キジカクシ目
キジカクシ科(ヤブラン、ツルボ)
ヒガンバナ科(タマスダレ、キバナタマスダレ、ネリネ・サルニエンシス、 ショウキズイセン、
シロバナヒガンバナ、ヒガンバナ)
(参)ゼフィランサス・カリナタ、ハブランサス・ロブスタス、キツネノカミソリ、ナツズイセン
ヤブラン(Liriope muscari)
<キジカクシ目・キジカクシ科・スズラン亜科・ジャノヒゲ連・ヤブラン属>
キジカクシ科ヤブラン属の多年草で、在来種。
日本では、本州の関東以西から四国、九州の温暖な地域に分布する。
海外では、中国など東アジアに分布する。
草丈は30~60cmほどで、葉は幅1cm強、長さは50cm以上になる。
葉に斑入りのものがあり、観賞用に庭に植えらる。
花期は8~10月で、長さ50cm以上の花茎を伸ばし、先に総状花序を出す。
花は数個が束生し、6個の花被片は淡紫色で、稀に白花もある。
花被片は長さ数㎜の長楕円形で、オシベは6本、中央の花柱は2㎜ほどで、柱頭は小さい。
果実は早い段階で破れ、若い緑色の種子が露出して成長する。
種子の直径は6㎜ほどの球形で、熟すと黒紫色になる。
2012/10/15
多摩川への道端にある公園の一角で斑入りのヤブランが花を咲かせていました。
あまり手入れされていないようで、葉がかなり傷んでいました。
2014/9/29
ヤブランが、たくさんの果実を付けていました。
まだ、熟す前なので、青々としています。これから冬に向けて徐々に黒く熟していくでしょう。
※ このヤブランの開花した様子は「夏の野草/キジカクシ科」を参照ください。
2013/2/21
ヤブラン(斑入りではありません)が真っ黒な実を付けていました。
若い果実は緑色ですが、熟すに従って黒くなっていきます。
結実後、かなり時間が経っていますので、一部の果実はしわしわです。
ツルボ(Scilla scilloides)
<キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ツルボ属>
キジカクシ科ツルボ属の多年草で、東アジアで唯一の種である。
日本では、北海道から、四国、九州と全国に分布し、朝鮮半島から中国、台湾にも分布している。
葉は、長さ20cm前後、葉幅5㎜前後で細長く、年に2回出る。
春に10枚ほどの春葉が出るが、夏には枯れる。秋には、数枚の葉と花穂が出る。
花茎は数十㎝になり、真っ直ぐに立ち上がる。花茎の先に総状花序を付け、ピンクの花が咲き上って行く。
花被片は6個で先の尖った長楕円形、オシベは6本で、長さ5㎜程の花柄がある。
2012/9/25、9/27
久しぶりに多摩川の土手に出たところ、除草された土手で淡い紫の花を見かけました。
始めてみる花でしたが、調べたところ、ツルボの花と分かりました。
除草されたタイミングがよくて、ちょうど花の時期と合ったために見ることができたようです。
周りに他の花がないので、多くの昆虫などが集まっています。
地下に数cmの卵球形の鱗茎があり、食べられるそうです。
貴婦人が宮中に参内するときに使う傘をたたんだ形に似ることから、サンダイガサ「参内傘」の別名があります。
2013/9/9
今年も、除草された土手の斜面でツルボが咲き始めました。
2013/9/11
2日しかたっていませんが、かなり開花が進みました。
花穂のツボミから開花したものまで、淡紫色のグラデーションがきれいです。
開花と共に、いろいろな昆虫(チョウ、ガ、ハチ、ハエなど)が訪花していました。
ツルボの春葉
2016/3/19
多摩川の河川敷では、他の野草が多くて、ツルボの春葉を確認できませんでした。
自宅近くの街路樹の根元にツルボが咲いていましたので、春になったとき、注意して見ていました。
特に目立つような葉ではないですが、ツルボがそこに春葉を出してきました。
タマスダレ(Zephyranthes candida)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・アマリリス連・タマスダレ亜連・タマスダレ属>
ヒガンバナ科タマスダレ属の多年草で、ペルー原産の帰化植物。
温暖な地域で生育する球根草で、レインリリーの別名を持つ。
日本では、園芸植物として公園などでよく見かけるが、一部で野生化している。
草丈は15~30cmで、鱗茎は直径20~25㎜。
葉は光沢のある濃緑色で、長さ20~30cmで肉質。
花期は7月~9月で、花茎の先に単生し、直立する。
仏炎苞は赤褐色で、長さ2~4cm。その中から白い花が開花する。
花被は白色で、長さ3~5cmの花被片6個は、ほぼ分離している。
花被の筒部は緑色で、ロート状に広がり、花被の長さの1/4程度である。
オシベは6個あり、花糸は長さ10~14mmの糸状で、果皮の長さの半分程度である。
葯は長さ5~8㎜。メシベの花柱は細く、花被の筒部より長い。柱頭は3裂する。
2012/9/25
久しぶりに多摩川の土手に出たところ、除草された土手で白い花を見かけました。
近づいてよく見ると、よく公園などで見かけるタマスダレでした。
除草されたタイミングがよくて、一気に花を咲かせたようです。
といっても、誰かが植えるような場所ではないので、捨てられた球根が野生化したのかもしれません。
同じタマスダレ属でピンクの花のゼフィランサス・カリナタ(サフランモドキ)も民家の庭で見かけました。
タマスダレの葉や鱗茎には、アルカロイドの一種であるリコリンが含まれています。
誤食すると、嘔吐や痙攣(けいれん)が起きます。
葉だけのとき、ノビルとよく似ているので、間違って採取しないよう注意が必要です。
ちなみに、多摩川のタマスダレが自生している場所には、ノビルも自生しています。
ゼフィランサスとハブランサス
ピンクの花を咲かせるゼフィランサス・カリナタですが、よく似たハブランサス・ロブスタスがあります。
両者の違いは、ゼフィランサスの花が上を向いて咲くのに対して、ハブランサスは斜め上を向いて咲くことです。
下記の写真では花弁の色が異なっていますが、個体差もあるので区別の目安にはなりません。
<ゼフィランサス・カリナタ> <ハブランサス・ロブスタス>
ゼフィランサス・カリナタ(Zephyranthes carinata)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・アマリリス連・タマスダレ亜連・タマスダレ属>
ゼフィランサスはタマスダレ属の植物の総称であり、メキシコが原産地。
草丈は15~30cmほどで、細長い線形の葉を地際から出す。
花期は6月~8月で、花茎は鱗茎1個に1個生じ、1茎1花で、漏斗型の花を真っすぐ上向きに付ける。
ハブランサス・ロブスタス(Habranthus Robustus)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・アマリリス連・タマスダレ亜連・ハブランサス属>
ハブランサスは、ヒガンバナ科ハブランサス属の総称で、中南米が原産の球根植物。
草丈は15~25cmほどで、細長い線形の葉を地際から出す。
花期は6月~9月で、1茎1花の1日花。漏斗型の花を斜め上向き(くの字に曲がる)に付ける。
キバナタマスダレ(Sternbergia lutea)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・スイセン連・キバナタマスダレ属>
キバナタマスダレは、ステンベルギア・ルテアとも呼ばれる。
キバナタマスダレ属(ステンベルギア属ともいう)の多年草。
地中海沿岸地方から西アジア原産の園芸植物で、大正時代に移入された。
草丈は10~25cmで、球根は類球形。よく似たゼフィランサス・シトリナと異なり、花と同時に葉が出てくる。
葉は長さ8~25cmで、竜骨があり、先は丸くて縁には乳状突起がある。
花期は9月~10月で、2~3個の花茎(長さ5~20cm)を立ち上げ、数個の花を束生する。
黄色い花被片は長さ3.5~7cmの長楕円形で、3個の外花被片より3個の内花被片が一回り小さい。
オシベは6個で、花糸も葯も黄色。メシベ1個はオシベより少し長く、柱頭は小さい。
2012/10/9
多摩川への道路脇の民家の庭で、黄色いタマスダレらしい花を見かけました。
はじめ、ゼフィランサス属の品種ではないかと思って調べたのですが、微妙に異なります。
さらに調べていくと、ステンベルギア属のキバナタマスダレと分かりました。
同じ形をした黄色い花なので、花だけでは判断が難しいですが、葉が出ているかどうかで判断できます。
ネリネ・サルニエンシス(Nerine sarniensis)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ストルマリア亜連・ネリネ属>
ネリネは南アフリカ原産のヒガンバナ科ネリネ属の多年草で、多くの栽培品種がある。
主には、ネリネ・ボーデニー(Nerine bowdenii)、ネリネ・サルニエンシス(Nerine sarniensis)、
ネリネ・ウンデュラータ(Nerine undulata)の3種が市販されている。
特にネリネ・サルニエンシスは、光が花弁に当たるとキラキラと輝き、ダイヤモンドリリーと呼ばれる。
ヒガンバナとは属が異なるが、ヒガンバナに花も生態も似ている。
秋に開花し、開花と同時に葉も出す所が異なるが、初夏に葉が枯れる所は似ている。
草丈は30~40cmで、球根は直径3~5cmである。
冬の終わりから春にかけて紐状の長さ20cm前後、ふとさ1cm前後の葉が2枚出てくる。
葉は晩春には枯れ、夏には球根は休眠状態となる。
10月~12月に長さ30cm前後の花茎を伸ばし、先に2~12輪の漏斗状の花を付ける。
花被は直立あるいは曲がり、狭倒披針形の花被片は等長で、細かく縮れる。
オシベは5個で、花被の基部に付き、花冠より突き出す。
花糸は糸状で基部は太くなり、葯は長円形。子房は球形。
ネリネ・ボーデニー :夏成長型で、耐寒性があり、庭植えも可能。春に球根を植えて、秋に開花する
濃紅紫色と白色があり、開花後に葉が枯れる。
ネリネ・サルニエンシス:冬成長型。夏から秋に球根を植え、秋に開花して、花後に葉を伸ばして夏に休眠。
ダイヤモンドリリーと呼ばれる多くの花色の品種がある。
花が大きく、花だちが良くて、バランスの取れた花姿が好まれる。
ネリネ・ウンデュラータ:暖地では常緑を保つ。耐寒性があり、露地植も可能。
小ぶりな花で、繊細な花弁が美しく、原種らしい可憐さがある。
2010/9/12
多摩川への道路脇の民家の門の所で、変わった花色のヒガンバナを見かけました。
後で調べて、ヒガンバナ属ではなくネリネ属のネリネ・サルニエンシスと分かりました。
ネリネには、紫を発色する細胞を作る遺伝子があり、この写真のような色合いが出るそうです。
ネリネ・ボーデニー
実家の庭で、鉢植えになっていたネリネ・ボーデニーです。
ネリネ・サルニエンシスとは異なり、ネリネ・ボーデニーは葉が出てから花茎が伸びてきます。
ですので、花が咲くときには基部に葉があり、この点がネリネ・サルニエンシスと異なります。
ショウキズイセン(Lycoris aurea Herb. /Lycoris traubii)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、在来種。
ショウキランの別名でも呼ばれるが、通常は、同名のラン科の方を指す。
日本では四国、九州以南に自生し、海外では台湾や中国に分布している。
本州などで見かけるものは、栽培されているものがほとんど。
ヒガンバナ同様に有毒植物で、草丈は30~70cm。鱗茎は直径5cm前後の卵型。
葉は長さ30~60cmほどの剣型で、花後に秋に出て、翌年の夏までに枯れる。
花期は9月~10月で、長さ30~60cmの花茎を出し、茎頂の散形花序に5~8個の花を付ける。
花は横向きに咲き、直径は10~15cm。筒部の長さは12~15mm。
黄色い花被片は6個で、外側に大きく反り返り、縁は波打つ。
オシベ6個とメシベ1個は、花冠から長く突き出て、上向きに反る。
花糸は基部が黄色で先に行くほど白くなり、葯は黄色。メシベの花柱は、先の方が暗赤紫色になる。
2010/8/29
多摩川への道路脇で、ヒガンバナに交じって数株、花を付けていました。
花期は、ヒガンバナより少し遅いようで、満開のヒガンバナの横で咲きかけでした。
ヒガンバナより一回り大きく、花弁はきれいな黄色でカールしています。
ヒガンバナ(Lycoris radiata)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
2012/9/25 2012/9/25 2012/9/28
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、原産地が中国の古い時代の帰化種。
日本では、北海道から四国、九州と全国に広く分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国南部に広く自生している。
ヒガンバナは、遺伝的に同一であり、三倍体のため、種子で増えることはない。
そのため、中国から帰化した1つの球根から、全国に広がったものと思われる。
鱗茎は直径1~3cmの類球形で、草丈は30~50cmになる。
葉は花後の10月頃に出て、翌春に枯れる。長さ30~60cmの線形で、新緑色で光沢がある。
花期は8月~9月で、長さ30~50cmの花茎のみを立ち上げ、散形花序に花を4~7個付ける。
6個の花被片は鮮紅色で、長さ4cm前後の狭披針形。強く反り返り、縁が強く波打つ。
2個の総苞は、披針形で長さ3cm前後。オシベは6個とメシベ1個は、花被片より長く突き出す。
9/25 久しぶりに多摩川の土手に出て、最初に目に付いたのがヒガンバナでした。
除草された土手のあちこちからニョキニョキと花茎を出し、赤い花を咲かせ始めていました。
9/28 ヒガンバナも5分咲きくらいになり、見ごろを迎えました。
所々に大きな群落をつくっていて、何もない土手を彩っています。
2012/10/4
ヒガンバナも満開を過ぎ、萎んだ花が増えてきました。
でも、まだ、遠目には目立たないので、土手の一角を赤く染めています。
あちこちで見かけるヒガンバナですが、全てが1つの球根の子孫というのは意外でした。
ソメイヨシノが、1本の木から接ぎ木で増やされものというのは有名ですが、似たような話ですね。
話は変わりますが、ヒガンバナは、全草有毒です。
特に鱗茎には、アルカロイドを多く含み、誤食すると吐き気、下痢、最悪の場合は死に至るとのこと。
ただし、有毒成分のリコリンは水溶性であることから、長時間水にさらすことで無害化できます。
そのため、第二次世界大戦のときには、非常時の食料として利用されたこともあるそうです。
2012/10/9
多摩川の土手をあちこちで赤く染めていたヒガンバナもそろそろ終わりのようです。
萎んだ花が増えて、赤い色がくすんだように見えています。
多摩川のヒガンバナも多い方だと思うのですが、巾着田の大群生地(下記参照)を見てしまうと、規模の差は歴然です。
巾着田のヒガンバナ群生地
2008/9/23
巾着田は、ヒガンバナの大群生地として有名ですが、高麗川が蛇行してできた直径500m、22haの平地です。
蛇行した高麗川で、流された土砂が堆積した場所に流れ着いたヒガンバナが群生したもののようです。
ここでは500万本のヒガンバナが見られたのですが、2019年に台風19号の増水で大きな被害を受けました。
その後、復旧作業が行われ、元の姿を取り戻しています。
シロバナヒガンバナ(Lycoris albiflora)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、北海道から四国、九州と全国に広く分布。
ヒガンバナとショウキズイセンの種間交雑種といわれている。
鱗茎は直径1~3cmの類球形で、草丈は30~50cmになる。
葉は花後の10月頃に出て、翌春に枯れる。長さ30~60cmの線形で、新緑色で光沢がある。
花期は8月~9月で、長さ30~50cmの花茎のみを立ち上げ、散形花序に花を4~7個付ける。
6個の花被片は長さ4cm前後の狭披針形で、強く反り返り、縁が強く波打つ。
花色は、純白に近いものから淡いピンク、クリーム色などいろいろな色合いのものがある。
2個の総苞は、披針形で長さ3cm前後。オシベは6個とメシベ1個は、花被片より長く突き出す。
2012/10/3
多摩川への道路脇の公園で、ひと際白いシロバナヒガンバナを見かけました。
ほとんど、花弁に赤みがない純白に近い株で、1株だけ離れた所で咲いていました。
2012/10/3
多摩川への道路脇の公園で、見かけたシロバナヒガンバナが群生している中にありました。
他の株よりも赤みは少ないのですが、まだ、少し赤みが残っています。
2012/10/2
多摩川への道路脇の公園で、最も多かったのが赤がほんのり残ってピンクっぽいこの花です。
白とは違った、また別の温かみのある色合いで、これはこれできれいです。
その他のヒガンバナ属の花
日本から、朝鮮半島、中国南部に広く自生するヒガンバナ属ですが、多くの種類があります。
野生種では、ヒガンバナ、キツネノカミソリ、ナツズイセン、ショウキズイセンなどがあります。
上記以外に、多様な栽培品種が販売されており、色も実にさまざまです。
ただ、販売されているものには、同じヒガンバナ科のネリネ属も混在しているようです。
科が同じなので、花の形や生態も似ていますが、アジア東部原産か南アフリカ原産かの違いがあります。
下記に、多摩川の近くでは見られなかったキツネノカミソリ、ナツズイセンを参考までに掲載します。
キツネノカミソリ(Lycoris sanguinea)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、在来種。明るい林床や林縁などに自生する。
日本では本州から四国、九州に、海外では朝鮮半島に分布する。
他の草が生えていない早春のうちに、葉を球根から直接出して球根を太らせ、夏には一旦葉を落とす。
8月の中旬頃に30cmほどの花茎を伸ばし、先端に幾つかの花を咲かせる。
赤橙色の花弁は6枚で、反り返るまでには開かない。オシベは花弁とほぼ同じ長さになる。
ヒガンバナ同様、有毒植物で、葉と花は異なる季節(葉は早春から夏前、花はお盆の頃)に出す。
ナツズイセン(Lycoris squamigera)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、有毒植物。
古い時代に中国から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。
和名の由来は、葉がスイセンに似ていて、花が夏に咲くことから付けられたもの。
花期に葉がないことから、別名「裸百合」とも呼ばれる。
日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布している。
秋から翌年の春にかけてスイセンに似た葉を出し、8月の地中旬から下旬に花を咲かせる。
地下に鱗茎を持ち、花期に鱗茎から60cmほどの花茎を1本伸ばす。
花茎の先に数輪のピンクの花を付け、6枚の花被片は反り返る。
ヒガンバナ同様、有毒植物で、葉と花は異なる季節(葉は秋から翌春、花はお盆の頃)に出す。
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