コウチュウ目・オサムシ亜目
オサムシ上科オサムシ科(ヒメケゴモクムシ)
コウチュウ目・カブトムシ亜目
コガネムシ上科コガネムシ科(アオドウガネ、セマダラコガネ(黒色型)、マメコガネ、コアオハナムグリ、
シロテンハナムグリ)
コメツキムシ上科コメツキムシ科(クロクシコメツキ、サビキコリ)
ナガシンクイムシ上科カツオブシムシ科(ヒメマルカツオブシムシ)
ヒメケゴモクムシ(Harpalus jureceki)
<コウチュウ目・オサムシ亜目・オサムシ上科・オサムシ科・ゴモクムシ亜科・ゴモクムシ族>
オサムシ科ゴモクムシ族の甲虫で、在来種。
体長は10~12mmで、上翅には全面に黄色の細毛が密生する。
頭楯前縁の両側にある1本の剛毛の他、それよりも短い剛毛が1~6本ある。
前胸背板の後角は鈍くて丸く、触角や脚は黄褐色である。
2013/5/22
河川敷の通路脇の草の上でウロウロしている所を見つけました。
前翅と胸部は暗褐色で微毛が密生して艶はなく、逆光で、明るい黄褐色の脚が目立ちます。
胸部の両側に大きくえらが張り出して腹部とほぼ同じ幅があり、尾端が前翅端より少し出ています。
比較的特徴がはっきりしているので直ぐに分かると思ったのですが、一致するものがなかなか見つかりません。
石を退けるとゴソゴソと出てくるゴミムシの仲間だと思ったのですが、ずっと不明種となっていました。
久しぶりにゴミムシなどを見ていて、ゴモクムシの1つに似ていることに気が付きました。
胸部や上翅の色やそこに見られる細毛、脚や触角の色などの特徴はあっています。
ただ、決め手の剛毛の有無は、解像度やアングルの関係で見えていません。
決め手には欠きますが、合っている部分もあるので ヒメケゴモクムシとしましたが、自信はありません。
アオドウガネ(Anomala albopilosa)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ上科・コガネムシ科・スジコガネ亜科・スジコガネ属>
コガネムシ科スジコガネ属の草食昆虫である。
日本では、関東以南で普通に見られるが、元は南方系の種で、北に分布を広げてきている。
日本以外では、朝鮮半島に分布している。
体長は17~26mmで、ずんぐりとした丸い体形で、前胸背板輪廓の両端は角張らない。
体色は、鮮やかな緑色の金属光沢があるが、艶は弱い。
出現時期は5月~10月。夜行性で灯火に良く飛来し、昼間は葉の影などで休んでいる。
メスは、夏から秋にかけて土中に産卵し、幼虫は樹木や草の根、腐葉土を食べる。
幼虫で越冬し、翌春に蛹化し、羽化した新成虫が5月頃から出現する。
2012/9/10
多摩川の土手の手前にあるムクゲの花の下でじっとしているアオドウガネを見つけました。
夜間は、活発に飛び回って活動しますが、昼間は、このように葉の陰などでじっとしています。
最近、自宅では、オアドウガネは夜に飛んできて網戸にぶつかってくるコガネムシです。
最近、やたらと増えているような気がします。逆に良く見かけたドウガネブイブイはとんと見かけません。
成虫は、農作物や広葉樹の葉を食害する害虫として知られています。
2012/9/25
イタドリの葉や花を食べつくして休んでいるアオドウガネです。
それにしても見事な食いっぷりです。花は全くなくなり、葉もボロボロです。
セマダラコガネ(Blitopertha orientalis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ上科・コガネムシ科・スジコガネ亜科・セマダラコガネ属>
コガネムシ科セマダラコガネ属に属する甲虫で、在来種。
北は北海道から南は九州まで、ほぼ全国に分布するが、琉球列島には生息しない。
出現時期は6月~8月で、体長は8~13mmである。
体色は、茶色と黒のまだら模様が基本ではあるが、黒色型もあり、変異が多い。
くしのついた触角を大きく広げている事が多く、触角は体のわりにはやや大きめ。
成虫は、広葉樹を始め多くの植物の葉を、幼虫は土中で草の根などを食べる。
マメコガネ同様、アメリカで農作物に被害を与え、「オリエンタルビートル」と呼ばれ、嫌われている。
最近、ゴルフ場で芝生の根を食い荒らす害虫として、注目されている。
2014/6/26
多摩川の河川敷を歩いていて、ムラサキツメクサの花に止まっている、小さな黒いコガネムシに気付きました。
調べたのですが、10mmにも満たない大きさで、真っ黒で、前翅全体に筋模様があるものが見つかりません。
筋模様から調べていると、セマダラコガネと似ていました。さらに調べると、黒色型もいることが分かりました。
改めて、黒色型のセマダラコガネの写真と比較すると、特徴が一致しました。
セマダラコガネ自体は珍しくはありませんが、河川敷で見かけた最初の個体が黒色型とは。
運が良いのか悪いのか、あまり見かけない黒色型だったので、同定に手間取ってしまいました。
セマダラコガネの変異
2018/6/1 2019/6/22
体色は、茶色と黒のまだら模様が基本で、上記のような模様があるのが普通です。
この模様の変異は大きく、茶色の部分が多い個体から少ない個体まで見られます。
その変異の最も大きなものが黒色型で、同じ種類とは思えませんね。
マメコガネ(Popillia japonica)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ上科・コガネムシ科・スジコガネ亜科・マメコガネ属>
コガネムシ科マメコガネ属の小型の甲虫で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州まで、ほぼ全国に分布する。
体長は8~15mmで、体表は強い金属光沢があり、頭、前胸、小楯板は緑色、前翅が褐色、腹部が黒緑色。
腹節の縁に白い短毛が密生していて、白い横縞模様に見える。
幼虫は植物の根、成虫はマメ科植物、ブドウ類、ヤナギ類など、多くの植物の葉や花を食害する。
1916年にニュージャージー州で侵入が確認され、以後、爆発的に増えて農業害虫となっている。
2012/7/23
よく見かけるコガネムシですが、多摩川の河原では、この日、初めて確認しました。
何匹も集まって葉を食べているのをよく見かけますが、このときはギシギシに止まって、お休みのようでした。
昼日中、飛び回って疲れたんでしょうか? 帰るときには、既に飛んで行ってしまっていました。
2013/7/24
セイバンモロコシの穂に止まっているマメコガネを見かけました。
珍しい種類ではないのですが、河川敷で見かけるのは少ないです。
この後脚を斜めに上げるのは、人が近づいたり、風で揺れたりした時に見せる独特のポーズです。
2013/9/9
河川敷の川縁に咲くヤブガラシで、元気の良いマメコガネが飛び回っていました。
前翅を開いてまさに飛び立たんとする所では、まだ、後翅は開きかけで2つ折りの部分が伸び切っていません。
降り立ったところでは、後翅をたたみかけた所で、2つ折り部分の後部分が出ています。
コアオハナムグリ(Gametis jucunda)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ上科・
コガネムシ科・ハナムグリ亜科・ハナムグリ族・ハナムグリ亜族・ハナムグリ属>
コガネムシ科ハナムグリ属の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア東部、インドシナ半島に分布する。
日当たりの林の周辺や原っぱで普通に見られ、白い花によく集まる。
体長は10~16mmで、出現時期は4月~10月。
体色は個体差があり、緑色から赤褐色が多いが、稀に黒い個体も現れる。
背面に白斑があり、短毛が密生する。腹面は黒色。
成虫は花蜜や花粉を食べ、幼虫は植物の根を食べる。
成体で越冬し、春に交尾して産卵し、秋には新成虫が出現する。
2012/7/23
写真のものはお約束の白い花(ガガイモ)の花粉を貪っています。
似ているアオハナムグリより、毛深くて白い斑紋もはっきりとして大きいのが特徴です。
背面の色は緑色の個体が大半ですが、褐色型や黒色型のものも存在します。
また、背面の模様も個体によって微妙に異なりますが、大まかな造作(位置や数)は同じです。
2013/9/9 2013/9/13 2014/5/16
ニラの花とツルボの花で、夢中で食事中のコアオハナムグリです。
今年の河川敷は、セイバンモロコシの除草がまだなので、花が少なく、貴重な餌になっています。
9/9の個体は比較的つるっとしていますが、9/13の個体は毛がたくさん生えています。
シロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ上科・
コガネムシ科・ハナムグリ亜科・ハナムグリ族・ハナムグリ亜族・シロテンハナムグリ属>
2012/7/23 2012/9/3
コガネムシ科ハナムグリ族に属する甲虫で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布し、普通に見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、インドなどに分布する。
日本や朝鮮に分布するものが亜種 P. o. submarmorea で、その他の地域には別亜種が分布する。
発生時期は5月~9月で、体長は16~25mmである。
成虫は再越冬能力を持ち、長寿命で、複数年にわたって繁殖することができるため、環境変化に強い。
体色は暗緑色~銅色と個体変異があり、光沢のある前胸や前翅に白斑が点在する。
花よりも樹液や果実に集まり、往々にしてカナブンや同属のシラホシハナムグリと共に見られる。
他のハナムグリ亜科の甲虫同様、飛翔時に前翅を内側に傾けて隙間から後翅だけを出し、羽ばたくことができる。
7/23 本来、樹液などに集まるシロテンハナムグリですが、なぜか、葉の上でじっとしていました。
マメコガネ同様、一休みしているのでしょうか?帰るときには、既に飛んで行ってしまっていました。
9/3 多摩川へ向かう道の脇にあるサルスベリの花に止まっているシラホシハナムグリを見かけました。
翅の模様や頭部の形状は、こちらの写真の方が分かりやすいと思います。
シロテンハナムグリとシラホシハナムグリ、非常によく似ていて、捕まえてよく観察しないと判別できません。
これらの個体も、頭の形と前羽の白斑の配置や形状からシロテンハナムグリとしました。
2013/7/23
河川敷にある柳の木に巣食うカミキリムシ(おそらくゴマダラカミキリ)の巣穴。
その巣穴から出る樹液にシロテンハナムグリがたくさん集まっているのに気付きました。
巣穴の周りに、頭を中心に丸く寄り集まって、樹液を吸っています。井戸端会議みたいですね。
少し離れた所に、交尾中のカップルもいました。
2013/7/30
今日は、川縁のヤブガラシの花に、給蜜に訪れていました。
少し下の方から撮影できましたので、腹部の裏面の方もよく見えています。
クロクシコメツキ(Melanotus senilis senilis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コメツキムシ上科・
コメツキムシ科・クシコメツキ亜科・クシコメツキ族・クシコメツキ属>
コメツキムシ科クシコメツキ属の甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に、基亜種(Melanotus senilis senilis)が分布している。
屋久島と口永良部島には、屋久島亜種(Melanotus senilis yakuinsulanus)が分布している。
出現時期は4月~8月で、体長は10~17mmである。
コメツキムシ科の仲間の多くは、仰向けにすると、パチンと音を立てて飛び跳ね、元の姿勢に戻れる。
この動作が、米を突く動作に似ていることが名前の由来。
体色は光沢のある黒褐色で淡褐色の毛が密に生え、体表面を粗大点刻が装う。
前胸背板は強く膨隆し、体背面は膨隆して両側の前胸側は平行。
触角の第3節は第4節より短く、第2節よりは長い。
幼虫は、茶色で細長く、「ハリガネムシ」と呼ばれる、ダイコンやジャバイモの害虫。
個体数の多いクシコメツキ(Melanotus legatus legatus)よりやや小さくて黒味が強い。
よく似たクロツヤクシコメツキ(Melanotus annosus)は、体表面が平滑で点刻が疎らなため光沢感が強い。
※ 標準和名のハリガネムシはハリガネムシ目の総称で、カマキリなどの寄生虫であり、全く異なる生物。
2013/5/14
多摩川の土手で、草の上に止まっているコメツキムシを見かけました。
後で、写真を元に調べたのですが、これといった特徴がないので、同定に手間取りました。
よく似たものが多いので、間違っているかもしれませんが、最も近いと思われる本種としました。
2013/5/21 2013/5/21 2013/5/22
多摩川の土手には、本種が非常に多く生息しています。
この時期、土手を歩いていると、あちらこちらで目に付きます。
土手には、ハマダイコンがたくさんありますので、それが幼虫の餌になっているのかもしれません。
中央の写真は、左端の写真の触角部分を拡大したものです。第2~4節の長さの違いが良く分かると思います。
サビキコリ(Agrypnus binodulus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コメツキムシ上科・
コメツキムシ科・サビキコリ亜科・サビキコリ族・Agrypnus属>
コメツキムシ科サビキコリ属の甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に、海外では朝鮮半島に分布している。
出現時期は5月~8月で、成虫で越冬する。体長は12~16mmである。
体色は灰褐色の地に褐色や白色の鱗毛がまだらに覆っていて、錆び付いたような艶消し状。
前胸背板には1対の小突起がある。
成虫は、広葉樹の葉、樹液、昆虫と雑食性で、林縁の樹上などで見られ、灯火に飛来することもある。
幼虫は、茶色で細長く、「ハリガネムシ」と呼ばれ、地中でコガネムシ類の幼虫や蛹などを捕食する。
コメツキムシ科には、仰向けにするとパチンと音を立てて飛び跳ね、元の姿勢に戻れるものが多い。
本種の名前にはコメツキが入っていないが、本種も同じコメツキムシ科なのでパチンと跳ねて戻れる。
2013/9/11
多摩川の川縁のヤブガラシの花で、蜜を吸っているコメツキムシを見かけました。
その帰り道、土手に上がるところでも、シマスズメノヒエに止まっている所も見かけました。
後で調べて、サビキコリと分かりましたが、この辺りにはサビキコリ属は3種類生息しているそうです。
本種とムナビロサビキコリ、ホソサビキコリですが、ムナビロは胸部の形が本種と異なります。
ホソサビキコリは、名前の通り細長く、胸部の背面に隆起がありません。
ずんぐりとした体形と、胸部背面に見られる2個の隆起(瘤のような盛り上がり)から、本種と判定しました。
ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ナガシンクイムシ上科・
カツオブシムシ科・マルカツオブシムシ亜科・マルカツオブシムシ属>
カツオブシムシ科マルカツオブシムシ属の甲虫で、在来種。
日本では、全土に分布し、世界的にも各地に広く分布している。
出現時期は3月~6月で年1化、幼虫で越冬する。
翌春、羽化後は10日ほどその場に止まって交尾、産卵を行い、その後に屋外に出る。
この時期に屋内や屋外で目につくようになり、初夏に訪花して花粉などを食べる。
体長は2~3mmと極小さく、短い楕円形の体形。背面は細かな鱗状の毛が全体を覆っている。
灰黄色の背面に、褐色と暗褐色の幅広の横帯模様がる。触角は短くて先端は棍棒状。
幼虫は太めの円筒形で、成熟するのに300日以上かかり、成熟すると体長は4mm前後になる。
幼虫の餌は動物質の繊維や角質で、毛糸や絹などの衣類、毛皮製品、動物や昆虫の乾燥標本などである。
要するに、大事にしている衣服や乾燥食品(鰹節など)を食い荒らす害虫で、女性の大敵である。
2012/5/31
多摩川の土手のヒメジョオンの花でヒメマルカツオブシムシを見かけました。
体長が数mmしかない、非常に小さな甲虫で、白い花に集まりやすく、花粉などを餌としています。
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