ハラタケ科・タバコウロコタケ科・マンネンタケ科・不明種

ハラタケ目 

  ハラタケ科(オオシロカラカサタケ)

ヒダナシタケ目

  タバコウロコタケ科(カワウソタケ)

  マンネンタケ科(オオミノコフキタケ)

  (不明3種)   (参)マンネンタケ


オオシロカラカサタケ(Chlorophyllum molybdites)

<ハラタケ目・ハラタケ科・オオシロカラカサタケ属>

オオシロカラカサタケは傘の直径が20cm程までになる中型~大型のきのこ。

幼菌時は淡褐色の表皮に包まれているが、成長すると表皮は裂けて傘の表面にササクレ状になって残る。

傘の形は幼菌時は球形で、成長につれ饅頭型に変化し、最後は平らに開く。

ヒダは、最初は白いが、成長につれ青紫色から暗褐色へと変化する。

本種は、毒キノコで、食べると嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状を呈する。

2013/7/1

多摩川に行く途中の神社の境内で、落ち葉などを集めた場所で見かけました。

かなり大きなキノコですが、見るからに毒キノコらしい風態です。

2013/8/29

久しぶりに覗くと、オオシロカラカサタケがかなり増えていました。

完全ではありませんが、フェアリーリングらしい円形の一部分を形成していました。


カワウソタケ(Inonotus mikadoi)

<ヒダナシタケ目・タバコウロコタケ科・カワウソタケ属>

子実体は1年生で、バラ科の植物(サクラ属など)に多数重なって発生する。

7月に鮮やかな狐色の子実体を形成するが、時間の経過で汚れた茶色になる。

傘は径5cm程度半円形で柄はなく、色は黄褐色で、管孔面は灰黄白色である。

2013/6/28

多摩川に行く途中の神社の境内で、サクラの木の幹にびっしり生えた本種を見つけました。

上面の鮮やかな黄褐色と下面の白のコントラストが美しいキノコですが、白く腐らせる腐朽菌です。

このサクラも、幹が腐ってボロボロになって行くのでしょう。


オオミノコフキタケ(Ganoderma austoria)

ヒダナシタケ目・マンネンタケ科・マンネンタケ属>

2013/7/10                 2013/8/19

マンネンタケ科マンネンタケ属の多年生のキノコ。

キノコ自体は灰褐色や茶褐色だが、ココアの粉状の胞子を撒き散らし、自身も覆われている事が多い。

しかし、不思議なことに胞子を吹き出す管孔面には全く付着せず、白いままである。

傘の形は半円形~腎臓形で、傘の色は淡灰色~灰褐色~暗褐色と個体差があり、同心円状の環溝がある。

子実層托は管孔状で、白色~淡黄白色。孔口は円形で4~5個/mm。管孔は擦ると茶褐色に変色する。

近年、コフキサルノコシカケと思われていたものが、実は、本種であった事が分かっている。

特に、低地で見られるものは、ほとんど本種で、コフキサルノコシカケは深山で見られるとのこと。

ただ、見かけはコフキサルノコシカケと酷似しており、外見での判別は困難で、下記の点が異なるとされる。

・断面を見ると管孔と肉質部分の境界に黒い線が入るのがオオミノコフキタケ(コフキサルノコシカケにはない)

・殻皮の厚さが3㎜以上あるのがオオミノコフキタケ(コフキサルノコシカケは3㎜以下)

・胞子の大きさの違いがあり、オオミノコフキタケは8.5μm以上ある(コフキサルノコシカケはこの半分程度)

ただし、両者の特徴を併せ持つ中間型も見つかり、上記の判別法も決め手にならないとのこと。

 

昨年見かけた所に、オオミノコフキタケが残っていました。

昨年より、胞子を大量にばらまいて、あたり一面、まるでココアパウダーをまぶしたようです。

大きさも、昨年見かけたもの(一部ははぎとられていましたが)よりも大きくなっているようです。

2015/6/29              2015/7/28             2015/8/18

6/29 昨年からあったものが新たに成長を始め、基部の黒っぽい所と先の褐色味のある所が明瞭です。

まだ、胞子の放出が行われていないので、これが本来のオオミノコフキタケの表面の色です。

7/28 1ヶ月ほどして見に行ってみると、子供のいたずらでしょうか、先の部分がへし折られていました。

しかし、元の部分が残っていたので、そこから再生を始めていました。

8/18 へし折られたとは思えないくらい成長し、木材腐朽菌の対応の難しさを如実に示しています。

2015/6/29                      2015/7/28

6/29 オオミノコフキタケの裏面は真っ白で、上面の色との対比がきれいです。

7/28 へし折られた部分から成長を始めたオオミノコフキタケの様子です。

もう少し早かったら、へし折られた断面が良く分かったと思うのですが、まだ、下部の管孔部分が見えています。

オオミノコフキタケは、この管孔部分が薄く、薄い殻皮との間の肉の部分が分厚いとされています。

前述の写真の方が分かり易いかもしれませんが、肉の部分が菅孔部分の4~5倍くらいはありそうです。


不明種

<ヒダナシタケ目・?科>

2012/5/9             2012/5/9             2012/9/6

2012/5/9 多摩川に行く途中の道端で見かけました。

実に見事な子実体で、これからの成長を楽しみにしていたのですが、数日後には消えていました。

中国や日本では、幅広い薬効があるとされているので、採取されてしまったようです。ちょっと残念。

※ この時点では、以前見かけた子実体の色や形からマンネンタケだと思っていました(下記マンネンタケ参照)。

2012/9/6 久しぶりにキノコのあった場所を通ると、大きなキノコになっていました。

子実体を取られた後、また、子実体が出てきていたようです。

それにしても見事に育ったものですが、どう見てもサルノコシカケの仲間にしか見えません。

いろいろ調べてみたのですが、特定できていません。

可能性としては、オオミノコフキタケの可能性が最も高いと思っています。

マンネンタケ(Ganoderma lucidum (Leyss. ex. Fr.) Karst)

<ヒダナシタケ目・マンネンタケ科・マンネンタケ属 >

2011/8/17               2011/10/10

マンネンタケ科マンネンタケ属の1年生のキノコ。

レイシの別名で呼ばれることも多いキノコで、表面に光沢がある事が特徴。

 

8/17 町田市の薬師池公園の片隅で、木の根元から顔を出しているキノコを見かけました。

色や形状からマンネンタケの子実体と判断しました。

10/10 2ヶ月経過しても、それほど大きくならず、この年の成長は止まったようです。


不明種

<ヒダナシタケ目・

2013/7/10

多摩川へ向かう道路脇の公園にある切り株にヒダナシタケ目と思われるキノコが出ていました。

上面には環溝はなく、シイタケの花冬菇(はなどんこ)ような模様があります。

裏面の管孔面は白色で、不規則に穴が開いているのが見えます。

この個体は、かなりの勢いで成長したらしく、直ぐ横で葉を伸ばしていたアヤメを取りこんでいました。

継続観察をと思っていたのですが、この後、アヤメの刈り込み時に除去されてしまいました。

冬になって、このキノコが生えていた個所がボロボロになっているのに気が付きました。

木材腐朽菌であったことを証明するものです。

不明種

<ヒダナシタケ目・?科

 2013/7/10

多摩川へ向かう道路脇の公園にあるサクラの木にヒダナシタケ目と思われるキノコが出ていました。

上面、下面ともわずかに褐色がかった所がありますが、全体に白っぽいキノコです。

上面に環溝は見られず、のっぺりした感じです。 裏面には管孔がびっしり並んでいます。

2013/9/27

 秋になって見て見ると、上面は濃褐色になり、下面も褐色が強くなっていました。

そのため、7月に見た時は白っぽいキノコでしたが、秋には茶褐色のキノコになっていました。

大きさ的には多少大きくはなっていましたが、遠目にはほとんど変わりません。