アヤメ科・キジカクシ科・キンバイザサ科

キジカクシ目

  アヤメ科(アヤメ、イチハツ、シャガ、ジャーマンアイリス、ダッチアイリス、ニオイイリス、

      ニワゼキショウ、オオニワゼキショウ、ヒメヒオウギ 、ダッチ・クロッカス)

  キジカクシ科(ヒヤシンス、ムスカリ、シマツルボ)

  キンバイザサ科(アッツザクラ)


アヤメ(Iris sanguinea)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

アヤメ科アヤメ属の多年草で、やや乾燥したところを好む。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国東北部、シベリアにかけて分布する。

根茎は横向きに多数分枝して増え、4月頃に地下の根茎から新芽を出す。

葉は直立して、高さは40~60cm、花茎は分枝しないで直立し、高さは30~60cmになる。

花期は5月~6月で、花茎の先に数輪付き、直径8㎝ほどの青紫色の花を咲かせる。

大きな3個の外花被片は垂れ下がり、基部に網目模様と黄斑がある。和名はこの模様に由来するとの説がある。

3個の内花被片は細長く、直立している。花は1日花である。

 

2012/5/9

アヤメ(菖蒲)、カキツバタ(杜若)、ハナショウブ(花菖蒲)は見分けにくいので有名です。

この中で、アヤメのみ乾燥した水はけのよいところを好みます。

カキツバタは湿地に、ハナショウブは水辺などの湿った所を好みます。

また、外花被片に網目模様があるのがアヤメで、

他のものには模様はなく、基部が黄色いのがハナショウブ、白いのがカキツバタです。

ちなみに、ショウブ(菖蒲)は、葉は似ていますがサトイモ科で、花はガマの穂のような形です。

漢字で書くと、アヤメもショウブも同じなので、ややこしい限りです。


2013/5/7         2013/5/7            2013/5/14

5/7 今年もアヤメが、多摩川への途中にある公園で、花を咲かせ始めました。

和名の由来でもある外花被片の網目模様(文目)を拡大してみました。

5/14 1週間ほどで満開に近い状態になりました。


イチハツ(Iris tectorum)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

アヤメ科アヤメ属の多年草で、中国原産。シャガ同様かなり古い時代に日本に入ってきた帰化植物。

アヤメの仲間では咲きだすのが最も早く、それが名前「一初」になっている。

葉は、幅3cmほど、長さ30~60cmの剣型で、縁は全縁。アヤメより太短い。

花期は5月で、高さ50cm程の花茎を立ち上げ、分枝して数個の花を付ける。

花は直径10㎝ほどの青紫色で、倒卵形の外花被片、少し小さいへら型の内花被片は各々3個で、平開する。

外花被片には、濃紫色の班が散在し、基部から中央に向かって白い突起がある。

オシベは3個で、メシベの花柱は3裂する。

 

2012/4/30

多摩川への行く途中の民家の庭先に咲いていました。

白色に近い薄紫のシャガに対して、紫色の一初の花は大きめのこともあり、目立ちます。


シャガ(Iris japonica)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

アヤメ科アヤメ属の多年草で、中国原産であるが、かなり古い時代に日本に入ってきた帰化植物。

アヤメの仲間では咲きだすのが早い方で、アヤメやハナショウブより早く咲きだす。

日本では本州から四国、九州に分布するが、結実しないので、人為的に植栽されたものと思われる。

根茎は短く横に這い、群落を形成する。葉は光沢のある緑色で、長さ40~60cmほどの剣型の単面葉。

花期は4月~5月で、長さ30~60cm程の花茎を立ち上げ、先で分枝して淡紫色の花を付ける。

花は直径5cm程で、倒卵形の外花被片、少し小さいへら型の内花被片は各々3個で、平開する。

外花被片には中央に橙色の斑と鶏冠状の突起、それを囲むような青色の斑があり、縁は細かく切れ込む。

内花被片の先は、浅く2裂する。オシベは3個、メシベの花柱の陰に隠れている。

メシベの花柱の裂片は先が2裂し、さらに細かく裂けて、中央に立ち上がっているので花弁のように見える。

花は1日花で、開花翌日にはしぼんでしまう。日本のシャガは三倍体のため結実することはない。

 

2012/4/24

多摩川への行く途中の民家の庭先に咲いていました。

アヤメの仲間では咲きだすのが早く、庭に植えられていることが多いです。

ただ、林の中で野生化し、群落を作っているのを見たことがあります。


ジャーマンアイリス(Iris germanica)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

2013/4/19            2013/4/26              2013/4/26

2014/5/7               2014/5/7            2014/5/13

アヤメ科アヤメ属の多年草で、園芸用に品種改良された。そのため、野生のものは存在しない。

1800年代にドイツ、フランスで品種改良され、その後、アメリカで改良が進められた。

現在、非常に多くの品種が離、花色も豊富である。別名のドイツアヤメで呼ばれることもある。

草丈は60~120cmになり、根茎はよく分枝して、淡褐色。直径は12~20mm。

根茎は分枝して扇状に広がり、節が根茎の周りに輪状に付く。

葉は互生して重なり合うよう根本からに出て、長さ30~45cmの幅広で筋はなく扁平である。

花期は4月~5月で、直径20cm前後の花は、豊富な花色があり、青色、褐色、黄色、白色など多彩。

茎は粉白色を帯びた緑色で、長さ60~120cmで2~3分枝する。

茎先の花序に1~2個の花を付け、苞は長さ2~5cmで緑色。草質で、縁や先は薄膜質。

花筒は長さ10~25㎜で、内花被片は直立して、長さ5~7cmの倒卵形。外花被片と交互に付く。

外花被片は広がって垂れ下がり、長さは7cm前後で、中肋に沿って黄色~白色のひげがある。

 

多摩川への行く途中の公園で、いろいろな種類のジャーマンアイリスを見かけました。

かなり色鮮やかで、大型の花なので、非常に目立ちます。


ダッチアイリス(Iris × hollandica)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

アヤメ科アヤメ属の多年草で、園芸用に品種改良された。そのため、野生のものは存在しない。

1800年代後期にスパニッシュアイリスにいろいろな種を掛け合わせて作出された園芸品種。

別名のオランダアヤメ、アイリス、球根アイリスで呼ばれることもある。

草丈は50~75cmで、球根は直径8~12cmの卵球形で外皮膜は褐色。

葉は、基部が鞘状で細長い披針形で、長さ70~90cmになり、8~11個付く。

花期は4月~6月で、高さ50~75cmの花茎を立ち上げ、数個の花を付ける。

花は直径11~16cmで、花色は青色、紫色、黄色、茶色、白色など多彩。

 

2013/4/26

ジャーマンアイリスと比較すると、小振りで、すっきりして気品があります。

別名の球根アイリスの名が示すように、球根で増やせます。

2014/5/20

多摩川への途中の公園で、エンジ色のアヤメ属の花を見かけました。

花の特徴からダッチアイリスとしましたが、確信はありません。園芸品種は同定が難しいです。

2015/4/22             2015/4/22             2015/5/8

ダッチアイリスも、いろいろな花色のものが作出されています。

ジャーマンアイリスと比べると、色の変化はおとなしい感じがします。


ニオイイリス(Iris florentina)

<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・アヤメ連・アヤメ属>

アヤメ科アヤメ属の多年草で、地中海沿岸原産である。

ドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)の変種で、太い根茎がある。

その根茎から香料を取るために移入されたが、観賞用にも植栽されている。

なお、「白花のイチハツ」の名前で販売されていることがあるが、葉の形状が異なる。

草丈は60~120cmで、根茎はよく分枝して扇状に広がり、直径は12~20mm。

葉は互生して重なり合うよう根本からに出て、長さ30~45cmの幅広で筋はなく扁平である。

花期は4月~5月で、茎の先に白いアヤメのような直径20cm前後の花を数個咲かせる。

茎は粉白色を帯びた緑色で、長さ60~120cmで2~3分枝する。

苞は長さ2~5cmで緑色。草質で、縁や先は薄膜質。花筒は長さ10~25㎜。

3個の内花被片は直立して、長さ5~7cmの倒卵形。外花被片と交互に付く。

3個の外花被片は長さは7cm前後で、垂れ下がって中肋に沿ってブラシ状の突起がある。

 

2012/4/24

多摩川への行く途中の公園の片隅に咲いていました。

ジャーマンアイリスには色鮮やかな物が多い中、純白の変種で花も大きめなので、かなりインパクトがあります。

香水の原料としては、ムラサキイリス、ニオイイリス、シボリイリスの根茎が利用されるそうです。

その中でも、シボリイリスが多く利用され、天然物は高級香水にのみ使用されているそう。


ニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum)

キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・ニワゼキショウ連・ニワゼキショウ属

2012/5/8                2012/5/10

アヤメ科ニワゼキショウ属の1年草。北米が原産地の帰化植物。

日本では全国の痩せ地に普通に見られる。芝生や草地などに群生する。高さ10~20cmになる。

茎は扁平でごく狭い翼がある。葉は幅2~3mm。茎の先に細い花柄をだし、小さな花を次々に開く。

花期は5月~6月で、直径15mm程の小さな花を咲かせる。

花弁は内花被片、外花被片各々3枚からなり、両者の長さは変わらないが、内花被片はやや細い。

花色は白のものと赤紫のものがあり、中央部はどちらも黄色である。

花は、受精すると、一日でしぼんでしまう。

蒴果は直径3㎜前後の球形で、紫色を帯びた黄褐色。

 

5/8 河川敷の草むらでも、あちこちで咲いているのを見かけるようになりました。

見かけるのは、花色が赤紫のものばかりですが、白色のものもあるようです。

ただ、どちらの花色でも、中央部は黄色です。

5/10 花色が、青味がかったものを見かけました。

青味がかったものは、オオニワゼキショウとの雑種だそうです。

2012/5/16                 2013/5/7

2012/5/16 河川敷で、まとまって咲いている一角を見つけました。

これくらいまとまっていると、かなり目立ちますね。

2013/5/7 今年も、ニワゼキショウがあちらこちらではなをつけはじめました。

周りに他の野草がない空き地で、数株、ニワゼキショウが咲いていました。

花の形からはアヤメ科とは思えませんが、この葉の形を見れば納得できます。

2015/5/19

河川敷のニワゼキショウですが、さいている所は極限られた場所だけです。

その花が今年も咲いていました。株としては以前よりは大きくなっているようです。


オオニワゼキショウ(Sisyrinchium iridifolium var. laxum)

キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・ニワゼキショウ連・ニワゼキショウ属

2013/5/9                2012/5/22

アヤメ科ニワゼキショウ属の1年草。北米が原産地の帰化植物。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布する。

ニワゼキショウと同じような環境に普通に見られるため、両種が混生していることがある。

草丈は20~30cmとニワゼキショウより大きいが、花は逆に小さく、さく果は大きい。

茎は基部で枝分かれし、扁平でごく狭い翼がある。幅は3㎜前後。

葉は幅4mmほどで、茎を抱き、茎に沿って直立する。茎の先に細い花柄をだし、小さな花を次々に開く。

花期は5月~6月で、直径10mm程の小さな花を咲かせる。

花弁は内花被片、外花被片各々3枚からなり、内花被片はやや短く細い。

蒴果は直径5㎜前後の球形で、紫色を帯びた黄褐色。

 

多摩川への道路脇の木陰でオオニワゼキショウが小さな花を付けていました。

花は、淡青色でニワゼキショウより小さく、果実は直径約5mmとニワゼキショウより大きいです。

なお、ニワゼキショウと異なり、内花被片とが外花被片の大きさが異なります。

2012/5/10

オオニワゼキショウの株はかなり大きいですが、花が小さめなので遠目では目立ちません。

そのため、昨年は完全に見落としていました。

ニワゼキショウとオオニワゼキショウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニワゼキショウ         オオニワゼキショウ

上段は、ほぼ同拡大のニワゼキショウとオオニワゼキショウの花と果実の比較です。

花色の違いもありますが、内外花被片の大きさの差異の違いや、果実との相対的な差が分かります。

下段は、同じ場所で混生していたニワゼキショウとオオニワゼキショウです。

上の花の大きさの差異をこの写真で納得いただけると思います。

中段は、各々の花を横から見たものですが、花の基部の形状や子房の大きさに違いが見られます。

基部の形状は、ニワゼキショウが円柱状なのに対して、オオニワゼキショウは丸く膨らみます。

また、下部の子房は、オオニワゼキショウが丸みがあって大きいのに対して、ニワゼキショウは小さいです。

この子房の大きさの違いが、果実になった時の大きさの違いとなって現れます。


ヒメヒオウギ(Freesia laxa)

キジカクシ目・アヤメ科・クロッカス亜科フリージア連・フリージア属

2013/5/9                2012/5/8

アヤメ科・フリージア属の多年草。南アフリカ原産の園芸品種。

かつて、ラぺルージア(Lapeirousia)属やアノマテカ(Anomatheca)属に分類されたこともある。

そのため、学名も下記のようにいろいろあり、その歴史を物語っているよう。

Anomatheca laxa

Anomatheca cruenta

Lapeirousia laxa

Lapeirousia cruenta

半耐寒性で、関東辺りでは場所によっては路地での越冬は難しいようである。

草丈は10~30cmで、地際から長さ10~30cmで線形の細長い葉を出します。

花期は4月~5月で、葉の間から細い花茎を出し、穂状花序に4~5輪の花を付ける。

1つの花は3~4日見られ、数個ずつ順次開花する。

花は直径25mm前後の6弁花で、下側の3個には濃色の斑紋がある。

花色は、紅色、ピンク、白、複色などがあり、斑紋の淡い品種もある。

果実は蒴果で、6月頃に熟す。乾燥すると先が縦に裂開して、種子を散布する。

種子は直径2mm前後のあずき色で、1つの蒴果に3~7個入っている。

夏期は地上部が枯れて休眠に入り、秋に球根を植え付けて春に花を楽しむ秋植え球根である。

 

多摩川への道路脇の民家の庭先でたくさん咲いていました。

花の表面にクラチラ層があり、日光に反射してキラキラと光っていました。

花の元の部分は筒状で、その先端が6枚の花弁に分かれ、下の3枚に濃い斑紋が入ります。

2012/5/10

歩道脇の割れ目に生え、きれいな花を咲かせているヒメヒオウギを見かけました。

おそらく、種子が割れ目に入り、そこで育ったものと思われます。

昨年も同じ所で見かけたので、ここ川崎では冬越ししているようです。

2013/5/16                2012/5/17

別の場所で、白花のヒメヒオウギをみかけました。

赤もきれいですが、白も清楚で良いですね。

2013/5/23

これは、歩道脇の割れ目に生えていたヒメヒオウギに出来た果実です。

この果実の中に数個の種子が入っています。

この後、葉も果実も茶色く枯れてしまいました。休眠期に入ったようです。

この種子を採取できたので、今秋に蒔いてみようと思います。

早ければ、翌春には花が咲くこともあるようですが、咲かなくても球根はできます。

本来は、球根植物なので、球根ができれば、秋に植え付けて翌春に花を楽しめます。


ダッチ・クロッカス(Crocus vernus

<キジカクシ目・アヤメ科・サフラン亜科・サフラン属・サフラン亜属・サフラン節・ハナサフラン列

2012/3/16               2014/2/26

 アヤメ科クロッカス属の多年草で、ヨーロッパ南部の地中海沿岸~小アジアが原産地。

日本には、園芸品種として移入され、庭などで栽培されているものがほとんどである。

草丈は5~10cmで、球茎から線状の葉を出し、同時に葉の間から花茎を立ち上げてくる。

葉には縦方向に白い溝が走り、付け根は膜質の鞘になっており、開花時の長さは花と同じくらいである。

花後、葉が一気に伸びて茂り、栄養を球茎に蓄える。その後、葉は枯れて、休眠に入る。

開花期は一般には2月~4月であるが、10月中旬~11月中旬に咲く秋咲き種もある。

花冠の基部は筒状で先が6裂して、好天で気温が高くなると平開するが、温度が下がると閉じる。

花の直径は4~5cmで、オシベは3個、メシベの花柱は糸状でながく、柱頭は3裂する。

 

2012/3/16 多摩川に行く途中の公園で見かけました。

何もない所に一株だけ、忘れられたように花を咲かせていました。

2014/2/26 公園脇で見かけたダッチクロッカスです。

葉が細いので、濃い黄色の花がまぶしいほどに目立ちます。

この品種は、イエロー・マンモス(Crocus flavus ‘Yellow Mammoth’)だと思います。

明るいオレンジ色や黄色い花を咲かせるC・フラバスの交配種で、2月~3月に開花する春咲き種です。


ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)

キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ヒアシンス連・ヒアシンス属

キジカクシ科ヒアシンス属の多年草(球根植物)で、地中海東部沿岸からイラン、トルクメニスタン付近が原産地。

日本には、園芸品種として移入され、庭などで栽培されているものがほとんどである。

草丈は20㎝ほどで、葉は広線形で、長さは10~15㎝ほど。

花期は3月~4月で、花茎を1本(複数本出すものもある)出し、総状花序に多数の花を付ける。

野生種では花色は青紫色であるが、園芸品種では白、黄、ピンク、赤など多彩である。

 

2013/3/18

多摩川に行く途中の神社の境内の端で見かけました。

花壇として植えられていたのかもしれませんが、手入れはされていないようでした。


ムスカリ(Muscari)

キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ヒアシンス連・ムスカリ属

2013/3/21            2013/3/12   .

キジカクシ科ムスカリ属の多年草(球根植物)で、南アフリカ共和国ドラケンスバーグ山脈周辺の高原が原産地。

日本には、園芸品種として移入され、庭などで栽培されることが多い。

草丈は15~20㎝ほどで、葉は長さ10~15㎝程の線形。

花期は3月~5月で、ブドウ房のように卵状壺形の青色の花を付ける。

近年、人気品種となって、各地の公園などに植栽され、逸出して野生化したものが見かけられる。

良く見かけられる品種は、比較的大柄なアルメニアカム(Muscari armeniacum)、

小型のアウケリ(Muscari aucheri)、ネグレクタム(Muscari neglectum)などです。

 

多摩川に行く途中の神社の境内、その縁石の近くで見かけました。

近くに花壇らしきものがあるので、そこに植えられていたのかもしれません。


シマツルボ(Ledebouria cooperi)

キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・レデボウリア属

キジカクシ科レデボウリア属の多年草。原産地はアフリカ南部。

学名のレデボウリア・クーペりと記されている場合もある。

草丈は15cmくらいまでになり、線形の葉に赤褐色の縦縞が入るのが特徴。

花期は4月~6月で、総状花序を出し、紅紫色の花を多数付ける。花弁は6枚。

スキラ属に分類されていたこともあるが、現在はレデボウリア属。

そのため、「スキラ・クーペリ(Scilla cooperi)」と表記されていることもある。

なお、縦縞ではなく、豹紋柄のソシアリスという種類もある。

 

2016/4/25

以前から、縦縞のある葉だけが出ているのが気になっていました。

その葉の根元に花が咲いているのに気が付き、調べることができました。

その結果、シマツルボという和名は直ぐに分かったのですが、学名がいろいろです。

その後、調べて行く内、スキラ属からレデボウリア属に変わったことが分かりました。

そのため、学名は"Ledebouria cooperi"としています。


アッツザクラ(Rhodohypoxis baurii)

<キジカクシ目・キンバイザサ科アッツザクラ属

キンバイザサ科アッツザクラ属の多年草(球根植物)。

南アフリカ共和国ドラケンスバーグ山脈周辺の高原が原産地。

日本には、園芸品種として移入され、庭などで栽培されているものがほとんどである。

草丈は5~15cmで、直径1cmほどの球茎を持ち、長さ7~9cmの披針形の葉を叢生する。

葉には白い軟毛があり、そのため灰緑色に見える。冬には地上部は枯れる。

花期は5月~6月で、葉腋から毛の多い花序柄を次々と立ち上げ、先に直径2~3cmの花を付ける。

花冠は外花被片3個と内花被片3個からなり、外花被片の外側には毛がある。

内花被片は基部で折れ曲がって筒部をふさぐようにピタリと接しており、筒部の中は見えない。

短い筒部の奥にオシベとメシベがあり、ハチなどが止まると開いて、内部に誘い込む。

なお、花色には白、ピンク、赤紫色などがある。

果実は蒴果で、種子は小さくて黒い。熟すと果実の上部が落下して、種子が散布される。

 

2012/3/30

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

近くの民家の庭にも植わっているので、外に逃げ出して花を咲かせたようです。

濃いピンクの花なので、よく目立ちます。なお、オシベやメシベは見えません。