トンボ目・イトトンボ亜目
イトトンボ上科イトトンボ科(アオモンイトトンボ)
カワトンボ上科カワトンボ科(ハグロトンボ)
トンボ目・トンボ亜目
トンボ上科トンボ科アカネ亜科(アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、コフキトンボ、ショウジョウトンボ)
トンボ上科トンボ科ウスバキトンボ亜科(ウスバキトンボ)
トンボ上科トンボ科ベニトンボ亜科(コシアキトンボ)
トンボ上科トンボ科ヨツボシトンボ亜科(シオカラトンボ)
ヤンマ上科ヤンマ科ヤンマ亜科(ギンヤンマ)
アオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)
<トンボ目・イトトンボ亜目・イトトンボ上科・イトトンボ科・イトトンボ亜科・アオモンイトトンボ属>
日本では、本州の岩手県以南から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東南アジアからアフリカに至る熱帯、亜熱帯に広く分布している。
体長は32mm前後で、出現時期は4月~9月で、平地の池や沼など、流れが無いか緩やかな水辺で見られる。
オスは、アジアイトトンボと似ているが、水色の部分が第8節と第9節の下半分にあり、区別できる。
※ アジアイトトンボのオスは、水色部分は第9節にある。
メスは、オスと同色のもの、異色型(胸部が黄褐色から緑褐色)の2種が存在する。
その異色型の未成熟成虫は、橙色をしていて、アジアイトトンボのメスと酷似している。
2014/7/28
河川敷の川縁にオオブタクサの壁が出現し、ブタクサハムシが大量発生しています。
そのブタクサハムシを撮影中、目の前をオレンジ色のイトトンボが横切り、少し離れたオオブタクサの葉に止ました。
ただ、場所が悪くて、撮影方向が限定され、レンズも105mmのため、あまりアップで撮影できませんでした。
そのため、同定しようとして、アジアイトトンボか、本種の異色型未成熟成虫かで困りました。
撮影方向が限定されたため、眼後紋は見えず、腹部第1節、第2節背面の黒色部分も怪しい写真しかありません。
不鮮明ではありますが、腹部第1節背面、第2節背面の前半分に黒色部分がないように見えます。
この点のみでの判断ですが、アオモンイトトンボのメスで、異色型の未成熟成虫としています。
ハグロトンボ(Calopteryx atrata)
<トンボ目・イトトンボ亜目・カワトンボ上科・カワトンボ科・カワトンボ亜科・アオハダトンボ属>
2012/6/13 2012/6/13 2012/7/5
日本を含め、東アジア、北米に生息している。
日本では、本州・四国・九州に生息している。
体長60mm前後、後翅長は40㎜前後ある。雌雄差は大差ないが、若干、メスの方が大きめ。
体色は、オスは全体的に黒くて緑色の金属光沢があるのに対し、メスには金属光沢がない。
飛び方にも特徴があり、パタパタとゆっくりと羽ばたくように飛ぶ。
止まる時には、翅を立てて、4枚の翅を重ねて閉じる。
エビモ、バイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息する。
羽化直後は、薄暗い所を好み、水域を離れた林内などに移動するが、成熟すると水域に戻ってくる。
6/13 川岸の草むらからパタパタとハグロトンボが現れ、刈り込まれた芝生の上に止まりました。
新潟の小川で多数のハグロトンボが群れているのを見たことはありますが、多摩川では初めて見ました。
左端の写真では金属光沢はないように見えますが、中央の横からの写真では金属光沢が確認できます。
7/5 今日は、多摩川の土手の外側でハグロトンボを見かけました。
この日は天気が良くて、金属光沢があるのが良く分かります。
ハグロトンボの性差
2009/8/30
新潟の小川で群舞していたハグロトンボを撮影したものです。
右下のハグロトンボ♂に金属光沢があるのに対して、左のハグロトンボ♀には金属光沢がなく、これが性差です。
アキアカネ(Sympetrum frequens)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属>
2012/9/26 2012/9/28
日本の固有種で、極東アジアからヨーロッパにかけては、近縁種のタイリクアキアカネが分布する。
ナツアカネと異なり、夏には平地から高地に移動し、秋に成熟して平地に戻ってくる。
体長はオスが32~46mm、メスが33~45mm、後翅長はオスが25~34mm、メスが26~34mm。
夏場の未成熟期は橙色の体色であるが、秋の深まりとともに成熟して赤い体色になる。
特にオスは赤くなるが、ナツアカネと異なり、胸や頭部までは赤くならない。
ナツアカネの数が増えたように思っていましたが、どうも、アキアカネが混じっていたようです。
ナツアカネの項で、群舞している写真がありますが、おそらく、混在しているものと思われます。
9月に入って、河原にいたナツアカネと合流したようで、数が増えたのはそのためと思われます。
1週間ほど経って、久しぶりに河川敷に行くと、アカネ属が全くいません。
よく止まっていた場所に行っても、全く姿を見かけません。
行っていない間に、子孫を残すという大役を果たし、天寿を全うしたのでしょうか。それとも移動した?
2015/10/6
散歩からの帰り道、道路脇のフェンスに赤トンボが止まっていました。
胸部の模様からアキアカネ、副性器の出っ張りが見えないのでメスです。そのため、色も橙色です。
河川敷で、ナツアカネは良く見かけるのですが、アキアカネは少ないようです。
ナツアカネとアキアカネの見分け方
成熟した個体のどこまでが赤いかなど、いろいろ異なる所はあります。
ただ、最も分かりやすい違いは、胸の3本線の中央の形(白い丸印の中)です。
ナツアカネは、先が切り落とされたように、角張っています。
一方、アキアカネは、そのまま伸びてとんがっています。
そっと近づいて横から観察するか、捕えて観察してみてください。
ナツアカネ(Sympetrum darwinianum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属>
2012/9/26 2012/10/5
日本では、北海道から四国・九州にかけて広く生息している。
日本以外では、朝鮮半島から中国中部、台湾に生息している。
アキアカネと異なり、夏も平地で見られる。
体長は33~43mmで、腹長20~28mm、後翅長23~32mmである。
夏場の未成熟期は橙色の体色であるが、秋の深まりとともに成熟して赤い体色になる。
特にオスは全体が赤くなり、まさに赤トンボの名にふさわしい色になるが、メスは腹部の上面のみ赤くなる。
9/26 多摩川の川縁で止まっているナツアカネ(メス)を見つけて撮影しました。
10/5 一段と赤みが増したナツアカネ(オス)で、胸部も赤味を帯び始めています。
2012/9/14
多摩川の川縁で群舞しているトンボの群れです。数十匹が入れ替わり立ち替わり飛んでいました。
この中には、おそらくウスバキトンボ、ナツアカネ、アキアカネ混じっているものと思います。
しかし、動きが早いのと、ちょっと遠めなので、種類までは確認できませんでした。
2012/10/5 2012/10/9
多摩川の河川敷に張られたロープで羽を休めるナツアカネ(オス)です。
胸部の模様が分かりやすい写真を選んでみました。
なお、オスは、胸から頭部にかけても赤くなりますが、メスはそこまでは赤くなりません。
2013/9/30
今年も多摩川の河川敷にナツアカネとアキアカネがたくさん飛んでいました。
胸部の模様でアキアカネとナツアカネを識別しましたが、止まっていたのはナツアカネばかりでした。
このペアは、ナツアカネのオス(左側)とメス(右側)です。
オスでは、腹部付け根はメスほど太くなく、副性器の出っ張りがよく見えています。
メスの腹部付け根は太く、白く粉をふいたようになります。
ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属>
トンボ科アカネ属のトンボで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国北部、ロシア沿海州に分布する。
体長は37~52mm、腹長は22~35mm、後翅長は25~39mmで、雌雄差はほとんどない。
アキアカネと並んでよく見られるアカネ属の普通種で、赤トンボの仲間ではもっとも大型種。
ただ、成熟してもオスの腹部背面が暗赤色に変化する程度で、メスはほとんど変わらない。
特徴は、腹部の黒い熨斗目模様に似た模様と翅先端の褐色斑だが、褐色斑は変異が大きい。
成虫は6月下旬頃から11月下旬頃まで、平地から低山地で、林地近くの開けた沼地や水田に多い。
2013/9/30
多摩川の河川敷で、川縁近くでナツアカネに交じって、少し大型のトンボを見かけました。
翅の先端の褐色斑から、ノシメトンボと分かりましたが、多摩川で見かけたのは初めてです。
なかなか止まって写真を撮らせてくれなかったのですが、なんとか数枚写真を撮れました。
写真では見づらいですが、胸部の模様が3本並行していますので、ノシメトンボです。
2015/9/16
河川敷で、ずいぶん久しぶりに見かけたノシメトンボです。
腹部に副性器の出っ張りがありませんので、メスのようです。
ノシメトンボとコノシメトンボの見分け方
<ノシメトンボ♂> <ノシメトンボ♀>
胸部の模様が分かり易いように、上記の写真の胸部を拡大したものです。
ノシメトンボとコノシメトンボの違いは、胸部の3本の黒い線で見分けられます。
ノシメトンボの胸部の3本線は並行に走っていて途中ではつながりません。
一方、コノシメトンボでは、3本線の内、後の2本が上部で逆U字型につながっています。
後の2本が上部で逆U字型につながっていませんので、ノシメトンボということになります。
コフキトンボ(Deielia phaon)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・コフキトンボ属>
日本では、北海道南部から本州、四国、九州、沖縄の一部に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布している。
シオカラトンボによく似ていて、雌雄とも成熟すると胸部や腹部が白く粉を噴く。
なお、本種のメスには、翅に褐色の帯があるオビトンボ型があり、このタイプは粉を噴かない。
シオカラトンボと比べると小さく、腹部は長さの割に幅があるのでドテッとした印象を受ける。
本種は、腹部第2~第4節までヒダがあることで、シオカラトンボと区別できる。
2013/7/25
多摩川の川縁で、枯れたギシギシに止まるシオカラトンボ(と思っていました)を見かけました。
撮影後、よく見ると、シオカラトンボと比較して腹部の幅が広く、腹端の黒色部分がありません。
それで調べ直してコフキトンボと分かりました。
※ 翅が白っぽく見えていますが、これは傷んでいるからで、本来は透明です。
コフキトンボ(体長40mm前後)は、シオカラトンボ(体長50mm前後)より小さいので、腹部が幅広く見えます。
ショウジョウトンボ(Crocothemis servilia mariannae)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・ショウジョウトンボ属>
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布する日本固有種。
なお、南西諸島に分布するものは、タイリクショウジョウトンボ(原名亜種)として区別される。
原名亜種は、台湾、中国南部からインドシナ、マレーシア、フィリピン、ボルネオ、スマトラなどに広く分布する。
羽化直後は、雌雄とも淡い黄色だが、オスは成熟すると眼まで含めて全身真っ赤になる。
メスは、くすんだ褐色になり、雌雄の区別は容易になる。
オスは、水辺の縁に縄張りを持ち、縄張りに沿って哨戒飛行をして、縄張りを守る。
なお、ショウジョウは、中国の伝説上の赤い顔をした動物「猩猩」から来てる。
2013/9/13
河川敷の土手の下で、やたらに赤いトンボが目に付きました。
アカネ属の赤色よりも鮮やかでしたので、直ぐにショウジョウトンボと分かりました。
この多摩川近隣で見かけたのは初めてですが、その赤の鮮やかさでは飛びぬけています。
2014/6/26
多摩川の土手で、セイバンモロコシの葉の上で、翅を休めているショウジョウトンボを見かけました。
この時期に、真っ赤なトンボは、非常に目を引きます。
羽化して間がないのでしょうか、まだ、赤い色が若干おとなし目です。
2013/5/27 2013/7/24
画像をチェックしていて、ウスバキトンボと思っていた中に、ショウジョウトンボのメスが混じっていました。
成熟したオスは、名前の通り真っ赤になるので、直ぐにそれと分かりますが、メスは紛らわしいです。
5/27 成熟したメスの個体は、オスと違って体色は薄黄色です。
7/24 羽化後間もないメスの個体です。複眼が濁ったような灰色なのは未成熟な証拠だそうです。
ウスバキトンボ(Pantala flavescens)
トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・ハネビロトンボ亜科・ハネビロトンボ族・ウスバキトンボ属>
トンボ科ウスバキトンボ属のトンボで、在来種。
全世界の熱帯・温帯に広く分布するトンボで、長時間、長距離飛行ができる。
オスで全長44~52 mm、腹長26~34 mm、後翅長37~42 mm、
メスで全長45~54 mm、腹長27~34 mm、後翅長37~43 mmになる。
複眼が赤く、全身が淡黄色で、腹部背面に黒い縦縞と細い横縞がある。
体の外殻は薄く軽量にできている。オスは成熟すると腹部背面の赤みが増す。
日本では、4月中旬に南西諸島や九州、四国で見られるようになる。
その後、5月頃には本州南部、6月には本州中部、7月には東北、9月には北海道で見られるようになる。
これは、本種が産卵後数日で孵化し、1ヶ月ほどで羽化と、短期間に繰り返し増殖できるためである。
また、本種は、体長の割に翅が大きく、体も華奢で軽くできており、長距離飛行に適応している。
そのためか、水辺から遠く離れて飛び回ることが多く、早く拡散する理由の1つと思われる。
しかし、南方系のトンボのため、寒さに弱く、寒さの訪れと共に見られなくなる。
2012/7/5
少し前からナツアカネ(と思っていました)が飛んでいるのですが、動きが早くて撮影できていませんでした。
しかし、今日は10匹ほどが入れ替わり立ち替わり、比較的低く飛んでいたので撮影にチャレンジ。
10分ばかり撮影にトライして、なんとか個体の識別が可能な写真が撮れました。
それを調べていて、ナツアカネではなく、ウスバキトンボと判明しました。ちょっと、意外。
本種も、成熟したオスは腹部背面が赤みを帯びることはあるそうですが、いわゆる赤トンボ(アカネ属)とは別種。
それにしても、止まることがなく、常にフワフワ、サッと移動するので、判別も、撮影するのも難しいです。
2012/7/25 2012/8/21
7/25 飛翔中のウスバキトンボが、比較的よく撮れました。胸部の模様がないのもよく分かります。
なお、腹部第二節が平板で副性器がないように見えますので、メスの個体と思われます。
8/21 珍しく草に止まっているウスバキトンボに出会いました。
目が赤いところや、胸部が透き通るように華奢な感じもよく分かります。
また、腹部第二節に膨らみ(副性器)が見られますので、この個体はオスと思われます。
メスの腹部第二節 オスの腹部第二節
メスの腹部第二節下側はツルっとした感じですが、オスには副性器があるので、出っ張りが見えます。
メスの尾毛 オスの上付属器
オスの腹部先端にある上付属器は少し湾曲して根元が細いので、メスの尾毛と見分けられます。
2012/9/26 2012/10/26
9/26 枯れ草に止まっているウスバキトンボがいました。背面の模様がよく分かると思います。
10/26 しばらく見かけませんでしたが、ウスバキトンボが草に止まっていました。
寒さに弱いウスバキトンボですので、今年はそろそろ見納めかもしれません。
2013/7/19 2013/8/19 2014/8/6
2013/7/19 腹部背面の赤みが強い個体が飛んでいました。おそらく、オスと思われます。
2013/8/19 今日は、やたらと腹部を下に折り曲げて飛ぶ、ウスバキトンボが多かったです。
腹部第二節が平板で、体色も黄褐色なので、メスと思われます。
2014/8/21 腹部を下に折り曲げて飛ぶウスバキトンボのオスを見かけました。
このポーズに何か意味があるのでしょうか?他のトンボで、このような飛び方は見たことがありません。
コシアキトンボ(Pseudothemis zonata)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・ベニトンボ亜科・コシアキトンボ属>
日本では、本州から四国・九州にかけて生息している在来種。
海外では、東南アジアから東アジアにかけて広く分布する。
地色は黒色で、腹部の上部が白く、白い部分が空いているように見える事が和名の所以。
なお、白いのは成熟したオスのみで、メスや未成熟なオスは黄色。
未成熟な成虫とオスは、生息水域上のせまい範囲を長時間、ホバリングしながら飛翔する。
2014/7/2
多摩川への道路脇の空き地を飛び回っているトンボを見かけました。
良く見ると、腹部の胸に近いところが、白っぽいので、コシアキトンボだと判断しました。
距離にして10m以内の範囲をせわしなく飛び回っていて、なかなか落ち着いてくれません。
そのため、追いかけながらピントを合わせての撮影となり、ピンぼけ写真の山となりました。
比較的ピントの合っていたのがこの2枚です。なんとか、判定には使えました。
写真で見ると、白ではなく黄色い縞模様でした。良く見るコシアキトンボとちょっと違います。
さらに調べると、メスか未成熟な個体がこのような黄色い縞模様になるようです。
シオカラトンボ(Orthetrum albistylum speciosum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・ヨツボシトンボ亜科・シオカラトンボ属>
2012/8/17 2012/8/21
日本では、北海道から四国・九州にかけて広く生息している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾、極東ロシアに分布している。
成熟すると雄は体色が黒くなり、胸から腹部の頭部側に白い粉を噴いたようになるのでこの名がある。
未成熟なオスやメスは、黄色に黒の模様が入るので、ムギワラトンボと呼ばれる。
コフキトンボよりスリムで、腹部第4節にヒダがないことで区別できる。
8/17 なかなか撮影のチャンスがなかったシオカラトンボが、河川敷ゴルフ場のロープに止まっていました。
まだ、胸部や腹部の尾部に黄色が残っていますので、未成熟なオスのようです。
8/21 多摩川の川縁で、成熟したシオカラトンボのオスに出会いました。
両者を比較するとその違いが分かると思います。
2013/7/31
河川敷の草原で、シオカラトンボのメスを見かけました。
今年は、シオカラトンボをよく見かけます。
ただ、近づくとパッと逃げてしまうので、なかなか写真を撮らせてくれません。
左の写真は、普通の状態で、右の写真は、翅を下げて警戒態勢に入っています。
この状態で、これ以上近づくと逃げます。
2013/8/12
河川敷の枯れ枝に止まる、シオカラトンボの未成熟なオスを見かけました。
上のメスの写真と比較すると、腹部がうっすらと白い粉に覆われ始めているのがよく分かります。
2013/9/11
土手下の道路を散歩中、おつながり飛行中のシオカラトンボを見かけました。
少し先の草陰にとまったので、取りあえず草陰から撮影し、もっと良い位置に移動しようとしたら逃げられました。
2015/9/16
河川敷の通路を散歩していると、シオカラトンボが飛んできたのですが、何か違和感を感じました。
近くに止まったので、撮影して拡大すると、何か獲物を抱えていることが分かりました。
どうやら、その獲物を食べていたところらしく、近づくと逃げるのですが、直ぐに止まります。
後で、拡大して確認した所、捕えた獲物はハエだったようで、頭部がなく、胸部も半分だけになっていました。
似た者同士
見かけが似ているトンボ属のトンボですが、コフキトンボ以外はヨツボシトンボ亜科シオカラトンボ属です。
コフキトンボのみアカネ亜科コフキトンボ属で、属が異なりますが見かけは良く似ています。
その大きな違いは、腹部第4節にヒダ(赤矢印)があることで、シオカラトンボ属は第3節(赤矢印)までしかありません。
オオシオカラトンボは眼が真っ黒(青矢印)で、シオヤトンボは翅の付け根が黄褐色(青矢印)なので区別できます。
ギンヤンマ(Anax parthenope julius)
<トンボ目・トンボ亜目・ヤンマ上科・ヤンマ科・ヤンマ亜科・ギンヤンマ属>
ヤンマ科ギンヤンマ属の大型のトンボで、在来種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に広く生息している。
日本に分布しているのは亜種(Anax parthenope julius)であり、東アジア全般に生息する。
基亜種は、東アジア、インド、カザフスタンまで分布している。
出現時期は4月~11月で、体長が70~80㎜の大型のトンボ。
頭部と胸部が黄緑色、腹部が黄褐色をしているが、境界部分が水色だとオス、黄緑色だとメスである。
翅は透明で、若干褐色味を帯びるが、メスの翅は褐色味が強く出る。
平地から低山地の池沼や水田などで見られ、オスは広い縄張りを持って、縄張り内を飛び回る。
2013/7/31
多摩川の河川敷で、フラフラ スッと飛び回るギンヤンマを確認しました。
この河川敷でヤンマを見かけたのは初めてです。
なかなか近づけさせてくれないのと動きが俊敏なので、カメラで追いかけるので精一杯です。
そのため、小さな画像で、ピントも甘く、なんとか色と形が分かる程度のものしか撮れませんでした。
この個体は、胸部と腹部の境界部分が水色なので、オスです。
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