カモメ科・シギ科・ミヤコドリ科

 

チドリ目・カモメ亜目

 カモメ科(コアジサシ、セグロカモメ、ユリカモメ)

チドリ目・シギ亜目

 シギ科(イソシギ、タシギ)

チドリ目・チドリ亜目

 ミヤコドリ科(ミヤコドリ) 


コアジサシ(Sternula albifrons)

<チドリ目・カモメ亜目・カモメ科・アジサシ亜科・Sternula属>

チドリ目カモメ科に分類される鳥で、日本では本州以南に夏鳥として飛来し、繁殖する。

ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、アフリカからオーストラリアにかけての沿岸部で越冬する。

全長25cmほどで、ツグミやヒヨドリと同じくらいの大きさで、翼開長は50cmを超える。

夏羽は、頭が黒く、額やのど、腹部が白で、その他は淡いグレーであるが、光の当たり方で白くも見える。

くちばしは黄色で先端が黒、脚は橙色。冬にはくちばしも脚も黒くなる。

上空から魚を探し、見つけると短時間ホバリングして狙いを定め、一気にダイビングする。

日本では繁殖地の河原や砂浜などの減少で、数が減っており、国際希少野生動植物種に指定されている。

2015/5/12

5月連休前に見かけた翼と尾羽が尖った小柄な3羽の鳥、その容姿からアジサシの仲間と見当が付きました。

連休明け、写真を撮ろうと河川敷に見に行ったのですが、見当たりませんでした。

この日も、河川敷に行った所、対岸近くを飛び交うのを見かけ、遠めですが撮影しました。

比較的近くで撮影できたのが、上の2枚ですが、この写真で本種と分かりました。

2015/5/12

獲物を見つけると、尾羽を下に向けてホバリングし、そこから一気にダイブします。

右端の写真は、2羽とも見事に獲物を捕えたところです。


セグロカモメ(Larus argentatus)

<チドリ目・カモメ亜目・カモメ科・カモメ亜科・カモメ属>

2012/4/5                2012/4/10

カモメ科カモメ属の鳥で、渡り鳥。

ユーラシア大陸の中部、北部からイギリスや北アメリカ大陸北部などで繁殖する。

北方に生息する個体は、冬季には南に渡り越冬する。

日本では、全国に冬鳥として渡来し、海岸、河口、港湾などでよく見られる。

大型種のカモメで、体長は60cm、翼開長は1.5mになる。雌雄同色。

背中と翼上面は明るいグレーで、頭部、首、腹部、尾は白い。

翼の外側初列風切羽は黒く、先端に白斑がある。

くちばしは黄色く、下くちばしの先端近くに1つだけ赤い斑点がある。

 

4/5 セグロカモメの群れの中に、第2回冬羽のセグロカモメを確認(左の写真)。

成鳥とはかなり異なり、同じカモメとは思えない容姿をしています。

4/10 今日も中州で群れていましたが、その中の1羽は下くちばしの先端が赤斑が黒いです。

左の第2回冬羽の個体よりは成鳥に近い気がしますが、第3回冬羽?

2013/2/1

今年に入ってからも、毎日のようにセグロカモメが、姿を見せていました。

この日、岸辺近くを飛んでいたので、かなりアップで撮影できました。

下クチバシの赤い斑点が成鳥の印です。冬羽なので、首のまわりに褐色の斑点が出ています。

2013/3/14           2013/3/15           2014/3/31

2013/3/14 水の引ききらない中州で、魚をついばんでいたセグロカモメの幼鳥。

そこへ1羽の成長が、横取りに来ました。最初威嚇したものの、幼鳥はそそくさと退散しました。

やはり、野生の世界は、弱肉強食の世界なんだと、改めて思ったしだいです。

2013/3/15 この日も、岸辺近くを2羽のセグロカモメが飛んでいましたので、撮影しました。

このアングルだと、翼の長さが際立ち、何となく優美な姿に見えます。

2014/3/31 河岸近くを低空飛行するセグロカモメがいましたので、撮影しました。

このアングルでは、翼はそれほど長く見えませんね。

2013/12/18

多摩川の中州辺りの水面で休んでいたセグロカモメが、飛び立っていきました。

カワウが飛び立つのもたまに見かけますが、助走距離はセグロカモメの方が短いようです。

2013/12/20

多摩川の中州で、1羽のセグロカモメが急にキュゥアキュゥアと鳴き始めました。

すると1羽の幼鳥が飛んできて、近くにおりました。親が子を呼んでいたのでしょうか?

多摩川の浅くなった中州の所で、死んだコイを啄んでいるセグロカモメを見かけました。

浅瀬に乗り上げて絶命したのでしょうか。コイはかなり食い荒らされて、ほぼ、骨と皮だけのようです。

2015/3/11

セグロカモメが独り相撲を取り、勝手に敗退するという場面に出くわしました。

最初、セグロカモメが死んだコイを食べているところに、カワウが近づいて行きました。

取られまいとして、セグロカモメが威嚇します。が、カワウは委細かまわず近づきます。

カワウは、死んだ魚と確認し離れたところに、アオサギが参戦してきました。

セグロカモメは、コイを持って逃げようとしましたが、重すぎて落としてしまいました。

最後は、犬の遠吠えよろしく鳴きながら去って行きました。

他の2羽は死んだ魚は食べないので、コイには関心がないようなのに。


ユリカモメ(Chroicocephalus ridibundus)

<チドリ目・カモメ亜目・カモメ科・カモメ亜科・クロイコケファルス属

2013/4/5               2013/4/10

カモメ科クロイコケファルス属に属する鳥で、渡り鳥。

ユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖し、

冬はヨーロッパ、アフリカ、インド、東南アジアへ南下し越冬する。

日本では、冬鳥として北海道から南西諸島まで広範囲に渡来する。

体長は40cmほどで、翼開長は90cm強、脚とクチバシは赤色。

夏羽では頭部が黒褐色なり、冬羽では頭部は白くなり、目の後ろに黒い斑がある。

 

散歩コースの多摩川では、12月から1月くらいまでは、ユリカモメが多く、

たまにセグロカモメが混じる程度でしたが、2月頃から減り始め、4月になると個体数が逆転しました。

4月も後半になると、セグロカモメの群れに数羽交じる程度まで減りました。

 

2012/4/5 久しぶりにユリカモメが10羽程度の群れで休んでいました。

冬羽の個体と夏羽に変わりつつある個体がいました。

2012/4/10 今日は、ユリカモメが1羽だけ、セグロカモメに交じっていました。冬羽と夏羽が混じっています。

 

※ 後ろのセグロカモメは第2回冬羽の個体と、成鳥の個体で、成鳥の足元にはコイの死骸があります。

 

2012/1/? ユリカモメの大群が飛来

前日に大雨が降り、散歩時間のお昼になってやっと降りやんだ状態でした。

いつものように散歩に出ましたが、河原に着くと中州といわず、川面といわず、

無数のカモメに埋め尽くされていました(残念ながらカメラを持たなかったので写真はありません)。

近づくと全てユリカモメでした。おそらく、千羽くらいは居たのではないでしょうか。

広い中州が白く見えるほど居るのに、川面では数十メートル流されては、

飛んで上流に着水して給餌するという行動を繰り返していました。

盛んに川面を流れる何かをせっせと啄んでいましたが、それが何なのかは分かりませんでした。

 

2012/11/29

カワウの大群から少し離れた所で、ユリカモメが小さな群れをつくっていました。

ちなみに、上を飛んでいるのはセグロカモメです。

帰ろうとすると、何羽かのユリカモメが河原の上空を飛び回り始めました。

何かを追いかけているようにも見えますが、何も見えませんでした。

何ショットか、近距離で飛翔している所を撮りましたが、ブレずに撮れたのはこの1枚のみでした。

2012/11/30

今日、100羽ほどのユリカモメが群れで飛んでいるところに出くわしました。

久しぶりに見る大きな群れで、これほどの高度で飛翔しているのを見るのは、多摩川では初めてです。

2013/11/7              2013/11/8

11/7 今年も多摩川の中州で、ユリカモメが見られるようになってきました。

セグロカモメと混じっていることが多いのですが、大きさが違うので見分けられます。

11/8 川縁近くを飛んでいるユリカモメがいたので、撮影しました。

冬羽の特徴である、白い頭部と、目の後ろにある黒い斑紋がよく見えています。

2014/4/16              2014/4/17

多摩川で夏羽のユリカモメを初めて確認しました。

まだ、冬羽の個体もいますので、ちょうど、衣替えの時期のようです。

頭部が黒くなるのは知っていましたが、同じ種類とは思えないほどの変容です。

 

※ 九州地方には、ズグロカモメという同じように頭部が黒くなる、カモメがいます。

ただ、サイズが一回り小さく、クチバシが短い(ユリカモメの半分ほど)ことで区別できます。

また、九州地方以外ではズグロカモメは稀で、河川敷でも稀(干潟のカニが主食のため海岸に多い)です。


イソシギ(Actitis hypoleucos)

<チドリ目・シギ亜目・シギ科・イソシギ属>

シギ科イソシギ属に属する鳥で、渡り鳥。

夏季にユーラシア大陸の温帯域、亜寒帯域で繁殖し、

冬季はアフリカ大陸やオーストラリア大陸、ユーラシア大陸南部などへ南下し越冬する。

日本では、夏鳥として北海道から本州、四国、九州に渡来し繁殖する。

なお、本州中部以南では、越冬する個体もかなりいて、周年見られる。

体長は20cmほどで、翼開長は40cmほど。

体上面は灰褐色で、羽毛の軸に沿った斑紋は黒い。

体下面は白く、胸部側面に羽角にかけて白い部分が切れ込む。

クチバシの基部からの過眼線は暗褐色で、その上に白い眉斑がある。

風切羽上面には白い斑紋があり、飛翔時に白い帯に見える。

2013/3/13

昨年見かけたタシギが、今年も姿を見せたと思ったのですが、翅の模様が違います。

調べてみると、おなかの白い部分が肩まで回り込んでおり、イソシギと分かりました。

頭頂からの上面は褐色で、うっすら模様が見えますが、解像度が悪いのではっきりしません。

褐色の過眼線があり、白いアイリングが見えますが、白い眉斑ははっきりしません。

もう少し近づけると良かったのですが、近づくと直ぐに逃げてしまうので、この辺が限界でした。

2013/11/6

多摩川の川縁に近づいた時、足元から飛び立った鳥がいました。

とっさに、持っていたカメラで追いかけ撮りしたのですが、なんとか2枚撮れていました。

その羽の模様や尾羽の特徴から、イソシギと分かりました。

2015/3/6

久しぶりにイソシギが姿を見せ、岸辺をうろついていました。

手前の草が邪魔なので、場所を移動しようとしたとき、逃げられました。


タシギ(Gallinago gallinago)

<チドリ目・シギ亜目・シギ科・タシギ属>

シギ科タシギ属に属する鳥で、渡り鳥。

日本も含め、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸、アフリカ大陸と広範囲に分布している。

日本では、春と秋に渡りの途中に飛来する。

体長は27cmほどで、翼開長は43cm。雌雄同色。

頭部、胸部、背面は、褐色に黒と白が混ざった様な羽毛で覆われ、これが保護色になる。

腹部は白く、次列風切羽の先端部の羽毛も白い。クチバシはまっすぐで長い。

2012/4/13

オオバンの撮影ポイントに近づいたとき、

草むらから角ばった茶色い鳥が飛び立ち、少し離れた草陰に降りました。

そっと近づき、鳥と目が合った瞬間にまた飛び立たれたので、追っかけで撮影したのがこの写真です。

映りは良くないですが、風切り羽の外縁が白く見えるので、タシギと判断しました。


ミヤコドリ(Haematopus ostralegus)

<チドリ目・チドリ亜目・ミヤコドリ科・ミヤコドリ属>

ミヤコドリ科ミヤコドリ属に属する鳥で、渡り鳥。

繁殖地は北欧、中央アジア、沿海州、カムチャツカ半島など。

西欧、アフリカ西岸、中東、中国南部、日本にかけての海岸で越冬する。

日本では、主に九州に冬鳥として渡来していたが、最近は東京湾でも観測される。

体長は45cmほどで、クチバシと脚は赤く、体上面は黒い。

胸から腹部、翼に白い部分がある。

2012/11/29

カワウの大群がいたので、写真を撮ろうと川縁に近づくと、1羽の鳥が飛び立ちました。

とっさのことだったのですが、カメラを構えていたので、追っかけで撮ったのがこの写真です。

飛翔の姿からシギの仲間と推測しましたが、体色や羽の白い模様が異なります。

小さいのと遠いのとで、模様などは判然としません。そのため、同定できないでいました。

他の野鳥を調べていて、偶然、ミヤコドリと気付きました。

小さいので、クチバシの色とかは確認できませんが、体色や模様から判断しました。