ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目
ヒツジバエ上科クロバエ科(ツマグロキンバエ)
ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目
ヤチバエ上科ツヤホソバエ科(ヒトテンツヤホソバエ)
ハエ目・カ亜目・ケバエ下目
ケバエ上科ケバエ科(クロアシボソケバエ、メスアカケバエ) (参)ハグロケバエ
ケバエ上科トゲナシケバエ科(クロトゲナシケバエ)
ハエ目・カ亜目・ガガンボ下目
ガガンボ上科ガガンボ科(キリウジガガンボ)
ツマグロキンバエ(Stomorhina obsoleta)
<ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・ヒツジバエ上科・クロバエ科・ツマグロキンバエ亜科・ツマグロキンバエ属>
クロバエ科ツマグロキンバエ亜科の1種で、6月~10月に花に来る小さなハエ。
日本では、北海道から、本州、四国、九州、沖縄まで分布する。
体長は5~7mmで、体色は深緑色。背中に丸みがあり、翅の先端が黒い。
複眼は青緑色に波模様があり、口吻は長く突き出ている。
幼虫は動物の死骸などを食べ、成虫は花の蜜を食べる。
2012/9/25
ツルボの花にツマグロキンバエがたくさん群がっていました。
この時期、河原には花が少ないので、ツルボの花に集まってきたようです。
オス(右写真の右下)は、翅を重ねてたたむのと、腹部がすっきりしているので、精悍な感じに見えます。
メスは、腹部が少し大きめなので、翅からはみ出してそこまでではありません。
下の方に雌雄の比較写真がありますので、そちらを見ていただくと良く分かると思います。
2012/9/27
同じツルボにオオハラナガツチバチ(手前)とツマグロキンバエ(奥)が止まっていました。
両者の大きさの違いがよく分かり、ツマグロキンバエの小ささが際立っていますね。
2013/9/6 2013/10/1
9/6 川縁でたくさんの花を付けているイタドリで、ツマグロキンバエ(メス)を見かけました。
なかなかアップで撮る機会がなかったのですが、じっとしていたので撮影できました。
複眼の波模様と突き出た口吻がよく分かります。
10/1 多摩川からの帰り道、道路脇のハツユキソウで見かけたツマグロキンバエ(メス)です。
ツマグロキンバエが小さいので、小さい花が大きく見えます。
2013/11/13
多摩川の河川敷にある元花壇と思われるところで、いろいろなアブが飛び回っていました。
その中にツマグロキンバエのオス(腹部の斑紋が明瞭)も混じって給蜜していました。
2014/9/30
メグサハッカで給蜜しているツマグロキンバエのメスです。
上のツマグロキンバエのオスと、腹部の形状や模様の違いを見比べてください。
ヒトテンツヤホソバエ(Sepsis monostigma)
<ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・ヤチバエ上科・ツヤホソバエ科・Sepsinae亜科・Sepsini族・Sepsis属>
ツヤホソバエ科の1種で、草や潅木の葉上でよく見られる。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島に分布する。
体長は4㎜前後で、頭部が球状で丸く、体は光沢のある黒色で、翅の外縁近くに一対の黒斑がある。
翅を時々ねじるようにしながら、葉の上を歩き回る。
幼虫は牛糞などの獣糞を餌とし、ときに大量に発生する。成虫も糞を吸汁している。
よく似たクロツヤホソバエは、翅の外縁に黒点がない。
2014/5/19
多摩川の土手を散歩中、たくさんのケバエらしきものが飛び回っていました。
そのペアらしきものが止まっていたので、撮影しようとしたとき、直ぐ横に止まっていたのが本種です。
近くに寄っても逃げもせずじっとしていたのと、頭部が丸く、変わった形状でしたので、つい撮ってしまいました。
後で調べ始めたのですが、なかなか該当するものが見つかりません。
やっと探し当てたのが、ツヤホソバエ科で、翅に黒斑があるのは、本種も含めて数種。
写真のみからでは、それ以上の特定は無理なようです。それで、仮に最も多い本種としています。
クロアシボソケバエ(Bibio holomaurus)
<ハエ目・カ亜目・ケバエ下目・ケバエ上科・ケバエ科・ケバエ亜科・ケバエ属>
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
出現時期は4月~5月で、体長は6~8mmと小型のケバエである。
メスアカケバエやハグロケバエと異なり、雌雄で体長に差があまりない。
脚も含めて全身真っ黒で、胸部は光沢があり、体毛も黒色である。
翅は半透明で、前縁中央の下寄りに暗褐色の紋がある。
2014/4/28
多摩川の土手で、メスアカケバエを探したのですが、時期が過ぎたのか見当たりません。
その代わりと言っては何ですが、交尾中のクロアシボソケバエに出会えました。
ここで見かけるのは初めてですし、このペア以外、他には見当たりませんでした。
雌雄とも真っ黒なケバエなので、初め、ハグロケバエと間違えていました。
ただ、大きさがメスアカケバエに比べてかなり小さいく、10mmにも満たないのが気になっていました。
その後、下記の浜名湖でハグロケバエを見て、異なることがはっきりし、再調査で本種と分かりました。
半透明な灰色っぽい羽と前縁の暗褐色の紋も本種であることの根拠の1つです。
<メス> <メス> <オス> <オス>
下段のオスの写真は、回転して向きを合わせてあります。
ハグロケバエ(Bibio tenebrosus)
<ハエ目・カ亜目・ケバエ下目・ケバエ上科・ケバエ科・ケバエ亜科・ケバエ属>
2015/4/24 2015/4/24
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
出現時期は4月~5月で、体長は12~14mmある。
動作が鈍く、飛翔も得意ではないようで、じっと止まっていることが多い。
メスアカケバエとは異なり、メスもオス同様で体色は真っ黒で、細かい軟毛で覆われる。
メスが一回り大きく、複眼がオスよりもかなり小さい所などは、メスアカケバエと同様。
メスアカケバエより少し大きめで、翅は半透明で、暗褐色である。
メスアカケバとの違いは、メスは一目瞭然であるが、オスはよく似ていて識別が難しい。
細かく見ると、オスの背中には光沢がなく、胸の毛が褐色(メスアカケバエは黒色)な点で区別可能。
天気の良い日中に、立木の周辺などで多数のオスが群飛するのがしばしば見られる。
2015/4/24
浜名湖サービスエリアに立ち寄った際、本種が飛び回っているのに出会いました。
盛んに飛び回っていて、ときおり降りてきて休みます。その時をねらって撮影したものです。
メスアカケバエ(Bibio rufiventris)
<ハエ目・カ亜目・ケバエ下目・ケバエ上科・ケバエ科・ケバエ亜科・ケバエ属>
2013/4/12 2013/4/12 2013/4/17
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで普通に見られる。
出現時期は3月~5月で、体長9~10mm強のケバエの仲間。オスよりメスの方が一回り大きい。
名前の通り、オスは全身真っ黒であるが、メスは、胸部背面や腹部が朱色で、別種に見える。
早春の林縁部に多く見られ、オスは風のない晴天に日に群飛する事が知られている。
幼虫は、落ち葉などの腐植質を餌とし、体に毛のような突起を持つ。
4/12 多摩川の河川敷で、それほど多くはありませんが、飛び回っているのをよく見かけます。
ときどき、葉などに止まるのですが、近づくと飛び立ってしまうので、なかなか写真が撮れませんでした。
この日は、近づいても逃げなかったので撮影できました。
4/17 この日、メスのメスアカケバエを見かけたので、撮影しようとしたのですが、逃げられました。
近くにオスのメスアカケバエが止まっていたので撮りましたが、メスが撮れなかったのは残念。
2014/4/22
多摩川の土手で多くのメスアカケバエのオスが群飛していました。
昨日は、天気が良くなかったので、飛んでいるものより、葉などに止まっているものの方が多かったです。
そして、交尾中のメスアカケバエを所どころで見かけたのですが、今日は、全く見かけません。
両方を同時に撮りたかったのですが、個別に掲載します。大きさはほぼ同じ縮尺です。
真っ黒なオスの頭部とメスの頭部の拡大画像ですが、両者の複眼の大きさの違いが際立っています。
オスの群飛ですが、上部は小型、下部は大型のオスが占領しているそうですが、
飛び回っている状態では判断できませんでした。
地面から出てくるメスとの交尾には下部が有利であり、
大型の強いオスの方が種の保存のためには有利だからだそうです。
そして、他のオスとの交尾を阻止するため(最後に交尾した精子が受精)、交尾は数日にわたるそうです。
その間、オスは飲まず食わずになるわけで、何とも過酷な行為ですね。
クロトゲナシケバエ(Plecia adiastola)
<ハエ目・カ亜目・ケバエ下目・ケバエ上科・トゲナシケバエ科・トゲナシケバエ属>
トゲナシケバエ科トゲナシケバエ属に属するケバエで、在来種。
発生時期は5月~6月で、体長は5.5~7mmである。
体は全体に光沢のない黒色、翅も半透明で黒い。胸背に溝はない。
脚は単純で、前脚脛節末端に1対の棘がない。これが科名の由来。
2014/5/19
多摩川の土手を散歩中、たくさんのケバエらしきものが飛び回っていました。
そのペアらしきものが止まっていたので、撮影しました。
写真を見て、頭部が雌雄で異なる所から、ケバエの仲間と判断しました。
見づらいですが、上の頭部(複眼)は大きいのでオス、下の頭部(複眼)は小さいのでメスです。
光沢のない黒い体色、半透明な黒褐色の翅から、本種としましたが、間違えている可能性はあります。
2015/4/23 2015/5/7 2015/5/7
今年も多摩川の土手で、ケバエの仲間がたくさん飛び始めました。
最初に目に付き始めたのはメスアカケバエで、その後、小さなケバエが増えていきました。
小さな真っ黒なケバエには、前述のクロアシボソケバエがいますが、翅の斑紋で区別できます。
最も遅い時期に出てくるのが本種で、メスの頭部の形状にも違いが見られます。
左端は、メスが単独で止まっていたもので、この頃はクロアシボソケバエと混在していました。
後の2枚写真を撮った頃には、本種以外のケバエは見当たらなくなっていました。
キリウジガガンボ(Tipula aino)
<ハエ目・カ亜目・ガガンボ下目・ガガンボ上科・ガガンボ科・ガガンボ亜科>
ガガンボ科ガガンボ亜科の昆虫で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は14~18mmで、翅長は20~22mm。出現時期は3月~6月と9月~11月の年2回。
比較的大型のガガンボで、翅の前縁が褐色。腹部は淡黄褐色で、腹部両側面は黒褐色である。
胸部は灰褐色~黄褐色で、不明瞭な黒褐色の縦条がある。触角は13節で黒褐色であるが、基部3節は黄褐色。
水田や畑周辺に多く、都市部周辺でも良く見られる。
幼虫は、腐った植物や植物の芽、若い根などを食べるので、イネの害虫とされている。
2016/4/14
イロハモミジの花が咲いていたので見ていると、ガガンボが止まっているのに気が付きました。
ガガンボは、翅を開いてぶら下がるように止まっている所しか見たことがありません。
翅をたたんで止まっているのを見たのは初めてです。
この状態では腹部の模様などは見えませんが、体長や体色などから本種と判断しました。
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