イネ目
イネ科イチゴツナギ亜科(カモガヤ)
イネ科キビ亜科(メヒシバ、アキノエノコログサ、エノコログサ、キンエノコロ、
ムラサキエノコロ、シマスズメノヒエ、ジュズダマ、オギ、セイバンモロコシ)
イネ科ヒゲシバ亜科(オヒシバ)
カヤツリグサ科(アオガヤツリ、カヤツリグサ、マスクサ)
カモガヤ(Dactylis glomerata)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・イチゴツナギ連・カモガヤ属>
イネ科カモガヤ属の多年草で、ユーラシア原産の帰化植物。
日本では北海道から四国、九州に広く分布している。
海外でもアフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと広範囲に移入分布する。
日本では牧草として移入され、野生化して広がった。
草丈は大きいものでは1mを超える。根茎は短く、茎は叢生して、全体に無毛で平滑。
根生葉は、長さ50cm前後で、粉白色を帯びて柔らかく、中央脈は高く隆起する。
花期は、6月~8月で、長さ20cm程の円錐形の花序を出す。
小穂は長さ10㎜程の扁平な楕円形で、毛と短い芒があり、3~6個の小花からなる。
なお、イネ科の花粉症の中でも、カモガヤはその代表格とのこと。
スギ花粉症の方の半分は、カモガヤの花粉症になると言われており、要注意植物です。
2012/7/24
多摩川の土手や草原で見かけます。
英名のオーチャードグラス(Orchardgrass)の名前でも知られた牧草です。
また、スギのシーズン後に起こる花粉症の原因としても知られています。
メヒシバ(Digitaria ciliaris)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・アンテフォラ亜連・メヒシバ属>
イネ科メヒシバ属の一年草で、世界の温帯から熱帯に広く分布する。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
草丈は30~90cmで、葉は長さ10~20㎝、広線形で葉質は柔らかい。
花期は7月~11月で、茎先に花序を出し、数本の花序枝を掌状に斜上させる。
大株になると、花序枝が2段、3段と付き、長さは5~15cmで、縁は翼状になり、微鋸歯が付く。
小穂は長さ3㎜ほどの披針形で、縁に長毛が櫛の歯のように付くものもある。
2012/8/23
多摩川に行く途中の道端でも、河原でも見かけます。
花は、茎が立ち上がり、その先に数個の穂を、最初は束になって出します。
その後、しだいに放射状に広がっていきます。
小穂がその穂の軸の下面の左右に1列ずつ付きますが、オヒシバのように密ではないので、ひょろっとしています。
2013/8/27
多摩川の土手の則面では、メヒシバの大きな群落がみられます。といっても、除草されるまでの事ではありますが。
ちょうど、メヒシバの開花している穂がありましたので、アップで撮影してみました。
この撮影の後、すっかり除草されてなくなってしまいました。
アキノエノコログサ(Setaria faberi)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属>
イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。
日本全国に分布し、朝鮮半島から中国、サハリン等に広く分布する。また、北米にも帰化している。
草丈は50~80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ30~40㎝の広線形。
花期は6月~11月と長く、穂状花序は長さ5~20㎝の円柱形で、穂が細長いと垂れる。
エノコログサに最もよく似ているが、やや毛が多く、穂が垂れることなどが外見上の相違点である。
小穂を見れば、エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、小花が隠れるのに対して、
この種では第二穎が短く、小花が半分顔を出す。小穂もエノコログサ寄り穂とまわり大きい。
2012/9/12
多摩川に向かう途中の道端にメヒシバに交じって見られます。
エノコログサとは円柱状の花穂が長く、その花穂が重そうに垂れるので区別できます。
また、花穂の小穂が種子を完全に隠している(エノコログサ)か、
はみ出している(アキノエノコログサ)かの違いもあります。
といっても、10倍くらいに拡大しないと見分けられません。
両者を比較できれば、アキノエノコログサの方が小穂がかなり大きいので、見分けられます。
2013/9/18
多摩川に向かう道路脇の学校の裏庭で、重そうに穂を垂れているアキノエノコログサを見かけました。
小学生が、大きな穂を持っているのを見かけたことがあるのですが、ここから採取したのかもしれません。
エノコログサ(Setaria viridis)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属>
イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。ネコジャラシの俗称がある。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。
海外でも、アジア、南アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカと、広範囲に分布する。
草丈は30~80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ10~20㎝の線形。
花期は6月~10月で、穂状花序の長さは3~7㎝の円柱形で、穂はほぼ直立する。
小穂を見れば、アキノエノコログサでは第二穎が短く、小花が顔を出すのに対して、
エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、小花が隠れる。また、小穂も一回り小さい。
2012/8/23
多摩川の土手や河原の草地に極普通に見られます。
緑色の円柱状の花穂をほぼ垂直に付けますが、いくぶん垂れる場合もあります(中央)。
子供の頃、猫相手に目の前で振って面白がっていたのを思い出します。
エノコログサを調べていて知ったのですが、アワ(Setaria italica Beauv.)もエノコログサの変種とのこと。
そのアワとエノコログサの雑種(オオエノコロ)もあるそうです。
エノコログサの紅葉
2016/11/11
兵庫県の瀬戸内海沿岸近くで見かけた、紅葉したエノコログサです。
最初見たとき、ムラサキエノコロかと思ったのですが、ちょっと違和感がありました。
後でいろいろ調べてみて、違いが分かりました。葉や果実は紫色ですが、芒は白いのです。
ムラサキエノコロは、芒が紫色ですが、果実は緑がかっています。
季節がら、紅葉したエノコログサと分かりました。下記のムラサキエノコロとの比較を参照ください。
なお、右端の写真には、紅葉していない緑色のエノコログサが散見されます。
エノコログサ属の穂状花序
<エノコログサ> <アキノエノコログサ> <キンエノコロ> <ムラサキエノコロ>
これら4種に関しては、芒の色や花序の形で識別できるので、分かり易いと思います。
<ムラサキエノコロ> <紅葉したエノコログサ>
ムラサキエノコロと紅葉したエノコログサは、遠目ではどちらか良く分かりません。
最初に紅葉したエノコログサを見たときには、ムラサキエノコロだと思ってしまったくらいです。
しかし、良く見るとムラサキエノコロの芒は紫色ですが、紅葉したエノコログサの芒は色抜けして白っぽいです。
また、果実の色が、ムラサキエノコロは緑がかっていますが、紅葉したエノコログサは果実が紫色です。
つまり、遠目で紫色に見えたのは果実が紫色だったためで、芒が紫色のムラサキエノコロとは異なります。
キンエノコロ(Setaria glauca)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属>
2012/8/23 2012/9/6
イネ科エノコログサ属の一年草で、在来種。
日本全国に分布し、全世的には北半球の温帯に広く分布する。
草丈は30~80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ20~30㎝の線形。
基部に長毛を生じ、表面はざらついて光沢はない。裏面は平滑で光沢がある。
花期は8月~10月で、穂状花序の長さは3~10㎝の円柱形で、穂はほぼ直立する。
小穂は長さ3~3.5mmの広卵形で、2小花からなるが第1小花は退化して護頴だけになる。
包頴は長さ2~2.5mmの広卵形で、第1包頴は3脈、第2包頴は5脈ある。
2012/8/23 多摩川の土手や河原の草地に極普通に見られます。
エノコログサとは、円柱状の花穂が細めで長く、ブラシ状の毛が金色に見える点が異なります。
あまり区別したことがないのですが、日本にはエノコログサ属が7種分布しているそうです。
2012/9/6 多摩川の土手で見られたキンエノコロの群落です。
この写真は順光ですが、逆光で撮影すると芒が金色に光ってきれいです(下記は逆光の写真です)。
2013/9/11 2013/9/17 2013/9/18
多摩川の河川敷の通路脇で見かけたキンエノコロです。
逆光気味に撮影して、黄金色に見える芒を強調してみました。
2015/9/3 2015/9/14
今年は、昨年より大きな群落が増え、多摩川の土手上の通路の両脇ではあちらこちらで見られます。
3年前に見かけた時は、小さな群落が所々に見られる程度でしたので、一気に繁殖した感じです。
ムラサキエノコロ(Setaria viridis form. misera)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属>
イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。穂の総苞毛(芒)が紫褐色。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、北半球のほとんどの地域に分布している。
草丈は30~80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ15~40㎝の線形。
花期は6月~9月で、穂状花序の長さは3~6㎝の円柱形で、穂は直立するか、多少垂れる。
コツブキンエノコロの花序が似ることがあるが、苞頴が短く、護頴の先半分が見えることで区別可能。
2012/10/27
多摩川の土手といっても、いつもの散歩コースより10kmほど上流で見かけました。
いつもの散歩コースと異なり、あまり手入れされていないようなので、自然に近い感じの場所です。
そのため、かなり植生が異なっており、散歩コースでは見られない植物が散見されます。
このムラサキエノコロもその1つで、かなりの数が群生していました。
一見して、その色合いがエノコログサとはかなり異なることが分かると思います。
シマスズメノヒエ(Paspalum dilatatum Poir.)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・スズメノヒエ属>
イネ科スズメノヒエ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本では、本州の関東以西から四国、九州に分布しており、牧草として栽培されることがある。
草丈は50~100cmで、株立ちになり、匍匐枝は出さない。
葉は互生し、葉身は長さ10〜30cmの線形で、粉緑色で草質。葉身は無毛で、葉鞘の口部には毛がある。
また、基部の葉鞘には開出した毛があり、葉舌は淡褐色を帯びて、高さ2〜4mmある。
花期は7月〜10月。花序は長さ10〜20cmで、総は3~5個が開いて直角に付く。
その基部には長毛が生えていて、総には小穂が2個ずつ対になって、合計4列になって付く。
小穂は2小花からなり、長さ3〜3.5mmの卵形で縁に白色の長い毛が生える。
葯と柱頭ともに濃紫色で、花期には黒っぽく見える。
2012/7/24
多摩川の土手や草原で見かけます。
スズメノヒエとよく似ていますが、オシベの葯が黒紫色(スズメノヒエは黄色)なので、区別は容易です。
また、小穂に毛があり、葉に毛がない(スズメノヒエは逆)事でも区別できます。
2013/7/1
多摩川への途中にある神社の境内で見かけたシマスズメノヒエです。
ちょうど開花して、たくさんの黒いオシベの葯が見えていました。
ジュズダマ(Coix lacryma-jobi)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・ジュズダマ亜連・ジュズダマ属>
イネ科ジュズダマ属の多年草で、熱帯アジア原産の帰化植物。
日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
ジュズダマの栽培品種がハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)で、総苞葉が比較的柔らかで簡単に取れる。
草丈は25~80cmで、茎は直立して叢生し、スポンジ状の髄がある。
葉は互生し、長さ20~50cmの線形で白い中脈が目立ち、葉縁はざらつき、基部は鞘になって茎を抱く。
花期は7月~10月で、花序は茎の上部の葉腋に直立して散状につき、壺形の総苞葉を多数付ける。
総苞葉は葉鞘が変化したもので、果期には黒く色づいて硬くなる(これが数珠に使われていた)。
雌性の小穂は総苞葉内に1個あり、雄性の小穂は総苞葉の上に枝分かれして総状に数個つく。
花柱は2つに分かれ、総苞葉の外に出る。オシベは3個で、葯は黄色。
2012/6/29
多摩川に行く途中の道端で見かけます。
本来、水辺に生育する植物なので、河川敷にあってもおかしくないのですが、多摩川では見かけません。
ジュズダマの花は、変わっていて、穂の先に雄花、基部に雌花があります。
その基部の丸い実のようなものが葉鞘が変化した総苞葉て、果期には硬化して黒くなる。
その玉状の実の先端から雌花のひも状の柱頭(白っぽいひも状のもの)が伸び出します。
雌花が受粉して果実になると、苞葉鞘の中で成熟し、鞘ごとポロリと落ちます。
2013/7/31
昨年の写真は、ピンボケ気味でしたので、撮り直したものです。
雄花穂のオシベの形がよく分かると思います。
雄花穂が開花する前のものでは、雌花の柱頭が先んじて伸びています。
オギ(Miscanthus sacchariflorus)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・ススキ属>
2014/8/5 2013/11/11
イネ科ススキ属の多年草で、日本全国に広く分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
オギは、ススキに似るが株を作らず、根茎で横に広がる。草丈は2mを超えることもある。
茎(稈)の断面は円形で、内部にスポンジ状の髄があり、中実になったり、中空なっlたりする。
葉は、長い物は80㎝ほどになり、線形。下部の葉は花期には無くなる。
花期は9月~10月で、穂(花序)は40㎝ほどで、ススキより大きく、ふさふさした感じになる。
小穂は、7㎜程と4㎜程の小梗が対になり、小穂自身は長さ5㎜程で、淡黄褐色で芒がない。
葯も柱頭も暗赤色で、基部に小穂の数倍の長さの銀白色の軟毛が生える。
2014/8/5
多摩川の河川敷で、川縁を覆い尽くしているオギの群落です。
秋にはオギも、右の写真のように穂を出してきますが、今は伸び盛りといったところです。
セイバンモロコシ(Sorghum halepense)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・モロコシ属>
イネ科モロコシ属の多年草で、ヨーロッパ地中海地域原産の帰化植物。
日本では本州から四国、九州に分布している。世界的には、熱帯から温帯にかけて広く分布している。
根茎、種子の両方で繁殖するため、根絶が難しい雑草である。
世界的に広く帰化してしまった畑の害草。日本で広がったのは戦後、現在では道端で普通に見られる。
太い根茎が横に広がり、茎は無毛で滑らか、硬くて光沢がある。節に短毛がある。
草丈は2mを超すものもあり、葉は長さ20~60cmで幅は1~2㎝で無毛、縁はざらつかない。
花期は、7月~10月で、茎頂に長さ20~50㎝の円錐状の花序を付け、花序枝は半輪生状に付く。
小穂は、芒のない有梗(有柄)の雄性小穂2個と、大きくて芒のある無梗の両性小穂が対になっている。
無梗の小穂は長さ5㎜ほどで苞頴に包まれ、苞頴は光沢のある革質、護頴は膜質で長さ10㎜程の芒がある。
なお、芒が無い場合もあり、ヒメモロコシ(別名ノギナシセイバンモロコシ)として変種扱いする見解もある。
霜や乾燥などのストレスによりシアン化水素を植物体内に生産する。また、硝酸塩を含む。
そのことから、日本では飼料として利用されることは、ほとんどない。
2012/7/25
多摩川の土手で大繁殖し、2m近い穂を伸ばしています。
夏前の除草後、一気に伸びて一面を覆い尽くしてしまいました。
大きいのと数が多いので、他の植物は通路脇など一部を除いてほとんど見られなくなりました。
2012/8/23 2012/9/11 2012/9/25
8/23 セイバンモロコシがさらに伸び、一面を覆い尽くしているので、見晴らしが悪いです。
9/11 9月に入って土手の除草が行われ、セイバンモロコシがなくなったため、見晴らしが戻りました。
ただ、多くが結実した後の除草のため、多くの種子が落ちて、繁殖を助長しているものと思われます。
土手にこれほどの大群落を作った原因の1つではないかと思われます。
9/25 2週間もすると、除草されて枯れ草色一色だった所に、緑の新芽が伸び始めています。
一方で、セイバンモロコシの実は、スズメ、ムクドリ、カワラバト(ドバト)にとっては天の恵みになっています。
普段では目にしないほどの数が集まり、さかんに啄んでいます。
2012/10/17
セイバンモロコシですが、よく見ると、小穂に芒(のぎ/ぼう)があるものと、ないものがあります。
左2枚の写真で、先の方から出ている髭のようなものが芒ですが、右2枚の写真では見られません。
この芒がまったくないものは、ノギナシセイバンモロコシ(ヒメモロコシ)と呼ばれます。
多摩川の土手では、両者が入り混じっていて、同じ場所に混生しています。
2013/8/21
多摩川の土手で、いまわ盛りと黄色い葯をたくさんぶら下げているセイバンモロコシの直ぐ横に、
たわわに実を付けて、垂れ下っているセイバンモロコシがありました。
2013/9/27
今年は、土手の除草のタイミングが遅く、多くの実を付けたセイバンモロコシが大量に残っています。
それが、野鳥にとって良い食料になったようです。特に小柄なスズメにとっては都合が良いようです。
たくさんのスズメが、穂に止まって盛んに啄んでいます。
場所によってはすっかり食べつくされて、左の写真のように穂の茎だけになったものが並んでいます。
オヒシバ(Eleusine indica)
<イネ目・イネ科・ヒゲシバ亜科・スズメガヤ連・オヒシバ属>
イネ科オヒシバ属の一年草で、チカラシバの別名がある。
世界の温帯から熱帯に広く分布する。
世界に数種あるが、日本では本州から四国、九州、南西諸島に本種のみが分布している。
草丈は30~60cmで、分枝して叢生し、扁平で平滑。斜上または直立して、丈夫で強い。
葉は長さ8~30cmの線形で、硬めで平滑。縁に白くて長い軟毛がある。
花期は8月~9月で、花序は掌状に2~6個の花軸に分かれ、各花軸の外側に2列に小穂を付ける。
小穂は長さ4~6mmで、4~5小花により構成される。
2012/6/29
多摩川に行く途中の道端でも、河原でも見かけます。
花は、茎が立ち上がり、その先に数個の穂を放射状に付けます。
小穂がその穂の軸の左右に1列ずつ付くので、幅広く見えます。
その小穂に数個の小花が付きますが、左上の写真は、その小花からオシベやメシベが顔を出しているところです。
アオガヤツリ(Cyperus nipponicus Franch.et.Savat.)
<イネ目・カヤツリグサ科・カヤツリグサ属>
2012/6/29 2012/7/2
カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草で、在来種。
日本では本州から四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布している。
草丈は10~25cmで、茎は叢生し、放射状に広がった株となる。
茎は細く、その断面は3角形の3稜形で、基部に少数の葉がある。
葉は茎より短いか少し長く、幅1~2mmの線形で、淡緑色で柔らかい。
花茎の先に茎より長い葉状の苞が3~4個付き、短くて細い苞が数個付く。
花期は8月~10月で、花序は苞の上に接してつき、淡緑色。花序枝があることもある。
頭状花序は直径0.5~2.5cmの球形で、頭状花序の基部にも苞葉がつくことが多い。
小穂は長さ3~8mmのやや扁平な披針形で、先が尖り、小花10~30個が2列に付く。
2012/6/29,7/2 カヤツリグサ科で、多摩川の土手や河原で見かけたのは本種のみでした。
写真は、河原の草地で、シロツメクサなどと混じって生えていたものです。
全体的につやのある緑色で、茎の断面が三角形になっているのが特徴です。
カヤツリグサのように小穂がばらけずに、まとまって球状に付く点が異なります。
2012/10/27
アオガヤツリも成熟が進み、緑色だった小穂も黄色みを帯びたり、茶褐色に変わってきました。
カヤツリグサ(Cyperus microiria)
<イネ目・カヤツリグサ科・カヤツリグサ属>
カヤツリグサ科カヤツリグサ属の1年草で、在来種。田畑や路傍に普通に見られる。
日本では、本州から四国、九州に分布する。日本以外では、朝鮮半島から中国に分布している。
草丈は30~50㎝ほどで、稈は叢生し、断面は3角形。葉は根元に付き、稈より短い。葉幅は数mm。
苞葉は5枚前後あり、葉と同形状。その内、何枚かは花序より長くなる。
花期は7月~10月で、稈は数十cmになり、細くて固い。稈の先に花序枝を複数出す。
花序は散形で、花序枝の先に黄褐色の小穂をまばらにブラシのように付ける。
小穂は長さは10mm程の線形で、20個ほどの花を付ける。鱗片は広倒卵形で長さ1.5㎜程。
2012/8/22
多摩川に行く途中の道端で見かけました。
全体的につやのある緑色で、茎の断面が三角形になっているのが特徴です。
小穂が花序枝にバラバラとばらけて付いています。
マスクサ(Carex gibba)
<イネ目・カヤツリグサ科・スゲ属・マスクサ亜属>
カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草で、日本では本州から四国、九州に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国に分布している。
スゲの仲間は湿生のものが多いが、本種は道端から山野まで、広く分布する。
花茎は春に出し、その後、夏まで咲き続ける。
小穂は、花茎の先に少し離れて付き、小穂の下には苞がある。
苞はかなり長いが、特に下の苞は花茎よりも長くなる。
小穂には、雌花の花胞が密生しており、その基部には雄花があるが、鞘に隠れてほとんど見えない。
2014/7/31
多摩川の河川敷で、除草された後に伸び出してきた本種を見つけました。
大きく伸び始めたセイバンモロコシに交じって、花茎を伸ばし、小穂をたくさん付けていました。
以前から分布していたものと思いますが、他の野草にまぎれていて見落としていたようです。
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