カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目
セミ上科セミ科(アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ)
ツノゼミ上科ヨコバイ科(ツマグロオオヨコバイ)
カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目
ハゴロモ上科アオバハゴロモ科(アオバハゴロモ)
アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・アブラゼミ族・アブラゼミ属>
セミ科アブラゼミ属のセミで、在来種。
日本では、北海道から九州まで広く分布している。
日本以外では、朝鮮半島や中国北部に生息している。
体長は60mmほどで、セミの中では珍しく、不透明な褐色の翅を持つ。
生息域が人里から山地までと範囲が広く、都市部でもよく見かけるセミである。
なお、鳴き声は、「ジッジッ…」と鳴き始めて、「ジジジ…」と鳴き、「ジッジッ…」と鳴き終わる。
※ アブラゼミの鳴き声を録音したものは、こちらのサイトに掲載しました。
2012/7/23
散歩コースの多摩川の河原では、セミを見ることはほとんどありません。
この日は、河川敷に植えられた木の幹でじっとしているアブラゼミを見かけました。
じっとしているだけだったので、メスの可能性が高いと思いますが、この写真からは判断できません。
2013/7/30
今年も、大量のアブラゼミが姿を見せ、そこいら中でやかましく鳴いています。
河原の数少ない木でも鳴いています。
なお、この個体はオスで、よく鳴いていました。
2013/8/14 2013/8/19
とにかく、今年はアブラゼミの当たり年なのかもしれません。
見かけるセミの数も半端ではありませんが、抜け殻も同様で、ご覧のあり様です。
アブラゼミの羽化 2009/8/18 21:47 ~ 22:45
アブラゼミは都市部も含めて、ごく一般的に見られる(聞かれる)セミです。
ただ、近年、都内ではその数が減っていると言われています。
このアブラゼミの羽化を記録したのは、その都内のビル街です。
そのとき、タクシー運転手が、以前はたくさん居たのに最近少ないんだよといっていたのが心に残っています。
クマゼミ(Cryptotympana facialis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・エゾゼミ族・クマゼミ属>
日本では、本州の関東南部、東海、北陸地方以南と四国、九州、南西諸島に分布している。
日本以外では、台湾、中国に分布するという報告もあったが、近縁種の誤同定とされている。
成虫の体長は65mmほどの大型のセミで、主に日の出から正午までの午前中に鳴く。
体色は、ほとんど黒色で、腹部の中ほどに白い横斑が2つある。
オスの腹部には、大きな橙色の腹弁があり、よく目立つ。
なお、鳴き声は、「ジー…」の前鳴きで始まり、「シャンシャンシャン…」と本鳴きし、「ジー…」の後鳴きで終わる。
※ クマゼミの鳴き声を録音したものは、こちらのサイトに掲載しました。
遠くでたまに聞こえるが、近くで聞いたことがないので、写真はありません。
関西にいた頃は、朝早くからクマゼミの鳴き声のシャワーでたたき起されたものです。
しかし、この神奈川の地では、自宅近くでもたまに聞く程度で、それほど多くありません。
ちょっと驚いたのは、山梨県の双葉SAでも鳴いていたことで、ここまで来ているのかとちょっとびっくり。
2014/8/11
今年もクマゼミの鳴き声が、朝から近くで聞こえていました。
あまり動いていないようでしたので、機材を持って録音に出かけ、なんとか録音できました。
クマゼミ
2012/8/11
瀬戸内海側にある実家の庭で見かけたクマゼミです。
相変わらず、派手に鳴いています。
真上から見るとあまり目立ちませんが、横から見ると腹弁など結構派手です。
2012/8/12
クマゼミは、鳴いていない時には左端のような態勢で、じっとしています。
それが鳴き始めると、翅を少し開き気味に下げて、腹部を上下に振ります。
中央と右が鳴いている時のもので、腹部上げた時と下げた時の違いが分かると思います。
また、時には鳴きながら前後、左右に動くこともあります。
ツクツクボウシ(Meimuna opalifera)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ツクツクボウシ族・ツクツクボウシ属>
日本では、北海道から本州、四国、九州、トカラ列島まで全国に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾と東アジアに広く分布している。
成虫の体長はオス45mm、メス40mmほどの中型のセミで、特徴的な鳴き声で鳴く。
成虫は、7月頃から鳴きはじめるが、数が少なく、よく耳にするようになるのは晩夏になってからである。
ヒグラシ同様、森林性のセミであり、うす暗い森林や低山帯が主な生息地である。
しかし、地域によっては、市街地などでもよく見られることがある。
体色は非常に地味で、頭部や胸部に縦縞模様が少し見られますが、全体がくすんだモスグリーンです。
そして、こすれて禿げた所に、地の黒色が見えている感じです。
全体が黒色の個体も見られますが、モスグリーンがはげ落ちて、地色の黒が見えているものと思われる。
鳴き声は非常に複雑で、中程の繰り返し部分である「ツクツクオーシ」が名前の由来。
ジーツクツクの前鳴きで始まり、ひとしきりツクツクの後オーシと続き、後はツクツクオーシの本鳴きを繰り返します。
最後は、ツクリーヨーを数回繰り返して、ジーの後鳴きで終わります。他のセミよりかなり複雑な鳴き方です。
※ ツクツクボウシの鳴き声を録音したものは、こちらのサイトに掲載しました。
2013/8/28
昨年は、写真を撮り損ねましたが、今年はばっちり撮影できました。
セミの数も今年は多いような気がしますが、その鳴き声もばっちり録音できました。
写真のセミも、まさに鳴いている最中のもので、鳴いている最中は、多少近づいても逃げません。
散歩の帰り道、別の場所で、木の幹でじっとしているツクツクボウシ(3枚目)を見かけました。
ツクツクボウシのメスです。オスと違い、腹部がほっそりとしています。
2013/9/6
多摩川の河川敷を散歩していると、突然、直ぐ近くのスギの木で鳴き始めました。
そっと近づくと、ちょうど背丈ほどの所で鳴いているのを見つけました。
真横から撮った後、上面からも撮るために回り込もうとすると、ツクツクボウシの方から横に移動してきました。
数カット撮影した中から、腹部の共鳴室を広げるために尾端を上に持ち上げた所を掲載します。
翅を広げぎみにして、尾部を突きあげているので、普通に止まっているのとは見た目にも違いがあります。
ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi )
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ニイニイゼミ族・ニイニイゼミ属>
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄本島以北の南西諸島に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
成虫の体長は20mmほどで、明るいうちはほぼ1日中鳴いている。
セミの中では、発生は早い方で、6月下旬くらいから鳴きはじめる。
体色は、灰褐色で、前羽も褐色のまだら模様になっており、木の幹では保護色となっている。
幼虫は、湿気の多い土壌でないと生存できないので、都市部の乾燥地では少ない。
その抜け殻は、小さくてずんぐりとしており、殻に泥が付いているので、区別は容易。
なお、鳴き声は、「チ~ジ~~」と長く尾を引くように繰り返し、最後は「チッチッ…」で終わる。
※ ニイニイゼミの鳴き声を録音したものは、こちらのサイトに掲載しました。
河川敷への途中の公園で、鳴き声は確認できました。
ただ、足を踏み入れられる場所ではなかったので、写真は撮れていません。
以前は、あちらこちらで鳴いていたのですが、最近は、あまり聞きません。
その鳴き声で、夏の始まりを感じるのですが、ちょっとさびしいですね。
ニイニイゼミ
2020/8/1
実家の庭にある柿の木で鳴いていたニイニイゼミです。
翅を開き気味に下げ、腹部をゆっくりと上下させながら、ジ~~と音程を上げ下げしながら鳴きます。
ヒグラシ(Tanna japonensis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ホソヒグラシ族・ヒグラシ属>
日本では、北海道南部から本州、四国、九州、奄美大島までほぼ全国に分布している。
日本以外では、中国大陸に分布するが、朝鮮半島には分布しない。
成虫の体長はオス30mm、メス25mmほどの中型のセミで、朝夕に甲高い声で鳴く。
オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、雌雄の区別はつけ易い。
体色は、ほとんど赤褐色で、頭部の複眼付近や前胸の縁、背面中央は緑色をしている。
日の出前、日の入り後の薄明時によく鳴く。しかし、曇って薄暗くなった時、気温が下がった時にも鳴く。
なお、鳴き声は、「カナカナカナ…」と表わされることが多いが、「キキキキキ…」「ケケケケケ…」とも聞こえる。
2013/8/19
会社からの帰宅時、通り道の公園でヒグラシの鳴き声を確認しました。
この辺りで、ヒグラシの声を聞いたのは初めてです。
比較的低い位置から聞こえたので、注意深くその辺りを見ると、幹に止まっているのを確認しました。
近づくと、幹の裏側にツツツツと隠れます。こちらの動きを察知しているようです。
で、迂回してそっと近づき、携帯のカメラで撮ったのがこの写真です。
暗くて、うまくピントが合わせられず、後にピントがあってしまい、肝心のヒグラシはピンボケでした。残念!
それでも、赤茶色に緑の体色の雰囲気は分かります。
ヒグラシ
2015/8/1
牛久市の谷津田を取り囲んでいる雑木林で、夕方近くに見かけたヒグラシです。
普通、人が近づくとパッと逃げるのですが、近づいても平然と鳴いていました。
薄暗い林内のため、フラッシュ撮影となりました。
ミンミンゼミ(Hyalessa maculaticollis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ミンミンゼミ族・ミンミンゼミ属>
日本では、北海道南部から本州、四国、九州まで分布している。
日本以外では、朝鮮半島や中国華北に生息している。
体長は35mm程で、翅を含めるとアブラゼミとあまり変わらない。
体色は胸部と腹部の境界付近が白く、他は黒地に青緑色の斑紋がある。
なお、黒色部がほとんどない青緑色主体の個体は、ミカドミンミンと呼ばれる。
その抜け殻は、アブラゼミによく似ているが、触角の違いから判別できる。
なお、鳴き声は、「ミ~ンミンミンミンミ~」と長く尾を引くように繰り返す。
※ ミンミンゼミの鳴き声を録音したものは、こちらのサイトに掲載しました。
2013/8/1
散歩コースの途中で見かけるセミは、ほとんどがアブラゼミであるが、たまにミンミンゼミがいます。
この日、公園で鳴いているミンミンゼミを見かけて、2個体撮影しました。
ミンミンゼミが鳴くときは、腹部を比較的ゆっくりと上下に動かしています。
撮影後に確認して、かなり色合いが異なることに気付きました。
黒色部と青緑色の部分が逆になっているのではと思うほど、見た目が異なります。
ミンミンゼミは暑さに弱く、気温の高くなる甲府盆地では、ミカドミンミンの発生率が高いそう。
これは、熱を吸収しやすい黒色部分を少なくすることで高温耐性を獲得したものだそうです。
都心部に近いこの辺りでは、温度もそこそこということで最初の2枚のような標準型が多いとのこと。
今後、気温が高くなってくると、3枚目のような黒の少ないタイプが増えるかもしれません。
なお、気温が高くならない北海道には、黒色部分が多い黒化型が多いそうです。
また、クマゼミとミンミンゼミは地域的や時期的な棲み分けを行っており、時期的な棲み分けが主だそうです。
実家のある関西地方では、平地ではミンミンゼミは少ないですが、クマゼミよりかなり遅れて鳴き始めます。
山間地ではミンミンゼミは多いようで、地域的にも澄み分けているようです。
関東地方でも、ここ数年で、クマゼミの声を聞くようになりましたが、同時に合唱する例はほとんどないそう。
しかし、自宅の近くでは、早朝からミンミンゼミとクマゼミがミンミン、シャンシャンと合唱しています。
といっても、クマゼミは数個体しかいないようなので、棲み分けるまでもないのかもしれませんね。
ツマグロオオヨコバイ(Bothrogonia ferruginea)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・ツノゼミ上科・ヨコバイ科・オオヨコバイ亜科・ボスロゴニア属>
ヨコバイ科オオヨコバイ亜科の1種で、在来種。出現時期は3月~11月。
日本では、本州以南に広く分布し、春先から秋まで活動している。
体長は13mm前後で、黄緑色に頭部と胸部に黒班があり、翅端が黒くなっている。
良く似た配色のツマグロヨコバイとは大きさが倍くらい異なる。
また、ツマグロヨコバイは稲の大害虫であるが、本種は雑草の吸汁が主で、あまり害にはならない。
草の茎に針状の口を刺して、おしっこを出しながら果てしなく吸汁し続ける。
また、飛び立ったとき、お腹が満タンだと、セミのように「空中おしっこ」をする。
なお、ヨコバイの名は、危険を察知すると横に歩き、裏に回り込んで身を隠すことに由来する。
本種は、成虫で越冬する。
2015/4/1
多摩川の河川敷ではヨコバイの類はとんと見かけません。いるのかもしれませんが.....
このツマグロオオヨコバイも、河川敷への途中にある公園で見かけたものです。
どこにでもいるはずなのですが、この辺りで見かけたのは初めてです。
アオバハゴロモ(Geisha distinctissima)
<カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目・ハゴロモ上科・アオバハゴロモ科・アオバハゴロモ属>
アオバハゴロモ科アオバハゴロモ属の昆虫で、在来種。
日本では、本州以南に広く分布し、海外では、台湾や中国に分布している。
成虫の体長は、翅も含めると10mmほどで、羽も含めて淡緑色。翅にピンクの縁取りがある。
幼虫は、翅がない事を除けば、成虫と同じ姿をしている。
しかし、尾端から分泌する蝋物質のために白い綿に包まれたように見え、成虫と全く異なって見える。
2012/7/23
多摩川へ行く途中の民家の植栽で、数匹が並んで止まっているのを見かけました。
きれいな淡いコバルトグリーンにピンクの縁取りがある前翅が印象的です。
ただ、全長が10mmほどしかない、小さな虫なので、注意していないと見落としてしまいます。
アオバハゴロモ(幼虫)
2014/7/26
牛久市の谷津田を取り囲んでいる雑木林で、見かけたアオバハゴロモの幼虫です。
白く見えるのは、尾端から分泌する蝋物質のためですが、成虫とは全く異なって見えます。
蝋物質を束のように尾に付けるとともに、その粉末を全身に付け、植物の茎にも付けます。
そのため、幼虫自身はもとより、茎も白くなっています。成虫の写真でも茎にその名残が見られます。
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