ベンケイソウ科・ユキノシタ科・ユズリハ科

ユキノシタ目

  ベンケイソウ科(オカタイトゴメ、マルバマンネングサ、メキシコマンネングサ)

  ユキノシタ科(ユキノシタ)

  ユズリハ科(ユズリハ)


オカタイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum)

<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>

2012/5/30             2012/6/25             2012/7/3

ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、原産地不明の帰化植物。

日本では、ほぼ全国に帰化し、海岸から内陸部まで道路脇などで見られる。

草丈は4~8cmほどで、全体的にタイトゴメより小さい。

葉は互生し、長楕円形で、長さは3mm前後。切り口は半円形。上部の葉は非常に密に付く。

花期は6月~7月で、花は、茎頂の集散状の花序に数個を付けるか、茎上部の葉腋に付く。

花は直径8㎜ほどの黄色い5弁花で、長さ4㎜ほどの広披針形。

オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。

萼片は5個で、先端は丸く、他のマンネングサ属と比較すると短め。

 

2012/5/30

多摩川に行く途中の道端で見かけました。数的には、メキシコマンネングサよりも多い気がします。

海岸に生えるタイトゴメに対して、内陸部に多いことから<オカ>タイトゴメとされたようです。

おしべは10本あり、先端の葯(やく)も黄色です。

2013/5/29           2013/6/18          2014/6/9

多摩川へ行く途中の道端の所どころで、オカタイトゴメの花が見られます。

場所によって、咲く時期がずれていますので、1ヶ月以上、あちらこちらで楽しめます。

なお、左の写真で、細い葉と白い花は、ツメクサです。

2014/6/26

オカタイトゴメの花もそろそろ終わりに近づいています。

花数が減り、結実している星型の果実が目に付きます。


マルバマンネングサ(Sedum makinoi)

<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>

ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、在来種。

日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。

草丈は15~25cmで、茎は紅紫色を帯び、地を這って節から発根し、分枝して先は斜上する。

葉は対生し、葉身は長さ7~10mmのさじ型で、先は鈍頭で、基部は柄状に狭まる。

花期は6月中旬~7月で、茎頂に集散花序を付け、黄色い花をまばらに付ける。

花は5数性で、直径10~12mmの黄色の5花弁で、平開する。

萼片は長さが不均一で、2mm前後の広線形。基部は合着して短い萼筒となる。

オシベは10個あり、花弁よりわずかに短く、裂開前の葯は橙赤色。

メシベは長さ3~4㎜で、子房は長さ3㎜弱。基部は合着し、花柱は長さ1mm前後で細長い。

 

2012/7/3

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

既に花は終わっており、薄茶色の花弁の名残のようなものが付いています。

マンネングサの仲間ではないかと思ったのですが、花が分からないので同定には至りませんでした。

2013/6/28

昨年見かけて同定できなかった事を思い出し、急いで確認に行きました。

が、時すでに遅しで、花は終わってしまっていました。ただ、良く見ると数輪残っていました。

花の特徴から、やはりマンネングサの仲間と分かりました。

改めて調べ直し、葉が丸く、対生している点から本種としました。

2013/8/14

葉が対生といっても、花の写真では分かりにくいので、改めて撮り直しました。

花後に、新しい花茎を伸ばし始めていましたので、葉のつき方が分かりやすいと思います。

2014/4/18             2014/4/18             2014/5/7

4/18 春になって、若葉を伸ばし始めたマルバマンネングサです。まだ、ツボミは見られません。

5/7 花茎が伸びて、ツボミらしきものが見られるようになりましたが、咲くのはまだ少し先のようです。

2014/6/4                2014/6/3                2014/6/3

マルバマンネングサの開花が始まっていました。2年越しで、やっと確認できた開花です。

まだ、ツボミが多く、三分咲きといったところですが、直ぐに満開になるでしょう。

開花直後のオシベの葯は赤っぽい色をしていますが、葯が開いて花粉が出てくると黄色くなるようです。


メキシコマンネングサ(Sedum mexicanum)

<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>

ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、帰化種であるが原産地は不明。

メキシコ名前が付いているが、メキシコをはじめ、近隣にも自生はないとされている。

日本では、本州の関東以西から四国、九州に分布している。

草丈は10~30cmで、茎は直立し、赤色を帯びることがある。

葉は4~5個が輪生し、長さ8~20mmの広線形で鋭頭。

花期は6月~7月で、花序は傘状に広がり、1枝に7~8個の花が付く。

花は5数性で、直径10~12mmの黄色の5花弁。萼片は長さが不均一で、3~5mmである。

オシベは10個で、花弁とほぼ同じ長さがあり、花糸と葯は黄色。葯は裂開すると橙色になる。

 

2012/5/8

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

特徴的なのは、花序が傘状に広がり、五芒星のように見えることです(枝の数は5本とは限りません)。

そのため、1つの花は小さいけれども、見た目が大きく感じ、目立ちます。

おしべは10本あり、先端の葯(やく)は赤茶色でアクセントになっています。


ユキノシタ(Saxifraga stolonifera)

<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ユキノシタ属>

ユキノシタ科ユキノシタ属の常緑の多年草で、在来種。

日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。

草丈は20~50cmで、長い走出枝を伸ばし、先端に芽をつけて増える。

葉は根生し、長さ1.5~7.5cmの腎円形で、両面に毛が密生する。

花期は5月~7月で、長く花茎を伸ばして分枝し、その先に花を付ける。葉柄や萼には腺毛が密生する。

花は5弁花で、下2個は長さ6~15mmあり、白くて斑紋はない。

上の3個は長さ2~4mmと小さく、淡紅色で赤色斑があり、基部には黄色斑がある。

5個の萼片があり、長さは1.5~3.5mm。オシベは10個ある。

メシベは2個あり、子房の基部が合着して、上半分を黄色い花盤が囲む。

葉は柔らかくて、厚く、てんぷらにして食べることができる。

 

2013/4/12

多摩川への途中でフキがたくさん生えている脇で、ユキノシタが少し群生していました。

春になって、若葉を一斉に出し始めたようで、若々しい葉がその一帯を埋めていました。

ただ、日当たりの加減か、場所によって葉の色が微妙に異なります。

2013/5/24                 2013/5/27

フキの葉に隠れていたので、ユキノシタの花が咲いているのに気が付いていませんでした。

下側の白い2個の花弁が見えて、気が付きました。

2013/5/27                 2013/5/15

ユキノシタの花は、下側の2個の白い大きな花弁と、上側の3個の赤い斑点のあるピンクの花弁の5枚です。

写真を整理していて気付いたのですが、上側のピンクの花弁が4枚ある奇形の花がありました。

普通の花より、気持ち華やかに見えます。


ユズリハ(Daphniphyllum macropodum)

<ユキノシタ目・ユズリハ科・ユズリハ属>

ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木で、古名はユズルハ。雌雄異株。

日本では、本州の福島県以西から四国、九州、南西諸島に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国中部に分布する。

樹高は10m程になり、葉は長楕円形で葉身は20cm程になり、枝先にらせん状に付く。

花期は、5月~6月で、花被(萼と花冠)がなく、葉腋から総状花序を出す。

雄花は、6~12本のオシベのみで、開花前は赤紫色の葯が目に付くが、裂開後には紫褐色になる。

雌花は、卵形の子房の先に2~3裂した花柱があり、オシベは退化して子房の周りに付いている。

果実は、1cm程の卵状で、表面に粉をふき、花柱が黒く残る。11月頃に黒く熟す。

有毒植物で、多くのアルカロイドを含み、家畜が誤食した中毒例の報告がある。

 

2015/4/17

多摩川の河川敷への道路脇で、ユズリハが花序を伸ばしているのに気が付きました。

きれいな赤褐色で、ツボミのようなものが多数付いています。

調べてみると、ツボミと思ったものは、雄花の葯で、花には萼も花弁もないことが分かりました。

2015/4/21

葯が紫褐色になり、裂開して花粉が白く見えています。

雄株では、花柄の先にオシベのみが付くという何とも奇妙な花です。

2015/7/2            2015/7/27             2015/6/29

多摩川へのいつもの道路から少し離れたところで、ユズリハの雌株を見つけました。

もう、花の時期は過ぎて、多数の果実が付いていました。

まだ、若い果実なので、緑色をしていますが、粉を吹いているので白っぽく見えます。

中央の写真は、一部こすれて果実の粉が取れ、緑色の部分が見えていますが、これが果実の色です。