トウダイグサ科・アケビ科・キンポウゲ科

キントラノオ目

  トウダイグサ科(ハツユキソウ)

キンポウゲ目

  アケビ科(ムベ)

  キンポウゲ科(シュウメイギク、センニンソウ)  (参)ボタンヅル


ハツユキソウ(Euphorbia marginata Pursh)

<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・トウダイグサ連・トウダイグサ属>

トウダイグサ科トウダイグサ属の1年草で、北米南部原産の園芸品種。

花というより、緑の葉縁に白い覆輪が入った葉を楽しむ、観葉植物です。

その意味で、同じ仲間のショウジョウソウやポインセチアに近い。

葉や茎の切り口から出る乳白色の液は、皮膚に炎症を起こすことがあるので要注意。

草丈は80~100cmで、茎は直立して無毛、上部で分枝する。

葉は互生し、長さ5~7cmの長惰円形で、無毛で全縁。下部の葉は緑色。

葉は枝先では輪生状になり、縁が白色の苞葉となる。

花期は7月~10月で、苞葉に互生して杯状花序を単生し、花序の直径は5~6mm。

腺体は4個あり、付属体は白色で腺体より大きい。雌花の子房には毛が密生する。

果実は蒴果で、直径5~6mmの球形に近く、毛がある。果柄は長さ3~7mm。

2013/10/1

多摩川への道路脇の公園で、今年も見かけました。

中央の葉脈以外が白い葉なので気になっていました。

この日、茎の先に花らしきものが見えたので、撮影したものです。

毎年同じ場所で見かけるので、多年草かと思っていたのですが、1年草でした。

おそらく、種が落ちて毎年、同じ場所に生えていたのでしょう。

花(というより花序)も、葉と同じく、緑と白のツートンカラーです。

トウダイグサ属は、雌雄異花の杯状花序という風変わりな花序を持つのが特徴です。


ムベ(Stauntonia hexaphylla)

<キンポウゲ目・アケビ科・ムベ属>

アケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物で、在来種。トキワアケビの別名を持つ。

日本では、本州関東以西から四国、九州に分布し、海外では中国、台湾に分布する。

奇数枚の小葉からなる掌状複葉で、成長に伴い3枚、5枚、7枚と増える。小葉の裏側には網状の葉脈がある。

花期は5月で、雌雄同株。雌花の方が少し大きい。花弁はなく、花弁に見えるのは6枚の萼片。

果実は、7cm前後になり、11月頃に熟して赤紫色になる。

果実は、アケビに似るが、果皮が薄いため、アケビのように裂けない。

熟した果実の中には、多くの黒いタネと白っぽい果肉がつまっており、果肉は甘い。

しかし、果肉は種子にしっかりと着いており、食べにくいのが難点。

2014/10/20

多摩川への道路脇の公園で、ムベの果実がほんのりと色付き始めていました。

※ なお、ムベの花に関しては、「春の野草/アケビ属」に掲載しています。

2014/10/31

10日ほどで、全体が赤紫色に色付いてきました。

中には、色鮮やかな発色を見せている果実もあります。

2014/11/14

色付き始めて1ヶ月程が経過し、赤紫色も一段と鮮やかになってきました。

そろそろ食べ頃ではないかと思うのですが、勝手に取るわけにもいきません。

食べたことがある方に聞いてみると、あまり甘みは強くなく、柿のような味とのことでした。

2014/11/30

自宅近くで、1つ、果実をいただいたので、食べてみました。

果肉は果実にしっかりと着いているとのことでしたが、口中で簡単に分離できました。

十分に熟した果実では、果肉と種が分離しやすいのかもしれません。

ジューシーな果肉は、程良い甘みがあり、嫌味がないので食べやすかったです。


シュウメイギク(Anemone hupehensis var. japonica)

<キンポウゲ目・キンポウゲ科・イチリンソウ属>

キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、中国原産とされている。

名前にキクと付いているが、キクの仲間ではなく、アネモネの仲間。

日本では、本州から四国、九州に分布し、園芸品種として植栽されている。

草丈は30~150cmで、地下茎を横に伸ばして増える。

根茎から根出葉を出し、3出複葉の小葉は長さ5~7cmで3~5裂し、鋸歯があって小葉柄がある。

茎には葉が2~3個輪生する。下部の茎葉には短い葉柄があるが、上部の葉では無柄になる。

花期は8月~10月で、花は直径は5~7cmになるが、花弁はない。

花弁に見える物は、花被片(萼片)であり、花弁ではない。

花色は淡紅紫色と白色が主であるが、濃紅色の品種も作出されている。

オシベは多数あり、葯は黄色。メシベも多数あり、細い柄があって球状に集まる。

全草が有毒で、むやみに触れたり、摘んだりすると皮膚炎を起こすので要注意。

2013/10/7

多摩川への道路脇にある公園に、淡紅紫色の一重咲きのシュウメイギクが咲いていました。

どう見ても花弁にしか見えませんが、これは花被片(萼片)です。

2013/10/11

多摩川への道路脇にある別の公園で、白花の一重咲きのシュウメイギクが咲いていました。

白花は清楚で良いですね。ただ、淡紅紫色もきれいな色なので捨てがたいです。

八重のシュウメイギク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2008/9/23

町田市にある薬師池公園で見かけたシュウメイギクです。

紅紫色の八重咲きで、原種に近い品種と思われます。

シュウメイギクとネパール原産のアネモネ・ビティフォリアの交配種が普及しています。

これらには、白、淡紅紫色、濃紅紫色などがあり、やはり、シュウメイギクとして販売されています。

上記の公園で見かけたものは、おそらく、この交配種と思われます。


センニンソウ(Clematis terniflora)

<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ亜科・センニンソウ属>

キンポウゲ科センニンソウ属の常緑つる性半低木で、在来種。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の日当たりの良い山野に分布する。

葉は対生で、5枚の小葉を持つ羽状複葉。小葉は卵形で葉先は尖り、全縁。

葉柄は、他の植物の茎や葉などに絡み付き、自身を固定する。

花期は8月~9月で、葉腋から円錐花序を出し、白い花を多数付ける。

花は直径数cmほどで、上向きに咲く。花弁はなく、白い花弁状のものは萼片で十字形に開く。

多数のオシベと数個のメシベがあり、長さは萼片の半分程度しかない。

痩果は扁平な卵形で、花後、数cmほどに伸びた花柱が残り、長い毛が開いて羽毛状になる。

なお、本種は有毒植物なので、取り扱いには注意が必要です。

2015/9/3

多摩川への道路脇にある民家で、植えられている木に白い花が多数咲いていました。

良く見ると、花は木のものではなく、絡み付いたセンニンソウの花でした。

2015/10/5

一月ほど経つと、花はすっかり無くなり、たくさんの痩果が付いていました。

痩果に残っている花柱は、時間の経過と共に長い毛が少しずつ立ち上がり、羽毛状になります。

よく似たセンニンソウとボタンヅル

    <センニンソウ>        <ボタンヅル

ボタンヅル(Clematis apiifolia)

<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ亜科・センニンソウ属>

キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木で、在来種。

日本では、本州から四国、九州に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国の暖帯から温帯にかけて分布する。

葉は1回3出複葉で、小葉は広卵形で先が尖り、不揃いな鋸歯がある。

花は、葉腋に多数付き、花弁はなく、4個の白い萼片が花弁状に平開する。

オシベ、メシベとも多数あり、その花糸は萼片と同じか少し長くなる。

2015/8/21

上記のボタンヅルは、只見線越後須原駅近くの道路脇の畑の縁で見かけたものです。

センニンソウの花と比較すると、萼片とオシベの長さの違いが良く分かると思います。