キク科(Ⅱ)

キク目

  キク科キク亜科(アレチノギク、オオアレチノギク、カントウヨメナ、ペラペラヨメナ、キバナコスモス、

          ハルシャギク、グロリオサ・デージー、 コセンダングサ、コシロノセンダングサ、

          アイノコセンダングサ、キクイモ、オオブタクサ、ハキダメギク、マメカミツレ)


アレチノギク(Conyza bonariensis)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・イズハハコ属>

キク科イズハハコ属の越年草で、南アメリカ原産の帰化植物。

日本では全国的に見られるが、最近はオオアレチノギクに押されて減少している。

草丈は20~50cmで、茎は直立し、全体に毛が多くて、灰緑色である。

根生葉は花期にはなく、下部の茎葉は長さ3~5cmで、粗く羽状に深裂する。

中間より上部の葉は長さ3~7cmで、まばらに鋸歯がある。

花期は6月~10月で、茎頂に総状花序を付ける。

なお、花序の横から2~3本の枝を花序より高く伸ばして、その先にも花序を付ける。

頭花はオオアレチノギクより大きく、直径3~10mmになる。

舌状花は総苞内にあって目立たないが65~150個あり、初め白いが徐々にピンク色に変わる。

中心花は黄色である。総苞は長さ5mm前後で、総苞片は2~3列。

痩果は長さ1.5mm前後で、冠毛は長さ3~4㎜。白色から灰褐色~帯紅褐色になる。

2012/8/20

多摩川の河川敷への途中の空き地で見かけました。

オオアレチノギクはあちらこちらでよく目にしますが、小さなアレチノギクはあまり目にしません。

最近は、減少傾向と聞きますが、やはり数的には減っているのかもしれません。


オオアレチノギク(Conyza sumatrensis)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・イズハハコ属>

キク科イズハハコ属の越年草で、南アメリカ原産の帰化植物。

日本では、本州から四国、九州に広く分布し、秋に芽生え、ロゼットで越冬する。

アフリカ、日本を含むアジア、オセアニアに移入分布している。

草丈は1~2mで、開出毛が密に生えた茎は直立し、上部で分枝する。

葉は長さ6~10cmの線状倒披針形で、両面に毛でがある。

下部の葉には4~8対の鋸歯があるが、上部の葉は全縁である。

花期は8月~10月で、茎頂に大きな円錐花序を出し、多数の頭花を付ける。

頭花は徳利型で直径は5~8mm。多数の舌状花はあるが、総苞内に隠れてはほとんど見えない。

中心にある6~11個の筒状花は両性花で、周辺部にある舌状花は雌花である。

総苞は長さ4mm前後で、総苞片は3~4列ある。

痩果は長さ1.5mm前後で、冠毛は長さ4㎜前後。最初は白色であるが、後に褐色を帯びる。

2013/6/18

多摩川の河川敷への途中の空き地で、大きく育った本種がたくさん生えていました。

まだツボミの状態のものから、花を咲かせているものまでいろいろです。

拡大した花の写真では、黄色い筒状花が目立っており、周囲の舌状花は総苞に隠れて見えていません。

2013/7/1             2013/7/1            2013/8/15

早いものでは、既に果実が成熟して、冠毛を大きく広げていました。

タンポポと異なり、果実から直接冠毛が多数出ています。そのため、大きく開いても直径10mmもありません。

3枚目の写真は、ニョキニョキと立ち上がって、花を咲かせ、綿毛を広げている全体の様子です。

空き地などで、このようにオオアレチノギクがたくさん立ち上がっているのを見たことがあると思います。

2013/9/27

多摩川の土手の襟に少し固まって生えていたオオアレチノギクです。

散歩している多摩川の河川敷では、この場所以外では見かけません。

既に多くは果実が風で飛んでしまい、花托だけになっていました。


カントウヨメナ(Aster yomena var. dentatus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>

キク科シオン属の多年草で、日本固有種。

日本では、本州の関東以北に分布する。

本州中部以西、四国、九州に分布するのはヨメナ(Aster yomena)である。

中国の一部に帰化して定着している。

草丈は30~100cmで、茎は細く、大きくなると直立できず、倒れることが多い。

葉は互生で、長楕円形で先が尖り、下部の葉には鋸歯があるが、上部の葉にはない。

東海地方以西に分布するヨメナより葉が薄く、鋸歯が荒く切れ込みが浅い。

茎の上部で枝別れし、枝先に1つずつ頭花を付ける。

花の直径は3cmほどで、舌状花は青紫色が多いが、白色のものもある。

中央の黄色い筒状花は、比較的数が多くて大きい。

痩果の冠毛は、長さ0.3mm程度とかなり短い。

2012/9/4

多摩川では、土手の則面に小さな群落をつくっています。

写真では白っぽく写っていますが、実際にはもう少し濃い薄紫色です。

ノコンギク(Aster microcephalus var. ovatus)と非常に似ていますが、以下の点で区別できます。

カントウヨメナ:花序が基部で分岐するので個々の花の柄は非常に長く、種子に冠毛がない。

ノコンギク:花序が上部で分岐するので、個々の花の柄は短くて花が集まって見え、種子に冠毛がある。

ヨメナの春の若芽は食用(結構美味しいらしい)となるそうですが、カントウヨメナは食用にはならないそうです。

2012/11/15

除草された後、伸びてきたセイバンモロコシの隙間にカントウヨメナが所々で顔を出していました。

除草された後なので、背が低く、30cmほどしかありませんが、その分、花が集まっていました。

他に目ぼしい花がないので、ベニシジミをはじめ、いろいろと集まっていました。

013/8/21               2013/9/27

今年は、除草のタイミングで土手の花はほとんどなくなってしまいました。

土手の肩部分が若干刈り残されており、そこにカントウヨメナが花を咲かせていました。

個体差なのでしょうか、ほぼ純白の花と、極淡い紫の花があります。


ペラペラヨメナ(Erigeron karvinskianus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属>

キク科ムカシヨモギ属の多年草で、中央アメリカ原産の帰化植物。

日本では、本州関東以西から四国、九州で野生化して分布している。

海外では、アフリカ、ヨーロッパ、アジアに分布している。

草丈は、基部で分枝し、斜上したり、匍匐して先は立ち上がり、草丈は50cm程になる。

下部の葉には葉柄があり、3~5裂するが、上部の葉は互生して、無柄で、縁は全縁になる。

花期は5月~11月で、枝先に直径15~20mmの頭状花を単生する。

舌状花は白色~紫色で1列に付き、時間が経つと赤みを帯びる。筒状花は黄色で、先が5裂する。

痩果は長さ1mm前後で、冠毛は二重になっていて、長い冠毛と極端に短い冠毛が2列につく。

2012/8/21

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

なかなか、名前が分からなかったのですが、他の植物を調べていて、ペラペラヨメナと分かりました。

絡み合った茎の先に1つだけ花を咲かせているのですが、直径15mm程の大きさなので、あまり目立ちません。

白い舌状花と中心の黄色い筒状花なので、見た目はヒナギク(デージー)を小さくした感じです。

ただし、開花直後の舌状花は白色ですが、時間の経過とともに赤味を帯びて、赤く変わります


キバナコスモス(Cosmos sulphureus Cav.)

<キク目・キク科・キク亜科・ハルシャギク連・コスモス属>

2013/7/1                2013/10/1

キク科コスモス属の一年草で、メキシコ原産の帰化植物。

コスモスの名が付いているが、オオハルシャギク(コスモス)とは同属別種である。

日本では、園芸品種のひとつとして広く栽培されているが、一部は逸出して野生化している。

葉は、オオハルシャギクよりも切れ込み方が深く、裂片の幅も広い。

花色は、黄色か橙色が多いが、濃赤色の品種もある。

一重咲きと八重咲きがあるが園芸品種は八重咲きが多い。

暑さに強いため、オオハルシャギクよりも早く咲き始め、6月~11月が花期となる。

 

多摩川への途中の幹線道路の中央分離帯で、花を咲かせていました。

花色は黄色だけだと思っていたのですが、橙色のものも交じっていたようです。


ハルシャギク(Coreopsis tinctoria)

<キク目・キク科・キク亜科・ハルシャギク連・ハルシャギク属>

キク科ハルシャギク属の一年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

日本では各地で逸出して野生化し、全国的に見られる。

草丈は60~120cmで、葉は対生して、下部では1羽状に分裂し、頂裂片は長さ10~60mmの倒披針形。

茎葉は1~3回羽状に分裂し、頂裂片は長さ10~45mmの線状披針形。稀に単葉となる。

花期は7月~9月で、花序柄は長さ1~15cm。茎先に直径3~5cmの頭状花を付ける。

総苞は皿状で、舌状花は8個前後ある。舌状花は先が黄色で、基部が紫褐色になることが多い。

筒状花の花冠は長さ3mm弱で暗赤褐色で冠毛はなく、花床には鱗片がある。

2012/8/21

多摩川の河川敷で、草原の一角にポツンと咲いていました。

周辺の黄色に中心の濃紅色が蛇の目模様になっていることから、ジャノメソウ、ジャノメギクの別名があります。

2012/10/27

多摩川のいつもの散歩コースから10kmほど上流で、河川敷に咲くハルシャギクを見かけました。

一株だけですが、草むらの中で異彩を放っていました。やはり、目立ちますよね。

2013/7/9

今年は除草のタイミングで、河川敷ではハルシャギクを見ることはできませんでした。

しかし、帰りの遊歩道脇で、1株だけ咲いているハルシャギクを見つけました。

きれいな花が咲いているので、除草されずに生き残ったようです。


グロリオサ・デージー(Rudbeckia hirta cv. Gloriosa Daisy)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・オオハンゴンソウ属>

キク科オオハンゴンソウ属の1年草で、アメリカ中西部の帰化植物。

日本には明治時代の中頃に渡来し、逸出して北海道から本州の近畿地方以北、四国に分布している。

グロリオサ・デージーは、ルドベキア・ヒルタ種の品種改良種で、一重咲きと八重咲きがある。

草丈は40~80cmでよく分枝し、葉は長めのへら形で、毛が生え触るとざらつく。

花期は7月~10月で、茎先に直径15~20cmの頭状花序を付ける。

舌状花は先が黄色で、基部が赤褐色になり、筒状花は暗赤褐色である。

背の低い矮性種もあり、舌状花が黄色一色のものなど、いろいろな品種が出回っている。

2012/8/20

多摩川の河川敷への途中の公園脇で見かけました。

目立つ色の大きな花なので、否が応でも目に付きます。

最初は植栽されたものが、こぼれ種で増えたのかもしれません。


コセンダングサ(Bidens pilosa var. pilosa)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・センダグサ属>

2012/6/25          2012/6/25                 2012/9/4

キク科センダングサ属の1年草で、南北アメリカ原産の帰化植物。

日本では、本州の中部以西から四国、九州に分布している。

海外では、世界の暖帯から熱帯にかけて広く分布する。

草丈は30~180cmで、茎のは4稜があり、短毛が生える。

葉は、下部では対生し、上部では互生する。

中部の葉は長さ12~19cmあり、3全裂~羽状に全裂し、頂小葉は細長く尖る。

葉の両面には基部が膨らんだ毛があり、縁にも短毛がある。

花期は9月~11月で、上部の枝先に黄色い頭花を付け、筒状花のみで舌状花はない。

筒状花の花冠は5裂する。総苞片はへら形で先が尖り、7~8個が1列に並ぶ。

痩果は平たい線形で、4稜があり、先端に下向きの刺のある冠毛が3~4個ある。

※ コセンダングサ、コシロノセンダングサ、アイノコセンダングサの境界は曖昧な点もあり、

最近は、これら3種を区別しないで、コセンダングサとすることが多くなってきている。

 

2012/6/25 多摩川に行く途中の道端で、ママコノシリヌグイに交じって、1本だけ顔を出していました。

一見、花が散った後のように見えますが、これでも咲き始めです。

コセンダングサには花びらのある舌状花はなく、筒状花だけがあるためです。

ちなみに、秋に結実してそう果になると、先端に下向きの刺がある冠毛で服に付く嫌われ者です。

2012/9/4 コセンダングサが中央まで咲いて、盛り上がっている物がありました。

 左端の写真とは、異なる花のように見えますが、同じものです。

※ 花の拡大写真で、外周の筒状花に白く見えるところがあります。

コセンダングサとコシロノセンダングサの雑種(アイノコセンダングサ)の可能性があります。

2012/9/14

多摩川の川縁近くに生えていたコセンダングサが咲きはじめました。

川縁の刈り残した部分に一列に並ぶように咲いています。

2012/10/17

多摩川の川縁近くに生えていたコセンダングサですが、そう果ができはじめました。

といってもまだたくさん花を咲かせ、いろいろな昆虫(主にチョウやハチ)が集まっています。

2012/12/26

多摩川の川縁に残っていたコセンダングサですが、すっかり枯れて、オブジェのようです。


コシロノセンダングサ(Bidens pilosa var. minor)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・センダグサ属>

キク科センダングサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

本州中部以西に広く帰化しており、世界の熱帯に広く分布する。

コセンダングサの変種とされ、舌状花がある点以外は、コセンダングサと同じである。

草丈は30~180cmで、茎のは4稜があり、短毛が生える。

葉は、下部では対生し、上部では互生する。

中部の葉は長さ12~19cmあり、3全裂~羽状に全裂し、頂小葉は細長く尖る。

葉の両面には基部が膨らんだ毛があり、縁にも短毛がある。

花期は9月~11月で、上部の枝先に頭花を付け、頭花に長さ2~8mmの白色の舌状花が4~7個付く。

筒状花の花冠は5裂する。総苞片はへら形で先が尖り、7~8個が1列に並ぶ。

痩果は平たい線形で、4稜があり、先端に下向きの刺のある冠毛が3~4個ある。

 2012/10/27

多摩川の土手といっても、いつもの散歩コースより10kmほど上流で見かけました。

コセンダングサと異なり、立派な4~7個の白色の舌状花を持っています。

本種とコセンダングサの雑種が、次のアイノコセンダングサです。

なお、別名としてシロバナセンダングサ、シロノセンダングサと呼ばれることもあります。


アイノコセンダングサ(Bidens pilosa var. intermedia)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・センダグサ属>

キク科センダングサ属の1年草で、コシロノセンダングサとコセンダングサの雑種とされる。

コセンダングサの変化とする説もあり、コシロノセンダングサまで含めてコセンダングサとすることもある。

日本では、北海道から四国、九州と全土に広く分布する。

草丈は30~180cmで、茎のは4稜があり、短毛が生える。

葉は、下部では対生し、上部では互生する。

中部の葉は長さ12~19cmあり、3全裂~羽状に全裂し、頂小葉は細長く尖る。

葉の両面には基部が膨らんだ毛があり、縁にも短毛がある。

花期は9月~11月で、上部の枝先に黄色い頭花を付け、筒状花の花冠は5裂する。

なお、筒状花のみのコセンダングサと異なり、外周の筒状花の何個かが大きく白色になる。

総苞片はへら形で先が尖り、7~8個が1列に並ぶ。

痩果は平たい線形で、4稜があり、先端に下向きの刺のある冠毛が2~4個ある。

 2012/10/3

多摩川に行く途中の道端に、コセンダングサの群落があります。

その中にアイノコセンダングサらしき個体がありました。

白い筒状花でしかなく、花弁状にはなっていませんでしたが、中に白い花弁を付けたものがありました。

白い花弁といっても、コシロノセンダングサほど立派な花弁ではありませんので、アイノコセンダングサとしました。

白い花弁を付けた株は、それほど多くありませんが、所々で見られます。

コセンダングサが大多数ですが、白い筒状花を持つものもあり、雑種化が進んでいるのかもしれません。

2012/10/9

多摩川に行く途中の道端に咲くアイノココセンダングサです。

この時期、花が少なくなるので、セイヨウミツバチが花粉や蜜を集める良い場所になっているようです。

2012/10/15

アイノコセンダングサのそう果です。

この状態になってしまうと、コセンダングサと区別するのは不可能ですね。


キクイモ(Helianthus tuberosus)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・ヒマワリ属>

キク科ヒマワリ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

現在では、南アメリカやヨーロッパ、オセアニア、アジアと広範囲に帰化し、分布している。

草丈は1.5~3mと大柄で、茎は直立してざらつき、粗毛を密生する。

葉は上部が互生、下部は対生し、葉柄は長さ2~8㎝で、しばしば翼状になる。

葉身は長さ20㎝前後になり、披針形から卵形で、基部付近から3脈がある。

葉表は微軟毛があり、ざらつく。葉裏には毛が密生する。葉の基部は楔形で、全縁か鋸歯がある。

花期は9月~10月で、枝先に直径7cm前後の黄色い頭花を1つ付ける。

中心部に多数の筒状花があり、その周囲に1列に舌状花を付ける。

キクイモの名前の通り、根茎があり、成長すると塊茎をつくる。塊茎は瘤状で、大きいもの10㎝程になる。

芋といってもでんぷん質はほとんどなく、多糖類のイヌリンが主成分。

料理としては、牛乳煮、バター焼き、スープ、煮物などに使え、消化によってキクイモオリゴ糖になる。

2012/8/21

多摩川の川縁近くの一角にキクイモが黄色い花を咲かせ始めました。

キクイモの名前の通り、芋ができるそうで、食用になるそうです。

芋といってもでんぷん質はほとんどなく、多糖類のイヌリンが主成分。

料理としては、牛乳煮、バター焼き、スープ、煮物などに使えます。

で、消化によってキクイモオリゴ糖になります。

そのため、加工して健康食品として市販もされているそうです。

2012/9/12

多摩川のキクイモが満開になり、大きな群落があちこちで見られます。

写真の通り、大きな黄色い花が集まって咲いていますので、弥が上にも目立ちます。


オオブタクサ(Ambrosia trifida)

<キク目・キク科・キク亜科・ブタクサ属>

キク科ブタクサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。別名のクワモドキは、葉の形が似ているため。

日本では、ほぼ全国に分布している。海外でもヨーロッパ、アジアに帰化し、分布している。

草丈は30cm~3mで、茎は直立して上部で分枝する。茎には粗毛が生えている。

葉は対生し、葉身は長さ10~30cmの卵形~楕円形で、掌状に3~7裂する。小さいと全縁になる。

裂片は細長く尖り、両面とも細かい粗い毛と腺点があり、ざらつく。

葉の基部は切型~楔型で、縁には鋸歯があるが、稀に全縁となる。葉柄は長さ1~3cm。

花期は8月~9月で、茎頂に長い総状花序を出して雄頭花を付け、基部の苞葉内に雌頭花をつける。

雄頭花は下向きに垂れ下がって多数付き、長さ1~3mmの花序柄がある。

総包片は合着して直径2~4mmの皿形になり、3~25個の雄性の筒状花が付く。オシベは5個。

苞葉の中に2~3個の雌頭花が付き、雌頭花は緑色のつぼ型の総苞にメシベのみで、柱頭は2裂する。

果実は長さ5~10mmの偽果であり、先はくちばしとなり、総苞が硬化した刺状の突起が取り巻く。

2014/8/6

多摩川の川縁で護岸工事を行ったためと思われますが、巨大なオオブタクサの群落が出現しました。

今までは、他の野草などが茂っていたこともあり、これほど草丈は高くならず、株もそこそこでした。

それが、護岸工事の際、他の野草が抜き取られたことで、一気に繁茂したようです。

草丈は2mを超え、生えている数も半端な数ではなくなったため、大きな壁になっています。

花粉症の原因にもなりますので、秋の開花時には要注意ですね。

2014/9/2

川縁のオオブタクサですが、枝先に大量の花穂を出し始めました。

既に、一部の花穂では黄色く開花が始まっています。

2014/9/18

オオブタクサが満開状態となり、青空をバックに黄色い雄花が目立ちます。

その雄花の下には、しっかりと雌花も開花していました。

2014/10/3

川面が見えないほど枝葉を茂らせていたオオブタクサですが、10月になるとご覧のとおりです。

下部の葉などは枯れ落ちて、川面が見えるようになりました。


ハキダメギク(Galinosoga ciliata)

<キク目・キク科・キク亜科・メナモミ連・コゴメギク属>

キク科コゴメギク属の1年草で、メキシコ原産の帰化植物。

和名は、牧野富太郎博士が東京世田谷のはきだめで見つけた事に由来するとか。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に定着している。

海外でも、南アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジアと広範囲に帰化し、分布している。

茎は、根元から2つに分枝する事を繰り返し、高さ15~60cmになる。

葉は対生し、卵形~卵状被針形で、波状の浅い鋸歯がある。茎や葉など全体に軟毛がある。

花期は6月~11月で、上部の枝先に、直径5㎜ほどの小さな頭花を1個付ける。

頭花の周りには、白い舌状花が普通は5個並び、その内側に多数の黄色い筒状花が付く。

総苞は半球状で、総苞片と花柄には腺毛がある。冠毛は薄い鱗片状で、縁が羽毛状に裂け、先が尖る。

2012/6/25

多摩川の散歩コースに行く途中の道端に生えています。

写真の通り、極小さな白い花弁を付けますが、ほとんど目を引くことがありません。

最初に発見されたのが掃き溜めだったことから、この名前になったようですが、ちょっとかわいそうな気もします。


マメカミツレ(Cotula australis)

<キク目・キク科・キク亜科・マメカミツレ属>


キク科マメカミツレ属の一年草で、オーストラリア原産の帰化植物。

日本では、1940年頃に帰化が確認され、本州中部以南の都市部に分布している。

草丈は3~20cmで、茎は基部から多数分枝し、全体に白い軟毛がある。

葉は互生し、長さ2~6cmの楕円形で、2回羽状に深裂する。

花期は通年で、長さ5~10cmの花柄の先に直径3~6mmの緑色の頭花を付ける。

頭花の中ほどには数十個の両性の筒状花が付き、その周囲をメシベのみの雌性花が囲む。

なお、雌性花には花冠はない。総苞片は2~3列になる。

痩果は、雌性花由来の翼のある長さ1mm強のものと、両性花由来の翼のない1mm弱のものがある。

2012/5/9

多摩川に行く途中の道端で見かけました。切り株の根元に生えていたマンネンタケの直ぐ横です。

最初見たとき、花なのかどうかよくわかりませんでしたが、よく見ると黄緑色の花でした。

マメカミツレの頭花は中心に両性の筒状花、その周りに雌しべのみの雌性花が並びます。

その周りを総苞片がぐるりと一列に取り囲んでいます。

果実は、周辺の雌性花のものは翼があり、中心の両性化のものは翼のない楕円形をしているそうです。

残念ながら、成熟する前に除草されてしまい、それを見ることはできませんでした。

2012/12/26

多摩川の河川敷で、マメカミツレの花を見かけました。

小さな株で、花は数個確認できただけです。なお、写真のものは花後の痩果です。

周囲の緑色のものは翼のある雌性花の果実で、中央の白っぽいものは翼のない両性花の果実です。

2013/1/11                 2013/1/17

多摩川に向かう道端で、マメカミツレがたくさん咲いているのに気が付きました。

以前は、ドクダミなどが生えていた場所です。

それらが除草された後、生えていたようですが、気が付きませんでした。

1/11に撮影した後、1/15に大雪で埋もれてしまっていたのですが、1/17には一部が顔を出していました。