マメ科

マメ目

  マメ科ジャケツイバラ亜科(ハナズオウ)

  マメ科マメ亜科(クスダマツメクサ、コメツブツメクサ、シロツメクサ、ベニバナツメクサ、

          ムラサキツメクサ[アカツメクサ]、ヤハズエンドウ[カラスノエンドウ]、

          スズメノエンドウ、ミヤギノハギ、フジ、ヤマフジ)


ハナズオウ(Cercis chinensis)

<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・ハナズオウ連・ハナズオウ属>

                   2015/4/23

                   2016/4/8

マメ科ハナズオウ属の落葉低木で、中国原産の帰化植物。

日本には、江戸時代初期に渡来したとされている。

樹高は2~3m程度。葉はハート形の単葉で、互生。

4月頃、葉に先だって紅紫色(白花もある)の蝶形の花を多数、枝に付ける。

花後、長さ数cmの豆果を多数付け、秋には黒褐色に熟す。

 

2015/4/23 多摩川への道路脇の公園で、紅紫色の花を多数付けた本種を見かけました。

少し離れたところには、白花の本種も咲いていました。写真は、白花の方です。

白花の方は、紅紫色のものほど花数は多くありません。

良く見ると、一部が紅紫色になった物が混じっていました。

2016/4/8 紅紫色の花の写真を追加しました。

2016/4/25

しばらくしてハナズオウの所を通ると、花が終わって豆果が大きくなり始めていました。

2015/7/28

花後に出来た、紅紫色のハナズオウの豆果です。

枝にびっしりと、これでもかと言わんばかりに付いていました。

2015/9/4

ハナズオウの豆果ですが、木によって上記のように成熟に大きな差異が生じていました。

紅紫色の花の方は、すっかり成熟して豆果も茶色くなっていました。

一方、白花の方はというと、まだ、緑色で未成熟な状態です。


クスダマツメクサ(Trifolium campestre)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属・Chronosemium亜属

マメ科・シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパから西アジア原産の帰化植物。

日本では、主に本州と四国に分布するが、北海道や九州にも分布が広がっている。

地を這うよう広がるコメツブツメクサとは異なり、本種は茎が立ち上がり草丈は20~40㎝ほどになる。

葉は互生し、3小葉で、葉柄は小葉より短い。側小葉は無柄で、頂小葉には5㎜前後の葉柄がある。

托葉は、長さ7㎜前後の楕円形で先が尖る。小葉は長さ5~15㎜程の楕円形で、葉先のみに鋸歯がある。

花期は5月~8月で、葉腋に長さは数㎝の花柄を出し、長さ15~20㎜の円筒状の花序を付ける。

萼は、初期には緑色をしているが、開花すると鮮黄色に近くなり、長さ2㎜前後で、先が5裂する。

開花後、受粉すると花は下向きになり、花が終わっても花冠は落ちずに枯れ残る。

2013/5/24

多摩川の土手の上で、通路脇の草むらの中で見かけました。

見かけた場所では、この株のみで、周りには見当たりませんでした。

花に止まっているホソヒメヒラタアブとの比較で、花の直径は1cmに満たない大きさです。

2枚目の写真で、白っぽい花が付いていますが、授粉が終わったものです。

授粉の終わった花弁は、下向きに垂れ、花が終わっても落ちずに残ります。

2014/5/19

昨年見つけた本種ですが、今年もあるかと探しましたが見当たりません。

諦めかけていた頃、別の場所で本種を見つけました。

しかし、最近、好天が続いているためか、なんだか元気がありません。

葉には生気がなく、萎れかけているようで、なんとか花を咲かせているといった感じです。

雨が降った後、再び訪れたのですが、今年も除草されてしまっていました。

2015/5/20

今年は、土手の除草のタイミングがずれ、クスダマツメクサが残っていました。

最初に気付いた時には、1株だけでしたが、徐々に増え、今年はかなり増えていました。

ムラサキツメクサに混じって、たくさんの花を付けています。ただ、花が小さいので目立ちませんが。

花も元気に咲いていましたので、拡大して撮影できました。


コメツブツメクサ(Trifolium dubium)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属・Chronosemium亜属

マメ科・シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ - 西アジア原産の帰化植物。

日本では、全国的に分布している。

コメツブウマゴヤシと間違われることがあるが、コメツブツメクサは地を這うように背が低い。

草丈は20~40㎝ほどで、茎は良く分枝して横に広がる。

葉は3小葉で、葉柄は数㎜と短い。

小葉は長さ10㎜弱の楕円形で、葉脈がはっきり見え、側脈は並行。

花期は5月~7月で、葉腋から2㎝程の花序枝を出し、その先に直径7㎜ほどの花序を付ける。

黄色い蝶形花は長さ3㎜ほどで、5~20個ほどが球状に集まって付く。

授粉後、花は垂れ下り、花冠は枯れてそのまま残り、その中で豆果は成熟する。

2012/4/25

シロツメクサなどと比較すると、小さくて目立たないので、よく見ていないと見落としそう。

2014/5/9

多摩川の河川敷では、この季節、通路脇にはコメツブツメクサがたくさんの花を咲かせています。

とはいっても、小さな花なので、それほど目立つ存在ではありません。


シロツメクサ(Trifolium repens)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属・Trifolium亜属・Trifoliastrum節

マメ科・シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ・北アフリカ原産の帰化植物。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国的に分布している。

名前のツメクサ(詰め草)は、乾燥させたものをガラス器の緩衝材に使用したことに由来する。

日本には、明治時代に家畜用の牧草として導入され、それが野生化したもの。

草丈は15~30cmで、茎は地を這い、節から根を出して広がる。

葉は長さ6~20cmの葉柄の先に、直径2~5cmの3出複葉を付ける。

托葉は葉に合着し、小葉には白い班紋があることが多く、鋸歯がある。

稀に2つ葉や4つ葉、5つ葉などが見られ、幸運を呼ぶなどとされている。

花期は5月~8月で、球形の総状花序が頂生し、花柄は葉柄より長い。

白い筒状の蝶形花は長さ1cm前後で短い柄があり、20~50個付く。

萼筒の先は5裂し、裂片は先が鋭く尖り、裂片より萼筒の方が長い。

なお、花が淡紅色のものが見られるが、モモイロツメクサという。

クローバーの花言葉に関しては、こちらに掲載させていただきました。

 

2012/5/7

多摩川の河川敷では、整地された広場のようなところに一面に生えています。

個体によって、四葉のクローバーが出来やすい個体があるそうですが、私が出会ったのは1回きりです。

2014/5/29

いつものように河川敷を歩いていると、シロツメクサの一角にピンクっぽい花を見つけました。

ムラサキツメクサかと思ったのですが、良く見るとピンクのシロツメクサでした。

調べてみると、モモイロシロツメクサ(Trifolium repens f. roseum)という変種だそうです。

モモイロシロツメクサとムラサキツメクサ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 <モモイロシロツメクサ>                   <ムラサキツメクサ>

モモイロシロツメクサの側に咲いていたピンクのムラサキツメクサとの比較です。

モモイロシロツメクサは、根元から花茎を立ち上げ、その先に花序を付けますが、花茎には葉はつきません。

ムラサキツメクサは、立ち上がった茎の上部に、花穂を付けるので、花序の近くに葉が付きます。

中央の写真は、両者を並べて撮った写真です。

7つ葉のクローバーを見つけました!

2016/3/29

今年も四つ葉のクローバーは多数、5つ葉のクローバーを2つ見つけました。

今年も、たくさん出会えそうだと思ったとき、モジャッとした物に気付きました。

よく見ると小葉がたくさんあり、数えると7つありました。

なんと、人生初の7つ葉のクローバーとの出会いでした。

一説によると、発生確率は2億5000万分の1とのこと。

2016/4/8

7つ葉のクローバーを見つけた所で、何か他にもないかと見ていたとき、4つ葉が目に付きました。

しかし、よく見ると後から変な小葉が出ています。

後で調べると、奇形葉の1つで、ラッパ状、袋状などの葉を総称して杯葉と呼ぶとのこと。

イチョウなど他の植物でも見られることがあるそうですが、見かけたのは初めてです。

この杯葉も、珍しいようで、めったに見かけないものだそうです。

葉柄の付いた小葉が、天使の吹く笛に似ているので、天使の角笛と表現されている方がいました。

言い得て妙。何とも素敵な呼び方ですね。

2016/4/13

多摩川の散歩途中で、4つ葉のクローバーを見かけました。

しかし、よく見ると葉柄が途中で2股に分かれ、その先に小葉が2つ付いています。

これは、2つ葉が2つと言うべきか、4つ葉と言うべきか微妙です。

どちらにしても、このような葉は見たことがなく、インターネットで調べても見当たりませんでした。

かなり珍しいものではないかと思っています。

2016/4/26

7つ葉のクローバーを見つけた所を通りかかった時、枯れたような葉が目に付きました。

その周りは、青々とした葉が覆っている中に、ポツリと1つだけ色付いた葉があります。

気になったので、近づいて良く見ると、葉の周囲が赤く色づいている5つ葉のクローバーでした。

右側のように枯れて茶色くなるのは分かりますが、赤い色が出た葉を見るのは初めてです。

押し花にすると右側のように茶色くなりますが、赤かった所は濃くなっています。

それにしても、1本だけ他の葉と異なり、なぜ赤く色付いているのかは謎です。

シロツメクサの変種に、葉が赤くなる「赤葉クローバー」と呼ばれる品種があります。

シロツメクサには、赤が出る要素があるのかもしれません。

2016/5/19

久しぶりに7つ葉のクローバーがあった所を通りかかったら、2つ葉のクローバーを見つけました。

Webには紹介されているので、あるとは思っていましたが、見つけたのは初めてです。

2016/5/19

上記のこともあって、変則4つ葉のクローバーを見つけた所にも行ってみました。

特に変わったものはないなと離れかけた時、ちょっと歪な3つ葉に気が付きました。

1つ葉の所から葉柄が伸び、その先が2つ葉になっている3つ葉のクローバーです。

この株は、こういった形の葉が出来やすい性質を持ったものかもしれません。


ベニバナツメクサ(Trifolium incarnatum)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属・Trifolium亜属・Trifolium節

マメ科・シャジクソウ属の1年草で、ヨーロッパ、西アジア原産の帰化植物。

日本には、明治時代に牧草として移入され、野生化したもの。

茎は束生して数十cmに立ち上がり、その先に濃紅色の花が円錐形に集まった花序を付ける。

葉は、先端が浅くへこんだ3枚の小葉からなる複葉で、互生する。

ムラサキツメクサのように茎の途中にも葉を付けるが、白い輪紋は無い。

別名として、クリムゾンクローバー(英名)やストロベリーキャンドルの名を持つ。

 

2014/5/20

多摩川への道路脇の公園で、花壇に1輪だけベニバナツメクサが咲いていました。

周りには、他の雑草しか見当たらず、なぜか、1本だけ本種が混じっていました。

昨年は、見かけた記憶はありませんので、今年、ここで芽吹いたものと思われます。


ムラサキツメクサ(Trifolium pratense)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属・Trifolium亜属・Trifolium節

マメ科シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ、西アジア及び北西アフリカ原産の帰化植物。

別名はアカツメクサで、白花のものはセッカツメクサともいう。

日本には、シロツメクサと同時期に牧草として移入され、野生化したもの。

地上を這うシロツメクサと異なり、茎は数十cmの高さになる。

葉は互生し、3出複葉。いわゆる三つ葉で、全体で直径15~30mmになる。

各小葉には、中ほどに三日月形の白い模様が入り、縁には細かい鋸歯がある。

葉柄は長さ1~4cmで、2本の托葉を持つ。

花期は5月~8月で、球形の花序を頂生する。花柄は短く、シロツメクサのように長くならない。

花冠は長さ12~18mmで、萼は筒型で先が5裂する。花は筒状の蝶形花である。

花色は、ピンクのものが多いが変異があり、白に近いものから紅紫色のものまである。

 

2012/5/16

多摩川の河原では、シロツメクサより少し遅めに咲き始め、ハマダイコンに埋もれるように咲いています。

花色には、色変りが多くて、昨年は、赤に近いものからピンク、白まで交じって咲いていました。

残念ながら、今年は白いものはまったく見かけません。

2012/7/5

いつもの散歩コースの多摩川の土手が6/1に除草され、生い茂っていた野草がきれいさっぱりなくなりました。

その後、多くの野草が新芽を伸ばしてきた中で、ムラサキツメクサが最も速く花を付けました。

そのとき、以前は見られなかった、白いムラサキツメクサがあちこちで見られるようになりました。

上記の写真は、色のバリエーションの主なものを撮影したものです。

2012/10/30

寂しくなった多摩川の土手で、頑張って咲き続けているムラサキツメクサです。

花の数はぐっと減ってしまいましたが、まだ、主な花色の花を咲かせています。

2013/3/7                2013/3/29

3/7 冬の間、土手では枯れ草の下で春を待っていましたが、少し暖かくなって若葉を出し始めました。

3/29 ムラサキツメクサもどんどん伸び始め、それらしい草姿になってきました。

2013/4/22                2013/4/25

ムラサキツメクサが花を咲かせ始めました。

土手では、ハマダイコンが一面に花を咲かせていますので、目立つ色の割に目立ちません。


ヤハズエンドウ(Vicia sativa subsp. nigra)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>

地中海沿岸が原産の帰化植物で、越年草。日本では、全国的に分布している。

標準和名は「ヤハズエンドウ」であるが、「カラスノエンドウ」という名前が一般には知られている。

いたるところで極普通に見られる雑草であるが、古代には食用にされていた。

草丈はつる性で10~30cmになる。茎は全体に毛があり四角柱状。

葉は偶数羽状複葉で、小葉は4~8対。葉の先端は2~3分岐した巻ひげとなる。

小葉は有毛で、先が浅く凹んだ形が矢筈(やはず)に似ているのが和名の由来。

托葉は深い切れ込みがあり、褐色の腺点(花外蜜腺)が付くのが特徴である。

花期は3月~6月で、花は葉腋に数個付き、長さ12~18mmの紅紫色。

旗弁の裏は色が薄く、花柄はほとんど無い。萼は5裂して先が尖り、萼歯は萼筒より短い。

豆果は斜上し、扁平で長さ3~5cmで、5~10個の種子が入っている。

熟すと真っ黒になって2つに裂け、果皮がよじれて黒い種子をはじき飛ばす。

 

2012/4/20

多摩川では、河原や土手も含めていたるところで見られます。

まだ完熟していない緑色の鞘は、開いて豆を取り除き、両端を切って草笛にできます。

2013/1/30                 2013/3/7

1月末では、草丈も低く、春の到来を待ちわびていたヤハズエンドウですが、

3月の初旬には、蔓が伸びあがり、花を咲かせ始めました。

白花のヤハズエンドウを見つけました!

2016/4/5            2016/4/6         2016/4/6

いつものように多摩川の土手を散歩しているとき、ヤハズエンドウの群落の中に白い花を見つけました。

何だろうと近づいてみると、真っ白な花のヤハズエンドウでした。

全く赤みの残っていない、純白の花で、このようなヤハズエンドウを見かけたのは初めてです。

インタ-ネットで調べてみると、いくつか見かけたとの報告があるようです。

とはいえ、全国に普通に分布する本種の数からみて、それほど多くはないものと思われます。

なお、白変種は稀に発生するようですが、全体の色素がなくなり白くなるアルビノとは異なります。


スズメノエンドウ(Vicia hirsuta)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>

マメ科ソラマメ属の越年草で、在来種。

日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。

海外では、ユーラシア大陸などの温暖帯に広く分布する。

葉は、12~14枚の小葉からなり、先端は巻ひげになる。

花期は4月~6月で、花は葉腋から伸びた花柄の先に4個前後付き、花色は、白に近い淡青色。

豆果は、長さ6~10mmで短毛があり、下向きに付く。豆は2個入っていることが多い。

 

2016/4/8

散歩途中の道端で、コンクリートの隙間から生えていました。

ヤハズエンドウにしては葉が小さいと思い、よく見るとスズメノエンドウでした。

名前は知っていたのですが、現物を見るのは初めてです。

花は咲いていましたが、虫メガネがいるほど小さな花でした。

2016/4/14

気を付けていると、所どころにポツリポツリと小さな株が生えていました。

ところが、ある道路脇の草むらに、その一角だけスズメノエンドウが群生している所がありました。

その周りには、ヤハズエンドウがたくさん生えているのに、そこでは極わずかしか見当たりません。

そこだけ棲み分けている理由は不明です。

スズメノエンドウ・カスマグサ・ヤハズエンドウ[カラスノエンドウ]の比較


ミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属>

マメ科ハギ属の落葉低木で、在来種。よく園芸用として栽培される。

宮城県に多くのハギが自生していることから、歌枕の「宮城野の萩」にちなんでの名前です。

樹高は1~2mで、枝は数多く分枝して、軟毛があり、枝が垂れ下がる。

葉は3出複葉で、小葉は長さ3~6cmの楕円形~長楕円形。先が尖り、基部は窄まる。

花期は8月~10月で、総状花序を葉腋から単生し、また頂生して30cm近い円錐花序状になる。

花序柄は長いものでは10cmほどになるが、花柄は短くて毛がある。

萼はながさ6mm前後で5裂し、萼片は長楕円状の披針形で、最下片は萼筒より長くなる。

花冠は、長さ10~15mm。旗弁は紅紫色で、円に近い楕円形で耳状突起がある。

翼弁は紅紫色で、長さ7~8mmの倒卵状長楕円形で、耳状突起があり、開花時に斜上する。

竜骨弁は先が淡紫色で基部は白色に近く、長さは翼弁より長く、旗弁と同じがやや長くなる。

なお、白い花を付ける変種のシロバナハギ(Lespedeza thunbergii var. albiflora)がある。

 

2013/5/16

多摩川への道路脇の公園で、早々と咲いている萩を見かけました。

この時期に花を付けるのは、サミダレハギ(五月雨萩)の別名を持つケハギだと思いました。

しかし、葉の形状を見るとケハギのように丸くなく、ミヤギノハギのように細長いです。

ただ、ミヤギノハギの花期は、7月~10月くらいで、5月に咲くとの記述は見当たりません。

ケハギ(Lespedeza thunbergii var. obtusifolia)は、ミヤギノハギの変種です。

同じ系統なら、ミヤギノハギが5月に咲くこともあるのでしょうか?

両者の特徴を備えていますが、ここでは、葉の形状からミヤギノハギとしました。

フジ(Wisteria floribunda)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・フジ連・フジ属>

日本の固有種で、本州から四国、九州に分布し、山野に普通に見られる。

公園などで植栽として利用される場合は、藤棚を作って這わせることが多い。

別名、ノダフジ(野田藤)ともいう。

ツルの巻き方は右巻(上から見て時計回り)で、ヤマフジの左巻とは真逆。

4月から5月にかけて咲き、花序は長く、20cmから長いものでは80cmに達する。

夏になると新しい枝先から、また、少し花が咲くことがある。

 

2016/4/25

多摩川へのいつもの道路より少し離れた公園で、フジの花が咲き始めていました。

花序は、このとき50cmを超えていましたが、もう少し伸びると思われます。

藤棚に仕立てられており、その巻き方は右巻きですので、本種としました。

夏に、花を付けることもありますが、その様子は「夏の野草」を参照ください。

あしかがフラワーパークの大藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016/4/30

あしかがフラワーパークにある樹齢150年と言われている大藤です。

2本で600畳の広さがある巨大な藤棚に、長さが1mを超える花房が垂れ下がります。

その花が風に吹かれてユラユラを揺れる様は、見事です。

夜にはライトアップされ、その様が映画アバターに出てくる生命の樹に似ているそうです。

あしかがフラワーパークには、この大藤以外にも白藤やうすべに藤など、多くの藤があります。

牛島の藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2006/5/4

あしかがフラワーパークにある藤よりさらに古木で、樹齢1200年の藤です。

この藤は、根周りは10㎡、藤棚は700㎡あり、それが3株あります。

昭和30年8月22日に特別天然記念保存木に指定されています。

この藤(右巻きです)も、その花房が1mを超える長さで垂れ下ります。

牛島の藤花園には、この古木以外にもダルマ藤や野田長藤などがあります。


ヤマフジ(Wisteria brachybotrys)

<マメ目・マメ科・マメ亜科・フジ連・フジ属>

日本の固有種で、本州西部から四国、九州に分布し、山野に普通に見られる。

公園などで植栽として利用される場合は、藤棚を作って這わせることが多い。

ツルの巻き方は左巻(上から見て反時計回り)で、フジの右巻とは真逆。

4月から5月にかけて咲き、花序は短めで、フジと比較すると短い。

 

2014/4/22

多摩川への道路脇で、フジの花が咲き始めていました。

フジ棚に仕立てられていないため、樹高は2mもありません。

花序は短く、寸詰まりな印象を受けます。

巻付いていないので右巻か左巻きかは分かりませんが、花序が短いので本種としています。