シソ目
ハエドクソウ科(トキワハゼ)
ハマウツボ科(ヤセウツボ)
モクセイ科(ネズミモチ、トウネズミモチ、オリーブ、ウンナンオウバイ、キソケイ、シナレンギョウ)
ショウブ目
ショウブ科(セキショウ)
セリ目
トベラ科(トベラ)
トキワハゼ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>
2012/5/10 2013/4/8 2016/4/8
ハエドクソウ科サギゴケ属の1年草。日本各地の畑や道端に分布する。
やや乾いた所を好み、匐枝は出さない。草丈は5~15㎝になる。
根元の葉は卵形で数cmあるが、上部の茎葉は小さい。
花期は4月~11月と長く、上唇は紫色で先が白くなり、小さく2裂する。
下唇は白~淡紫色で、黄褐色の不規則な斑紋がある。萼は5裂し、花後も果実を包んで残る。
花柄や萼には腺毛が多く、萼片の内側や花冠にも腺毛がある。
果実はやや扁平な球形で、熟すと先が2つに割れる。
薄紫のきれいな花ですが、小さな花なので、単独で咲いているときはほとんど目立ちません。
なかなか拡大に耐える写真が撮れていなかったのですが、やっと撮れました。
2012/4/12 2016/4/8
コンクリートの隙間など、わずかな土がある所でも育っています。
ただ、ポツリポツリと咲いているので、よほど気を付けていないと見落とします。
トキワハゼとムラサキサギゴケ
<トキワハゼ> <ムラサキサギゴケ>
トキワハゼとムラサキサギゴケの花はよく似ていますが、ムラサキサギゴケの方が倍くらいの大きさです。
また、横方向から見ると花の基部にある筒状部の長さも倍くらいの差があります。
下唇の色は、トキワハゼの方はかなり白いですが、ムラサキサギゴケは薄紫です。
なお、ムラサキサギゴケには白花のサギゴケがあり、こちらは全体が真っ白です。
ヤセウツボ(Orobanche minor)
<シソ目・ハマウツボ科・ハマウツボ属>
ゴマノハグサ科ハマウツボ属の寄生植物で、地中海沿岸が原産地の1年草。
日本では、本州と四国に分布し、要注意外来生物に指定されている。
日本以外でも、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカに広く移入分布する。
寄生植物であり、発芽後に宿主の根に付いて根茎状の節を伸ばす。
普通、冠根に覆われる。発芽の数週間後に根茎状の節から茎を直立して出す。
なお、宿主はマメ科のシャジクソウ属が多いが、セリ科、キク科、フウロソウ科、ナス科などにも寄生する。
草丈は15~50cmで、茎は直立して分枝せず、赤褐色~黄褐色で腺毛がある。
葉は互生し、褐色の鱗片状で長さ6~20mmの卵形~披針形で、先は鋭形。葉緑素を持たない。
花期は4月~5月で、長さ10~30cmの穂状花序に無柄の花を螺旋状に多数付ける。
各花の基部には苞が1個付き、苞は長さ10~15mmで先が尖った狭い卵形で腺毛がある。
萼は変異が多いが、中央で基部まで2深裂し、各々の裂片も2中裂して先が尖る。
花冠は長さ10~18mmで太い脈があり、花冠筒部はほぼ円筒形で先が下方に曲がる。
上唇は先が凹み、下唇は3裂して中央の裂片が最も大きく、縁は波状に切れ込む。
花冠外面は腺毛があり、内面は無毛。花色は淡黄色で脈に沿って紫色の条や斑点がある。
花冠の先が紫色を帯びる。長さは8~10mmのオシベは4個あり、花糸は白色。
メシベは1個あり、花柱は長さ6mmほどで腺毛がまばらにある。柱頭は2裂して、紫褐色で大きい。
蒴果は長さ7~10mmで、熟すと2裂して数百個の種子を放出する。
2013/5/8
多摩川の土手を散歩していて、通路脇の草むらに見慣れない植物を見かけました。
昨年、全く見た記憶がないのですが、その辺りのみちらほらと顔を出していました。
後で調べて、ヤセウツボというシロツメクサなどマメ科やキク科などに寄生する植物と分かりました。
たしかに、ヤセウツボのある辺りには、ムラサキツメクサがたくさん生えていました。
寄生植物で葉緑素を持たないため、全体が褐色で、葉のようなものも見当たりません。
実際には、茎を抱くように小さな葉が付いているそうですが、褐色なので葉には見えません。
2013/5/10 2013/5/15
この写真を撮った辺りでは、これくらいの群落がいくつか見られます。
ただ、そこから少し離れた所では、見られなくなるため、土手の100m程の範囲に限られるようです。
ムラサキツメクサの中から、褐色の花茎のみがニョキニョキと突き出ているのは、不自然ですね。
2013/5/8 2013/5/21 2013/5/21
ヤセウツボの花のアップです。唇状花で、長さは15mm程あります。
上唇は中央に凹みがあり、2裂しているように見えます。
下唇は3裂し、中央のものが最も大きく、花弁の縁はギザギザで波打っています。
花の根元から正面に突き出ている先のとがったものは苞葉で、葉と同じ形状をしています。
花の両脇にある2裂しているものは萼です。
花色は淡いベージュで、紫色の縞模様があります。
花の中央から付き出ている紫褐色のものは、メシベの柱頭で、花の大きさの割に大きいです。
2015/4/21
毎年顔を出している多摩川の土手ではなく、途中の草原で見かけました。
最初、気付いた時には、シロツメクサの間から、何か焦げ茶色の円錐形のものが伸び出していました。
葉もなく、この写真の上部のツボミの集まった所だけが、顔を出している状態では、種類の特定は無理。
この写真は、最初に見た1週間後くらいのもので、花茎がかなり伸びてきています。
それでも、種類の特定は無理でした。しばらくして花が咲き、本種と分かりました。
今までは、草深い所でしたので、花穂が伸び出す所は見たことがなかったのです。
今回、見かけたのが、他の草がほとんどない所でしたので、花穂が伸び出す所を観察できました。
ネズミモチ(Ligustrum japonicum)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・イボタノキ属>
モクセイ科イボタノキ属の常緑低木で、在来種。
日本では、本州から、四国、九州まで広く分布する。
日本以外では、台湾と中国に分布する。
樹高は3~5mで、樹皮は灰褐色で粒状の皮目があり、枝は無毛。
葉は対生し、長さ4~8cmの楕円形で先が急に窄まって尖り、全縁で両面無毛。
やや厚い革質で、日にかざしても葉脈は透けて見えない。
花期は6月で、新枝の先に長さ5~12cmの円錐花序をだし、白い小花を多数つける。
花冠は長さ5~6mmの筒状で、先が4裂し、筒部と裂片とはほぼ同長である。
裂片の先は尖り、平開から反曲する。オシベは2個で花冠から長く突き出し、メシベの花柱も少し出る。
果実は長さ6~8mmの楕円形で、10月~12月頃に黒紫色に熟す。果実は白い粉をかぶる。
よく似たトウネズミモチは樹高が10mを越え、日にかざすと葉脈が透けて見える。
また、開花がネズミモチよりトウネズミモチの方が、1~2週間ほど遅い。
2013/5/21
多摩川へ向かう道路脇などによく植えられています。
昨年も咲いていたはずですが、見過ごしていたようです。
多数の円錐花序を付け、その円錐花序に多数の花を付けるので、満開の時には木が白く見えます。
ネズミモチの花期は6月ですが、トウネズミモチより1~2週間ほど早く咲き出すようです。
2013/6/27
1ヶ月ほど経って、花もすっかり終わり、果実が大きくなり始めていました。
果実は熟すると真っ黒になりますが、既に一部が黒っぽくなり始めたものもあります。
2013/11/5
秋になり、すっかり大きくなったネズミモチの果実です。
まだ、未成熟で先の方から黒くなり始めたばかりです。後、1ヶ月もすると真っ黒に熟すでしょう。
トウネズミモチ(Ligustrum lucidum)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・イボタノキ属>
モクセイ科イボタノキ属の常緑高木で、中国中南部原産の帰化植物で要注意外来生物。
日本では、本州中南部から四国、九州にかけて分布している。
樹高が10~15mで、幹は灰褐色に粒状の皮目がある。
葉は対生し、長さ6~12cmの卵形で先が窄まって尖り、全縁。
やや薄い革質で、日にかざすと葉脈が透けて見える。
花期は6月~7月で、長さ10~20cmの大型の円錐花序に白い小花を多数つける。
花冠は長さ3~4mmの筒状で、先が4裂し、筒部と裂片とはほぼ同長である。
裂片の先は尖り、平開から反曲する。オシベは2個で花冠から長く突き出し、メシベの花柱も少し出る。
果実は長さ8~10mmの楕円形で、10月~12月頃に黒紫色に熟す。果実は白い粉をかぶる。
よく似たネズミモチは樹高が3~5mで、日にかざしても葉脈は透けて見えない。
また、開花がトウネズミモチよりネズミモチの方が、1~2週間ほど早い。
2013/5/14
多摩川への道路脇や公園に、トウネズミモチが何本かあります。
その全てが10mを超える大木で、花が咲いている所も数m以上の高さがあります。
そのため、接写ができなくて、拡大写真はないのですが、まだ、ツボミも十分に育っていません。
2013/5/30
トウネズミモチの花ですが、やっとツボミが丸く膨らみを持ち始めたところです。
ネズミモチの花が満開状態なのに比べると、花が開くにはまだ時間がかかりそうです。
2013/6/17
トウネズミモチの花がやっとほころび始めました。
しかし、多くの花は、まだ、つぼみの状態です。
咲いた花をみると、ネズミモチの花と瓜二つです。
2013/6/25
トウネズミモチの花が満開状態になりました。
ネズミモチの方は、花が終わり、果実が大きくなりなじめているので、1ヶ月近い差があるようです。
2013/7/22 2013/8/13 2013/12/12
花後の果実の様子ですが、7月末には花も終わり、萼だけが見えています。
8月に入ると、果実も大きくなって来ました。
12月には、完熟状態となり、真っ黒になっていました。その果実をドバトが食べていました。
オリーブ(Olea europaea)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・オリーブ属>
モクセイ科オリーブ属の常緑高木で、地中海地方が原産とされる栽培品種。
葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことから地中海地域で広く栽培されている。
多くの品種では自家受粉できないため、異なるDNAの木を2本以上隣接して植える。
樹高は2~10mで、樹皮は灰緑色に皮目が多数ある。小枝は稜がある。
葉は対生し、長さ1.5~10cmの楕円形で、革質。基部は楔形で先は尖り、全縁。
葉表は暗緑色で鱗状毛が少しあり、葉裏は鱗状毛が密生して銀白色。葉柄は長さ2~7mm。
花期は5月~7月で、前年枝の葉腋に長さ2~4cmの円錐花序をつけ、多数の花を付ける。
花は両性、または機能上単性で、芳香がある。花柄は長さ1~3mm。萼は長さ1~1.5mmで、小さな4歯がある。
花冠は長さ2.5~4mmの白色で、先が4~5裂し、筒部は長さ1mm、裂片は長さ1.5~3.5mmの惰円形。
オシベは2個で、花糸は長さ1mmに満たない。葯は黄色。
メシベは1個で、花柱は長さ1mm以下。柱頭は頭状である。
果実は長さ2~4cmの楕円形で、オリーブオイルやピクルスとして利用されるが、生食には向かない。
2014/5/14
多摩川への道路脇の公園で、青い果実を付けていたオリーブの木のツボミです。
枝から花序が伸び、たくさんのツボミを付けています。
花が咲くのはもう少し先になるようです。
2014/5/22
多摩川への道路脇の公園で見つけたオリーブの木の花が満開になっていました。
オリーブの花は、4枚の花弁、2本の大きなオシベが特徴的です。
オシベの葯は、開花直後はレモンイエローですが、時間が経つと茶色がかってきます。
2014/5/30
オリーブの花は、すっかり咲き終わり、子房が萼片の中に見えています。
昨年は、あまり果実が付いていませんでしたが、今年はどうなるのか気になります。
2014/6/19
今年も、昨年同様のようで、あまり果実は付いていませんでした。
まだ、これからというものから、かなり大きく育ったものまで、ちらほらと見える程度です。
ウンナンオウバイ(Jasminum mesnyi)
<シソ目・モクセイ科・ソケイ属>
モクセイ科ソケイ属の常緑低木で、中国西南部原産。日本には明治初期に渡来。
日本では、本州東北南部から、四国、九州、沖縄まで植生される。
樹高は0.5~5mで、茎は根元から多数分枝し、上部で弓なりに垂れ下がる。
若い茎は緑色の4稜がある四角形で、太くなるにつれて丸くなる。
葉は対生し、3出複葉で頂小葉は5cm前後。狭楕円形で全縁。葉柄は1cm前後。
花期は3月~4月で、直径2~4.5cmの黄色い花を、葉腋に1個ずつ咲かせる。
花冠裂片は6~8個あり、栽培種では二重になる。萼裂片は5~8個である。
オシベは2個、メシベは1個である。
2013/2/5
多摩川の河川敷で、川縁近くに数株植えられています。
葉は傷んではいますが、かなり残っており、少ないですが既に開花が始まっています。
花は一重ではなく、八重のように見えることから、ウンナンオウバイとしました。
2014/4/4
今年もウンナンオウバイがたくさんの花を付けていました。
昨年の写真では、花芯の部分がうまく写っていませんでしたので、撮り直しtものです。
キソケイ(Jasminum humile var.revolutum)
<シソ目・モクセイ科・ソケイ属>
モクセイ科ソケイ属の常緑低木で、ヒマラヤ原産。
日本では、庭木として植栽されるが、あまり見かけない。
漢字では、「黄素馨」と書き、黄色い素馨(ジャスミン)のこと。
樹高は1~1.5mで、枝は鮮やかな緑色で4稜があり、無毛。よく分岐して繁茂し、蔓状に垂れ下がる。
葉は互生し、小葉3~7個からなる羽状複葉である。小葉は長さ2~5cmの楕円形で全縁で先が尖る。
花期は5月~7月で、新葉が展開し終えた後に開花する。
枝先に散房状のまばらな花序を付け、8~20輪が垂れ下がる。
花は漏斗型で、長さ2cm前後、直径25~30mmで、5裂して平開する。芳香はない。
オシベ2個とメシベ1個があり、オシベは花冠よりも少し突き出るが、メシベはより短い。
花色には黄色と白色があるが、黄色種は寒さに強く、八重咲きになる品種もある。
2013/2/5
多摩川への道路脇で黄色い花をたくさん咲かせていました。
ジャスミンといわれると、白い花しか思い浮かびませんが、黄色い花もあるんですね。
この品種は、芳香はないようです。
なお、他によく似た北大西洋のマディラ諸島、カナリー諸島原産の「Jasminum odoratissimum」もあるようです。
写真だけでは良く分からないので、ここではより似ていると思われるヒマラヤ原産のものとしています。
シナレンギョウ(Forsythia viridissima Lindl.)
<シソ目・モクセイ科・レンギョウ属>
モクセイ科レンギョウ属の落葉低木で、中国原産。雌雄異株。
暑さ、寒さに強いため、日本全国で庭木などとして植栽されている。
中国、朝鮮半島、ヨーロッパ諸国でも、春を告げる花として多く植栽されている。
樹高は2~3mで、幹は緑黄褐色、円い皮目があり、枝は直立して株立ちになる。
葉は対生し、長さ3.5~15cmの長楕円形で、葉先が尖り、葉縁上半部に鋸歯があったり、無かったりする。
花期は3月~4月で、葉の展開と同時に開花する。
花冠は直径25mm前後で、鮮黄色。内部に橙色の線があり、4裂する。
筒部の長さは5mm前後で、裂片は長さ6~18mmの狭楕円形。
オシベは、雄花では長さ6~7mm、雌花では長さ3~3.5mmと半分ほどの長さしかない。
メシベは、雄花では長さ3mm前後で、雌花では長さ5~7mmと倍ほどの長さがある。
萼片は緑褐色~紫褐色の長さ3mm前後の広卵形で、花冠に密着している。
※ レンギョウ、シナレンギョウ、チョウセンレンギョウは、よく似ている。
区別点としては、レンギョウ、チョウセンレンギョウは、枝が弓なりに垂れ下るのに対して、
シナレンギョウの枝は立ち上がるため、樹形で区別できる。
確実な区別点は茎の構造で、茎を2つに割って中を見ることで3者を識別できる。
●レンギョウ:芽の出る所以外は中空
●シナレンギョウ:芽の出る所も含み、細かいはしご状の髄がある
●チョウセンレンギョウ:芽の出る所以外に、細かいはしご状の髄がある
2013/3/21
多摩川への道路脇の街路樹の根元からレンギョウが立ち上がって花を咲かせていました。
枝が立ち上がっていましたのでシナレンギョウとしました。
早春に咲く花の1つで、鮮やかな黄色の花が注意を引きます。
和名の「レンギョウ」は、漢名の「連翹」を音読みしたものですが、実は誤用とのこと。
中国で連翹とは、オトギリソウのことで、どちらも実が薬用として利用されていました。
日本で、レンギョウの実が「連翹」として誤って売られ、連翹=レンギョウとして認知されたのが原因とか。
セキショウ(Acorus gramineus)
<ショウブ目・ショウブ科・ショウブ属>
ショウブ科ショウブ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ロシア、インドからベトナムに分布している。
草丈は20~40cmで、根茎には芳香があり、細くて長さ5~10cmで横に這って分岐する。
葉は長さ20~45cmの扁平な剣状で、基部は2つ折りになって内側の葉を挟む。
花期は3月~5月で、花茎は長さ9~20cmの三稜形で、苞は花序の基部から1個上に伸びて葉状。
長さ10~25cmの線形で、先が尖る。肉穂花序は長さ4~10cmの淡黄色で、菱形の両性花を隙間なく付ける。
花は直径2mm前後の黄色~黄緑色で、花被片は長さ1.5~2mmの楕円形。
外花被片3個、内花被片3個が花の周囲にあるが、周囲と同色のため見ても分かりにくい。
オシベは6個あり、内3個は花粉を早く出す。花粉が出始めると花被片の隙間から花糸を伸ばす。葯は黄色。
メシベ1個は中央にあり、子房は3室に分かれている。
蒴果は長さ3mm前後の倒卵状球形で、中に4~6個の種子が入っている。
2013/4/19
多摩川への道路脇で見かけたセキショウです。
拡大写真に2本の肉穂花序が見えていますが、手前が咲きはじめで、奥が花後のものです。
咲き始めは淡黄緑色できれいな色をしていますが、花後にはオシベなどが茶色く枯れて濁った色になります。
奥の花後の花序では、子房の色が濃くなり、大きく育ち始めていて、長く伸びてきています。
菖蒲湯に使われるショウブ(根茎に芳香がある)同様、セキショウにも芳香があります。
そのため、蒸し風呂の床にセキショウを敷いて、芳香(鎮痛効果があるテンペルを含む)を立ち上らせて利用します。
また、根茎は薬草として、神経痛や痛風の治療に使用されているそうです。
トベラ(Pittosporum tobira)
<セリ目・トベラ科・トベラ属>
2013/5/14 2013/5/8
トベラ科トベラ属の常緑低木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州の東北地方南部から四国、九州にかけて海岸近くに自生している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾の海岸部に自生する。
樹高は2~8mで、葉は互生して主に枝の先に葉が集まって着く。
葉身は長さ5~10cmの倒卵形で、革質で光沢があり、全縁。内に巻くように葉全体が反る。
花期は4月~6月で、枝先に芳香のある5花弁の白花(時間が経つと黄色くなる)を多数付ける。
果実は熟すと3裂して赤い粘液をまとった種子が露出する。種子は粘液で果実に付着する。
多摩川の河川敷にある通路脇で、シャリンバイに交じって花を咲かせていました。
シャリンバイより花弁は厚みがあり、ボテっとした感じです。
この株は雄株のようで、メシベの子房は膨らまず、雄しべの葯から花粉が出ています。
なお、本来花弁は5枚なのですが、写真の花には花弁が6枚あります。
また、トベラの特徴として、写真のように葉が裏側に巻く性質があります。
トベラの枝葉は、切ると悪臭を放つので、節分に魔よけとして戸口に揚げられました。
そのため、扉の木と呼ばれていたものが、なまって「トベラ」になったものだそうです。
なお、その名残が、学名の「tobira」として残っています。
2014/5/16
多摩川の河川敷で、いつもの散歩コースより少し外れた所で、大きなトベラを見かけました。
ちょうど満開で、たくさんの花を付けていました。花の形から、この木も雄株のようです。
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