トクサ科・ナヨタケ科

トクサ目

  トクサ科(スギナ/ツクシ)

ハラタケ目

  ナヨタケ科(ヒトヨタケ)


スギナ(ツクシ)(Equisetum arvense)

<トクサ目・トクサ科・トクサ属>

トクサ科トクサ属の夏緑性の多年草で、北半球に広く分布しており、日本でも全国に分布している。

浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂するため、取り除くのが非常に困難な雑草である。

春に、ツクシ(胞子茎)を出し、胞子を放出する。

ツクシは、草丈10~15cmで、淡褐色の中空の茎に「袴」と呼ばれる褐色の輪状の葉が数段着く。

ツクシが出た後、栄養茎であるスギナが出てくる。

ツクシとは全く外観が異なり、草丈は10~40cm程度で、鮮やかな緑色で光合成を行う。

主軸の節毎に関節のある緑色の棒状の葉を輪生させる。

上の節ほどその葉が短いのが、全体を見るとスギの樹形に似て見えるのが、和名の由来。

ツクシの穂を放置すると、緑色を帯びた粉がたくさん出て来るが、これが胞子である。

 

2012/4/6

土筆とは、スギナの胞子茎であり、早春にスギナに先立ってニョキニョキと顔を出します。

散歩ルートの多摩川では、土手の則面にもちらほらと顔を出しています。

たくさん採れると佃煮にするのですが、土手ではそれほど多く見かけません。

2013/3/21                 2013/3/28

3/21 多摩川への道路脇の空き地で、ツクシがたくさん出ている所を見つけました。

3/28 1週間の間隔を開けて同じ場所を撮影しましたが、成長の度合いが分かると思います。

2015/3/31

上の写真と同じ場所ですが、今年はツクシの数が一段と増えたように思います。

見渡す限り、そこらじゅう、ツクシだらけといった感じでした。

2013/3/29                 2013/4/12

3/29 多摩川のツクシもすっかり伸び切って、胞子も散ってしまっています。

スギナも、かなり成長してきていました。

4/12 すっかりツクシは消えてしまい、スギナが大きく成長しています。

2014/4/7            2014/4/8            2015/4/3

2014/4/7 上部の胞子嚢床は開いていませんが、下部のものは開いて胞子を放出した後のようです。

2014/4/8 全ての胞子嚢床が開いていますが、胞子は未放出のため、胞子嚢が緑っぽく見えています。

2015/4/3 胞子嚢床が完全に開き切り、胞子嚢も白いので胞子は放出された後のようです。


ヒトヨタケ(Coprinopsis atramentaria

<ハラタケ目・ナヨタケ科・ヒメヒトヨタケ属>

2015/4/22               2015/4/22                2015/5/21

ナヨタケ科ヒメヒトヨタケ属のキノコで、春から秋に広葉樹の枯れ木や埋もれ木に発生する腐生菌。

傘は灰色で細かい鱗片があり、初めは卵型である。それがだんだん縁が反転していく。

ひだは初め白色で、胞子が成熟するにつれ、胞子自体の色である黒色に変わる。

柄は白色で中空、不明瞭なつばの跡がある。

成熟した傘は、周縁より中心部に向かって自己消化によりしだいに溶けていく。

そして、一夜で柄のみ残し、黒色の胞子を含んだ黒インクのような液と化す。

肉は白色で、無味。液化する前の幼菌は食用になり美味とのこと。

ただ、コプリンという特殊な毒を持っているので、毒キノコに分類される。

コプリンは、アルコールの分解を妨げるので、食後、1週間は飲酒は避けるべきである。

でないと、吐き気や二日酔いなど、ひどい症状に見舞われることになる。

 

多摩川に行く途中の神社の境内にある大木の根元でときどき見かけます。

ただ、なかなかいいタイミングでの出会いがなく、撮影できていませんでした。

この日、幼菌と融けて干からびたものが、隣合わせになっていたので、撮影しました。

この幼菌も、数日後には融けて干からびているものと思われます。

右端は、1ヶ月後に見かけた幼菌です。成長が進んでいるようで、傘の縁が黒くなり始めています。