イネ科・カタバミ科

イネ目

  イネ科(メリケンカルカヤ、セイバンモロコシ)

カタバミ目

  カタバミ科(オオキバナカタバミ、オキザリス(桃の輝き))


メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・メリケンカルカヤ属>

イネ科の多年草で、日本では関東以西に分布している、北米原産の帰化植物。

海外でも、東アジア、南米、オーストラリア、ハワイに帰化している。

草丈は50~100cmで、茎は株立ちとなり、その根本はやや扁平になる。

9月~10月に直立した稈を伸ばし、穂を多数付ける。

小穂は2花で、1つだけが種子になり、20㎜ほどの芒を付ける。

種子を作る花の基部には、白い綿毛が多数付き、風に乗って飛散する。

晩秋には赤褐色になり、そのまま越冬することが多い。

侵略的な外来種として扱われ、外来生物法で「要注意外来生物」に指定されている。

2012/10/3

多摩川の土手や河川敷では見かけませんが、近隣の空き地などで大発生しています。

最初は、ほっそりとした茎が多数直立しているだけでしたが、気が付くと穂になっていました。

2012/12/27

穂を直立させて、生い茂っていたメリケンカルカヤもすっかり枯れてしまいました。

ただ、枯れても穂は倒れず、その姿は相変わらずです。


セイバンモロコシ(Sorghum halepense)

<イネ目・イネ科・キビ亜科・モロコシ属>

2012/7/25                 2012/8/23

イネ科モロコシ属の多年草で、地中海地域のヨーロッパ中東原産の帰化植物。

日本では本州から四国、九州に分布し、世界的には、熱帯から温帯にかけて広く分布している。

根茎、種子の両方で繁殖するため、根絶が難しい雑草である。

世界的に広く帰化してしまった畑の害草。日本で広がったのは戦後、現在では道端で普通に見られる。

太い根茎が横に広がり、茎は無毛で滑らか、硬くて光沢がある。節に短毛がある。

草丈は2mを超すものもあり、葉は長さ20~60cmで幅は1~2㎝で無毛、縁はざらつかない。

花期は、7月~10月で、茎頂に長さ20~50㎝の円錐状の花序を付け、花序枝は半輪生状に付く。

小穂は、芒のない有梗(有柄)の雄性小穂2個と、大きくて芒のある無梗の両性小穂が対になっている。

無梗の小穂は長さ5㎜ほどで苞頴に包まれ、苞頴は光沢のある革質、護頴は膜質で長さ10㎜程の芒がある。

なお、芒が無い場合もあり、ヒメモロコシ(別名ノギナシセイバンモロコシ)として変種扱いする見解もある。

霜や乾燥などのストレスによりシアン化水素を植物体内に生産する。また、硝酸塩を含む。

そのことから、日本では飼料として利用されることは、ほとんどない。

 

7/25 多摩川の土手の除草後、大繁殖しているセイバンモロコシが一斉に伸び出しました。

8/23 1ヶ月ほどで草丈も2m近くになり、土手の通路の両脇に壁を作り出しています。

2012/12/26

河川敷の土手を覆い尽くしていたセイバンモロコシですが、この時期になると枯れてしまいました。

まだ、穂が立ったものも見かけますが、多くは倒れてしまっています。

来春の出番を待つ野草にとっては、良い霜除けになっています。

2013/1/15

昨日の大雪で、多摩川の河川敷もすっかり雪化粧です。

土手の則面も一面雪に覆われてしまいましたが、倒れたセイバンモロコシが所々で顔を出しています。

良く見ると、倒れた茎などが雪囲いのようにハマダイコンなどを守っているようでした。


オオキバナカタバミ(Oxalls pes-caprae L.)

<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>

カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アフリカ原産の帰化植物。

日本では、本州の関東以西から四国、九州まで、広く分布している。

海外では、ヨーロッパ、西アジア、北アフリカの地中海沿岸、インド、米国、チリ、オーストラリアに帰化。

草丈は10~30cmで、地下茎ではなく、地中に鱗茎を伸ばして根付く。

また、株元に直径5~8㎜の子鱗茎を多数付け、この子鱗茎で栄養繁殖する。

葉は全て根出葉で、葉柄は長さ15~20cm。先に3出複葉が付き、小葉は幅15~20㎜の倒心形。

葉の表面に、紫褐色の小斑点が不規則に現れるのが特徴で、多種との識別点となる。

花期は3月~5月で、長さ20~30cmの花茎を伸ばし、その先に散形に10個ほどの花を付ける。

花の直径は3~4cmで、鮮やかな黄色の5花弁である。萼片は5個で、先端に橙色の対のカルスがある。

オシベは10個あるが、内5個は長く、5個は短い。葯は濃黄色。

メシベは1個で、オシベより短く、花柱は5個ある。果実ができることは稀である。

2012/12/27

民家の庭先や公園の片隅で、青々と茂り、その中から花柄を伸ばして蕾を付けていました。

もう、いつでも咲ける準備が整っているようです。

2013/2/5

オオキバナカタバミは、柄を伸ばして蕾を付けていますが、まだ、蕾は硬いままです。

黄色い大きめの花が咲き出すのはまだ少し先になるようです。

話は変わりますが、オオキバナカタバミの葉には、褐色の斑点があり、花がなくても確認できます。

2014/2/26

2月も半ばを過ぎると黄色い花が咲き始め、末も近くなると5分咲きと言ったところです。


オキザリス・グラブラ(桃の輝き)(Oxalis glabra)

<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>

カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アフリカ原産の園芸品種。

草丈は10~25cmで、葉は3出複葉。小葉はごく細長い倒心形で、他のオキザリスとは形状が異なる。

花期が10月~3月と冬季に楽しめる花で、花冠の直径は20~25mmと大きめ。

花弁は淡紅紫色で、中心部は黄色。日が当たると花が開き、日が陰ると閉じてしまう。

肥沃な土と日当たりを好み、一定期間低温に当たらないと開花しない。また、水切れしても花が咲くなくなる。

 

2014/2/26

民家の塀の外で、晩秋から花を咲かせ続けていたオキザリスです。

いくつか品種がありますが、花の色などから「桃の輝き」だと思われます。

冬になって葉が紅葉したように赤くなり、ピンクの花もたくさん咲いていました。

2月の末になって、花の数はぐっと減ってしまい、花より紅葉した葉の方が目立ちます。