ショウガ目
カンナ科(カンナ)
セリ目
ウコギ科(ヤドリフカノキ/ホンコンカポック)
セリ科(マツバゼリ、ヤブジラミ)
トベラ科(トベラ)
ソテツ目
ソテツ科(ソテツ)
カンナ(Canna indica hybrid)
<ショウガ目・カンナ科・カンナ属>
カンナ科カンナ属の一群の植物で多年草。多様な園芸品種がある。
球根で増やすが、暖かいところでは、宿根草として育てることもできる。
熱帯アメリカが原産地で、日本には江戸時代に渡来したとされている(和名:ダンドク)。
日本では、種類によるところがあるが、ほぼ全国で栽培可能である。
フレンチカンナ系統とイタリアンカンナ系統があるが、交配が進んで”Canna indica hybrid”と総称される。
フレンチカンナ系統は草丈が1~1.5mと低く、花が大きくて、花弁は基部までわかれている。
イタリアンカンナ系統は草丈が2~2.5mと高く、花がやや小さくて、基部が筒状になっている。
地下に根茎を持ち、葉は互生して楕円形で先が尖り、基部は茎を抱いている。
花は総状花序に付き、長さ10cm前後。淡緑色で長さ2cm弱の萼片は3個あるが目立たない。
花冠裂片は3個あって、長さ4cm前後の披針形で先が尖る。
大きな花弁状のものは仮オシベで、外側の3個は長さ7~8cmと大きくて斑紋がない。
内側の2個には斑紋があり、大きい方は長さ7cm前後。小さい方は6cm前後で片側が厚く、葯が1個付く。
メシベは花糸がへら状で硬く、光沢があって、斑紋がある。小花柄の上の長さ1cm前後の子房は苞が包んでいる。
2012/6/29
多摩川の川縁に野生化したカンナ(花カンナ)がちょっとした群落をつくっています。
写真は、黄色のカンナですが、別の場所に赤色のものも自生しています。
どちらも草丈は1mちょっと程しかないので、フレンチカンナの系統のようです。
ヤドリフカノキ(Schefflera arboricola)
<セリ目・ウコギ科・シェフレラ属/フカノキ属>
2013/7/3 2013/8/16
ウコギ科シェフレラ属の常緑樹で、台湾、中国南部が原産の園芸品種。
樹高は3~7mになり、よく分枝して、枝ははじめ緑色であるが、後に灰褐色になる。
また、老木になると、幹から多数の気根を出す。
葉は互生し、長さ10~20cmの葉柄の先に、7~9個の小葉を掌状に付ける。
小葉は長さ6~10cmで、革質で光沢があり濃緑色。小葉にも葉柄がある。
花期は7月~10月で、枝先に長さ20~30cmの円錐花序を出し、多数の小花を付ける。
花は直径5~8mmの5弁花で、淡緑色の花弁は早落性で、開花後すぐに落ちてしまう。
オシベは5個あり、子房の上部に柱頭があるが、飛び出ていない。
果実は扁球形で、黄緑色→黄色→橙色→暗紅紫色→暗紫色と熟していく。
ホンコンカポックの名で、園芸界では流通しているが、カポックはアオイ科の落葉高木で別種。
なお、斑入り葉や葉先が裂けているものなど、いろいろな園芸品種がある。
道路脇の民家の庭先で、鉢植えの本種が花を咲かせていました。
といっても、花弁は開花すると脱落するようで、一部が残ったり、全て脱落したりしています。
花弁とオシベの数は5個で、大きな子房が目立ちまが、花弁やオシベの数は5個以上のものもあるようです。
1ヶ月もすると果実は、黄色から橙、紅紫色とどんどん色が濃くなり、最後は黒くなるようです。
2013/7/3 2013/7/12
2013/7/26 2013/8/16
開花から果実が色付くまでの様子です。花弁は早落性で、開花後すぐに散ってしまうようです。
果実は、最後の写真の暗紅紫色になった後、さらに黒に近い暗紫色になるようです。
2014/2/13
多摩川からの散歩帰りに、いつもと異なる道を通っていたとき、斑入りの本種に気が付きました。
果実のなっている枝もありましたが、普通のものと変わりはありませんでした。
鉢植えの鉢を割って、地面に根を張り、自生しているのと変わりがない状態になっていました。
マツバゼリ(Cyclospermum leptophyllum)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・マツバゼリ属>
セリ科マツバゼリ属の1年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物である。
以前は、オランダミツバ属(Apium)に分類されていたが、マツバゼリ属(Cyclospermum)に変更になった。
日本では関東以西、九州、四国に分布し、畑や草地、道端などで湿った所を好む。
セリ科の植物なので、独特のにおいを持ち、家畜には、有毒な植物である。
草丈は5~60cmと、生育場所などで大きく異なる。
葉は、大きいもので10cm程になる2~4回羽状複葉で、深裂した裂片は幅1mm以下と細い。
葉柄は、長いものは10cm程あるが、茎葉では無柄になる。
花期は4月~9月で、葉と対生に花序を数本出し、先に多数の直径1mm前後の小花を付ける。
総苞、小総苞は無く、花は5花弁で、花弁は白色。
果実は長さ1~1.5mm、幅1~2mmで、隆起線は柔らかいコルク質で太く、熟すと紫褐色になる。
2012/7/2
多摩川の河原の草むらで、シロツメクサの中に1株だけ見かけました。
茎も葉もひょろってして細く、花もすごく小さいです。
長らく、名前が分からなかったのですが、別の植物を調べていて本種と分かりました。
外見からセリ科の植物には見えなかったので、同定が難航していました。
しかし、後になってよく見れば、花の形などはヤブジラミに似ていますね。
マツバゼリの花と果実
2021/4/20 2021/5/14 2021/6/17
実家近くで見かけたマツバゼリの花と果実です。
花は直径1mmほどと小さいのですが、果実は倍くらいの大きさがあります(中央の写真参照)。
ヤブジラミ(Torilis japonica)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・ヤブジラミ属>
セリ科ヤブジラミ属の越年草で、日本では全国に分布している。
世界的には、日本も含めたユーラシアに広く分布し、南アジアや北アメリカに帰化している。
草丈は30~70cmで、茎は直立し、上部で分枝する。
葉は互生し、2~3回羽状複葉で、長さは5~10cmほどある。
小葉は細かく切れ込み、先端の小葉は長く尖る。葉の両面には毛が多い。
花期は5月~7月で、枝先の複散形花序に多数の小花を付ける。
5個の花弁は大きさは不揃いで、外側の2花弁が大きくなる。オシベは5個。
花色は白で、わずかに淡紅紫色を帯びることがある。葯の色も同様である。
果実は長さ4mm前後の卵状長楕円体で、基部から湾曲した刺を密生する。熟すと淡褐色になる。
オヤブジラミは似ているが、花期が本種より早く、花色は淡紅紫色を帯びて、花数が少ない。
また、葉の裂片が細かく、果実の刺が紅紫色を帯び、熟すと黒くなる点で区別できる。
2012/7/13
多摩川では川縁の草地にヤブガラシやヘクソカズラに混じって生えていました。
上段中央の写真の葉はヘクソカズラであって、ヤブジラミの葉は、上段右の写真で切れ込みの入った葉です。
花は白色の5弁で、花序の外側の物が大きい。また、花弁は先端中央で中裂し、内側にカールしています。
下段の写真は果実で、形状から想像できる通り、服などに付いて運ばれます。
トベラ(Pittosporum tobira)
<セリ目・トベラ科・トベラ属>
トベラ科トベラ属の常緑低木で、自生種。雌雄異株。
日本では、本州の東北地方南部から四国、九州にかけて海岸近くに自生している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾の海岸部に自生する。
樹高は2~8mで、葉は互生して主に枝の先に葉が集まって着く。
葉身は長さ5~10cmの倒卵形で、革質で光沢があり、全縁。内に巻くように葉全体が反る。
花期は4月~6月で、枝先に芳香のある5花弁の白花(時間が経つと黄色くなる)を多数付ける。
果実は熟すと3裂して赤い粘液をまとった種子が露出する。種子は粘液で果実に付着する。
2014/5/16
多摩川の河川敷で、植生されているシャリンバイの近くに、2株だけトベラが植栽されています。
見た目は似ているのですが、トベラはバラ科ではなく、セリ目トベラ科の植物です。
同じような時期に、同じような白い花を付けるのですが、その果実を見れば違いがはっきりします。
2014/8/22 2014/9/2
結実数は、シャリンバイよりも格段に少なく、パラパラと見られる程度です。
そして、その果実は、見た目も違いますが、その大きさが大きく異なります。
シャリンバイの果実(直径5mm程)の2倍近い大きさ(短径8mm/長径10mm程)があります。
2014/9/30 2014/12/12 2014/10/28
10月ん半ばになると、トベラの果実もいくぶん黄色みを帯びてきました。
月末には、一段と黄色みが強くなっていましたが、まだ、割れているものはありませんでした。
2014/11/13 2014/12/12 2014/12/17
11/13 注目しているトベラの果実は、一段と黄色みを増してきましたが、まだ、裂開していません。
しかし、他の果実は裂開が進み始めています。
12/12 やっと、注目しているトベラの果実が裂開し始めました。
裂開していない果実はほとんどないので、超奥手だったようです。
12/17 注目していた果実が、やっと3裂しました。果皮に鮮やかな朱色の種子が付いています。
種子は、透明な粘液に包まれており、表面はつややかです。
ソテツ(Cycas revoluta)
<ソテツ目・ソテツ科・ソテツ属>
ソテツ科ソテツ属の裸子植物で常緑低木。日本に自生する唯一の種。
日本の九州南部および南西諸島に自生し、本州中部以南の各地でも植栽として植えられている。
日本以外では、台湾や中国南部にも分布しており、主に海岸近くの岩場に自生している。
雌雄異株であるため、雄株と雌株があり、実は雌株にのみになる。
樹高は3~8mで、根に珊瑚状の根粒があり、基部などから側枝を出し、樹皮は灰黒色で鱗片状。
葉は、幹の先端に輪生状につき、幹の先に葉の集団を作る。
葉は長さ70~150cmの羽状複葉で、小葉数は60~150対あり、中軸にV字形に付く。
小葉は長さ10~20cmの革質で、葉裏にはまばらに短毛があって、縁は強く反曲する。
葉柄は断面が四角形で、長さ10~20cmあり、両側面に3~9対の刺があり、小葉へと続く。
花期は5月~7月で、雄株からは淡黄色で円柱状の花粉錘が伸び出し、方さ30~60cmになる。
小胞子葉は狭い楔型で、長さが35~60mmあり、先は尖って硬くなる。その裏一面に葯が付く。
雌株は先端が多くの大胞子葉でドーム状に膨らむ。大胞子葉は黄色~淡褐色で、長さ14~22cm。
大胞子葉の先には、密に綿毛の付いた長さ6~11cmの小葉状のものが多数付き、葉を縮小したような形である。
その基部側には数個の胚珠が褐色の綿毛に包まれて付く。種子は成熟すると朱色に色づく。
奄美大島では、ソテツの種子(ナリ)や幹(シン)から澱粉を取り出し、食用として利用している。
といっても有毒なサイカシンを含むため、毒抜きが必須で、不十分だと中毒を起こす。
非常に手間と時間がかかる作業のため、作れる人が少なく、希少価値のある食材となっている。
2013/7/12
多摩川に行く途中の民家の庭先にあるソテツが、大きな雄花をつけていました。
幹の先端から50cm程も立ち上がった、何とも立派な雄花です。
2013/10/17
雄花が出ていた株ですが、立派な松かさがなくなった後、次の年に備えた幹の先端の様子です。
また、雄花が出てくるのか、単に葉が出てくるのか、この状態では不明です。
2014/2/13
以前、同じ所で種子を見たことを思い出し、確かめてみました。
やはり、別の幹ですが、葉の根元の方にびっしりと付いていました。
完熟した種子の前に付いている褐色のモジャモジャとしたものが、大胞子葉の先にある葉のようなものです。
最初は種子が小さいので見えませんが、完熟する頃にはこのように大きくなって見えるようになります。
また、雌花が咲くと思いますので、気を付けて見てみたいと思っています。
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