リンドウ目
アカネ科(ヘクソカズラ、クチナシ)
キョウチクトウ科(ガガイモ)
トクサ目
トクサ科(トクサ)
ヘクソカズラ(Paederia scandens)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヘクソカズラ連・ヘクソカズラ属>
アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草で、全国で見られる。
日本以外では、東アジア一帯に分布し、北アメリカやハワイなどに帰化している。
特有のいやな臭いがあり、これが和名の由来。
葉は対生し、楕円から狭卵形で、長さ4~10㎝、幅1~7㎝。
花期は7月~9月で、葉腋から短い集散花序を出し、花をまばらにつける。
花冠は鐘状で長さは1㎝前後。灰白色で先は5残裂し、中央は紅紫色で毛が生える。
花糸の短い5個の雄しべは、花冠の内部に付く。花柱は2個で、基部で合着する。
果実は、直径5㎜ほどの球形の核果で、黄褐色に熟す。
2012/8/23
多摩川では土手の一角にはびこっています。
同じつる性のヤブガラシやガガイモと勢力争いをしているようで、なんとか住み分けているようです。
なお、花弁は白で、中心が紅紫色のため、お灸を据えた後のように見えることからヤイトバナの別名があります。
果実は、生、あるいは乾燥させたものが薬用になります。
生は臭気が強いのに対し、乾燥させると臭気がなくなるので、乾燥させて使うことの方が多いようです。
2013/7/1
河川敷の除草のタイミングで、今年は、河川敷では見ることができませんでした。
多摩川に行く途中の道端で、植木に絡みついているヘクソカズラを見かけたのみです。
撮影しやすいアングルでしたので、目いっぱい拡大してみました。
中心が紅紫色の白い花弁、白くて長いメシベの花柱の様子が分かると思います。
2014/9/1
この頃になると、青々としていた果実も黄色みを帯びてきます。
2013/11/13
植栽に絡みついていたヘクソカズラですが、除草されることもなく、結実していました。
直径5mm程の球形で、熟すと黄色くなります。
黄色く見えているのは萼で、その中に2つの核が入っています。
クチナシ(八重)(Gardenia jasminoides)
<リンドウ目・アカネ科・サンタンカ亜科・クチナシ連・クチナシ属>
2015/6/11 2012/7/3 2015/6/11
アカネ科クチナシ属の常緑低木で、日本では、本州の静岡以西、四国、九州に自生する。
日本以外では、中国、台湾、インドシナ半島等の東アジアに広く分布する。
樹高は1~2mで、葉は対生するか3輪生する。葉は長さ5~12cmの長楕円形で、全縁。
革質で、表面に強いつやがある。托葉は4個が合着し、円筒状になる。
花冠は直径5~8cmの白花で、先が5~7裂して、芳香がある。
果実は、長さ2~3cmの楕円形で、5~7の稜があり、萼片が残る。
晩秋に橙色に熟し、黄色の着色料として利用される。
2012/7/3 ナンテンの直ぐ横で、クチナシが見事な八重の花を付けていました。
花弁が多くて、バラのような咲き方になっています。
一重やもっと花弁の少ない八重咲きは、よく見かけますが、ここまで花弁の多いものは初めて見ました。
2015/6/11 ツボミと開花の進んだ花の写真を追加しました。
ガガイモ(Metaplexis japonica)
<リンドウ目・キョウチクトウ科・ガガイモ亜科・Asclepiadeae連・ガガイモ属>
キョウチクトウ科ガガイモ属のつる性多年草で、沖縄以外の全国で見られる。
日本以外では、東アジア一帯に分布している。
日当たりの良いやや乾いた原野に生え、地下茎を伸ばして増え、茎を切ると白い乳液が出る。
葉は対生し、長卵形で基部は心形、先は尖る。長さは5~10㎝、幅は3~6㎝。
花期]は8月~9月で、葉腋に短い円錐花序を付け、淡紅紫色の花を固まって付ける。
花冠は直径1㎝程で5深裂し、外に巻き込むように反り返る。内側には白色の軟毛が密生する。
雄しべは筒状に合着してずい柱となり、中心から長い柱頭が花冠から突き出る。
副花冠は環状で5残裂し、ずい柱の基部を取り巻く。
花粉粒が集合した花粉塊は葯室の中にあり、葯の付属体の間にある5個の小球に2個ずつ付く。
袋果は長さ8~10cmmの広披針形で、表面にはイボ状の突起がある。熟すと片側が裂開し、水平にまで開く。
種子は扁平な楕円形で、先端に種髪と呼ばれる長い毛があり、風で散布される。
2012/8/20
多摩川では土手の一角にはびこっています。
同じつる性のヤブガラシやヘクソカズラと勢力争いをしているようで、なんとか住み分けているようです。
花冠は5深裂して星型になり、毛が密集した独特の形をしています。
2012/9/6
多摩川の河川の縁近くにも大きな群落を見つけました。
土手よりも大きな群落ですが、アレチウリと入り混じっています。
上記で、左の方から横に伸びているのが、アレチウリです。
2012/9/14 2012/11/14 2012/12/14
2012/9/14 多摩川の土手がすっかり除草されて、何もかもがなくなってしまいました。
ガガイモも川の縁の方だけとなってしまいましたが、その中で果実を見つけました。
まだ、未成熟で緑色の小さなものですが、これからの成熟が楽しみです。
果実が成熟すると大型の紡錘状になり、中に長い綿毛を持つ種子ができるらしいです。
その形から謎の伝承生物「ケサランバサラン」はこの種だとする説もあるらしく、秋が楽しみです。
2012/11/14 川縁近くのガガイモもアレチウリの侵略を受けて、どこにあるのかよく分からなくなっていました。
そのアレチウリが枯れた後、ガガイモが再び顔を出し、大きな紡錘形の袋果に成長していました。
ガガイモの「イモ」の名は、この紡錘形の袋果の形から来ているそうです。
2012/12/14 ガガイモも葉が枯れて、袋果がよく見えるようになっていましたが、なかなか、実が割れませんでした。
久しぶりに様子を見に行くと、1つの袋果が割れて、種子が飛び始めていました。
しかし、他にいくつかある袋果は、まだ、割れる様子はなく、割れるのはまだ先のようです。
なお、割れた袋果は地面に近い所にあったので、種子が周りの草に絡まってしまっていました。
2012/11/22
ガガイモの袋果の1つが割れて、その種が飛び始めていました。
その場で撮影できなかったので、自宅に持ち帰り、撮影したものです。
白い毛の長さは40mmほどあるため、開くとかなり大きくなります。
トクサ(Equisetum hyemale)
<トクサ目・トクサ科・トクサ属>
2013/7/1
2013/7/2
トクサ科トクサ属の常緑多年草で、在来種。
日本では、本州中部以北で、湿地に自生している。
海外では、サハリンから千島、朝鮮半島から中国、シベリア、欧州、北米に分布する。
地下茎で広がり、そこから多数の濃緑色の地上茎を林立させる。
地上茎は、直立して枝を持たず、棒状に1m近くまで伸びる。
葉は、地上系の数cm毎の節の部分に輪生するがごく小さい。
夏に、茎頂にツクシの胞子嚢穂と良く似た穂を付ける。
茎にケイ酸を含み、細かい溝が合ってざらつくので、工芸品の研磨に利用されていた。
多摩川への道端脇の公園の一角でトクサが大きな群落となっていました。
除草されることもなく、放置されているからでしょうか、好き放題に広がっています。
幾つかの地上茎の先に、胞子嚢穂が付き、大きくなっていました。
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