ユキノシタ科・ベンケイソウ科・マンサク科・アカネ科

ユキノシタ目

  ユキノシタ科(ヒマラヤユキノシタ)

  ベンケイソウ科(マルバマンネングサ)

  マンサク科(マンサク)

リンドウ目

  アカネ科(ヤエムグラ)


ヒマラヤユキノシタ(Bergenia stracheyi)

<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ヒマラヤユキノシタ属>

ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の常緑多年草で、ヒマラヤ山脈周辺が原産の園芸種。

高山が原産地なので、耐寒性は非常に強いが、暑さや湿気にはやや弱いところがある。

基部の葉は丸くて、茎にらせん状に付きロゼット状になる。

茎は地面を這うように伸びるが、成長は遅い。

花期は2月~4月で、花茎を伸ばしてピンクの花を房状に付ける。

2014/2/27

多摩川に行く途中の道端で、民家の軒先で花を咲かせている本種を見かけました。

小さな株なので、花数はあまり多くはありませんが、ピンクの花が印象的でした。


マルバマンネングサ(Sedum makinoi)

<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・マンネングサ属>

2013/8/14                 2014/2/26

ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、在来種。

日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。

草丈は15~25cmで、茎は紅紫色を帯び、地を這って節から発根し、分枝して先は斜上する。

葉は対生し、葉身は長さ7~10mmのさじ型で、先は鈍頭で、基部は柄状に狭まる。

花期は6月中旬~7月で、茎頂に集散花序を付け、黄色い花をまばらに付ける。

花は5数性で、直径10~12mmの黄色の5花弁で、平開する。

萼片は長さが不均一で、2mm前後の広線形。基部は合着して短い萼筒となる。

オシベは10個あり、花弁よりわずかに短く、裂開前の葯は橙赤色。

メシベは長さ3~4㎜で、子房は長さ3㎜弱。基部は合着し、花柱は長さ1mm前後で細長い。

2014/2/26

多摩川に行く途中の道端にあるマルバマンネングサの株の様子です。

夏、花後には黄緑色だった葉も色あせてはいますが残っており、その間から、若々しい新芽が顔を出していました。


マンサク(Hamamelis japonica)

<ユキノシタ目・マンサク科・マンサク亜科・マンサク属>

マンサク科マンサク属の落葉小高木で、日本の固有種。

日本の本州太平洋岸から四国、九州に分布する。

その他の北海道、東北、四国などには、亜種や変種が分布している。

葉は互生し、長さ5~11cmの菱形状卵形で、両面に星状毛が散生、波状の鋸歯がある。

花期は2月~3月で、葉の展開前に開花する。花は束状に付き、両性の黄色い花である。

花弁は長さ15mm前後の縮れたリボン状で、オシベ、仮オシベは各々4個ずつある。

メシベは2本の花柱を持つ。萼片は、暗紫色の卵形で、4個ある。

果実は直径10mm前後の蒴果で、褐色の短毛が密生し、黒光りする長楕円形の種子が2個入る。

なお、シナマンサク(Hamamelis mollis)との雑種には、多くの園芸品種が作出されている。

シナマンサクは、芳香が強く、枯葉が花の咲く春先まで残る特徴がある。

2013/2/28

マンサクの花は2月初旬頃から咲きはじめていました。

しかし、花弁が赤っぽいので枯れているのかと思ったのですが、黄色いものも咲きはじめました。

同じ木に花色の異なる花が、枝毎に咲いています。

赤い花を咲かせるのは、「アカバナマンサク」というそうですが、接ぎ木をしてあるのかもしれません。

2015/2/16             2015/2/16             2015/2/20

2/16 昨年(下記)より12日前の撮影になります。

アカバナマンサクは既に満開状態ですが、マンサクの方はまだツボミです。

2/20 4日後の写真ですが、一部のツボミがほころび始めました。

この後、下記のように開花したのは、やはり、2月末近くになってからでした。  

2014/2/28

撮影日を昨年と合わせたわけではありませんが、同じ日の撮影となりました。

よく見ていると、まず、アカバナマンサクが花を付け、それから1週間ほど遅れてマンサクが咲き始めます。

花弁の長さの違いは、咲き始めからの時間の経過による差のようです。

また、両者の花の付く枝は、根元から分かれていました。寄せ植えになっているようです。

2014/3/25

今年のマンサクの花もそろそろ終わりです。

咲きだしの早かったアカバナマンサク(左)は既に花は終わり、マンサク(右)の花もピークを過ぎました。

2015/4/9

花が終わり、果実が顔をのぞかせていますが、この頃、やっと新葉が伸び始めます。

2014/5/7

マンサクの花も終わり、葉もしっかりと展開し、萼から果実が覗き始めています。

果実といっても、まだ、萼の中に収まるほど小さいですが、これからどんどん大きくなっていきます。

2014/5/23

マンサクの大きな葉の陰で、さく果が1cm程の大きさになっていました。

熟すと2つに割れて、中なら黒光りする種子が顔を出すそうですが、何時になりますか。

2014/10/29               2014/10/29        2014/11/12

10/29 気が付くと、マンサクのさく果が割れて種子が顔を出していました。

割れ方は、2つではなく、4つに割れています。

種子も黒いですが、種子が落ちた後の殻の内側も黒々としています。

11/12 種子が裂開していく中、既に来春に咲くツボミが大きくなってきていました。


ヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)

<リンドウ目・アカネ科・ヤエムグラ属>

アカネ科ヤエムグラ属の越年草で、在来種。ただ、史前帰化植物ともいわれている。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。

海外では、東アジア、ヨーロッパ、アフリカにも分布している。

草丈は30~50cmで、茎は4稜形。稜には下向きの刺が生え、他のものに引っかかって伸びる。

葉は6~8個が輪生しているように見えるが、1対だけが本来の葉で、後は葉と同形の托葉が変化したもの。

葉は長さ1~3cmの狭倒披針形で、先端は刺状に尖り、縁と裏面の主脈には逆向きの刺がある。

なお枝先では輪生する葉の数が少なくなる。また、冬季の葉は、幅広で、光を効率よく受けられる。

花期は4月~6月で、茎先や葉腋に集散花序を付け、数個の花を付ける。

花序柄は長さ1~4cmあり、花柄は1~15mm。

花冠は4裂し、直径は1~1.5mmで黄緑色~白色。オシベは4個ある。

花冠の下に2個の半球が引っ付いた子房があり、表面には下向きに曲がった鉤状の刺が多数ある。

果実は2個の分果からなり、分果の表面には鈎状に曲がった短い突起状の毛がある。

2013/1/11

多摩川の道路脇で、ヤエムグラが横に広がって春の到来を待っていました。

葉の幅が広く、ずんぐりとしていて、別種ではないかと思えるほど印象が異なります。

2013/4/22                2013/4/25

4月になって新芽が伸び始め、花が咲き始める頃、葉が先の尖った見慣れた形に変わってきました。

それでも、基部の方には、まだ、この時期には先の丸い冬の葉が残っています。