ハチ目・ハチ亜目
ミツバチ上科ヒメハナバチ科(ヒメハナバチの1種)
ミツバチ上科ミツバチ科クマバチ亜科(クマバチ、キオビツヤハナバチ)
ミツバチ上科ミツバチ科Eucerinaea亜科(シロスジヒゲナガハナバチ、ミツクリヒゲナガハナバチ)
ミツバチ上科ミツバチ科ミツバチ亜科(トラマルハナバチ、セイヨウミツバチ、ニホンミツバチ)
ヒメハナバチの1種(Andreninae)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ヒメハナバチ科>
ヒメハナバチの1種。
体長10mm程で、腹部に細い白い帯模様がある。
2014/4/28
多摩川への道路脇で、サンザシの花の写真を撮影していると、本種が写野を横切って行きました。
そのため、偶然、飛翔中の本種の写真が撮れました。
後で調べて、前翅の基脈の湾曲度合いが直線的なため、ヒメハナバチの1種と分かりました。
しかし、ヒメハナバチには似たものが多く、同定には至っていません。
※ コハナバチ科の前翅の基脈の湾曲度合いは、ヒメハナバチよりかなり強くなります。
クマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・クマバチ亜科・クマバチ族・クマバチ属>
ミツバチ科ミツバチ科に属する大型のハチで、在来種。
クマバチはクマバチ属の総称でもあり、別名のキムネクマバチで呼ばれることもある。
また、クマンバチと呼ぶ地方もあるが、オオスズメバチを指すこともあるので、混乱が見られる。
日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。
日本は、北海道南部から屋久島にかけて生息している。
出現時期は4月~10月で、年2化。成虫で越冬する。
体長は20~24mmとかなり大きく、暗紫褐色の翅は、体の割に小さい。
体色は黒色で光沢があり、胸背は中央部のみ無毛であるが、他の部分は黄褐色毛でおおわれる。
雄は、なわばりを持ち、空中で静止して、通過する雌を待つ光景が見られる。
雌は、交尾後枯木などに穿孔して巣を作り、花粉や蜜を集めて幼虫を育てる。
成虫の寿命は、数年といわれ、同じ巣穴を何年も使い続ける。
オスは、縄張りを持ち、春先に近づく物に接近する習性がある。
縄張りに入った他のオスを追い払ったり、交尾のためメスか確認するためである。
人にも近寄って来ることがあるが、オスは毒針を持たないので、慌てずに無視すれば良い。
なお、オスは、頭部中央に白っぽいおむすび状のものがあるので判断できる。
メスは、オスより目が小さく離れていて、全面真っ黒である。
毒針を持つが、手を出さなければ刺されることはないので、慌てて手で払ったりしないことが重要。
口永良部島から南では、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチが生息している。
小笠原諸島には、オガサワラクマバチが生息している。
2012/4/25
今日は、ハマダイコンの花畑の中を飛び回っているのは、モンシロチョウだけではありませんでした。
クマバチが何匹か飛び回っているのが確認できました。
大型のハチだけに飛んで来ると迫力がありますが、何もしなければ怖いことはありません。
幼虫の餌として他の昆虫を狩るスズメバチと異なり、ミツバチ科の仲間なので、花蜜が主食。性質は温厚です。
また、オスには毒針がなく、メスのみが毒針を持ちます。
上記中央の写真がオスで、大きな眼の間に白っぽい三角おむすびの様な紋があります(メスにはありません)。
2012/10/3
多摩川へ行く途中の、公園のハナトラノオの花にクマバチが来ていました。
河川敷の方には、餌となる花粉を得られる花がほとんどないので、最近は河川敷で見かけることはありません。
2013/4/25
多摩川河川敷のハマダイコンが満開となり、クマバチが飛び始めました。
今年はまだ数が少ないのですが、何匹か見かけました。
2014/3/25 2014/5/28 2014/6/19
3/25 多摩川へ行く途中の小学校の裏庭で、フキノトウで給蜜中のクマバチを見かけました。
河川敷にハマダイコンが咲き始めるとよく見かけますが、花が少ないこの時期に出会ったのは初めてです。
5/28 河川敷に花が少なくなったこの時期、帰り道で、葉の上で休息中のクマバチに会いました。
しかし、よく見ると脚や目が茶色く変色しています。この状態で天寿を全うしたようです。
6/19 花壇のラベンダーの花で、せわしなく飛び回りながら給蜜中のクマバチです。
2016/4/25
散歩途中の公園にある藤棚で、クマバチがせわしなく飛び回っていました。
その飛んでいる所を撮影したのですが、後で見ると胸部背面に何か黄色い物が付いていました。
葯ではないかと気が付いたのですが、フジの葯とは全く形状、大きさが異なります。
いろいろ調べていて、シランの花粉塊と分かりました。フジに来る前にシランに寄ってきたようです。
2016/4/25 2015/5/19
中央の写真の部分拡大ですが、2個の花粉塊(赤丸)が張り付いています。
右はシランの唇弁と蕊柱(ずいちゅう)を拡大したもので、蕊柱の先端部(黒丸)に花粉塊が2個あります。
唇弁に止まり、蜜を求めて奥に入り込んだハナバチが、後退りして出て来るときに仕掛けが機能します。
ハナバチの背中が蕊柱の先に触れると、葯と葯隔が瞬時に反り返り、花粉塊が落ちてきて張り付きます。
この花粉塊は粘液に包まれており、その粘液によってハナバチの背中に貼り付きます。
ちなみに、シランは蜜を出しません。他の蜜を出すラン科の植物の真似をしてだましているのです。
潜り込んだハナバチは、花粉塊を背負わされ、蜜ももらえず、只働きをさせられるわけです。
といっても、次の花に行かずに他の花に行かれると、授粉できない訳で、これもリスクです。
上記のクマバチは、シランから藤の花に来てしまったので、シランとしては大失敗ということですね。
キオビツヤハナバチ(Ceratina flavipes)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・クマバチ亜科・ツヤハナバチ族>
ミツバチ科ツヤハナバチ族のハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国で見られる。
出現時期は4月~10月で、体長8mm前後である。
光沢のある黒い体色に、腹部の細い黄色の帯模様が特徴。
非常によく似たヤマトツヤハナバチは、体長が10mm程と一回り大きい。
また、頭盾の斑紋に違いがあり、ヤマトは中央が山形で、キオビは「- -」と直線状で盛り上がらない。
2013/3/26
ムラサキツメクサの葉の上に黄色い点が目に入り、よく見ると小さなハチが止まっていました。
最初、ヤマトツヤハナバチかと思ったのですが、いくぶん小さめであること、
ヤマトツヤハナバチが山道や林縁を好むのに対し、キオビツヤハナバチは開けた草原を好むこと、
以上の2点から、キオビツヤハナバチと判断しました。頭楯の斑紋からオスと思われます。
2013/5/17
多摩川への道路脇で、ゼニアオイの花を見ていると、中から小さなハチが出てきました。
光の加減かもしれませんが、先の個体より黒くてつややかでした。
黒光りする体色に、腹部の黄色い帯模様、頭楯の斑紋がほぼ一直線である点からキオビツヤハナバチとしました。
なお、頭楯の斑紋の特徴から、この個体はメスと思われます。
シロスジヒゲナガハナバチ(Eucera (Eucera) spurcatipes)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・Eucerinaea亜科・ヒゲナガハナバチ族・Eucera属・Eucera亜属>
ミツバチ科Eucera属のハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
出現時期は3月~7月。体長は12~14mmで、メスの方が一回り大きい。
オスの触角が体長と同じくらい長いのが和名の由来。メスの触角は特に長くはない。
出現時期はは4月~6月で、まず、オスが発生して、続いてメスが発生する。
多数のオスが地表近くを飛び交い、メスが出てくるのを待ち構えている。
体長は12~14mmで、メスの方が一回り大きい。
体色は全体に黒色だが、頭、胸、腹部第1節は淡褐色~黄褐色の毛に覆われている。
腹部背板の前半部には白色の毛帯がある。オスの頭楯、上唇は黄白色。
オスの触角第2鞭節の外面中央部から第4節まで、連続する縦溝がある。触角柄節には黄帯がある。
なお、春に活動するヒゲナガハナバチには2種あり、非常によく似ている
この2種は、前翅の肘室の数を数えることで、識別可能である。
肘室の数が2個なのが本種で、3個なのがニッポンヒゲナガハナバチである。
ちなみに、ニッポンヒゲナガハナバチは、Synhalonia亜属になる。
2013/4/25
クマバチを撮影していて、その下方にシロスジヒゲナガハナバチがいることに気付きました。
といっても、ニッポンヒゲナガハナバチと酷似しており、どちらなのか分かりませんでした。
後で、拡大して前翅の腑室の数を確認したところ、2個だと確認できましたので本種としました。
2013/5/23
多摩川の土手も大半が除草されてしまい、土手の上の通路周辺のみが刈り残っています。
その中にあるムラサキツメクサにシロスジヒゲナガハナバチのメスが、花粉集めに来ていました。
最初見たときは、ニホンミツバチだと思ったのですが、腹部の形状から本種と分かりました。
なお、1枚目の写真の前翅の腑室の数は、2個なので、本種に間違いはないと思います。
2014/5/20
多摩川への道路脇にある公園でハコネウツギを撮影していると、写野に飛び込んできました。
タイミング良く、シャッターを押したときでしたので、飛翔中の写真が撮れていました。
ただ、速いシャッター速度にしていなかったので、翅はぶれて写っていません。
そのため、腹部の色や毛帯の色などから本種と判断しましたが、確証はありません。
ミツクリヒゲナガハナバチ(Eucera mitsukurii (Cockerell, 1911))
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・Eucerinaea亜科・ヒゲナガハナバチ族・Eucera属>
ミツバチ科Eucera属のハチで、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
出現時期は8月~11月で、他の2種とは活動時期が異なる。
体長は9~11mmと他の2種より1回り小さい。なお、オスよりメスが一回り大きい。
和名のヒゲナガは、オスの触角が極めて長いことに由来する。
体色は黒色で、淡黄褐色の毛が密生している。前翅の亜縁室(腑室)は3個である。
2013/8/29
多摩川の土手で、カントウヨメナの花で、ヒゲナガハナバチを見つけました。
この時期にヒゲナガハナバチ? と思って、後で調べると秋に活動する本種と分かりました。
とにかくじっとしていないハチで、次々と花を変えながら蜜を吸っていて、なんとか撮れたのはこの1枚のみでした。
トラマルハナバチ(Bombus diversus diversus)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・マルハナバチ族・マルハナバチ属>
ミツバチ科マルハナバチ属のハチで、日本では本州から四国、九州に分布する。
世界的には、朝鮮半島、ウスリーに分布する東北アジアの固有種。
体長は12~20mmで、口には折りたたみ式の長い舌があり、マルハナバチの中では最も長い。
活動期間は4月下旬~11月上旬と長期で、他のマルハナバチ同様、社会性のハナバチ。
土中に枯れ草を敷き詰めて営巣し、蜜蝋に花粉を混ぜてブドウの房状の巣を作る。
メスは地中で越冬し、翌春に単独で営巣を開始する。オスは秋に出現する。
2013/7/12
多摩川への途中にある公園で、蜜を求めて飛び回っていました。
大きな割に、ちょこまかと飛び回り、じっとしていないのでピンボケ気味です。
長い舌と毛むくじゃらな所は、なんとか分かると思います。
セイヨウミツバチ(Apis mellifera)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・ミツバチ族・ミツバチ属>
ヨーロッパ・アフリカに分布し、世界中に養蜂用に移入されている。
日本にも移入されているが、野生化はあまり見られない。
ニホンミツバチと異なり、蜂球を作る能力はないので、オオスズメバチに襲われると全滅する事もある。
繁殖力の強いセイヨウミツバチが、あまり野生化していないのはこれが要因と考えられている。
体長は、働きバチで12~14mm、雄バチで15~17mm、女王バチでは15~20㎜ある。
腹部の黒い帯模様が尾端は太く、胸部側が細くなり、全体に黄色味が強く、特に胸部側は黄褐色になる。
セイヨウミツバチにも何種類かいるが、黄色味が強いのはイタリアン種である。
セイヨウミツバチは成虫で越冬し、寿命は季節変動はあるが平均60日前後、女王バチは2年前後である。
働きバチが、卵から成虫になるのに要する期間は3週間で、女王バチは16日である。
女王バチは1週間ほどで成熟し、交尾飛行に出る。交尾後巣に戻ると、分蜂が起こることになる。
しかし、セイヨウミツバチは養蜂されているのがほとんどのため、自然分蜂はさせない。
王台の付いた巣板を事前に別の巣箱に移してしまい、人工分蜂してしまうのである。
まれに野生化したセイヨウミツバチの巣で自然分蜂が起こる事があるが、ニホンミツバチと同じである。
交尾後に新女王バチが戻ると、元の女王は半数の働きバチを連れて出て行き、蜂球を作る。
働きバチが偵察に出て、新しい巣が見つかると一斉にその場所に移動して分蜂完了となる。
2012/7/2
今日は、シロツメクサの中を飛び回っているセイヨウミツバチを撮影。
セイヨウミツバチは、胸部に近い腹部がオレンジ色になり、ニホンミツバチより明るい感じになります。
ただし、紛らわしい個体もあるので、体色だけで判断すると間違える可能性があります。
確実な判断は上記に示すように、後翅の翅脈(赤丸印)を見ることで行えます。
2013/7/31
今年は、河川敷の除草がこまめに行われたため、花が少なく、ミツバチ類はあまり見かけません。
この日、わずかに残っていたシロツメクサにセイヨウミツバチが訪れていました。
2014/6/27
多摩川の道路脇に生えている名前が分からない花を撮影していると、セイヨウミツバチが飛来しました。
至近距離からハチを接写系で撮影したのは初めてですが、被写界深度が浅いので難しいですね。
※ 後に、訪花していたのはシソ科のニガクサと分かりました。
ニホンミツバチ(Apis cerana japonica)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・ミツバチ族・ミツバチ属>
日本の固有種で、トウヨウミツバチの亜種。韓国に生息するトウヨウミツバチの近縁種になる。
セイヨウミツバチと比べると、腹部が黒っぽく、セイヨウミツバチのようにオレンジ色にはならない。
天敵のオオスズメバチに対して、蜂球を作って、内部温度をオオスズメバチの致死温度48℃にする必殺技を持つ。
セイヨウミツバチと比較すると、蜜の収集能力は劣る。
体長は、働きバチで10~13mm、雄バチで12~13mm、女王バチでは13~17㎜ある。
腹部の黒い帯模様はほぼ等幅で、全体に黒っぽく、セイヨウミツバチのような黄褐色部はない。
働きバチが、卵から成虫になるのに要する期間は19日で、女王バチは15日である。
女王バチは1週間ほどで成熟し、交尾飛行に出て、交尾後巣に戻る。
巣に戻るとと、元の女王は半数の働きバチを連れて出て行って蜂球を作り、分蜂が起こる。
働きバチが偵察に出て、新しい巣が見つかると一斉にその場所に移動して分蜂完了となる。
2012/6/29
今日は、シロツメクサの中で、セイヨウミツバチに交じって飛び回っているニホンミツバチを撮影。
よく見ると、セイヨウミツバチよりも数は少ないですが、そこそこニホンミツバチも飛んでいます。
最近、都心部でニホンミツバチが増えているという話を聞いたことがありますが、そうなのかもしれませんね。
芝公園の近くで、ニホンミツバチの分蜂を見たことがあります(その後、街路樹の根元の洞に巣をつくっていました)。
ミツバチは、手を出さない限り刺すことはありません(刺すと針が内臓とともに抜けて多くは死んでしまいます)。
※ ちなみに、前述の街路樹の巣は、しばらくしてコンクリートで蓋をされていました。
プロに頼んで巣箱に誘導してやれば良いのに、残酷な事をしますよね。
しばらく、働きバチが戻ってきて、入る所を探してウロウロしていました。
2013/2/28
玉川からの散歩の帰り道、道路脇の菜の花でニホンミツバチを見かけました。
最初見たとき、あまりに黒かったので他のハチかと思いましたが、よく見るとニホンミツバチでした。
2013/9/10
川縁に蔓延っているアレチウリを、ニホンミツバチが訪れていました。
そろそろ冬支度に入る時期ですから、せっせと蜜や花粉を集めているようです。
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