キク科

キク目

  キク科キク亜科(イガオナモミ、オオオナモミ、イソギク、ハナイソギク、ヨモギ、

           ツワブキ、セイタカアワダチソウ、ホウキギク、オオハルシャギク[コスモス]、

           コウテイダリア、コシロノセンダングサ、アイノコセンダングサ、

           フジバカマ、オオブタクサ)

           (参)ヒヨドリバナ、サワヒヨドリ、ヨツバヒヨドリ

  キク科タンポポ亜科(アキノノゲシ)


イガオナモミ(Xanthium italicum Moretti)

<キク目・キク科・キク亜科・オナモミ属>

キク科・オナモミ属の1年草で、北アメリカ、ヨーロッパなどが原産地との説もあるが、原産地不明の帰化植物。

日本では、本州から四国、九州に分布する。

日本以外でも、広く世界に帰化している。

海岸や造成地などに生えるが、特に大都市と海岸部でよく見つかる。

雌雄同株で、花序の先にボンボリ状の雄頭花を多数付け、その基部に雌頭花が集まって付く。

雄花は筒状花で、合着したオシベの花糸(淡黄色)を突き出す。

雌頭花の総苞片は合着し、その壺状の中に雌花が2個入っている。

雌花は、花柱だけを総苞の2本の嘴の先から外に突き出る。

茎は良く分枝し、赤い斑点がある。葉は3~5裂し、縁に不規則な鋸歯がある。

果苞は、鉤状の刺が密に生え、その棘にもたくさんの毛がある。

※ 果苞とは、雌花の総苞が肥大して2個の果実を包み込んだものです。

2014/9/8

多摩川の川縁で、大きなオナモミを見つけました。

良く見ると、果苞の棘にも棘の様な細毛がたくさん生えています。

見たことがない種類だったので、後で調べて、本種と分かりました。

オオオナモミの果苞もかなり大きいのですが、それよりも一回り以上大きく感じます。

2014/9/30

オオオナモミの群落から10mほどの所にあるイガオナモミの群落の様子です。

オオオナモミは、雄頭花が開花を始めたばかりですが、イガオナモミは盛りを過ぎていました。

雄頭花は既になく、果苞も一部は枯れて褐色になっています。枯れると棘の毛は目立たなくなります。

イガオナモミの方が、オオオナモミより開花などの進捗が、1ヶ月ほど早いようです。


オオオナモミ(Xanthium occidentale)

<キク目・キク科・キク亜科・オナモミ属>

キク科・オナモミ属の1年草で、北アメリカが原産地の帰化植物。

日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。

日本以外では、南アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アジアにも移入分布している。

雌雄同株で、花序の先にボンボリ状の雄頭花を多数付け、その基部に雌頭花が集まって付く。

雄花は筒状花で、合着したオシベの花糸(淡灰色)を突き出す。

雌頭花の総苞片は合着し、その壺状の中に雌花が2個入っている。

雌花は、花柱だけを総苞の2本の嘴の先から外に突き出る。

茎は良く分枝し、赤みを帯びることが多い。葉は3~5裂し、縁に不規則な鋸歯がある。

果苞には、鉤状の刺が密に生える。イガオナモミは、棘に多くの毛が生えているが、オオオナモミにはない。

また、イガオナモミの果苞は30mm程あるが、一回り小さく20~25mm程である。

※ 果苞とは、雌花の総苞が肥大して2個の果実を包み込んだものです。

2013/2/5

多摩川の川縁で、立ち枯れているオオオナモミに出会いました。

すっかり枯れてしまっているので、オナモミかオオオナモミか判別できません。

ただ、最近はオナモミが絶滅危惧II類(VU)になるほど減り、なかなか見られないこと、

果苞の長さが20mmほどあることから、オオオナモミとしました。

2014/9/30                 <雄頭花>           <雌頭花>

昨年、オオオナモミを見かけた近くで、大きく育ったオオオナモミが雄頭花をたくさん付けていました。

良く見ると、雄頭花の雄花からオシベが飛び出しているものもありました。

また、雄頭花の基部近くに雌頭花が顔を出しています。その嘴の先から花柱が顔を出しています。

2014/10/9

オオオナモミですが、雌頭花がすっかり大きくなっていました。

雄頭花も若干残っていましたが、雌頭花に取って代わられてしまったようです。

雌頭花も、小さいものや大きくなったものが混じっています。授粉に失敗したのか枯れたものもあります。

2014/9/30             2014/9/30             2014/10/9

9/30 茎に関してですが、若いうちはエンジ色が強いようですが、成長と共に薄れていくようです。

同日に撮影した下部の茎では、若干エンジ色が残っています。

10/9 若干残っていたエンジ色ですが、日が経つと消え、緑色の茎にエンジ色の斑点のみとなっていました。

2014/10/16           2014/10/16             2014/11/21

10/16 オオオナモミの果苞はすっかり大きくなり、雄頭花は役目を終えて小さく枯れていました。

11/21 一部の果苞は、黄緑色や淡い赤紫色になり、成熟が進んでいるようです。

また、茶色くなり始めたものや、すっかり茶色くなってしまったものも見受けられます。

オオオナモミとイガオナモミの雄頭花と果苞

       <雄頭花>     オオオナモミ     <果苞>

       <雄頭花>     イガオナモミ     <果苞>

オオオナモミの雄頭花は多数の雄花からなり、淡灰色の筒状の花糸を突き出しています。

その花糸の先に着く葯は離生しており、その色は花糸より少し濃い灰色です。

イガオナモミも同様の構造ですが、合着した花糸が淡黄色である点が異なります。

イガオナモミの葯も、同様に離生していますが、その色は黄色です。

オオオナモミの果苞には、多数の鉤状の刺が付きますが、刺は1本の角状です。

イガオナモミの果苞にも、多数の鉤状の刺が付きますが、刺には多数の毛が生えています。


イソギク(Chrysanthemum pacificum)

<キク目・キク科・キク亜科・キク連・キク属>

キク科キク属の多年草で、日本原産。

自生地は、千葉県犬吠崎から静岡県の御前崎に至る海岸の崖地。

磯に咲く菊ということで、それがイソギク(磯菊)の名前の由来。

草丈は20~50cmで、植栽されたものでは地下茎で広がる。

葉は茎先に密に互生し、葉身は長さ3.5~5cmの倒卵形で、基部は楔型で先は鈍頭。

葉の縁には丸みのある浅い切れ込みが不規則にあり、葉質は厚い。葉柄は長さ3~12mm。

葉表は緑色で腺点があり、葉裏は白色の丁字状毛が密生して銀白色で、それが白い縁取りのように見える。

花期は10月末~11月で、茎の先に多数の頭花を散房状に付けるが、筒状花のみで舌状花がないので花弁はない。

花冠は黄色で先が5裂し、三角形の裂片が開出してやや反り返る。花柱は先が2裂して開き、先端は切形。

総苞は半球形で、総苞片は3列あり、外片は卵形で白毛がある。

2013/12/10

多摩川への道路脇に植えられていたキクの葉のような植物が気になっていました。

気が付くと、黄色い花がびっしりと咲いていました。

花弁がなかったので、調べると直ぐにイソギクと分かりました。

花期は10月末~11月だそうですが、ここのイソギクの開花は少し遅いようです。

2014/11/20

今年もイソギクの開花が始まりましたが、10月末ではなく、11月の下旬になってからです。

やはり、ここのイソギクの開花は半月ほど遅いようです。


ハナイソギク(Chrysanthemum × marginatum)

<キク目・キク科・キク亜科・キク連・キク属>

キク科キク属の多年草で、日本原産。

自生地は、千葉県から静岡県にかけての太平洋岸。

本種は、イソギクと栽培ギクとの交雑種とみられており、自然分布域もイソギクとほぼ重なる。

草丈は30~50cmで、植栽されたものでは地下茎で広がる。

葉は茎先に多く互生し、葉身は長さ4~8cmの倒卵形で、基部は楔型で先は鈍頭。

葉の縁には丸みのある浅い切れ込みが不規則にあり、葉質は厚い。葉柄は長さ3~12mm。

葉表は緑色で腺点があり、葉裏は白色の丁字状毛が密生して銀白色で、それが白い縁取りのように見える。

花期は10月末~11月で、茎の先に多数の頭花を散房状に付ける。

頭花は黄色の管状花と、白または黄色の小さな舌状花からなる。

花弁は、しっかりとした写真のようなものもあるが、小さいものもあり、変異がある。

なお、交雑したイエギクの種類により、舌状花が白いものをハナイソギク、

黄色いものをサトイソギク、赤色の物をアカバナイソギクとかアカバナハナイソギク区別することもある。

2014/11/20

多摩川への道路脇に植えられているイソギクと思っていたものに花が咲いていました。

しかし、イソギクにはないはずの白い花弁が、しっかりと付いています。

写真を取り、後で調べると直ぐにハナイソギクと分かりました。

花弁は、交配種によって異なるようで、この品種はしっかりとした白い花弁を付けています。

しかし、良く見ると白い花弁に紅が指したようなものもあります。

また、その葉もイソギクに近いようで、裏面の白毛が縁取りのように見えているのも同じです。

イソギクとハナイソギク

     2014/11/20(イソギク)         2014/11/20(ハナイソギク)

このハナイソギクは、葉の特徴のみではイソギクと全く区別が付きません。

そのため、花が咲くまでハナイソギクとは気が付きませんでした。


ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)

<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ヨモギ属>

キク科ヨモギ属の多年草で、在来種。

日本では本州から四国、九州に、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。

草丈は50~120cmで、地下茎を伸ばし、群生する。

地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌する(アレロパシー)。

茎は直立し、紫色を帯びることが多く、白い綿毛が密生する。茎の基部はやや木質化する。

下部の葉は長さ6~12cmで、羽状に深裂し、裂片は2~4対で、縁には鋸歯がある。

上部の葉は披針形で、全縁かいくつかの切れ込みがある。葉裏には白い綿毛が密生する。

根生葉や下部の葉は、花期の頃には枯れる。

花期は9月~10月で、茎先に大きな円錐花序を出し、小さな紫褐色の頭花を下向きに多数付ける。

頭花は、直径1~2mm、長さ3㎜前後の長楕円状鐘形で、中心部に両性花、周囲に雌花がある。

両性花の花柱の先は切型、雌花の花柱の先は2裂する。オシベの先の付属体は細く尖る。

総苞片は、4列に並び、縁は乾膜質、外片は短い。

春先の若葉は特有の香りがあり、おひたしや汁物、草餅などに使用される。

また、葉の裏側に密生する綿毛を採取したものが「もぐさ」で、灸に使われる。

2012/10/27

いつもの散歩コースから10kmほど上流の河川敷で、ヨモギの花序を見かけました。

茶色いので、一見、枯れた花のように見えますが、これがヨモギの花の色です。

春には、若芽を摘んで茹で、おひたしにしたり、草餅にして食べたものです。

しかし、それ以降は雑草扱いで、花を気にしたこともありませんでした。

2013/9/17

いつもの散歩コースで見かけたヨモギです。まだ、ツボミ状態で先の方が少しベージュに見えます。

2013/9/27

ツボミは開花して、エンジ色の花(といっても舌状花がないので花弁はない)を付けていました。


ツワブキ(rfugium japonicum)

<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・ツワブキ属>

キク科ツワブキ属の常緑多年草で、在来種。

日本では、福島県、石川県~九州の海岸や海辺の山などに自生している。

海外では、中国や台湾に分布している。

根生葉には、数十cmの柄があり、葉は幅6~30cmの腎心形でフキに似ている。

しかし、フキとは異なり分厚くて光沢がある。

花期は10月~12月で、葉の間から花茎を30~75cm伸ばし、散房状に頭花を付ける。

頭花は直径4~6cmで、舌状花は雌性、筒状花は両性で中央に多数集まる。

2013/11/5

多摩川への道路脇にある神社の参道で、ツワブキが黄色い花を咲かせていました。

いかにも丈夫そうな、光沢のある分厚い葉が特徴です。

本来は、海岸などに自生しているものですが、公園や庭に植栽されているのを時折見かけます。


セイタカアワダチソウ(Solidago canadensis var. scabra)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・アキノキリンソウ属>

キク科アキノキリンソウ属の多年草で、北米原産の帰化植物。

日本では、北海道から四国、九州まで全国に広く分布する。

日本以外でも、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどに帰化している。

草丈は50~200cmで、地下茎で横に広がり、そこから茎を真っ直ぐに立ち上げる。茎等には短毛が密生する。

葉は互生し、長さ5~15㎝の披針形で、先が尖り、縁には細かい鋸歯がある。

花期は10月~11月で、茎頂に長さ10~50㎝ほどの大型の円錐花序を出す。

頭花は、直径5㎜前後で、黄色い。その頭花を枝の上面側に多数、偏って付ける。

中心の筒状花は4個前後で、それを取り巻く舌状花は雌性で10個前後あり、舌状部は長さ3㎜程で細い。

一時期、日本各地で群生して繁茂し、害草として問題となった。

本種は、根から化学物質を出して、周囲の植物の成長を阻害する(アレロパシー)。

その化学物質が、年を経ると自身をも抑制することとなり、現在では群生は減って来ている。

※ 時折、同時期に増えた帰化植物のブタクサと間違われることがあるが、全くの別種。

2012/10/5

帰化植物として有名な野草ですが、当初は切り花用の観賞植物として導入されたそうです。

前述のように花粉症の元凶として目の敵にされたことがありますが、現在では無関係とされています。

一時期、ススキなどを駆逐して大繁殖した事がありますが、現在ではその勢いも衰えてきているそうです。

その要因が自身にあるアレロパシー(周囲の植物の成長を抑制する物質)によるものだそうです。

まさに、過ぎたるは及ばざるがごとし! ですね。

2012/10/9

ツボミばかりだったセイタカアワダチソウですが、開花がかなり進んだようです。

舌状花は雌性で、花柱の先は細く二裂し、筒状花は両性で、花柱の裂片は楕円形で扁平になっています。


ホウキギク(Aster subulatus var. subulatus)

<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>

キク科シオン属(シムフィヨトリクム属とすることもある)の一年草で、原産地は北アメリカ。

学名のシノニムは、「Symphyotrichum subulatum var. squamatum」である。

草丈は30~150cmで、茎は直立し、中部以上で多数分枝して横に広がるが、30~40°と鋭角。

葉は長さ5~10cmの線形で、鋸歯は目立たないか、あっても3~4対程度である。

葉の基部は、茎の半分程度まで、明瞭に茎を抱く。

花期は8月~10月で、分枝した茎先に多数の花を付ける。

花は直径5~6mmの白色で、筒状花は長さ5mm弱で10個前後。

舌状花は20~30個で、小舌は白色で長さは2㎜弱で、冠毛より短い。

総苞は長さ5~7mmで、総苞片は20~30個付き、披針形。

痩果は淡褐色で、長さは2mm前後あり、冠毛は長さ4~5mm。

よく似たヒロハホウキギクは、葉幅が広く、枝が横に60~90°と大きく広がる。

また、花の直径がホウキギより7~9mmと大きい点でも区別できる。

2012/9/13

多摩川への道路脇の空き地で、見落としそうなほど小さな花を見つけました。

花は、淡い紫色帯び、直径が5mmほどで、パラパラと咲いているだけなので、目立ちません。

細かく枝分かれした茎の先に小さな花を1つ付けます。

葉は、無柄で、基部から先端まで同じ幅の線形です。

しばらく、名前が分からなかったのですが、他の植物を調べていて、ホウキギクと分かりました。


オオハルシャギク(Cosmos bipinnatus)

<キク目・キク科・キク亜科・ハルシャギク連・コスモス属>

キク科コスモス属の一年草。別名としてコスモス、アキザクラ(秋桜)がある。

一般にコスモスは、この種を指す。

メキシコ原産で、標高1,500m以上の高原地帯に自生している。

現在では日本で広く栽培され、秋にはコスモス畑として人気の場所もある。

そのため、地域によっては逸出して野生化している所もある。

茎は頂部で分岐し、その先に頭状花を多数付ける。

舌状花の先は3裂し、10枚前後が付く。花色は白、ピンク、暗赤色などがある。

最近、キバナコスモス(本種とは同属別種)ではない黄色い品種も作出されている。

2013/10/3

多摩川の河川敷で見かけたオオハルシャギクです。といってもピンとこない方が多いのでは。

コスモスはコスモス属の総称ですが、一般にはコスモスといえば本種の事を指すします。

話が横道にそれましたが、元花壇と思われる場所の一角に本種がたくさん咲いていました。

最初は誰かが植えたものだと思われますが、その後は種が落ちて、毎年、勝手に生えているようです。

とはいえ、多少はまとまって咲いているので、目を楽しませてはくれます。

2014/9/30

今年も昨年と同じ場所で、たくさん花を付けていました。

確認できたのはこの3色ですが、白花は他の花色のものより一回り大きいようです。

また、その一角に、キバナコスモスも咲いていました。

変わったコスモスの花

2021/10/11

淡路島にある「あわじ花さじき」の花壇で見かけた、最近になって作出された変わった系統のコスモスです。

花弁が覆輪になっているものや花弁が筒状になったものが見られました。

また、キバナコスモスではない黄色い色のコスモスも見られました。


コウテイダリア(Dahlia imperialis)

<キク目・キク科・キク亜科・ハルシャギク連・ダリア属>

キク科ダリア属の多年草で、メキシコ原産の帰化植物。標高1500~1700mの高地に自生する。

日本では、園芸用に多種多様な、花色、花容の品種が栽培されている。

ただ、メキシコの高原が原産地のため、高冷地である東北や北海道の方が良い花が咲く。

本種は、テイオウダリア、キダチダリアの別名を持ち、草丈が8~10mに達する超大型種。

地中に大きな塊根を持ち、茎は4稜形の中空で、直立して古くなると木質化する。

竹のような膨れた節があり、節間は30cmほどで、水状の樹液が詰まり、下部では分枝しない。

葉は対生し、長さ60~90cmの2~3回羽状複葉で、葉柄に基部は茎を抱く。

小葉は長楕円形で、先が尾状に尖り、鋸歯がある。葉先の小葉には、基部に翼がある。

花期は、11月中旬から12月中旬で、茎頂や枝先に散形状に淡紅紫色の頭花を多数付ける。

花は横向きから垂れて下向きに咲く。花序柄は10~20cmと長い。

花は直径8~17cmと大型で、舌状花は8個あり、舌状花には2本の竜骨がみられる。

中心の筒状花は黄色で先が5裂し、橙色のオシベと柱頭が2裂したメシベがある。

花が咲くのは遅いが、霜が降りると花に大きなダメージを与える。

2012/11/29

最近、あちこちで見かけるようになったコウテイダリア、多摩川へ行く途中の民家の庭で見かけました。

草丈が数メートルに達する超大型種なので、民家の庭では小さ過ぎる気がします。

2階の窓から見ても少し見上げるくらいの高さに花が咲くためです。

比較的小さい株の場合でも、下から見上げる写真にしかなりません。

そのため、大きな株だとこの写真のようにバックが青空になってしまいます。

※ 最初に見たのは、県立相模原公園で、テイオウダリアと書かれていました。

茎の直径が10cmほどもあり、高さも背丈の倍以上で、葉ばかりでした。

初冬になって、花が咲いているのを見て、やはりダリアなんだと納得したのを覚えています。


コシロノセンダングサ(Bidens pilosa var. minor)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・センダイグサ属>

キク科センダングサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

日本では、本州中部以西に広く帰化しており、世界の熱帯に広く分布する。

コセンダングサの変種で、頭花にコセンダングサに無い白い舌状花があるのが特徴。

草丈は50~110cmで、茎には4稜があり、短毛がある。

葉は下部では対生し、上部では互生となる。

中部の葉は長さ12~19cmあり、3全裂~羽状に全裂する。

葉の両面には基部が膨らんだ毛があり、縁にも短毛がある。

花期は9月~11月で、上部の枝先に頭花を付け、4~7個の白い舌状花がある。

両性の筒状花の花冠は5裂する。総苞片はへら形で先が尖り、7~8個が1列に並ぶ。

痩果は平たい線形で、4稜があり、先端に下向きの刺のある冠毛が3~4個ある。

2012/10/27

多摩川の土手といっても、いつもの散歩コースより10kmほど上流で見かけました。

コセンダングサと異なり、立派な4~7個の白色の舌状花を持っています。

本種とコセンダングサの雑種が、次のアイノコセンダングサです。

なお、別名としてシロバナセンダングサ、シロノセンダングサと呼ばれることもあります。


アイノコセンダングサ(Bidens pilosa var. intermedia)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・センダイグサ属>

キク科センダングサ属の1年草で、コシロノセンダングサとコセンダングサの雑種とされる。

コセンダングサの変化とする説もあり、コシロノセンダングサまで含めてコセンダングサとすることもある。

日本では、北海道から四国、九州と全土に広く分布する。

草丈は30~180cmで、茎のは4稜があり、短毛が生える。

葉は、下部では対生し、上部では互生する。

中部の葉は長さ12~19cmあり、3全裂~羽状に全裂し、頂小葉は細長く尖る。

葉の両面には基部が膨らんだ毛があり、縁にも短毛がある。

花期は9月~11月で、上部の枝先に黄色い頭花を付け、筒状花の花冠は5裂する。

なお、筒状花のみのコセンダングサと異なり、外周の筒状花の何個かが大きく白色になる。

総苞片はへら形で先が尖り、7~8個が1列に並ぶ。

痩果は平たい線形で、4稜があり、先端に下向きの刺のある冠毛が2~4個ある。

2012/10/3

多摩川に行く途中の道端に、コセンダングサの群落があります。

その中で外周の筒状花のうち何個かが白いものがあり、アイノコセンダングサかも知れないと思っていました。

白いといっても、筒状花でしかなく、花弁状にはなっていませんでした。

しばらくぶりに側を通ると、白い花弁を付けたものが見られました。

白い花弁といっても、コシロノセンダングサほど立派な花弁ではありませんので、アイノコセンダングサとしました。

ただ、コセンダングサ、アイノコセンダングサ、コシロノセンダングサの境界は曖昧です。

そのため最近は、これら3種を合わせてコセンダングサとすることが多いようです。

2012/10/9             2012/10/9             2012/10/15

10/9 白い花弁を付けた株は、それほど多くありませんが、所々で見られます。

コセンダングサが大多数ですが、白い筒状花を持つものもあり、雑種化が進んでいるのかもしれません。

10/15 アイノコセンダングサのそう果が、成熟して大きく開いていました。

このそう果の先端に2~4個ある冠毛には、逆向きの刺があり、服などに着くとなかなか取れません。


フジバカマ(Eupatorium japonicum/Eupatorium fortunei)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物で、在来種。秋の七草の1つ。

日本では、本州の関東以西から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布している。

草丈は1~1.5mで、根茎が地下を横に這って広がり、叢生して茎は直立し、上部で分枝する。

葉は対生し、3裂した裂片は長さ8~13cmの長楕円形で、先は尖り、鋸歯がある。

花期は8月~9月で、茎の頂部に散房状の花序を付け、淡紫紅色の小花を多数付ける。

総苞は長さ8㎜前後の鐘形で、総苞片は2~3列で円頭。

花は5個の筒状花からなり、自生種はほぼ白色であるが、栽培品種は藤色を帯びる。

痩果は長さ3㎜前後で、冠毛は白色で長さは6mm前後である。

かつては、日本各地の河原などに群生していたが、今は減少して、準絶滅危惧(NT)種に指定されている。

観賞用に販売されているのは、ほとんどが同属別種か、本種との交雑品種である。

日本の自生種は、茎がほとんど赤くならず、葉が大きくて、花は白色で、腺点が無いとされている。

秋の七草:おみなえし、おばな(ススキ)、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎ

2013/10/18

多摩川への道路脇にある公園で、フジバカマの記載がある本種に気が付きました。

花色や葉などを見る限り、フジバカマと思えるのですが、販売品種だと雑種の可能性もあります。

フジバカマに似た花

ヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

草丈は、2mに達するものもあり、葉は対生し、短い葉柄があり、卵状長楕円形で先は尖る。

花期は8月~10月で、頭花は散房状に付き、少数の筒状花からなる。

白や淡紫色の花冠の先は浅く5裂し、花柱の先が分枝して長く伸び出す。

サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum var. lindleyanum)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

草丈は80cm程になり、葉は無柄で対生し、鋸歯がある。

育ちの良い個体では、3深裂、3全裂し、6枚が輪生しているように見えるものもある。

上部に散房状に多数の頭花を付ける。頭花は、5個の両性の筒状花からなるものが多い。

筒状花は、花冠の先が浅く5裂し、メシベの花柱は花冠から飛び出して、先端は2裂する。

花冠の花色は、淡い紅紫色を帯びたものが多いが、濃色~白色まで変異が大きい。

ヨツバヒヨドリ(Eupatorium chinense var. sachalinense)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

草丈は1~2mで、草丈があるので、曲がったり、傾くものが多い。

葉は無柄で4個が輪生し、それが和名の由来。ただし、3個~5個になることもある。

葉身は長さ10~15㎝の長楕円形で、先が尖り、縁には不規則な鋸歯がある。

茎頂の散形花序に頭花が密に付く。頭花は5~6個の筒状花のみからなる。

花冠は白色~淡紅色で、先が5残裂し、花柱の先が2深裂して、花冠から長く飛び出す。

 

これらの花は、下記の点で識別できます。

フジバカマ   葉は対生して、下部では3深裂する

ヒヨドリバナ  葉は対生し、短い葉柄がある

サワヒヨドリ  葉は対生し、葉柄がない。葉は3脈が目立つ

          ※ 3深裂~3全裂して6個が輪生しているように見えることがある

 ヨツバヒヨドリ 葉は4個(3個~5個)が輪生する


オオブタクサ(Ambrosia trifida)

<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・ブタクサ属>

キク科ブタクサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。別名のクワモドキは、葉の形が似ているため。

日本では、ほぼ全国に分布している。海外でもヨーロッパ、アジアに帰化し、分布している。

草丈は30cm~3mで、茎は直立して上部で分枝する。茎には粗毛が生えている。

葉は対生し、葉身は長さ10~30cmの卵形~楕円形で、掌状に3~7裂する。小さいと全縁になる。

裂片は細長く尖り、両面とも細かい粗い毛と腺点があり、ざらつく。

葉の基部は切型~楔型で、縁には鋸歯があるが、稀に全縁となる。葉柄は長さ1~3cm。

花期は8月~9月で、茎頂に長い総状花序を出して雄頭花を付け、基部の苞葉内に雌頭花をつける。

雄頭花は下向きに垂れ下がって多数付き、長さ1~3mmの花序柄がある。

総包片は合着して直径2~4mmの皿形になり、3~25個の雄性の筒状花が付く。オシベは5個。

苞葉の中に2~3個の雌頭花が付き、雌頭花は緑色のつぼ型の総苞にメシベのみで、柱頭は2裂する。

果実は長さ5~10mmの偽果であり、先はくちばしとなり、総苞が硬化した刺状の突起が取り巻く。

2014/9/2

多摩川の一角に大きな群落を作り、川縁に高さ2m以上の壁が出来ています。

右側の少し低くなっている所は、手前の茶色っぽい所がオギで、黄色いのはキクイモです。

その奥の背が高くなっているところからは、再びオオブタクサの群落が続きます。

2012/9/6

傘状の雄頭花は十数個の筒状花からなり、筒状花は開花前なので、黄緑色です。

2012/9/12

雄頭花の筒状花の開花が始まり、ぎっしりと鈴なりの黄色い筒状花のため、全体が黄色く見えます。

中央の写真は、総状花序が頭を垂れているので上下逆さまで、雄頭花の傘の部分が見えています。

オオブタクサは風媒花で、ご覧のように多数の花を付けるために、大量の花粉を飛ばします。

秋の花粉症の原因として、ブタクサが有名ですが、このオオブタクサも同様ですので、花粉症の方は要注意です。

2012/9/24                  2012/10/24

9/24 これは、オオブタクサの雌花の写真です。

雌花は、雄頭花の総状花序の下部の葉腋に固まって付いています。

この10日ほどの間に、すっかり葉を食い荒らされてボロボロ状態になっていました。

そのため、雌花がきれいに残っているものを探し回る羽目になりました。

10/24 ひと月ほど経ったオオブタクサの雌花です。既に雄花は枯れています。

2012/12/16

オオブタクサの種子です。

先が白っぽい大きな角と、黒っぽい少し小さめの角の3本が出ています。

見方によると思いますが、黒い角を耳、白い角を口と見ると、イヌの頭のようにも見えますね。


アキノノゲシ(Lactuca indica)

<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・アキノノゲシ属>

キク科アキノノゲシ属の一年草で、東南アジア原産の史前帰化植物。

日本では、北海道から本州、四国、九州まで全国に分布する。

海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東南アジアに広く分布する。

草丈は60㎝以上になり、大きなものは2mに達する。茎は分枝せず、直立する。

葉は互生し、下部の葉は長さ数十㎝で羽状深裂するが、上部では小さな全縁の葉となる。

花期は8~11月で、茎の上部に円錐花序を付け、直径2cm前後の淡黄色の頭花を多数付ける。

頭花は稀に白色や淡紫色のものもあり、舌状花のみで筒状花はない。昼間開いて夕方にはしぼむ。

総苞は長さ1cm程で、総苞片は覆瓦(ふくが)状に重なり、暗紫色(が多い)の縁取りがある。

痩果は扁平で、長さ4㎜ほどの長楕円形で、短い嘴状の突起があり、白色の冠毛がある。

2012/10/27

いつもの散歩コースより10kmほど上流の河川敷で見かけました。

花は、淡い黄色で、どちらかというとクリーム色と言った方が良いような色合いです。

花には筒状花がなく、舌状花のみのため、種は少なめで大きいです。

種にはタンポポのような綿毛が付きますが、種が大きいので、遠くまで飛ぶようには見えません。