コウチュウ目・カブトムシ亜目
ハムシ上科カミキリムシ科(ゴマダラカミキリ、ヨツスジトラカミキリ)
ハムシ上科ハムシ科(ヤマイモハムシ、ドウガネサルハムシ、ルリマルノミハムシ、コガタルリハムシ、
ウリハムシ、クロウリハムシ、ブタクサハムシ)
ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・カミキリムシ科・フトカミキリムシ亜科・ゴマダラカミキリ属>
カミキリムシ科ゴマダラカミキリ属に属する甲虫の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、マレーシアに分布する。
食樹は広範で、都市部から~山地まで広く分布しており、個体数も多いため、目に付きやすい。
成虫の発生時期は6月~8月で、体長は25~35mm、触角は体長の1.5倍ほどある。
体色は全身黒色で、特に前翅は光沢のある黒色に白斑があり、これが和名の由来である。
前翅以外は光沢はなく、腹面や脚は青白色の細毛で覆われているため、青っぽく見える。
触角の各節の基部側にも青白色の細毛があり、黒と青白色の2色のぶち模様になる。
幼虫、成虫とも、ヤナギ、イチジク、ミカンなどの柑橘類、クリ、クワなど多くの生木を食害する。
幼虫は、幹の地際部から侵入し、木質部を食害して枯れ死させることもあるので、重要害虫とされる。
朝鮮半島から中国には、別種のツヤハダゴマダラカミキリが分布し、本種同様、多くの樹木を食害する。
米国にも侵入して食害が発生しており、各国の検疫機関で警戒されている。
2012/7/4
柳の木でこの個体を見つけましたが、撮影している時間がなかったので、持ち帰って撮影しました。
活発な個体で、窓辺で離すと直ぐに飛び立とうとします。
ヨツスジトラカミキリ(Chlorophorus quinquefasciatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・
カミキリムシ科・カミキリ亜科・トラカミキリ族・クロトラカミキリ属>
カミキリムシ科クロトラカミキリ属に属する甲虫の1種で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、対馬、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島、済州島、台湾に分布する。
発生時期は5月~9月で、体長は13~19mmである。
体色は地が黒色で、黄色い短毛が密生して黄褐色に見える。
触覚と肢は黄褐色。前胸は卵形で、背には黒い横帯の斑紋がある。
前翅には胸側に半円形の黒い斑紋とそれを挟むように2本の黒い帯紋、その後方にも黒い帯紋がある。
腹面は、腹部第1節の基部側が黒褐色でそれ以外は黄褐色である。
幼虫は広葉樹の生木、朽木、成虫は花の蜜が主食である。
アシナガバチにそっくりで、擬態によって外敵から身を守っている。
2013/7/12
多摩川かららの帰り道、道端の朽木に止まっている所を見つけました。
確かに、その色合いはアシナガバチによく似ていますが、私の目はだませません。
写真を撮った後、捕まえようとしましたが、片手でさわったので、ポロリと落ちて飛んで行きました。
ヤマイモハムシ(Lema honorata)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・ハムシ科・クビボソハムシ亜科・クビボソハムシ属>
ハムシ科クビボソハムシ属に属する甲虫で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、屋久島、種子島、八重山群島に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
出現時期は4月~10月で年1化。4月には越冬成虫が現れ、新成虫は初夏には現れる。
体長は5~6mmで、頭部と胸部は赤褐色、上翅は光沢のある青藍色である。
前胸背は細長く側縁中央でくびれ、上翅には粗い点刻列があり、中央前よりでやや横に凹む。
触覚基節や口枝は赤褐色で、脚や腹部腹面は青藍色である。
成虫、幼虫ともヤマノイモやオニドコロなどヤマイモ類を食草とし、山芋の害虫として知られる。
2013/7/1
多摩川への途中の公園で、山芋の花を撮影していて本種に気付きました。
頭部と胸部が赤褐色で、上翅は青藍色のツートンカラーが特徴です。
似た配色の同属がいますが、山芋にいたので、本種で間違いはないと思います。
ドウガネサルハムシ(Scelodonta lewisii)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・ハムシ科・サルハムシ亜科・ドウガネサルハムシ属>
ハムシ科ドウガネサルハムシ属に属する甲虫で、在来種。
日本では本州から四国、九州に分布し、海外では中国南部や台湾に分布する。
出現時期は4月~11月で年1化、4月頃に越冬成虫が現れ、新成虫は夏頃に現れる。
体長は3.2~4mmで、体色は、光沢のある銅色~青緑色、藍色などで変異がある。
頭部はざらついて光沢はなく、前胸背板の後方には横皺が目立つ。
食草はブドウ科のノブドウやエビヅル、ヤブガラシなどで、幼虫は根を、成虫は葉を食べる。
2013/9/20
多摩川への川縁で、葉の上などをちょこまかと動き回っている本種を見つけました。
とにかく、よく動き回り、じっとしていないので、写真撮影には苦労しました。
多くがピンボケでしたが、ピントは甘いものの何とか分かるものを掲載します。
本個体は、写真では分かりにくいですが、暗めのブロンズに近い金属光沢がありました。
当初、体形等からイモサルハムシではないかと思っていましたが、出現時期が合いません。
しばらくそのままになっていたのですが、ある時、調べ直して本種と分かりました。
触角や体形等の特徴、出現時期、食草なども一致します。
2013/11/7
多摩川へ向かう途中の道端で、ヤブガラシの葉の上で動き回っているのを見かけました。
相変わらず、ちょこまかと良く動き回っていて、なかなか撮りにくいです。
ルリマルノミハムシ(Nonarthra cyanea)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・
ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科・トビハムシ族・ヒゲブトノミハムシ属>
ハムシ科ヒゲブトノミハムシ属の甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布している。
海外では、極東ロシア、朝鮮半島から中国、台湾、ベトナムに分布している。
出現時期は3月~11月で年1化、3月に越冬成虫が活動を開始し、新成虫は7月くらいから見られる。
体長は3~4.5mmである。触角は第4節以降は幅が広くなる。
体色は青味を帯びた黒色ではあるが、光が当たらないとほぼ真っ黒である。
幼虫はスギゴケ類の葉を食べ、成虫は各種の花に集まり、花粉や花蜜を食べる。
後足が発達していて、手を近づけるとノミのように飛び跳ねて逃げる。
2013/7/5
多摩川への道端で、ハルジオンの花に黒いものが点々と付いていました。
よく見ると、小さな甲虫で、手を近づけるとパチンと音がして消えました。
トビハムシの仲間かと調べたのですが分からず、よく似たノミハムシと分かりました。
後ろ足がよく発達していて、太いのが分かります。
2013/7/9
河川敷の川縁に生えているヤブガラシの花で、ルリマルノミハムシを見かけました。
途中の道端などではよく見かけるのですが、河川敷で見かけたのは初めてです。
日当たりの良い場所でしたので、るり色の光沢がよく分かります。
コガタルリハムシ(Gastrophysa atrocyane)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・ハムシ科・ハムシ亜科・コガタルリハムシ属>
2013/5/14 2013/5/29
ハムシ科コガタハムシ属の甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、アムール地方、シベリア、インドシナなどに分布する。
出現時期は3月~6月で、年1化。3月に越冬成虫が現れ、交尾、産卵を行って死にます。
孵化した幼虫は、地中の蛹室内で初夏に羽化し、蛹室内でそのまま夏眠、冬眠して、翌春に現れる。
幼虫も成虫も、タデ科のギシギシやスイバを食草としている。
成虫の体長は5~6mmで、背面は青藍色で光沢があり、上翅の点刻は一部では列状に並ぶ。
中脚と後脚の脛節外端角は、三角形に突出して尖る。
5/14,29 多摩川の土手で、ギシギシの葉に止まっているコガタルリハムシを見つけました。
写真が逆光になっているので濃紺に見えますが、光が当たると右写真(5/29)の様な色に見えます。
コガタルリハムシは、幼虫も成虫もギシギシやスイバの葉を食べます。
左の写真では、食べた後が丸く穴が開いています。
2013/6/17
多摩川の土手で、枯れ草の先に止まっているコガタルリハムシを見つけました。
接写レンズを付けていたので、先の2枚より鮮明な写真が撮れました。
ウリハムシ(Aulacophora femoralis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・
ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科・Luperini族・Aulacophorina亜族>
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、 台湾、東南アジアに広く分布する。
幼虫は、ウリ類の根、成虫はウリ類の葉を主食としている害虫である。
本種は、成虫が浅い土中に潜って越冬し、翌春にウリ科の苗の周りの土中に産卵する。
土中で蛹になり、7月以降に成虫が出現する。
成虫は、前足、頭部、胸部、前翅があざや中橙色で、腹部、中脚、後脚が黒い。
成虫は、非常に活発に動き回り、よく飛び回るので、よく目立つ。
2013/8/13
多摩川の川縁で、初めてウリハムシを見かけました。
とにかく、ちょこまかと動き回り、直ぐに飛んで他の場所に移動してしまいます。
そのため、追いかけるのが大変で、撮影できたのは数枚のみ。そのうちの1枚です。
多摩川の川縁には、アレチウリがたくさんあり、餌には困らないと思うのですが、見たのは初めてです。
この個体は、お腹が少し大きいようなので、メスだと思われます。
幼虫がウリ科の根を、成虫がウリ科の葉を食害するので、農家の方にとっては厄介な害虫です。
2013/9/4
河川敷の元花壇と思しき所に、なぜかカボチャらしき蔓と花を見かけました。
よく見ると、萎れた花にウリハムシが付いて、さかんに花を食べていました。
右写真の左側で背を向けている個体以外は、お腹が大きいようなのでメスと思われます。
クロウリハムシ(Aulacophora nigripennis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・
ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科・Luperini族・Aulacophorina亜族>
ハムシ科の1種で、日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は6㎜強で、オレンジ色の体色に黒い上翅が特徴。脚も黒い。
ウリハムシ同様、ウリ科の植物が好物で、カラスウリ類の葉を特に好む。
それ以外にも、ダイズ、エノキ、シソなども食害する。幼虫は地中にいてウリ類の根を食べる。
摂食を行う際には、トレンチ行動と呼ばれる食べ方をする。最初に、まず、葉を円形に傷つける。
そうして、その傷から植物の出す防御物質を出しておいて、それらが入り込まない内側を食べる。
なんとも巧妙な摂食行動です。なお、越冬は成虫で行う。
2013/11/7
多摩川への道端で、垣根に絡みついていたカラスウリの葉の上で、本種を見つけました。
頭部と胸部が明るめのオレンジ色なので、小さい割には良く目立ちます。
本種の周りは、食痕だらけでしたので、この場所でよく食事をしているようです。
2014/9/12 2015/6/10 2015/6/10
9/12 多摩川の川縁に繁殖するアレチウリの花で、クロウリハムシが食事中でした。
橙色の腹部が大きく膨らみ、翅から大きくはみ出しているので、メスのようです。
6/10 多摩川へ向かう途中の線路脇で、カラスウリで食事中の本種を見つけました
直ぐ横のツタの葉では、もう1匹が休憩中のようです。
右端の個体以外は、お腹が大きくて翅からはみ出しているので、メスと思われます。
ブタクサハムシ(Ophraella communa)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科・Ophraella属>
2013/7/26 2013/7/30 2014/8/16
ハムシ科Ophraella属に属する甲虫で、北アメリカ東部からメキシコにかけてが原産地の外来種。
日本では、本州から四国、九州に帰化して分布している。
出現時期は3月~10月で、越冬成虫が春に産卵し、新成虫は夏に現れる。
幼虫も成虫もキク科のブタクサやオオブタクサを主食としている。
体長は3.5~4.8mmで、体色は淡黄褐色~黄褐色で、微毛が密生して光沢はない。
上翅には4対の黒い縦縞模様があり、前胸背板にも3本の黒い縦縞模様があるが、これらには個体差がある。
脚は黄褐色であるが、触角は黒い。
7/26 多摩川の川縁で、オオブタクサの葉に穴があいているのを見かけました。
よく見ると、小さな甲虫が付いています。前翅の黒い縞模様から、ブタクサハムシと分かりました。
7/30 改めて、川縁に生えるブタクサをよく見ると、かなりの数のブタクサハムシがいました。
成虫以外にも、あちらこちらに卵が産み付けられ、サナギもちらほら見られます。
8/16 幼虫も成虫も葉脈を残して葉を食べるので、葉が穴だらけになります。
そのため、食いつくされた葉は、葉脈のみが残ったレースのようになってしまいます。
このように大食漢なので、ブタクサやオオブタクサの駆除に使えないか研究されているそうです。
2014/7/23<卵> 2014/7/28<卵> 2013/7/30<サナギ>
2014/7/23 産み付けられたばかりの卵はきれいな黄色をしています。
2014/7/28 この卵塊では、半分弱の卵が孵化したようで、卵の頂部に穴があいています。
2013/7/30 サナギは、透け透けの繭の中に入っています。
2014/7/28
今年も河川敷の川縁にブタクサが大きく育ち、壁の様になっています。
そこに、ブタクサハムシが大量に発生していました。
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