スイカズラ科・ウルシ科・マンサク科・イヌサフラン科・ユリ科

マツムシソウ目

  スイカズラ科(オミナエシ)

ムクロジ目

  ウルシ科(ヤマハゼ)

ユキノシタ目

  マンサク科(マンサク)

ユリ目

  イヌサフラン科(イヌサフラン)

  ユリ科(タイワンホトトギス)


オミナエシ(Patrinia scabiosifolia)

<マツムシソウ目・スイカズラ科・オミナエシ属>

スイカズラ科オミナエシ属の多年草で、在来種。秋の七草の1つ。

日本では、北海道から本州、四国、九州と、沖縄以外の地域に分布している。

日本以外では、朝鮮半島から中国、東シベリアにかけて分布する。

秋の七草の1つで、よく栽培されているが、自生するものは少なく、なかなか見られい。

草丈は60~100cm程度で、根茎が横に這って増える。茎は直立し、上部でよく分枝する。

葉は対生し、長さ10㎝程で羽状に裂ける。葉柄は数㎝~10cmほど。

花期は8~10月で、茎先に散房花序を付け、直径数㎜の黄色い花を多数付ける。

花冠は5裂して筒部は短い。オシベは4個、花柱は1個。

果実は長さ4㎜前後の長楕円形で、オトコエシのような翼はない。

秋の七草:女郎花(オミナエシ)、尾花(ススキ)、桔梗(キキョウ)、撫子(ナデシコ)、

       藤袴(フジバカマ)、葛(クズ)、萩(ハギ)

 2012/9/14

多摩川に向かう道路脇の公園で、みごとな黄色い花を咲かせていました。

花は小さいですが、大きく固まって咲いているので、よく目立ちます。

オミナエシは、日当たりの良い、よく手入れされた草地を好むそうです。

最近、そういった場所の減少とともに自生地も減っているそうで、残念です。

公園のような手入れされている場所以外では、見られなくなってくるんでしょうか。


ヤマハゼ(Toxicodendron sylvestre)

<ムクロジ目・ウルシ科・ウルシ属>

ウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、在来種。雌雄異株。

関東地方~九州の暖地の山地に生え、樹高は8m程になる。

樹皮は褐色で、赤褐色の皮目が目立つ。老木では、樹皮は縦長に裂けてはがれ落ちる。

葉は長さ40cmの奇数羽状複葉で互生し、5対前後の小葉がある。

小葉は長さ4~13cmの卵状長楕円形で先は長めに尖り、全縁である。

葉腋から長さ8~15cmの円錐花序をだし、黄緑色の小さな花を多数付ける。

花弁は5個で、長さ2mm前後の楕円形で、雄花の花弁は反り返り、オシベは外に突き出る。

雌株には、10mm程の扁球型の果実(核果)が多数、ぶら下がるように付く。

2013/11/11

多摩川河川敷に1本だけあるヤマハゼが、色付き始めました。

まだ、まだら模様ですが、秋の訪れを感じます。

この株は、雌株だったようで、たくさんの果実を付けていました。

2014/11/28

昨年は、ちょっと間を開け過ぎて紅葉の盛りを見損ねたのですが、今年はばっちりです。

木全体が、真っ赤に紅葉し、色気のない河川敷で、一人気を吐いているといった感じです。

2013/12/11

1ヶ月経ってヤマハゼを見に行くと、紅葉も終わりに近く、ほとんどの葉は落葉していました。

一部残っていた葉は、真っ赤に色付き、梢には果実がたわわに実っていました。

この木を見ていると、冬が近づいているのを感じます。

2014/2/13

多摩川河川敷のヤマハゼですが、果実がどうなっているのか気になって見に行ってみました。

多少は残っているのを期待していたのですが、まったく残っていません。

下に落ちているのかと、あたりを探してみましたが全く見当たりません。

野鳥に食べつくされてしまったのかもしれませんが、確認する術はありませんでした。


マンサク(Hamamelis japonica)

<ユキノシタ目・マンサク科・マンサク亜科・マンサク属>

マンサク科マンサク属の落葉小高木で、日本の固有種。

日本の本州太平洋岸から四国、九州に分布する。

その他の北海道、東北、四国などには、亜種や変種が分布している。

葉は互生し、長さ5~11cmの菱形状卵形で、両面に星状毛が散生、波状の鋸歯がある。

花期は2月~3月で、葉の展開前に開花する。花は束状に付き、両性の黄色い花である。

花弁は長さ15mm前後の縮れたリボン状で、オシベ、仮オシベは各々4個ずつある。

メシベは2本の花柱を持つ。萼片は、暗紫色の卵形で、4個ある。

果実は直径10mm前後の蒴果で、褐色の短毛が密生し、黒光りする長楕円形の種子が2個入る。

なお、シナマンサク(Hamamelis mollis)との雑種には、多くの園芸品種が作出されている。

シナマンサクは、芳香が強く、枯葉が花の咲く春先まで残る特徴がある。

2014/3/25

河川敷への途中にある学校の裏庭で、赤と黄色の花を付けていたマンサクです。

赤い花のアカバナマンサクより、1週間ほど遅れて黄色い花のマンサクが咲き始めます。

根元が同じなので、2種類のマンサクが寄せ植えになっているようです。

2014/5/23

マンサクの大きな葉の陰で、蒴果が1cm程の大きさになっていました。

2014/11/13           2014/11/12           2014/11/12

11月に入ると黄葉が始まり、蒴果が4つに割れて、真っ黒な種子が顔を見せていました。

昨日見た時には、両方に種子が入っていたのですが、片方はこぼれ落ちてしまったようです。

種子も真っ黒ですが、蒴果の内側も真っ黒です。種子の白いヘタの有無で、種子の存在が確認できます。

蒴果ですが、まだ、割れていないものもあり、順次、割れていっているようです。

その蒴果の近くでは、来年、開花するツボミが順調に育っていました。


イヌサフラン(Colchicum autumnale)

<ユリ目・イヌサフラン科・イヌサフラン属>

イヌサフラン科イヌサフラン属の多年草で、ヨーロッパや北アフリカが原産の帰化植物。

アルカロイドのコルヒチンを含んでおり、有毒植物である。

また、花はサフランと酷似しているが、サフランはアヤメ科クロッカス属で全く異なる植物である。

草丈は10~40cmで、球茎は長さ25~60mm、幅20~40mmで褐色の薄皮で包まれている。

葉は長さ15~35cmの披針形で、光沢のある暗緑色。春に葉を出して、花が出る前に枯れる。

花期は8月~10月で、地中の球茎から1~6個の花茎を出し、長さは5~20cm。

花弁は長さ30~45mmの淡紫色で、淡い網目模様がある。

果実は蒴果で、長楕円形~卵形。はじめ緑色であるが、4月~7月に熟すと褐色になる。

2012/10/9

多摩川からの帰り道、道端の一角で大きなクロッカスのような花を見かけました。

花は、上が薄紫で下が白のきれいなグラデーションになっており、葉は全く見当たりません。

調べたところ、イヌサフランという有毒植物と分かりました。

花を食べることはないでしょうが、春先の葉、出る時期や形状がギョウジャニンニクにそっくりだそうです。

球根の形状までそっくりなので、素人では区別が難しいようです。

実際に、誤食による中毒事故が発生し、死亡例もあるそうなので、花壇に植えるなど管理が大事なようです。

2013/10/7

今年も気が付くと、イヌサフランが淡紫色の花を咲かせていました。

昨年と異なり、今年は前日の雨でかなり花が傷んでおり、綺麗なものは少なかったです。

2014/9/17            2014/10/1           2014/10/1

9/17 イヌサフランが、花茎を伸ばし始めていました。

今まで、花が咲くまで気が付かなかった本種ですが、初めて咲く前の様子を確認できました。

それで気が付いたのですが、花茎を伸ばし始めるときから、先端は花と同じ淡紫色をしています。

10/1 今年もイヌサフランが、たくさんの花茎を伸ばして開花していました。

その中に、まだ、つぼみの状態のものが何本か残っていました。

花茎の成長と共に、花弁の淡紫色の部分が徐々に広がっていきます。


タイワンホトトギス(Tricyrtis formosana Baker)

<ユリ目・ユリ科・ホトトギス属>

ユリ科ホトトギス属の多年草で、在来種。日当たりの弱いところに生える。

日本では、西表島のみと自生地が限られ、個体数も少ない。

園芸用に販売されているのは、タイワンホトトギスとホトトギスの交雑種と言われている。

茎は屈曲し、葉は互生する。葉身は長さ10cm前後の狭卵形で、縁は全縁、基部は茎を抱く。

茎や葉表は無毛かわずかに毛がある程度であるが、葉裏は有毛。

花期は9月~10月で、茎頂や葉腋に集散花序を出し、まばらに花を付ける。

雌雄同花で上向きに咲き、青紫白色の花被片は斜め上向きに開く。表面に濃い紫色の斑点がある。

花被片基部の内面にある橙色の斑紋はやや不鮮明。花柱や柱頭、花糸にも斑点がある。

ホトトギスの和名は、斑点の入る花が、ホトトギスの胸の模様に似ることに由来する。

2013/10/18

多摩川への道路脇の民家で、道路際にたくさん咲いていました。

花の特徴的には、タイワンホトトギスなのですが、園芸用の交雑種と思われます。

2014/10/3

昨年と同じ場所で、今年もたくさん花を咲かせていました。

昨年撮った写真と比較して、今年の花は赤紫色の色が濃く出ているように思います。