ウリ科・カタバミ科

ウリ目

  ウリ科(カラスウリ)

カタバミ目

  カタバミ科(オキザリス・ボーウィー、オキザリス・レグネリー)


カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)

<ウリ目・ウリ科・アレチウリ連・カラスウリ属>

2012/11/14               2012/11/16

ウリ科カラスウリ属のつる性の多年草で、雌雄異株。

中国、日本原産の植物で、日本では本州以南に自生する。

根は、常に束状に分枝して紡錘状に太くなる。

葉は長さ6~10cmで、3~5浅裂~中裂、または単葉と変化が多い。

裂片も、先が尖ったり、丸まったりする。葉表には短毛が密生し、ビロード状である。

葉裏には白毛が密生し、白みを帯びる。

花期は8月~9月、日没後から開花し、翌朝の日の出前にはしぼんでしまうことが多い。

カラスウリの花冠は5裂(4裂、6裂することもある)して、直径5~10㎝ある。

花冠裂片は楕円形で先がすぼまり、その先が細長い糸状になる。

雄花は、1ヶ所に複数付き、数日間連続して開花するが、雌花はほぼ単独で付く。

果実は、未熟時は縦に線の入った緑色であるが、熟すと濃い橙色になる。

種子は、幅1cm前後の黒褐色で、中央に幅4~5mmの盛上った帯がある。

形はカマキリの頭部に似ていますが、打ち出の小槌にも例えられ、縁起物として財布に入れることもある。

なお、カラスウリの種子の周りの果肉は、非常に苦く、食用にはならない。

 

11/14 多摩川への道路脇の金網に絡み付いているカラスウリの果実に気が付きました。

カナムグラの陰で気がつかなかったのですが、果実が色づいて気付いたものです。

まだ、完熟前で、緑色の筋が目立っています。

11/16 果実の熟成が進み、ミドリの筋が消えて、オレンジ色が強くなっています。

残念ながら、この後、もがれてしまって後が追えませんでした。 

カラスウリの若い果実と完熟の果実

2014/9/13            2012/10/21          2013/11/16

自宅近くで見かけたカラスウリの果実です。

若い果実と完熟状態の果実ですが、完熟すると縞模様は目立たなくなります。


オキザリス・ボーウィー(Oxalis bowiei)

<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>

カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アフリカ原産の移入品。

園芸品種として販売されているが、耐寒性はやや弱いが、関東以西では越冬可能。

江戸時代に移入され、ハナカタバミの名で親しまれている。

草丈は5~30cmで、葉は3出複葉で、小葉は丸みのある倒心形で、尾毛が生えている。

花期は9月~11月で、葉の間から花茎を伸ばし、散形花序に濃紅紫色の花を付ける。

花は直径3~5cmと大きく、花芯は黄色。日当たりを好み、曇天などでは花を閉じる。

2012/9/28

公園脇の道端のちょっとした隙間から顔を出して花を付けていました。

この株も、おそらくは撤去されるときに球根が残るか、落ちたかして生き延びたのでしょう。

写真の通り、まだ、貧相な株ですが、花はしっかりと咲かせていました。

2012/11/14

多摩川の河川敷にある桜の木の根元に大きな群落を作っているのに気が付きました。

翌日、それを撮影しようと行ってみると、外遊びに来ていた幼稚園児に見事に花も葉も千切られていました。

野草(この場合は野生化した花)の宿命とはいえ、ちょっと残念でした。

それから1ヶ月程経ったのがこの写真です。花は少ないですが、葉はほぼ元通りになっていました。

さすがというか、カタバミのしぶとさには脱帽です。地植えにしたとき、除去が難しい所以です。


オキザリス・レグネリー(Oxalis regnellii)

<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>

カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アメリカ原産の移入品。

なお、オキザリス・トリアングラリス(Oxalis triangularis)とも呼ばれている。

園芸品種として販売されているが、繁殖力が強く、耐寒性も強い方である。

写真の紫色の葉のものが多いが、緑色の葉のものもある。花色は同じで、淡いピンク色。

この紫の葉のものは、「紫の舞」の名で出回っている。

草丈は20~25cmで、葉は基部から叢生し、3出複葉で小葉は長さ2.5~3cmの逆三角形。

葉の色が赤紫色のものと緑色のものがある。

条件が良ければ花は通年で咲くが、真夏と真冬は花数が減ったり、咲かなくなることがある。

葉の間から花茎を伸ばし、散形花序に5輪前後の5弁花を咲かせる。花色は白~淡赤紫色。

2012/9/5

庭先で見かけることがありますが、公園の片隅で忘れられたように花を咲かせていました。

一度植えられた後、植え替えられたときに球根が残って繁殖したのかもしれません。

夏の暑い時期には葉が枯れて元気がなくなるそうなので、ちょうど、復活の時期なのでしょう。

たくさんの葉が出ていましたが、花は数本程度でした(元々、花は少ないそうですが)。

※ 自宅では、冬には葉がほぼなくなってしまいますが、春先に葉と花茎が一斉に伸び出してきます。

このとき、花茎の方が成長が早いので、一時期だけですが、ピンクの花で覆われるときがあります。

2012/10/3

民家の庭先のプランターに植えられていたものです。

葉が緑色の品種のようですが、病気なのか葉に白っぽい不規則な斑紋が見られました。

花の色は純白に近い、白い花でした。