ツツジ目
エゴノキ科(エゴノキ)
ツツジ科(アケボノアセビ、アメリカシャクナゲ、ドウダンツツジ)
マタタビ科(キウイフルーツ)
ナス目
ナス科(クコ)
エゴノキ(Styrax japonica)
<ツツジ目・エゴノキ科・エゴノキ属>
エゴノキ科エゴノキ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで全国の雑木林で見られる。
和名は、果実を口にするとえぐい(えごい)ことに由来する。
樹高は10~15mで、樹皮は暗紫褐色~淡黒色になり、老木になると縦に裂け目が入る。
若枝には、白色~淡褐色の星状毛がある。
葉は互生し、長さ4~8cmの卵形で、先が尖り基部は楔形、縁に浅鋸歯がある。
花期は5月~6月で、新枝の先端に白い花を房状に多数付け、花は下向きに咲き、芳香がある。
花には数cmの花柄があり、花冠は直径20~25mmで5深裂してあまり開かない。
オシベは10本あり、その中央からメシベが1本飛び出している。
果実は、長さが2cmほどまでになり、熟すと果皮が破けて褐色の種子が露出する。
2014/5/13
多摩川への道路脇の公園で見かけました。
枝先に固まって白い花を多数付け、近くを通ると花の香りが匂ってきます。
2015/4/23
今年もエゴノキがたくさんのツボミを付けていました。
ツボミの先が割れ、白い花弁が見えているものもあります。
早いものは、後1週間もあれば咲きだすでしょう。
2014/5/30
花が終わった後、メシベを残したまま、子房が大きくなり始めていました。
長いメシベが突き出した形は、釣りに使う浮のようで、何とも奇妙な感じです。
2014/6/19
エゴノキの果実ですが、しばらく見ないうちにかなり大きくなっていました。
ただ、日当たりの違いでしょうか、メシベの残っている木と残っていない木があります。
メシベの残っていない果実の方が、一回り大きいようです。
アケボノアセビ(Pieris japonica f. rosea)
<ツツジ目・ツツジ科・スノキ亜科・ネジキ連・アセビ属>
ツツジ科アセビ属の常緑低木で、本種は、アセビの紅花品種である。
紅花の色合いが濃いものはベニバナアセビ、薄いものはアケボノアセビと呼ばれる。
日本では、本州から四国、九州の山地で、やや乾燥した所に自生する。
樹高は1~8mで、幹はやや捻じれ、樹皮は灰褐色、縦に裂け目が入る。
葉は互生し、葉身は長さ3~10cmの楕円形で厚みがあり、新緑で表面にはつやがあり、枝先に束生する。
花期は3~4月頃で、枝先の葉腋から複総状の花序を垂らし、壺型の花を多数下垂する。
萼や花柄は赤褐色で、8mm程の壺状の花弁はピンク色。そして、1本のメシベと10本のオシベがある。
なお、葉や茎には、アセボトキシンという有毒物質を含んでいる。
2015/3/31
多摩川への道路脇の公園で、ピンク色のアセビを見かけました。
色合いから、園芸品種のアケボノアセビと思われます。
白花のアセビは、良く見かけますが、本種のような紅花品種はあまり見ません。
アセビ(馬酔木)は有毒のため、馬にこれを食わせると酔ったようにふらつくのが名前の由来とか。
アメリカシャクナゲ(Kalmia latifolia)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・カルミア属>
ツツジ科カルミア属の常緑低木で、北アメリカ東部原産の園芸品種。
樹高は2~3mで、茎は直立し、小枝は円柱形で腺毛があり、後に無毛となる。
葉は互生し、長さ4~12cmの長楕円形で、全縁で先が尖る。有毒物質が含まれているので要注意。
花期は4月~6月で、枝先に集散花序を付け、ツボミは金平糖のような独特の形状をしている。
花は、五角形のお皿のようになり、内側に濃紅色の斑点、10本のオシベ、1本のメシベがある。
オシベの葯は、濃紅色の斑点の所で花弁に抱えられていて、成熟した頃に昆虫が触れると飛び出してくる。
そして、葯から放出された花粉が、昆虫に付着して、他花を授粉させる特別な仕掛けを持っている。
2014/5/14
多摩川への道路脇の公園で、変わった形の花を見かけました。
淡いピンクに濃紅色の斑点がチャーミングな花で、後で調べて、本種と分かりました。
オシベの花糸が弓なりに反って、先が花弁に付いているのが特徴です。
ツボミの形も変わっていて、10個の突起が金平糖のように見えます。
2014/5/22
雨上がりの後、散歩途中でアメリカシャクナゲを見かけましたが、以前見たものと印象が異なります。
よく見ると、濃紅色の斑点が大きく目立っているため、印象が異なったようです。
花色には、ピンクのほか、濃紫色、白色などがあり、異なる品種のようです。
ドウダンツツジ(Enkianthus perulatus)
<ツツジ目・ツツジ科・ドウダンツツジ亜科・ドウダンツツジ属>
2013/4/8 2013/4/8 2015/4/10
ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木。
日本では、本州、四国、九州の温暖な岩山に自生するが、自生地は少ない。
寒冷地でも耐えるので、庭木としては全国で見られるが、寒冷地では少ない。
樹高は1~3mほどで、葉は互生し、枝先に集まって輪生状になる。葉縁には細かい鋸歯がある。
なお、晩秋には真っ赤に紅葉する。
花期は4月~5月で、枝先に白い壺形の花は数輪下垂して咲かせる。なお、紅色の品種もある。
花冠は、長さ8㎜前後で、先が5残裂する。オシベは10本ある。
名前の「ドウダン」は、枝分かれの様子が、結び灯台に似ていることに由来し、灯台が訛ったものとのこと。
※ 結び灯台:3本の細い枝を結わえ、開いて立てた上に油皿を載せた照明器具。
2012/3/11 多摩川への道路脇の公園で見かけました。
葉が出て1週間後位に、特徴的なおちょぼ口の花を咲かせます。
2015/4/10 アップの写真のみでしたので、少し引いて撮影したものです。
まさに、鈴生りとはこの事といえるほど、びっしりと花が付いています。
キウイフルーツ(Actinidia deliciosa)
<ツツジ目・マタタビ科・マタタビ属>
マタタビ科マタタビ属の落葉つる性木本で、原種は中国原産。
マタタビ属の「Actinidia deliciosa」を指して、特にキウイフルーツと呼ぶ。
ニュージーランドで「Actinidia deliciosa」や「Actinidia chinensis」が品種改良され、商業栽培された。
キウイフルーツの名前は、ニュージーランドのシンボルである「キーウィ (kiwi)」に因んだものである。
「Actinidia deliciosa」の一般的な品種が「ヘイワ-ド種」で、楕円体で皮が茶色く、粗毛に覆われた緑色果肉品種。
「Actinidia chinensis」は表面が軟かい疎毛で覆われ、果肉は黄色いことが多く、ゴールド・キウイもその1種。
日本在来種のサルナシ「Actinidia arguta」も同属で、ミニキウイとして生食されたり、果実酒に使用されている。
樹高は3m以上になり、葉は互生して、葉身は長さ10~15cmの円形または広卵形。雌雄異株。
花期は5月~6月で、葉腋に白い花が下向きに付け、花は直径3~4cmで芳香がある。
栽培する場合は、雄株と雌株の2本を植える必要があり、同時期に開花する品種を選ぶ必要がある。
果実は液果で11月頃に熟すが、追熟が必要で、収穫後すぐには食べられない。
冬芽は盛り上がった葉痕の中に隠れて、先端だけが見える半隠芽。
2014/5/15
多摩川への道路脇の公園で、植栽に隠れるようにしてキウイフルーツが花を付けているのに気が付きました。
ツボミは、かなり大きくて、直径は20mm近くあります。
民家の庭先で、キウイフルーツがブラブラと下がっているのを見たことはありますが、花を見るのは初めてです。
後日、果実を見て「Actinidia deliciosa」の品種と分かりました。おそらく、ヘイワード種と思われます。
2014/5/20
キウイフルーツが開花していました。やはり、想像以上に大きな花で、直径40mm程ありました。
純白の大きな花弁と、放射状に広がるメシベの花柱、それを取り囲むようにびっしりとオシベが付いています。
2014/5/22 2014/5/28 2014/5/28
5/22 花のアップの写真ですが、放射状の花柱と子房の周りの多くのオシベが見えています。
5/28 花後の、花弁が散り、オシベが枯れた様子です。子房がいくぶん大きくなったようです。
この後、成長を見ようと思ったのですが、全て落ちてしまったのか見当たりませんでした。
2014/6/25 2014/7/8 2014/7/8
6/25 久しぶりに訪れてみると、大きくなった果実が、葉陰で見え隠れしていました。
さらに探すと、梢の辺りにも数個の果実が見えました。
比較的、下の方で開花していたものは、全て落ちてしまい、上の方で残ったものがあったようです。
7/8 キウイフルーツの果実も、日増しに大きくなっているようです。
さらに、かなり高い梢の当たりに、4個ほど、果実が固まって付いていました。
クコ(Lycium chinense)
<ナス目・ナス科・クコ属>
ナス科クコ属の落葉低木で、中国原産の帰化植物。
日本以外にも、台湾、朝鮮半島、北アメリカにも移入されて分布が広がっている。
枝は長さ1m以上、太さは数mm-1cmほどで、細くしなやかである。
地上部は束状で、上向きに多くの枝が伸びる。
枝には2-5cm程度の葉と1-2cm程度の棘が互生するが、枝分かれは少ない。
垂直方向以外に地上にも匍匐茎を伸ばし、同様の株を次々と作って繁茂する。
開花期は夏-初秋で、直径1cmほどの小さな薄紫色の花が咲く。
果実は長径1-1.5cmほどの楕円形で、赤く熟す。
一旦定着すると匍匐茎を伸ばして増え続け、数年後にはまとまった群落となることが多い。
果実は酒に漬けこんでクコ酒にする他、生食やドライフルーツでも利用される。
薬膳として粥の具にもされる。また、柔らかい若葉も食用にされる。
2013/3/7
多摩川の土手で、昨秋から実を付けているクコに新芽が伸び始めていました。
まだ、果実が残っており、瑞々しく張りのあるものや皺ができて萎びたものが混じっています。
そんな果実がぶら下がっている所から新芽が伸び始めています。
枝によってはずいぶん伸びたものもあります。
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