とほぼ同長。外側は無毛で、内には綿毛がある。

花柄は紫色で垂れ下がり、長さ2~4cmで細く、まばらに毛がある。

オシベは20~25個で不等長。花弁の長さの約半分の長さである。

子房は4~5室で、各室に胚珠が2個ある。花柱は4~5個で、オシベよりわずかに長く、基部に長毛がある。

果実はナシ状果で、紫色を帯び、直径は6~8mmである。果柄は長さ2~4cm。

 

2012/4/10

多摩川に行く途中の公園に植栽されていました。

濃いピンクの蕾が次々と開花して、ピンクのグラデーションがきれいです。

花後に、リンゴに似た小さな赤い果実は、食用になるそうですが、あまり結実しないとか。

機会があれば、ちょっと味見してみようかと思っています。

2013/3/8

今年は、ハナカイドウの開花を追ってみようと思います。

まだ、ツボミは出ておらず、昨年の果実が残っています。

しかし、新芽が開き始めており、その中にツボミも見えています。

2013/3/18

10日後の様子ですが、ツボミがすっかり伸びて、開花も間近といった状況です。

2013/3/21

その3日後の様子ですが、ツボミの色が淡くなり、一部で開花が始まりました。

2013/3/28             2013/5/14             2013/6/11

3/28 開花が始めってから、その1週間後にほぼ満開となりました。既に、早く咲いた花が散り始めています。

この後、数日は満開状態が続き、その1週間後くらいにはほぼ散ってしまいました。

5/14 ハナカイドウの花が散った後、かなりの数の果実ができていました。

あまり結実しないと解説されていましたが、意外と結実数は多いです。

まだ、青々として未成熟ですが、成熟して赤くなるのが楽しみです。

※ バックがピンク色なのは、ヒラドツツジの花が咲いているためです。

6/11 1ヶ月ほど経過したハナカイドウの果実の様子です。

多少大きくなったようですが、春先に残っていた果実の大きさと同じくらいです。

そのため、これよりは大きくならないと思われ、果実が熟す秋口までこの状態が続くのでしょう。

2013/11/20

11月に入ってからも果実の色などにあまり変化は見られません。

もう充分に熟していると思われましたので、採取して味見してみることにしました。

切ろうとしたのですが、皮がかなり固くで切りにくかったです。

断面を見る限り、熟しているように見え、種も熟しているように見えます。

切断面をなめてみましたが、渋くてそれ以上口にする気にはなれませんでした。


サクラ(Cerasus)

<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・スモモ属・サクラ亜属>

バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、日本では観賞用として多くの品種が作出された。

日本には、固有種、交配種を含め、おおよそ600種の品種が確認されている。

そのため、花から品種を確認するのは、特徴のあるもの以外は、困難である。

また、日本で果実を食用とする品種は、主にヨーロッパ系のセイヨウミザクラ(Cerasus avium)。

有名な佐藤錦をはじめ、ナポレオンやアメリカンチェリーがその系統である。

多摩川への道路脇の公園や学校などに、ソメイヨシノは始めとして、多くのサクラが見られる。

品種の分かるものや、詳細が不明なものもあるが、以下に見かけたものを掲載する。

カンヒザクラCerasus campanulata)  サクラ節

中国原産の桜の原種の1つ。そのため、日本では栽培品種となる。

樹高は3~8mで、樹皮は黒褐色。小枝は灰褐色~紫褐色で、若い小枝は緑色をしている。

葉身は長さ4~7cmの卵状楕円形で、基部は円形で先は鋭く尖り、不規則な鋸歯がある。

葉柄は長さ0.8~1.3cmで、先に2個の蜜腺があり、無毛。

花期は2月~3月と早く、葉の展開前に散形花序に2~4個の花を付け、花序柄は長さ2~4mm。

総苞片は長さ5mm前後の楕円形で、両面に伏した長軟毛がある。

苞は褐色(まれに緑褐色)で、長さ1.5~2mmで、縁は腺のある鋸歯状である。

花は直径15~20mmで、花弁は紅紫色の倒卵状長楕円形で、先が濃色になり、凹頭。

花柄は長さ10~13mmで先がわずかに膨れ、果時に長さ15~25mmになる。

花托筒は長さ6mm前後の鐘形で、外面は無毛~まばらに長毛があり、基部はわずかに膨れる。

萼片は長さ25mm前後の長楕円形で、果時にも宿存し、先は鈍形。

オシベは40個ほどあり、普通、花柱はオシベより長くて無毛。

 

2013/3/11

花の色や咲き方、咲く時期からカンヒザクラの1種と思われます。

ヒカンザクラと呼ばれることもありますが、ヒガンザクラと紛らわしいので、最近は使われないようです。

カワズザクラ(Cerasus lannesiana cv. kawazu-zakura)  サクラ節

バラ科スモモ属サクラ亜属の耐寒性落葉広葉小高木で、在来種。

オオシマザクラ (Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992) と、

カンヒザクラ (Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)の自然交雑種の園芸品種。

樹高は8~10mで、幹は暗灰色、横長の皮目がある。

葉は互生し、長さ8~15cmの長楕円形で、先は尾状に尖り、葉は両面とも無毛。

葉縁は単鋸歯が多いが、重鋸歯が混じる場合もあり、鋸歯の先は芒状に尖る。

葉柄は長さ2cm前後で、2個の蜜腺は葉柄の上部に付く。

花期は1月下旬~3月で、徐々に咲き進み、ソメイヨシノと異なり、1ヶ月ほど楽しめる。

開花は、葉の展開前に始まるが、花期が長いので、開花中に葉の展開も始まる。

散房状に2~5個の花が付き、花序の柄は長さ20㎜ほどある。

花の直径は30~40mmで、淡紅色の5弁花。花弁の先端に切れ込みがあり、縁が濃色。

萼筒は長鐘形で、萼片は披針形。萼筒、萼片とも無毛で淡紅紫色である。

 

2013/3/5

カワズザクラは、ヒカンザクラとオオシマザクラの自然雑種で、早咲きの桜として有名です。

伊豆の河津で見つかったのが名前の由来ですが、河津には原木があり、カワズザクラの観光地としても有名です。

※ 河津のカワズザクラの原木やさくらまつりの様子は、こちらに掲載しています。

2015/3/3            2015/4/9            2015/5/8

3/3 今年もカワズザクラの開花が始まりました。ヒカンザクラと共に春の訪れを告げてくれます。

4/9 昨年は気が付かなかったのですが、カワズザクラにたくさんの果実が付いていました。

5/8 そのカワズザクラの果実ですが、5月に入ると真っ赤に熟していました。

ただ、果実の形状から分かる通り、果肉はほとんど付いていないようです。

ゴテンバザクラCerasus incisa 'Gotenba-zakura')  サクラ節

バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、在来種。

静岡県御殿場市などで、庭園樹として植栽されていたもので、マメザクラと他種の交雑品種と考えられている。

樹高は1~7mで、小さくても多くの花を付け、強剪定にも耐えるので、盆栽や生け垣にも使われる。

葉は互生し、長さ3~7cmの長楕円形で、先は尾状に尖り、縁には重鋸歯がある。葉の両面に毛がある。

花期は3月下旬~4月で、ソメイヨシノよりわずかに遅く、葉の展開と同時か少し前に開花する。

花は散形花序に1~3個付き、直径は25~35mmの淡紅色。花弁の縁は濃色となり、先は細かく切れ込む。

 

2014/4/10

多摩川への道路脇の公園で、ソメイヨシノより少し遅れて満開になったサクラがありました。

幹に、ゴテンバザクラの名板があります。淡紅色の綺麗な花が見事でした。

ヤマザクラ(Cerasus jamasakura)  サクラ節

バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、在来種。

日本では、本州の宮城、新潟以西から、四国、九州に分布する。

樹高は、15~30mで、 幹は紫褐色~暗褐色で、褐色の皮目が目立つ。

葉は互生し、長さ8~12cmの長楕円形で、先は尾状に尖る。葉の表面は無毛で、裏面は粉白色。

葉縁は単鋸歯が多いが、重鋸歯の場合もある。新葉展開時には褐色味を帯びる。

葉柄は赤味を帯び、長さ25㎜前後で、葉柄の上部に赤い蜜腺が2個付く。

花期は3月~4月で、散房状に2~5個の花が付き、花序の柄は長さ5~15㎜ある。

花の直径は25~35mmで、白色~淡紅色の5弁花。花柄は15~30mm。

萼筒は長さ6㎜前後の長鐘型で、萼片は細く、鋸歯はない。

開花と同時期に若葉を展開するのが特徴であるが、両者の展開時期には変異がある。

果実は直径8㎜前後の球形の核果で、緑色→赤色→黒紫色と熟す。

なお、ヤマザクラは変異の多い樹種で、開花時期、花付き、花色など様々な変異がある。

そのためソメイヨシノのように一気に咲くことはなく、長く楽しむことができる。

 

2014/3/28

多摩川への道路脇で、散りかけているヤマザクラが覗いていました。

ヤマザクラは、日本の野生の桜の代表的な種で、サクラの仲間では寿命が長く大木になります。

ソメイヨシノと異なり、葉芽と花が同時に展開するので、区別は容易です。

ただ、個体変異が多く、開花時期、花つき、花の色の濃淡など、様々な変異が見られるそうです。

ヤマザクラには変異が多いのですが、上記の左端は高尾山で見たヤマザクラで、葉の色がかなり赤褐色です。

中央は自宅近くで見たヤマザクラですが、葉は赤味がほとんどない緑色をしています。

多摩川の近くで見たヤマザクラとは、どちらも見た目がかなり異なると思います。

右端は、参考までに掲載した北海道で見たオオヤマザクラ(別名はベニヤマザクラ、エゾヤマザクラ)です。

ヤマザクラより花の色が濃く、花も一回り大きいのが特徴です。

ソメイヨシノ(Cerasus×yedoensis cv. Somei-yoshino)  サクラ節

バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、エドヒガンとオオシマザクラの雑種と考えられている。

江戸末期に江戸染井村の植木屋が吉野桜と名づけて売り出したものである。

ソメイヨシノは種子を付けないので、全て接ぎ木によって増やしたものである。

そのため、全国に咲くソメイヨシノも、元をたどると特定の原木にたどり着く。

それゆえに、ソメイヨシノは同じ時期にいっせいに花を咲かせ、一斉に散る。

樹高は10~15mで、幹は暗灰色、濃褐色の皮目が横に並ぶ。

葉は互生し、長さ8~12cmの広卵状楕円形で、葉の縁は重鋸歯縁で、ときに単鋸歯が混ざる。

葉の表面は無毛で、裏面は毛が散生する。葉柄は長さ2~3cmで、蜜腺は葉柄の上部か葉身の基部に付く。

花期は3月~4月で、直径4cm前後の淡紅色の花を、葉の展開前に咲かせる。花弁の先に切れ込みがある。

萼は毛が多く、萼筒は壺形。萼片は披針形で、縁には鋸歯がある。

花序柄はほとんどなく、小花柄は長さ20~25mmで、有毛。

 

2012/4/6

多摩川の河川敷にはなく、土手沿いの公園や学校の校庭で見られます。

もちろん野草ではありませんが、春の花としては代表格なので入れています。

サクラの種類はたくさんありますが、最も有名で、数が多いのは、やはりソメイヨシノでしょう。

一斉に咲くことや、葉より先に花が咲くために華やかに見えることなどが要因のようです。

2013/3/18                 2013/3/29

土手沿いにある学校のソメイヨシノですが、今年も芽を楽しませてくれました。

今年は寒さが続いた事もあり、当初、開花は遅くなるよそうでした。

それが、急に暖かくなってことで、一気に開花が進み、例年より1週間ほど早く満開となりました。

この後、4月の声を聞くとともに散り始めて、入学式は葉桜でした。

カラミザクラ(Cerasus pseudo-cerasus)  ロボペタルム節

バラ科スモモ属サクラ亜属の落葉高木で、日本では観賞用として多くの品種が作出された。

日本には、固有種、交配種を含め、おおよそ600種の品種が確認されている。

そのため、花から品種を確認するのは、特徴のあるもの以外は、困難である。

また、日本で果実を食用とする品種は、主にヨーロッパ系のセイヨウミザクラ(Prunus avium)である。

有名な佐藤錦をはじめ、ナポレオンやアメリカンチェリーがその系統となる。

一方、カラミザクラは中国原産の実が食用となる品種であるが、小ぶりで酸味が強い。

別名としてシナミザクラ(支那実桜)、中国桜桃などの名前がある。

カラミザクラは落葉小高木で、樹高は高くても10m程度である。

樹皮は灰白色で、小枝は灰褐色である。比較的枝を多く伸ばす。

葉は互生し、長さ5~12cmの長楕円形で、先が尖り、縁には鋭い重鋸歯がある。

花期は早く、3月上旬から咲き始め、数輪がまとまって付く。

花は直径は2cm程度の一重の小輪で、白~淡紅色の花弁は5個で、ほぼ平開する。

花柄は10~20㎜ほどで、萼は淡紅色で長さ5mm前後。5裂した裂片は鈍い3角形状。

オシベが長いのが特徴で、花弁と同程度か若干長めで、数十本ある。

果実は10~15mm程度で、5月には赤く熟す。

 

2012/3/11

多摩川の道路脇の民家の庭先で見かけたミザクラです。

最初に見かけと時には、早咲きなので、カワズザクラ系の品種と思っていました。

しかし、他のサクラと比較して、オシベの長さが飛びぬけて長いのが気になります。

改めて調べると、カラミザクラと分かりました。

セイヨウミザクラに取って代わられましたが、それまで食べられるのは本種のみだったようです。

2013/4/25

一ヶ月ほど経ってみると、たわわにサクランボが付いています。

ヤマザクラのような小さな果実ではなく、比較的大きくて、綺麗な色をしています。

熟すともっと赤くなるようですが、セイヨウミザクラより少し小ぶりで酸味が強いそうです。


ハナモモ(Prunus persica

<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・スモモ属・モモ亜属>

バラ科スモモ属モモ亜属の落葉性低木で、中国北部が原産地。

花を観賞するために改良されたモモで、日本で数多くの品種改良がおこなわれ、種類が多い。

改良が行われるようになったのは江戸時代で、当時改良されたものが現在でも流通している。

樹高は1~7mで、葉は互生し、長さ7~16cmの長楕円形で先が尖り、粗い鋸歯がある。

花期は3月~4月で、3~5cmの花を多数付ける。

花色には、桃色、赤色、白色、紅白咲き分けがあり、一重咲き、八重咲きがある。

また、樹形にも立木性、枝垂れ性、ほうき立ち性、矮性などがある。

 

2015/4/1

多摩川への途中の公園で、八重のハナモモが花を付けていました。

花柄が短いので、サクラと異なり枝に花が付いているように見えます。

いろいろなハナモモ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナモモには、花の色、一重、八重といった花の形、樹形の変異があります。

上記は一重咲きのハナモモと神奈川県農業総合研究所が品種改良した立性のテルテモモの品種です。