キキョウ科・キク科(Ⅰ)

キク目

  キキョウ科(キキョウソウ)

  キク科キク亜科(マメカミツレ、ヨモギ、ノボロギク、フキ、アレチノギク、 ハルジオン、

          ペラペラヨメナ、ウラジロチチコグサ、チチコグサ、チチコグサモドキ、

          ハハコグサ)   (参)ヒメジョオン


キキョウソウ(Triodanis perfoliata)

<キク目・キキョウ科・キキョウソウ属>

2012/5/16         2012/5/23

キキョウ科キキョウソウ属の1年草で、北米原産の帰化植物である。

日本では、関東以西、四国、九州に分布する。

草丈は30~80㎝で、茎にははっきりした稜があり、下向きの毛がある。

茎は基部で分枝し、真っ直ぐに立ち上がる。葉は互生し、縁に粗い鋸歯がある。

下部の葉は無くなっていることが多いが、円形で短い葉柄がある。

茎の上部の葉は、長さ15㎜ほどの楕円形で茎を抱き、無柄。

花期は5月~7月で、最初、閉鎖花のみ付け、その後、普通の花を付け、順次咲き上る。

花は葉腋に数個付き、紫色の花冠は直径15㎜強で、5深裂する。萼は3~5裂し、先が尖る。

雄性先熟で、5個のオシベは花糸は短く、葯は線形で長さは2㎜ほどある。

雄性期には、オシベは花柱に張り付きこん棒状で有毛。花粉が付いている。

雌性期への転換時、オシベが開いて花柱の根元が見え始める。

雌性期には、オシベは萎れ、メシベの柱頭は3裂する。

 

2012/5/16 散歩からの帰り道、空き地でキキョウソウを見かけました。

キキョウ科の花であることは、花を見ればわかると思いますが、何せ小さいです(20mm前後)。

2012/5/23 以前、芝公園で見つけたときには、1本だけポツンと咲いていました。

しかし、前述の空き地では群落をつくっており、たくさん花が咲いていました。

 

2012/5/29

多摩川の河原でキキョウソウを見つけました。

ユウゲショウの中にまぎれていたので、今まで気がつかなかったようです。

2つの花が並んでいたので、比較のために一緒に撮ってみました。

2013/5/7         2013/5/9            2013/5/24

5/7、5/9 今年もキキョウソウが、河川敷への途中の道端や河川敷などでちらほらと咲き始めました。

5/24 群生しているキキョウソウですが、これくらいの数になると、小さい花でも見栄えがします。

 2015/5/20 <雄性期>         2015/5/20 <雌性期>

キキョウソウは、雄性先熟です。雄性期にはメシベはこん棒状で、雌性期に3裂します。

雄性期:開花後数日以内の若い花では、メシベの柱頭がこん棒状で、オシベが展開しています。

雌性期:オシベは萎れ、成熟したメシベの柱頭は、3つに裂開し、反り返ります。



マメカミツレ(Cotula australis)

<キク目・キク科・キク亜科・キク連・マメカミツレ属>

キク科マメカミツレ属の一年草で、オーストラリア原産の帰化植物。

日本では、1940年頃に帰化が確認され、本州中部以南の都市部に分布している。

草丈は3~20cmで、茎は基部から多数分枝し、全体に白い軟毛がある。

葉は互生し、長さ2~6cmの楕円形で、2回羽状に深裂する。

花期は通年で、長さ5~10cmの花柄の先に直径3~6mmの緑色の頭花を付ける。

頭花の中ほどには数十個の両性の筒状花が付き、その周囲をメシベのみの雌性花が囲む。

なお、雌性花には花冠はない。総苞片は2~3列になる。

痩果は、雌性花由来の翼のある長さ1mm強のものと、両性花由来の翼のない1mm弱のものがある。

2013/3/8

昨年から今年にかけて、雪にも負けずに咲き続けていました。

若い株も花を付け始めていましたが、1ヶ月もすると大きくなって花をたくさん付けていました。

昨冬からの株と比較すると、葉の緑が鮮やかで、若々しく感じられます。

 

2013/4/11

マメカミツレの花は直径6mm前後で、中心部に黄白色の両性筒状花が、周囲にメシベのみの雌性花が並びます。

萼は、雌性花の後ろに隠れてしまっていますが、1枚目の下を向いた花の裏に見えているのが萼です。

2枚目の写真の花は、成熟しかかっているところで、茶色くなり始めています。

マメカミツレの果実は、周辺の雌性花のものには翼があり、緑色が残る花弁のように見えています。

中心部の両性化のものは翼のない楕円形で、中心部で茶色く見えています。

翼のある果実が先に落ちます。後ろの花は、翼のある果実の大半が落ちた後で、萼が見えています。

3枚目の写真は落果後で、黄白色の部分は果実が取れた後の果柄で、その周囲に緑色の萼が見えています。

2014/4/8

マメカミツレの開花順に並べてみました。

左端は、開花直後で、中央部の両性の筒状花のみが目立っています。

中央は、周辺部の雌性花まで展開し、一回り大きくなったように見えます。

右端は、花後のもので、果実になっています。中央の茶色いものも、周辺の花弁状のものも果実です。

中央は、筒状花の棒状果実で、周辺部の雌性花の果実には翼があり、扁平に見えます。


ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)

<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ヨモギ属>

キク科ヨモギ属の多年草で、在来種。

日本では本州から四国、九州に、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。

草丈は50~120cmで、地下茎を伸ばし、群生する。

地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌する(アレロパシー)。

茎は直立し、紫色を帯びることが多く、白い綿毛が密生する。茎の基部はやや木質化する。

下部の葉は長さ6~12cmで、羽状に深裂し、裂片は2~4対で、縁には鋸歯がある。

上部の葉は披針形で、全縁かいくつかの切れ込みがある。葉裏には白い綿毛が密生する。

根生葉や下部の葉は、花期の頃には枯れる。

花期は9月~10月で、茎先に大きな円錐花序を出し、小さな紫褐色の頭花を下向きに多数付ける。

頭花は、直径1~2mm、長さ3㎜前後の長楕円状鐘形で、中心部に両性花、周囲に雌花がある。

両性花の花柱の先は切型、雌花の花柱の先は2裂する。オシベの先の付属体は細く尖る。

総苞片は、4列に並び、縁は乾膜質、外片は短い。

春先の若葉は特有の香りがあり、おひたしや汁物、草餅などに使用される。

また、葉の裏側に密生する綿毛を採取したものが「もぐさ」で、灸に使われる。

2013/4/25

昨年から今年にかけて、幼葉で春の到来を待っていたヨモギですが、

気が付くと、大きく育ち、高さが30cmを超えていました。

葉の緑が鮮やかで、若々しく感じられます。

2013/5/24

多摩川の土手のヨモギですが、場所によっては、1ヶ月も経っているのにそれほど成長していません。

それほど日当たりが悪いわけではないので、日照とは関係なさそうです。


ノボロギク(Senecio vulgaris)

<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・キオン属>

キク科キオン属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国的に分布する。

また、世界的には寒冷地から亜熱帯に広く分布する。

草丈は20~50cmほどで、茎は紫褐色を帯び、茎や葉には白いくも毛がある。

葉は互生し、長さ2~10㎝で、不規則に羽状分裂する。葉柄はない。

花期はほぼ通年で、頭花は黄色い筒状花のみからなる。

総苞は長さ6㎜ほどで、総苞片は20個前後。小苞の先に濃紫色の点がある。

2013/3/8

多摩川への途中にある幹線道路の街路樹の下で、ノボロギクが咲いていました。

舌状花がなく、筒状花のみのため、ツボミなのか、咲いているのか、判然としません。

ただ、非常に鮮やかな黄色なので、結構目に付きます。

理由は分かりませんが、葉が丸まっていびつに歪んでいます。

2013/3/18

同じ場所で撮影したものですが、その後きれいに成長し、葉も普通の状態になっていました。

花の数も増え、かなりにぎやかです。

よく見ると、総苞はきれいな黄緑色で、黄色との組み合わせはきれいです。

2013/4/11

公園の脇で見かけたノボロギクです。ちょっと、アップで撮ってみました。

ノボロギクも、気を付けて見るとあちらこちらで見かけます。

昨年は、全く気が付いていなかったのに、不思議なものです。

一度、目に止まると、見えていなかったものが見えるようになるものですね。


フキ(Petasites japonicus)

<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・フキ属>

キク科・フキ属の多年草で、在来種。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布している。

なお、本州北部、北海道、千島、樺太には、フキの変種である大型のアキタブキが分布する。

草丈は25~70cmで、根茎は地中を這い、地中に枝を伸ばして、多くのひげ根を付ける。

葉は、花後に伸び出し、根出葉は長さ25~70cmの長柄がある。

葉身は、直径15~30cmの円形~腎円形で、縁には細かい歯がある。

花期は3月~5月で、葉のない頃に花茎を伸ばし、散房状に頭花を多数付ける。

花茎には、並行脈の目立つ方が多数付く。雌雄異株で、雄花茎は高さ10~25cm。

雌花茎は、高さ15~20cmで頭花を密に付けるが、花後には45~70cmに伸びる。

雄花茎の頭花は、全て両性の筒状花(不稔性)で、花冠は白色~黄白色で5裂し、ほぼ平開する。

葯は黄白色で、5個が合着して葯筒となり、根棒状の花柱が葯筒から伸びて花冠から突き出す。

雌花茎の頭花は、多数の雌性の筒状花で、花冠は白色で不規則に浅裂し、ほとんど開かない。

柱頭は花冠から細長く突き出し、先は2裂して開く。

なお、雌花茎の頭花には、雄花茎の頭花の両性花と同じ形の筒状花(花粉は出ない)が少数混じる。

痩果は、長さ3.5mm前後の円筒形で、無毛。白色の冠毛が多数付き、長さは12mm前後ある。

2012/4/2

キク科に属するというのは、ちょっと意外性がありますね。

フキの花茎がフキノトウで、出たばかりのフキノトウは天ぷらにして美味(^^)です。

この写真は、フキノウトウが大きく伸びて花を付けたものです。

葉柄、葉は食用となりますが、肝毒性が強いピロリジジンアルカロイドを含むため、あく抜きが必須です。

2013/2/8

今年も同じ場所で、日当たりの良い場所でフキノトウが顔を出しました。

日当たりの良い場所は、霜も降りるので、フキの葉はなく、落ち葉の中にポツンと出ています。

日当たりの良くない場所では、冬の所で紹介しましたが、まだ、葉が残り、フキノトウは見当たりません。

ちなみに、天ぷらにするには、これくらい顔を出し、開いていないものが良いようです。

2013/2/26

2週間ほど経ちましたが、そこここからフキノトウが顔を出しています。

まだ、葉が残っていた所も例外ではありません。たくさんのフキノトウが葉の間から顔を出しています。

その場所では、少し開いて花が顔を出した程度ですが、日当たりの良い方ではかなり伸びています。

ただ、何度か霜が降りるほど寒い日がありましたので、花が傷んで茶色く枯れてしまっています。

2013/3/7            2013/3/7         2014/3/7

フキノトウも大きく伸びて、白い花を咲かせ始めました。

1年後の同じ日の写真ですが、やはり、同じような咲き具合ですね。

2013/3/13

フキノトウが大きく伸びて花を咲かせる一方、背は低いですがフキの葉が出始めました。

フキの花を拡大したのが下の写真ですが、フキは雌雄異株で、写真は雄株です。

雄株の頭花は筒状花で、両性花(柱状に伸びたメシベをオシベが取り囲む)ですが稔りません。

そのため、雄株では両性花でも、雄花としての機能しか持たないことになります。

雌株の写真はありませんが、細いメシベの花柱のみが密集し、ちょっと地味な感じのようです。

2013/3/29

フキの葉も大きくなり、フキの花も終わりに近い状態です。

フキの上には盛りを過ぎたソメイヨシノがあり、散った花弁がフキの葉の上に積っています。

野鳥に根元を食い切られた花が、フキノトウの上に落ちて、フキの花のようになっていました。

2013/4/17

フキの花期も終わり、大きく育った葉の中に、茶色く枯れたフキノトウの名残がありました。

白い綿毛が見えますので、このフキノトウは雌株であったものと思われます。


アレチノギク(Conyza bonariensis)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・イズハハコ属>

キク科イズハハコ属の越年草で、南アメリカ原産の帰化植物。

秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばして花を付ける。

日本では全国的に見られるが、最近はオオアレチノギクに押されて減少している。

海外では、熱帯から温帯にかけて、広く分布している。

草丈は20~50cmで、茎は直立し、全体に毛が多くて、灰緑色である。

根生葉は花期にはなく、下部の茎葉は長さ3~5cmで、粗く羽状に深裂する。

中間より上部の葉は長さ3~7cmで、まばらに鋸歯がある。

花期は6月~10月で、茎頂に総状花序を付ける。

なお、花序の横から2~3本の枝を花序より高く伸ばして、その先にも花序を付ける。

頭花はオオアレチノギクより大きく、直径3~10mmになる。

舌状花は総苞内にあって目立たないが65~150個あり、初め白いが徐々にピンク色に変わる。

中心花は黄色である。総苞は長さ5mm前後で、総苞片は2~3列。

痩果は長さ1.5mm前後で、冠毛は長さ3~4㎜。白色から灰褐色~帯紅褐色になる。

2013/4/23

多摩川への道路脇の草地で、1株ですが、アレチノギクが花を付けていました。

最初の茎は、花を付けると伸びなくなるので、数十cmと背は低くなります。

その後、根元や途中からの横枝が大きく成長するので、中央が低く、周りの枝が高い草形になります。

頭花は、ずんぐりした樽型で、舌状花は目立たないので、花弁がないように見えます。


ハルジオン(Erigeron philadelphicus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属>

キク科・ムカシヨモギ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

日本では、大正時代に園芸種として入り、野生化して全国的に分布している。

草丈は30~100cmで、茎は中空で長い軟毛が生えている。

根生葉は長さ30~100㎜のへら形で、葉柄に翼があり、花期にも残る。茎葉は茎を半分ほど抱く。

花期は4月~5月で、頭花は直径20~25㎜。ツボミの時は花序が下に垂れる。

極細い舌状花は白~淡紫色で、黄色い筒状化の周りにきれいに並び、100個以上ある。

舌状花、筒状花とも冠毛は3㎜ほどあるが、外部からは見えず、2裂した花柱と筒状花の花冠のみが見える。

なお、ハルジオンは、春に咲く紫苑の意味で、同じような場所に生育するヒメジョオンと混同されやすい。

区別点は、蕾が下を向いていること、茎葉が半分茎を抱くこと、茎が中空であることで識別できる。

紛らわしい場合は、茎を折ってみれば一目瞭然で、中空であれば本種、中実であればヒメジョオンである。

2012/4/24

ハルジオンは、名前も花の形も似ていて、同時に見れられるときもあるヒメジョオンと混同されやすい。

なお、、漢字で書くとハルジオンは「春紫苑」、ヒメジョンは「姫女苑」になります。

散歩コースの多摩川の河原では、花の時期が早いハルジオンのみ確認しています。

ハルジオンの花の色

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012/5/21

これらのハルジオンは、ひたちなか市の平磯の海岸で撮影したものです。

紫を帯びた個体があったのですが、空気がきれいだとこのような色の花を付ける事があるとの説もあるそう。

ハルジオンとヒメジョオンの区別点

ハルジオンとヒメジョオンはよく似ており、花だけで区別するのは難しいことがあります。

花期が1ヶ月ほどずれており、4月頃に咲くのはハルジオンで、8月頃に咲いているのはヒメジョオンです。その中間期間は両者が咲いています。

ただ、注意深く観察すると左の表のように違いがあり、区別することはできます。

分かり易いのは茎葉の付き方で、茎を抱いているか否かで区別でます。

また、茎を切ることができれば一目瞭然で、中空ならばハルジオンで、中実ならばヒメジョオンです。

 

 

 

 

ヒメジョオン(Erigeron annuus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属

キク科ムカシヨモギ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

草丈は30~130cmで、茎は直立して分枝し、白いずいが詰まって中実。粗い毛がまばらにある。

根生葉は長い柄があり、花期には枯れてしまう。

上部の茎葉は披針形で、先が尖り、葉柄はほとんどない。下部の茎葉は卵形で、基部が狭まって、翼のある葉柄のようになる。縁の鋸歯は先が鋭く尖がり、基部が茎を抱くことはない。

花期は5月~10月と長く、頭花は上部の枝先に多数ついて、直径は20㎜前後。舌状花の花弁はごく細く、白色~淡青紫色で雌性、オシベも冠毛もない。

なお、花弁が白色ではなく青紫色がかるのは、清浄な空気の中で育った時のみ。

筒状花は、黄色で両性、長さmm前後の冠毛がある。

 

 

 


ペラペラヨメナ(Erigeron karvinskianus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属>

キク科ムカシヨモギ属の多年草で、中央アメリカ原産の帰化植物。

日本では、本州関東以西から四国、九州で野生化して分布している。

海外では、アフリカ、ヨーロッパ、アジアに分布している。

草丈は、基部で分枝し、斜上したり、匍匐して先は立ち上がり、草丈は50cm程になる。

下部の葉には葉柄があり、3~5裂するが、上部の葉は互生して、無柄で、縁は全縁になる。

花期は5月~11月で、枝先に直径15~20mmの頭状花を単生する。

舌状花は白色~紫色で1列に付き、時間が経つと赤みを帯びる。筒状花は黄色で、先が5裂する。

痩果は長さ1mm前後で、冠毛は二重になっていて、長い冠毛と極端に短い冠毛が2列につく。

2013/4/17

多摩川への道路脇の草地で、ペラペラヨメナが花を開き初めていました。

花期が非常に長くて、これから晩秋の11月頃まで咲き続けます。

舌状花は、ツボミが開きかけの頃は淡紅紫色を帯びますが、開花すると白色になります。

その後、時間の経過とともに舌状花は赤みを帯びてきて、白と赤の花が混じるようになります。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペラペラヨメナ の花色  

2021/4/30

相模原市と町田市の境を流れる境川で見かけたペラペラヨメナです。

ツボミの頃、舌状花の先が赤紫色を帯びますが、開花すると真っ白になり、その後、赤紫色に変わっていきます。

赤白の2種類の花が咲いているように見えるのが、別名「ゲンペイコギク」の由来です。


チチコグサ(Euchiton japonicum)

<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・チチコグサ属>

キク科チチコグサ属の越年草で、在来種。

元はハハコグサ属とされたが、チチコグサ属として分離された。

日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。

海外では、朝鮮半島から中国に分布している。

秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばして花を付ける。

根元から匍匐茎(ほふくけい)を出して増えるので、固まりになってなえていることが多い。

草丈は5~30㎝ほどで、茎は細くて曲がることが多い。茎は綿毛で覆われる。

根生葉は花期でも残り、披針形で長いものは10㎝程になる。茎葉は線形で少ない。

葉の表面には薄く綿毛が生え、裏面には綿毛が密生して、白っぽくなる。

花期は5月~10月で、花序の下に披針形の苞葉が放射状に付き、頭花は丸く固まって付く。

頭花の中央部に数個の両性花が付き、その周囲に多数の雌花が並ぶ。

総苞は長さ5㎜ほどの釣鐘型。総苞片は暗紫褐色を帯び、膜質で先は鈍形。

2013/5/9

多摩川への道路脇の草地で、数十本の花茎を伸ばしているチチコグサに気が付きました。

地味な色なので、毎日、そばを通っていたのに気が付きませんでした。

全体に白い綿毛に覆われていますが、葉表は少ないので、緑色に見えます。

葉裏は、綿毛が密生しているので、白っぽく見えます。

花茎に葉は少なく、頭花は先端に密生し、花序の下に苞葉が放射状に付いています。 

2013/5/31

久しぶりにチチコグサを見ると、多くが種子を付け、すでに種子が飛んでしまったものもあります。


ハハコグサ(Pseudognaphalium affine)

<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ハハコグサ属>

キク科ハハコグサ属の越年草で、在来種。

ハハコグサ属が「Gnaphalium」から「Pseudognaphalium」に変更され、学名も変わった。

日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。

海外では、中国からインドシナ、マレーシア、インドにまで分布している。

草丈は10~30cmほどで、秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばす。

葉は互生し、細いへら型。葉と茎には白い綿毛が生える。なお、根生葉は花期には枯れる。

花期は4月~6月で、茎先は細かく分枝し、その先に黄色い頭花を多数つける。

頭花は、両性花の周りに細い雌花があり、花柱は花冠より短い。総苞片は淡黄色。

春の七草の1つ、「御形(オギョウあるいはゴギョウ)」であり、若い茎葉を使う。

2012/5/9

日本中で普通に見られるが、実は古い時代に渡来した「史前帰化植物」だそう。

かつては草餅に使われたそうですが、蓬(ヨモギ)に取って代わられ、現代ではほとんど使われないとのこと。

ヨモギに比べると、小さなロゼットでは、集めるのが大変だからかも。

2013/3/1

昨年の冬から咲き続けているハハコグサですが、さすがに傷みがひどいですね。

2013/4/22

ロゼット状で冬を越したハハコグサが、花茎を伸ばして花を咲かせ始めました。

ノボロギクと同じように、筒状花のみからなる頭花は、やはり黄色で目立ちます。

総苞もやはり黄緑色ですが、かなり黄色に近いので、頭花が多数集まっていると全体が黄色く見えます。


ウラジロチチコグサ(Gamochaeta coarctata)

<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ウスベニチチコグサ属

キク科ウスベニチチコグサ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物

以前はハハコグサ属とされていたが、ウスベニチチコグサ属として分けるようになった。

日本では関東から四国、九州に広がっており、道端などでよく見かける。

世界的に温帯、暖温帯に移入分布しており、多くの国で見られる。

草丈は20~80cmで、茎には白色の綿毛が密生し、根元で多数分枝して直立する。

葉は長さ7cmほどになり、幅の広いへら形で、葉表は毛が少なく、毛がものは濃緑色で光沢がある。

葉裏は白色の綿毛が密生して著しく白い。葉の縁は細かく波状に縮れる。

主な花期は夏であるが、5月~8月と長期にわたって開花し、風で種子を飛ばして繁殖する。

長さ2~20cmの長い穂状花序を茎の上部に付け、壺形の頭花を多数咲かせる。

痩果は長さ0.6mm前後の長楕円形で、乳頭状突起があり、冠毛は1列に付く。

2013/4/8

大きな株になると50cmを超える大型のウスベニチチコグサ属。

花は、茎の上部に集まり、直径は4mmほどになり、総苞片は光沢のある黄緑色をしています。

多年草である事によるのか、数的には圧倒的に多く、そこらじゅうで見かけます。

2013/4/22、4/26

多摩川に向かう道路脇で、ハハコグサ、チチコグサモドキと混生しています。

両者と異なり、ウラジロチチコグサの葉の表面は濃い緑色で、毛がほとんどないので光沢があります。

3種が混生している右端の写真で、左の光沢があるのが本種、右の光沢がないのがチチコグサモドキです。

黄色い花は、言うまでもないかもしれませんが、ハハコグサです。

2013/5/15

ウラジロチチコグサも花が終わり、花序の先の方には綿毛(冠毛)が見えます。

すでに種子が飛んでしまって、開いた萼片のみが見えているものもあります。


チチコグサモドキ(Gamochaeta pensylvanicum

<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ウスベニチチコグサ属

キク科ウスベニチチコグサ属の越年草で、大正末から昭和初期に渡来した北アメリカ原産の帰化植物。

以前はハハコグサ属とされていたが、ウスベニチチコグサ属として分けるようになった。

日本では北海道から本州、四国、九州と全国に広がっており、道端などでよく見かける。

また、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアにも移入分布する。

草丈は10~50cmで、茎は直立し、緩くクモの巣状の綿毛がある。

根生葉はロゼットとなって越冬し、開花期には枯れてしまう。

茎葉は互生し、長さが2~7cmで葉幅が広いへら型で、緩く綿毛に覆われている。

花期は4月~9月で、花序は長さ1~12cmの穂状になり、葉腋に頭花の固まりが付く。

総包は長さ3~5mmの卵形で先が急に細くなり、長い綿毛に被われる。

総包片は3~4列に付き,外総苞片は三角状で先が尖り、内総苞片よりも短い。

内総苞片は楕円形で先は鈍頭。上部は淡褐色を帯びることが多い。

普通、雌花は先が紫色を帯び、中心の3~4個の両性花は、同じく先が紫色を帯びる。

痩果は長さ0.5mmで、表面に乳頭状突起があり、冠毛は1列に付いて基部が合着する。

2012/12/27、2013/2/5

多摩川に向かう道路脇でハハコグサに交じって、昨年から花を咲かせ続けていたチチコグサモドキ。

花茎を立ち上げて花を付けている株の横に、根生葉をロゼット状に広げた新しい株が控えています。

チチコグサモドキの葉は、表裏とも綿毛に覆わていますが、表面はそれほど多くないので緑色に見えます。 

2013/4/1         2013/4/26         2013/4/26   .

4/1 昨年から花茎を伸ばしていた株では、花が鈴なり状態で、たくさんの花を咲かせています。

4/26 今年になって花茎を伸ばしてきた新しい株も、若々しい葉の間に花を付け始めました。

まだ、若いこともあってか、頭状花は団塊状に集まり、チチコグサ風です。