アオイ科・イチイ科・イネ科・カヤツリグサ科

アオイ目

  アオイ科(フヨウ)

イチイ目

  イチイ科(キャラボク)

イネ目

  イネ科(チカラシバ、オギ、ススキ、メリケンカルカヤ、セイバンモロコシ、ヨシ、

      カゼクサ、シナダレスズメガヤ)

  カヤツリグサ科(ハマスゲ、ヒメクグ)


フヨウ(Hibiscus mutabilis)

<アオイ目・アオイ科・アオイ亜科・フヨウ連・フヨウ属>

アオイ科フヨウ属の落葉低木で、在来種。原産地は、日本南西部、台湾、中国。

ただし、日本南西部に自生しているものも、史前帰化種で、中国渡来とする説もある。

樹高は1~3mで、幹は白色を帯び、平滑で、叢生する。若枝は緑色で、星状毛と腺毛がある。

葉は互生して、長さ10~20cmで5~7裂し、基部は心形で裂片の先は尖る。

葉柄は長さ5~12cmで、葉の両面、葉柄とも白い短毛と腺毛がある。

花期は7月~10月で、枝の上部の葉腋に、直径10~14cmで白色~淡紅色の花を付ける。

花弁は一重咲きでは5個で、八重咲品種や、花色が変化する品種もある。

萼は5裂し、副萼は裂片が線形で10個ある。オシベは多数あり、根元が筒状に合着し、花柱を覆う。

メシベは、花柱の先が上向きに曲がり、先が5裂して毛が密生し、柱頭は平らに開く。

なお、フヨウの花は朝咲いて、夕方にはしぼむ1日花。

2013/10/4

多摩川への道路脇の民家の生け垣から、白花のフヨウが顔を出して咲いていました。

花の形などは、ムクゲに似ていますが、大きさがかなり違い、かなり大きく感じます。

樹形も、フヨウが横に広がるのに対して、ムクゲは縦に伸びます。

2013/10/11               2014/8/22

多摩川への道路脇で、半野生化している淡紅色のフヨウです。

白花のフヨウは清楚な感じですが、淡紅色のフヨウは華やかな感じです。


キャラボク(Taxus cuspidata var. nana)

<イチイ目・イチイ科・イチイ属>

イチイの変種であるキャラボクは常緑低木で、樹高は数m以下。

幹は斜上し、根元から枝分かれして横に広がる傾向がある。

本州の日本海側で、秋田県真昼岳~鳥取県伯耆大山の高山に自生する。

伯耆大山の群生地は、天然記念物のダイセンキャラボクとして知られている。

海外では、朝鮮半島にも分布する。

雌雄異株で、開花は3月~5月、秋には雌木に赤い実を付ける。

果肉(仮種皮)は食べられるが種子は有毒なので要注意。

イチイと比較すると、葉はイチイの方が大きく、2列に並ぶのに対し、本種は螺旋状に並ぶ。

名前の由来は、本種の材が香木のキャラに似ていることによるが、全くの別種。

2014/10/21

多摩川への道路脇の植栽で、本種が真っ赤な果実をいくつか付けているのに気が付きました。

ただ、果実の形が、イチイやキャラボクのつぼ型ではなく、2つか4つに裂けています。

樹形は、横には広がらず縦長なのですが、葉の付き方が2列ではなく、螺旋状です。

そのため、葉の付き方からキャラボクとしました。果実の形状は、この樹特有の奇形かもしれません。


チカラシバ(Pennisetum alopecuroides)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・チカラシバ属>

イネ科チカラシバ属の多年草で、日本では北海道南西部以南のほとんどの地域で見られる。

海外では、朝鮮半島から中国、フィリピン、マレー半島、インドと広範囲に分布する。

最近は、オーストラリアや北米にも帰化して広がっている。

草丈は15~40cmで、茎は叢生して分枝せず、葉は長さ10~80cmの線形。

花期は8月~10月で、花茎の先に長さ10~20cm、直径4cm前後の穂状花序を付ける。

小穂の基部に長さ2cmほどの黒紫色の総苞毛がある。小穂は長さ5~8㎜。

第1苞穎は長さ1.5mmほどで、第2苞穎は長さ4㎜ほどある。穎果は総苞毛とともに落ちる。

2012/10/5

多摩川の除草された土手などにチカラシバがあちこちで穂を出し始めました。

花茎から出ている大きな針状の毛が特徴で、見た目はビン洗いのブラシのようです。

かなりしっかりした株になるので、引き抜くにも刈り取るにも力がいることからこの名前が付いたそうです。


オギ(Miscanthus sacchariflorus)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・ススキ属

イネ科ススキ属の多年草で、日本全国に広く分布している。

日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。

オギは、ススキに似るが株を作らず、根茎で横に広がる。草丈は2mを超えることもある。

茎(稈)の断面は円形で、内部にスポンジ状の髄があり、中実になったり、中空なっlたりする。

葉は、長い物は80㎝ほどになり、線形。下部の葉は花期には無くなる。

花期は9月~10月で、穂(花序)は40㎝ほどで、ススキより大きく、ふさふさした感じになる。

小穂は、7㎜程と4㎜程の小梗が対になり、小穂自身は長さ5㎜程で、淡黄褐色で芒がない。

葯も柱頭も暗赤色で、基部に小穂の数倍の長さの銀白色の軟毛が生える。

2012/10/17

散歩コースの多摩川の川縁では、所々で群生しています。

写真のものは、川縁に生えたもので、小さな群落です。

2012/10/27

多摩川のいつもの散歩コースから10kmほど上流で見かけたオギの大群落です。

この辺りでは、セイバンモロコシは見当たらず、オギが広範囲にわたって群生しています。

散歩道があるだけで、ほとんど手入れされず、自然任せのように見えます。

2013/11/11

散歩コースの多摩川にあるオギの群落です。

川縁にあり、この群落の後は直ぐに川面まで落ち込んでいます。

バックのマンションは、対岸にあるマンションです。


ススキ(Miscanthus sinensis Andersson)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・ススキ属

イネ科ススキ属の多年草で、日本全国に広く分布している。秋の七草の1つ。

日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。

なお、北米にも帰化しており、侵略的外来種として猛威をふるっている。

草丈は2mを超え、茎は叢生する。ケイ酸が多く、硬くて耐久力があるため、冬でも茎が立って残る。

茎(稈)の断面は円形で、内部にスポンジ状の髄があり、中実になったり、中空なったりする。

葉は、長い物は80㎝ほどになり、線形。中央に幅数mmの白い筋があり、裏面に少し毛がある。

葉の縁には堅くて鋭い刺歯があり、葉の基部、葉鞘、節には軟毛がある。

花期は8月~10月で、穂(花序)は20㎝ほどで、銀白色。

小穂は長さ5㎜ほどで、基部に10㎜程の白毛が密集する。

小穂は2小花からなるが、第1小花は退化し、第2小花の護穎に長い芒が1本ある。

葯は黄色で、柱頭は褐色から暗紫色(稀に白色)である。

なお、良く似たオギがあるが、ススキはが株立ちするのに対し、オギは根茎で横に広がる点が異なる。

秋の七草:おみなえし、おばな(ススキ)、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎ

2012/10/16

多摩川では河川敷でも、土手でもススキは見かけません。

イメージ的には、土手などにたくさん生えているように思うのですが、見当たりません。

多摩川に行く途中の道端で少し見かけるのみです。

多摩川の土手には、セイバンモロコシが大群落を作っており、駆逐されたのかもしれませんね。

また、川縁には、ススキより湿り気の多い土地を好むオギが生えています。

2014/10/16           2014/10/16           2015/10/6

2014/10/16 多摩川の河川敷では見かけないススキですが、近くの空き地では立派に育っていました。

いくつかあったススキの株の中で、最も大きな株の写真です。

これくらい大きく育つと、いかにもススキといった風情がありますね。

2015/10/6 今年は一段と大きな株になり、たくさんの穂を風になびかせていました。

昨年と異なるのは、周りのセイタカアワダチソウが増えたこと。ススキを囲ってしまいました。

ススキの群落

2009/9/27 箱根 仙石原にて

箱根火山カルデラ内の北部に広がる湿原や草原で、カルデラ湖の一部であった名残です。総面積は約16ha。

2010/10/16  御殿場 一木塚にて

富士山麓には無名のススキの草原が点在しています。奥に見えているのもその1つですが、けっこう広そうです。

2021/10/14 砥峰高原にて

関西のススキの草原として有名か砥峰高原で、総面積は90haに及ぶ広大な草原です。

映画「ノルウェイの森」や大河ドラマ「軍師官兵衛」のロケ地になったことでも知られています。


メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・メリケンカルカヤ属

イネ科の多年草で、日本では関東以西に分布している、北米原産の帰化植物。

海外でも、東アジア、南米、オーストラリア、ハワイに帰化している。

草丈は50~100cmで、茎は株立ちとなり、その根本はやや扁平になる。

9月~10月に直立した稈を伸ばし、穂を多数付ける。

小穂は2花で、1つだけが種子になり、20㎜ほどの芒を付ける。

種子を作る花の基部には、白い綿毛が多数付き、風に乗って飛散する。

晩秋には赤褐色になり、そのまま越冬することが多い。

侵略的な外来種として扱われ、外来生物法で「要注意外来生物」に指定されている。

2012/10/3

多摩川の土手や河川敷ではまだ見かけませんが、近隣の空き地などで大発生しています。

つい最近までは、ほっそりとした茎が多数直立しているだけでしたが、気が付くと穂になっていました。

その穂から、白い綿毛がはみ出すように出ていて、これが風に乗って飛散し、分布を拡大しているようです。

神奈川県下では、近年、各地で分布を広げているそうで、在来種が駆逐される危険性を指摘されている。

2012/12/27

穂を直立させて、生い茂っていたメリケンカルカヤもすっかり枯れてしまいました。

ただ、枯れても穂は倒れず、その姿は相変わらずです。

言うまでもありませんが、多年草ですので、春になると盛大に茎を立ち上がらせてくるはずです。


セイバンモロコシ(Sorghum halepense)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・モロコシ属

イネ科モロコシ属の多年草で、地中海地域のヨーロッパ中東原産の帰化植物。

日本では本州から四国、九州に分布し、世界的には、熱帯から温帯にかけて広く分布している。

根茎、種子の両方で繁殖するため、根絶が難しい雑草である。

世界的に広く帰化してしまった畑の害草。日本で広がったのは戦後、現在では道端で普通に見られる。

太い根茎が横に広がり、茎は無毛で滑らか、硬くて光沢がある。節に短毛がある。

草丈は2mを超すものもあり、葉は長さ20~60cmで幅は1~2㎝で無毛、縁はざらつかない。

花期は、7月~10月で、茎頂に長さ20~50㎝の円錐状の花序を付け、花序枝は半輪生状に付く。

小穂は、芒のない有梗(有柄)の雄性小穂2個と、大きくて芒のある無梗の両性小穂が対になっている。

無梗の小穂は長さ5㎜ほどで苞頴に包まれ、苞頴は光沢のある革質、護頴は膜質で長さ10㎜程の芒がある。

なお、芒が無い場合もあり、ヒメモロコシ(別名ノギナシセイバンモロコシ)として変種扱いする見解もある。

霜や乾燥などのストレスによりシアン化水素を植物体内に生産する。また、硝酸塩を含む。

そのことから、日本では飼料として利用されることは、ほとんどない。

2012/7/25

多摩川の河川敷を覆い尽くし、見通しが利かないほどの高さになったセイバンモロコシです。

この後、9月に入って一斉に除草が行われ、一気に見通しが良くなりました。

                  2012/10/17

                 2014/9/30

2012/10/17 多摩川の土手で大繁殖していたセイバンモロコシも、除草でほとんどが姿を消しました。

しかし、刈り残った所や川縁近くでは、まだ、所々残っていて花を咲かせています。

花といっても、イネ科ですから写真のようにシンプルなものです。

メシベの先の柱頭(上向きに出ているブラシ状のもの)と垂れ下るように付いているオシベの葯しかありません。

しかし、よく見ると、小穂に芒(のぎ/ぼう)があるものと、ないものがあります。

左の写真で、先の方から出ている髭のようなものが芒ですが、右の写真のものでは見られません。

この芒がまったくないものは、ノギナシセイバンモロコシ(ヒメモロコシ)と呼ばれます。

多摩川の土手では、両者が入り混じっていて、同じ場所に混生しています。

2014/9/30 オシベの写真がなかったので、オシベが風に揺らいでいるものを探して撮影しました。

その結果ですが、葯が濃赤紫色のものと黄色いのもが見られました。

ただ、黄色いものも時間が経つと赤紫色を帯びており、時間が経つと色が変わるのかもしれません。


ヨシ(Phragmites australis)

<イネ目・イネ科・ダンチク亜科・ヨシ属>

イネ科の多年草で、温帯から熱帯にかけての湿地帯に分布する。

ヨシという和名は、「アシ」が「悪し」に通じるのを忌んで、逆「良し」に言い替えたのが定着したもの。

そのため、関東では「アシ」、関西では「ヨシ」が一般名称になっているが、標準和名は「ヨシ」である。

暑い夏ほどよく成長し、地下茎は年に5m以上伸びることもある。茎は2m~6mの高さになる。

地上茎は円柱形で直立し、節はほぼ無毛。葉は互生し、長さ20~50cmで水平に排出して先が垂れる。

花期は8月~10月で、茎先に長さ15~40cmの円錐花序を付け、先が垂れる。

小穂は長さ10~17mmで、小花は2~5個よりなる。第1小花は雄性で、他は両性になる。

小花の基部には白い長毛がある。護頴は長く、内頴は護頴の半分以下と短い。

2012/10/5

多摩川では川の縁に所々で群生しています。

写真のものは、川縁のちょっとした干潟に生えたもので、小さな群落です。

大きなものは、数haに及ぶこともあるそうですが、昔は豊富にあったんでしょうね。

葭簀(よしず)や茅葺屋根などに使われていたことからも想像が付きます。

近年、茅葺屋根の葺き替えに苦慮するほど、埋め立て等によって減少しているそうです。

2013/2/5

多摩川の川縁に群生していたヨシですが、すっかり枯れて、枯れ尾花となっていました。

ススキやオギに比べると、一回り以上大型ですが、見た感じは同じです。

2013/11/11

多摩川の川縁で、オギの群落からそう遠くない所で見かけたヨシです。

既に開花後のようで、小花の基部から出ている長毛が開きかけていました。


カゼクサ(Eragrostis ferruginea)

<イネ目・イネ科・ヒゲシバ亜科・スズメガヤ属>

イネ科スズメガヤ属の多年草で、在来種。

日本では本州から四国、九州に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国、ヒマラヤに分布する。

道端や空き地に生え、草丈は50~80cmで、根茎はなく、茎はやや扁平で直立する。

根は強健で、踏みつけにも極めて強く、直ぐに起き上がってくる。

葉は長さ20~40cmの線形で、葉先は内側に丸まり、途中で折れ曲がりやすい。

花期は8月~10月で、葉より高く茎を伸ばして、長さ20~40cmの円錐花序を付ける。

花序には多数の長い柄のある長さ4~6mmの小穂を付ける。小穂は紫色を帯び、5~10個の小花からなる。

2013/9/17

多摩川の土手に上がる階段脇で、数株が花序を付けているのを見かけました。

まだ、小穂は紫色が淡く、緑色が残っているので、花序を伸ばして間がないようです。

2013/9/27

多摩川の土手下の通路脇で、しっかりとした株になったカゼクサを見かけました。

小穂の紫色も濃くなっており、カゼクサらしい色になっていました。


シナダレスズメガヤ(Eragrostis curvula)

<イネ目・イネ科・ヒゲシバ亜科・スズメガヤ属>

イネ科スズメガヤ属の多年草で、南アフリカ原産の要注意外来生物。

日本では北海道から四国、九州をはじめ、沖縄まで広く分布する。

海外でも、南北アメリカ、南ヨーロッパ、アジア、オセアニアと広範囲に移入分布する。

草丈は40~120cmで、束生して大株になり、茎は無毛で平滑である。

葉は長さ20~70cm、縁を巻き込んで幅2mm前後の糸状になり、多くは根生して無毛、著しくざらつく。

葉舌は短毛状で、葉鞘は上部では平滑であり、鞘口には長い軟毛がある。

花序は長さ25~40cmで、先が傾いてしなだれる。枝は繊細で基部はややふくらみ短い腋毛がある。

色はやや紫色を帯びて、花穂が開く前は黒っぽく見えるものが多い。

小穂は長さ5~11mmで、7~11個の小花からなる。葯は長さ1~1.5mmで紫色。

小花は、長さ3mm前後で、第1苞頴は長さ1.5~2.5mm、第2苞頴は2.5~3mmである。

果実は長さ1.5mmで、淡褐色~褐色。 胚盤は暗色で大きい。

根茎や根が強靭なため、道路の切割りや路肩に植え込み、砂防工事に利用されている。

しかし、種子生産量が多く、外来生物法によって要注意外来生物に指定されている。

2012/10/27

多摩川のいつもの散歩コースから10kmほど上流の河川敷で見かけました。

花序は長さ20~35cmの円錐状で、穂先は垂れ、黒紫色を帯びた小穂が多数付いています。

当初、道路法面の緑化用や砂防工事に北米から移入され、利用されたことで全国に広がったそうです。

種子数が非常の多く、在来種を駆逐する可能性があることから要注意外来生物に指定されたそうです。


ハマスゲ(Cyperus rotundus)

<イネ目・カヤツリグサ科・カヤツリグサ属>

カヤツリグサ科カヤツリグサ属の多年草で、在来種。

日本では本州から四国、九州に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国、台湾、アジア、アフリカ、ヨーロッパに分布する。

また、オーストラリアや南北アメリカにも帰化しており、ほぼ、全世界に分布している。

道端や空き地に生え、草丈は20~40cm程度。

葉は根元に数個つき、夏から秋にかけて花茎を伸ばす。その先に花序を付ける。

茎の先には、花序より長い苞を数個付け、花序には数個の赤褐色の小穂を付ける。

2013/10/3

多摩川の河川敷で、一ヶ所赤っぽく見える個所があったので行ってみました。

その辺りだけ、ハマスゲがたくさん生えていて、小穂の赤褐色が赤く見えていたものでした。

なぜ、この場所だけに群生しているのか分かりませんが、数m四方にびっしり生えています。


ヒメクグ(Kyllinga brevifolia Rottb. var. leiolepis)

<イネ目・カヤツリグサ科・カヤツリグサ属>

カヤツリグサ科カヤツリグサ属の多年草で、在来種。

日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国、ウスリー地方に分布する。

草丈30cmにも満たない小型の草で、湿り気の多いところに生える。

花茎の先端に丸い穂を1個付ける。花茎の断面は三角形で、艶のある緑色をしている。

花序の下部から長さの異なる苞が3枚前後付く。苞は水平に長く伸びる。

基本変種はアイダクグで、ヒメクグより一回り大きく、小穂の鱗片の稜に鋸歯があることで区別できる。

2014/9/18

多摩川の河川敷で、ツルボの撮影をしていて、直ぐ近くに生えているのに気が付きました。

背が低く、他の雑草にまぎれていると埋もれてしまうので、気付きにくいです。

ツルボの周りは、あまり他の雑草がないので気が付きました。

後日、鋸歯の有無を確認しようとしたのですが、除草されてしまい確認できませんでした。

ただ、花序の形が球形に近い(アイダクググは長楕円形)ことから、本種としています。