チョウ目
アゲハチョウ上科タテハチョウ科(ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、アカタテハ、
ヒメアカタテハ、キタテハ、テングチョウ、ヒメジャノメ、
サトキマダラヒカゲ、アサギマダラ)
セセリチョウ上科セセリチョウ科(イチモンジセセリ、チャバネセセリ)
ツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・ヒョウモンチョウ族・ツマグロヒョウモン属>
2012/5/23 2012/7/25
タテハチョウ科ツマグロヒョウモン属のチョウで、在来種。
日本を含め、中国、朝鮮半島、オーストラリア、インドと熱帯・温帯に広く分布している。
日本では本州南西部から四国、九州等に生息しているが、近年、関東甲信越、北陸地方の平野部に進出している。
冬は幼虫や蛹で越冬し、年に数回発生する。
メスの前翅先端部が黒色で、その中に斜めの白帯を持つ。この特徴が名前の由来。
なお、オスには黒色部や白帯は無く、典型的なヒョウモンチョウの模様になる。
ただ、後翅の外縁部が、メスと同じように黒に白い模様が入っていることで区別可能。
ツマグロヒョウモンの終齢幼虫は、体長30mm前後で、黒色の背中に赤い筋模様が1本ある。
各節に刺状突起が各々6個あり、頭部側は真っ黒で、腹部側は基部が赤くて、先が黒い。
見るからに毒々しい警戒色をしているが、刺には毒はなく、刺すこともない。
5/23 写真は、ツマグロヒョウモンのオスです。ツマグロヒョウモンの名前はメスの羽の模様から来ています。
4月下旬から時折見かけてはいたのですが、撮影できたのはこの日が最初です。
7/25 ツマグロヒョウモンのオスを見かけました。春に見かけたものより翅の地色の黄色みが強いようです。
メスを何度か多摩川に行く途中で見かけたことはありますが、撮影はできていません。
2012/9/24
多摩川の河川敷で、初めてツマグロヒョウモンのメスを見かけ、撮影できました。
オスより大柄で、前羽先端の黒地に白い模様が特徴的です。
2013/5/16 2013/9/10
5/16 多摩川の河川敷では、今年もツマグロヒョウモンのオスを何度か見かけましたが、撮影できていません。
この日、途中の公園で、パンジーで給蜜しているツマグロヒョウモンのメスを見つけました。
メスの個体は少ないようで、オスと比較すると滅多に見かけません。
9/10 多摩川の土手で、地面に止まっているツマグロヒョウモンのオスに出会いました。
近づくと逃げることが多いのですが、最短撮影距離まで近づけたので、かなりアップで撮れました。
2013/9/24 2013/10/1
キバナコスモスで給蜜中のツマグロヒョウモンのオスとシチヘンゲで給蜜中のメスです。
シンプルなオスとカラフルなメス、どちらも、花の色と合っていると思いませんか?
アカボシゴマダラ(Hestina assimilis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・コムラサキ族・ゴマタラチョウ属>
タテハチョウ科ゴマタラチョウ属のチョウで、在来種。
日本を含め、朝鮮半島から中国、台湾、ベトナムまで分布している。
日本では、奄美諸島でのみ生息が確認されているが、固有の亜種(H. a. shirakii Shirozu)になる。
亜種には、他に台湾に分布するformasana亜種と、中国南部に分布するassimilis亜種がいる。
本個体も含め、関東近縁で確認されているのは、大陸型の亜種(H. a. assimilis)とされている。
最近は、関東北部や静岡などでも確認されており、分布が拡大している。
そのため、関東近縁で確認されている移入個体群は、「特定外来生物」に指定されている。
前翅長は40~53mmあり、翅は黒地に白の斑紋があり、後翅に赤班列がある。
発生時期は4月~10月で、少なくとも年に3回は発生している。
その内、早春に現れる白化型では赤い斑紋がなく、全体に白っぽくなる。
なお、奄美諸島の在来種には白化型は見られず、後翅に赤班列が発達している。
幼虫の食草は、関東ではエノキ、奄美ではクワノハエノキである。
2012/5/8
いつもの野鳥観測場所で、見慣れない蝶に遭遇した。
こういうとき、カメラを準備している間に逃げられることが多いのですが、今回は、近くの木に止まってくれました。
ちょっと高いところだったのですが、300mmで何とか撮影できました。
後で調べて、アカボシゴマダラと判明したのですが、奄美群島にしか生息していない蝶と分かり驚きました。
さらにWebで調べると、最近、関東近県で目撃されることが多くなっている大陸系の外来種と判明しました。
故意の放蝶なのか、何かにまぎれて侵入したのか、真相は不明ですが、現在は自然繁殖しているようです。
2014/7/17
多摩川への道路を歩いていると、アカボシゴマダラの道路の上を飛んで行きました。
直ぐに追いかけたかったのですが、信号が変わるのを待っている間に見失いました。
土手の手前まで来たとき、見失ったアカボシゴマダラを、再び、見かけました。
木の枝先で、腹部の末端を葉に付けるようなしぐさをしていました。
産卵をしているのかと思い、良く見たのですが、卵らしきものは見られませんでした。
2015/5/22
多摩川の川縁でアカボシゴマダラの春型を見かけました。
運良く、近くの葉の上に止まってくれたので、写真を取ることができました。
夏型と比較すると、赤斑がほとんどなく、白い部分が多いので白っぽく見えます。
アカタテハ(Vanessa indica)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・アカタテハ属>
タテハチョウ科アカタテハ属のチョウで、日本では、ほぼ全国で普通に見られる。
海外では、インドから東南アジア、オーストラリア、日本まで広範囲に分布している。
前翅長は30~35㎜、開張は60~70㎜になる。
前翅の先端は黒地に白斑、前翅の中央部には橙色地に黒斑があり、ヒメアカタテハによく似ている。
しかし、後翅は外縁以外が黒褐色で、ヒメアカタテハが前翅同様に橙色地に黒斑がある点で異なる。
冬は、成虫で越冬するが、暖地では幼虫で越冬する事もある。
2012/10/24
多摩川へ行く途中の道端で見かけました。
この辺りでは樹液が吸えるような所はないので、見かけたのは初めてです。
夏に個体数が減って、秋には増えるそうなので、目に付いたのかもしれません。
このときは、葉の上や地面の上に止まって、日向ぼっこをしているような感じでした。
翅が少し痛んでいますが、ヒメアカタテハの翅の模様との違いは分かると思います。
特に、後ろ翅の模様の違いが大きいので見比べてみてください。
2014/3/28
2014/8/21
3/28 多摩川へ行く途中の道端で、久しぶりにアカタテハに出会いました。
一昨年に見かけたのと同じ場所です。この辺りで、越冬しているのかもしれません。
この場所がお気に入りのようで、飛び立っても直ぐに戻ってきました。
8/21 ほぼ半年ぶりのアカタテハです。神社の境内で、木の幹に止まっていました。
夏には個体数が減るので、ほとんど見かけることはないのですが、秋が近づいているのかも。
ヒメアカタテハ(Vanessa cardui)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・アカタテハ属・ヒメアカタテハ亜属>
タテハチョウ科ヒメアカタテハ亜属に属する蝶で、在来種。
日本を含め、南極大陸以外の大陸に分布している。
日本でもほぼ全国でみられるが、数はあまり多くない。
冬は、暖地では成虫でも幼虫でも越冬する。
成虫の前翅長は25~33mmで、開張は40~55㎜になる。
前翅の先端は黒地に白斑、前翅の中央部には橙色地に黒斑があり、アカタテハによく似ている。
しかし、後翅は前翅同様に橙色地に黒斑があるのに対し、アカタテハは外縁以外が黒褐色と異なる。
移動性が高く、夏から秋にかけて、温暖地から寒冷地に向かってどんどん分布を広げる。
そのため、秋には個体数が増え、寒冷地でも見られるようになるが、寒さに弱いので越冬はできない。
幼虫の食草は、キク科のハハコグサ、ヨモギ、ゴボウなどで、成虫は各種の花を訪花して吸蜜する。
なお、アカタテハは花以外に樹液や腐果にも集まるが、本種は花以外には集まらない。
本種は、ヨーロッパでは大移動することが確認されている。
その距離、北は北極地方にほど近い所から南は熱帯の西アフリカまで実に15,000kmである。
北アメリカのオオカバマダラは渡りで有名であるが、その移動距離の倍近い距離になる。
夏の終わり頃、何百万匹という大集団になって渡りをするが、飛翔高度は500m以上と高空である。
また、渡りに都合の良い風を待ち、それに乗って平均時速45kmという高速で長旅をする。
そのため、大群であるにもかかわらず、渡りが人目に触れることはほとんどなかった。
また、この長旅は一往復を6世代に渡って行なわれるとされている。
2012/7/23
多摩川の河原では、ヒメアカタテハは初めての確認です。
樹液にも集まるアカタテハと異なり、ヒメアカタテハは、花にしか集まりません。
2012/10/29
多摩川の川縁にあるコセンダングサの群生地で、給蜜しているヒメアカタテハを見かけました。
この時期、花が少ないので、ここにはいろいろなチョウが訪れてきていました。
この個体は、前羽に穴があき、後ろ羽の一部がちぎれて、かなり傷んでいます。
しかし、翅の裏の模様はよく見えていますので、アカタテハのそれと比較してみてください。
2013/7/24 2013/9/10
7/24 今年もヒメアカタテハが河川敷にやって来ていました。見かけたのは、去年と同じような時期です。
この時期に、河川敷で羽化しているのか、どこかから移動してくるのか、どちらなのでしょう。
9/10 ひさしぶりにヒメアカタテハに出会いました。羽化して間もないきれいな個体でした。
2013/9/30
河川敷のコスモス畑で、赤紫のコスモスで給蜜中のヒメアカタテハを見かけました。
やはり、派手な色のチョウは、こういう花が似合いますね。絵になります。
キタテハ(Polygonia c-aureum)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・キタテハ属>
2012/4/4 2012/7/24 2012/9/26
タテハチョウ科キタテハ属のチョウで、翅の表が黄色いことが和名の由来。
日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。
日本でもほぼ全国で普通にみられる。
後翅の裏面に白い模様があり、これが「C」の字に似ていることが学名の「c-」の由来。
冬は成虫で越冬し、ものかげでじっとしている。
成虫の前翅長は25~30mmで、翅の縁には大小の突起があり、先がとがっている。
翅表は、前後とも黄色の地に褐色の縁取りと黒い斑点があり、一部の黒斑の中には水色の小さな点がある。
翅裏は、前後とも赤褐色で、枯葉にまぎれる保護色となる。
夏型と秋型があり、夏型では羽表の地色がくすんだ黄色になり、縁取りが黒く、黒斑が大きい。
一方、秋型では羽表の地色は鮮やかな黄赤色になり、縁取りは褐色で薄れ、黒斑が小さい。
なお、翅裏も夏型では黒褐色になり、秋型では赤味が強くなって茶褐色になる。
また、翅の外縁の凹凸も、夏型では丸みがあるのに対して、秋型は鋭角に尖る。
4/4 キタテハは、この春、最初に見かけたチョウで3月の中旬くらいだったと思います。
越冬組が暖かくなったので出てきたものと思われ、撮影できたのはこの日が最初です。
7/24 久しぶりにキタテハを見ましたが、すっかり夏型に衣替えした後です。
1枚目の秋型(成虫で越冬するので前年の秋に羽化した個体です)との違いが分かりますか?
翅の裏を比較すれば明確なのですが、表面では翅の地色と外縁部の凹凸の度合いです。
秋型の方が、地色に赤みが強くなり、凹凸が強く出ます。前羽の最初の突起に顕著です。
9/26 2ヶ月ぶりにキタテハを見かけました。
今年の夏が長かったせいか、キタテハもまだ夏型です。
2013/3/15 2013/9/19 2013/11/8
3/15 今年も河川敷でキタテハに出会いました。
昨秋の秋、羽化した越冬組なので、羽がちょっと傷んでいました。
9/19 夏の間見かけなかったキタテハですが、9月の声と共に見られるようになりました。
9月の個体は、黄色みが強い夏型です。
11/8 11月になると、オレンジがかった秋型が現れました。
翅の凹凸の強さにも差があり、秋型の方が尖った感じなのが分かると思います。
2014/3/25
今日は天気がよく、日差しが暑く感じられる陽気でした。
そのためか、河川敷でキタテハに良く出会いました。草原を歩いて行くと、次々と飛び立っていく感じです。
越冬していた個体(秋型)が、陽気に誘われて給蜜に出てきたといった感じでした。
2014/9/16(夏型) 2013/11/8(秋型)
翅の裏の模様と外縁の凹凸度合いを夏型と秋型で比較してみました。
光の当たり方もあり、模様の違いは良く分かりませんが、秋型の方がメリハリがあるようです。
外縁の凹凸度合いは、夏型が丸みがあるのに対し、秋型は鋭角に尖っているのがわかります。
テングチョウ(Libythea celtis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・テングチョウ亜科・テングチョウ属>
タテハチョウ科テングチョウ亜科に分類されるチョウで、日本ではこの1種類のみ生息する。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄本島まで分布している。
海外では、朝鮮半島と台湾にも分布している。
和名は、成虫の頭部が天狗の鼻のように前方に伸びることに由来する。
この突起は、パルピ(下唇髭)という器官で、テングチョウでは特に大きく、よく目立つ。
パルピは、タテハチョウ科では比較的大きく、アゲハチョウ科やシロチョウ科では小さい。
翅は茶色で、前翅の縁に角状の突起がある。翅の表面には橙色の斑紋があり、前翅前端にある斑紋は白い。
なお、橙色の斑紋には、雌雄で違いがあり、その違いで判別可能です(下記参照)。
盛夏には休眠し、秋に再び活動してそのまま成虫越冬し、冬眠から覚めた春先にも再び活動する。
羽ばたくスピードは速く、飛び方は極めて俊敏である。
2014/4/1
多摩川の河川敷を散歩していると、突然、茶色っぽいチョウが飛んできて近くに止まりました。
最初、ヒメアカタテハかと思ったのですが、模様が全く異なります。
頭部の大きな突起で、テングチョウだと分かりました。この多摩川の河川敷で見たのは、初めてです。
後で、写真を見て、白い丸印のだいだい色の斑紋でメスと分かりました(オスにはないか、小さい)。
後、前翅で隠れて見えていませんが、後翅の隠れている部分の斑紋の有無(あるのがメス)でも判別できます。
ヒメジャノメ(Mycalesis gotama fulginia)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・ジャノメチョウ亜科・ジャノメチョウ族・コジャノメ亜族・コジャノメ属>
タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に属するチョウの一種で、在来種。
日本を含め、朝鮮半島から中国、台湾、ベトナム、タイにかけての東南アジア、東アジアに分布している。
日本では、亜種(M. g. fulginia)が北海道から本州、四国、九州に分布している。
前翅長は24~27mmで、開張は40~50mm。
翅表は一様に茶褐色で、眼状紋は前翅に2個見られる。後翅に眼状紋があるものもある。
翅裏には、前翅後縁に大きな眼状紋、その上に1~3個の眼状紋がある。
後翅の大きな眼状紋の上には小さな3個の眼状紋、下には2個の小さな眼状紋がある。
また、翅裏を縦に走る白色帯は、比較的直線に近く、黄色味を帯びている。
幼虫の食草は、チヂミザサ、ススキなどの単子葉イネ科植物
発生時期は5月~10月で、2~3回発生する。越冬は幼虫で行う。
なお、コジャノメによく似ているが、以下の点で識別できる。
・翅裏の地色は、コジャノメが濃くて、ヒメジャノメは薄めである
・翅裏の白色帯は、ヒメジャノメは直線的で、コジャノメは外側に軽く湾曲する
・後翅翅裏の大きな眼状紋の上の小さな眼状紋が、コジャノメは3個、ヒメジャノメは4個
・ヒメジャノメの方が、コジャノメより比較的明るい場所を好む 傾向がある
2012/9/24
多摩川の河川敷の草原でジャノメチョウを始めて見かけました。
後で調べて、ヒメジャノメと分かりました。
翅の色が茶系統で地味なのと、うす暗い所に多いのでガと思っている人が多いです。
2013/9/20 2013/10/1
多摩川の川縁の草陰で、ヒメジャノメを見かけました。そう多くはないですが、時折見かけます。
ただ、日蔭を飛び回っていることが多く、日の当たる場所にはなかなか出てきません。
この2枚の写真は、日の当たる場所に出てきて止まった所を撮ったものです。
翅の色や、眼状紋に微妙な差異がみられます。
ヒメジャノメとコジャノメ
<ヒメジャノメ> <コジャノメ>
翅裏の地色の濃さ、白色帯の曲がり具合、後翅の大きな眼状紋の上部の小さな眼状紋の数で判別します。
サトキマダラヒカゲ(Neope goschkevitschii)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・ジャノメチョウ亜科・ジャノメチョウ族・ヒカゲチョウ亜族・キマダラヒカゲ属>
日本では、北海道、本州(伊豆大淡路島を含む)、四国、九州に分布している日本固有種。
低地帯で普通に見られるが、森林周辺にのみ生息している。
なお、北海道では、山地帯から亜高山帯に生息するヤマキマダラヒカゲの方が多く分布する。
前翅長は30~37mm、開張は55~65mm。
地色は、表面は黄褐色で、裏面は少し淡く、これに斑紋が入るが、ヤマキマダラヒカゲと酷似している。
成虫は、暗いところを好み、樹の幹や壁面に好んでとまる。樹液や腐果を好み、花には来ない。
飛翔は素早く、不規則に飛ぶので捕捉するのは難しい。
蛹で越冬し、暖地では4月頃から9月頃まで見られるが、寒冷地では見られる時期は短くなる。
サトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲは、下記の点で区別することができる。
・両者は、後翅外縁の眼状紋の内、上から3個目と4個目の黄環の幅で区別できる。
サトキマダラヒカゲでは、黒色眼状紋が小さいため、黄環が比較的幅広である
ヤマキマダラヒカゲでは、黒色眼状紋が大きいため、黄環の幅が狭くなっている
・サトキマダラヒカゲでは、後翅基部に並ぶ3個の斑紋が直線に近い並びになる
ヤマキマダラヒカゲでは、3個の斑紋の1個が外側にずれて、「く」の字状に並ぶ
2012/8/19
多摩川の河川敷を散歩中、突然目の前を横切って近くの木の幹にチョウがとまりました。
色や模様からジャノメチョウの仲間と分かりましたが、見かけない模様です。
取りあえず、撮影して後で調べることにしたのですが、数枚撮影した所で逃げられました。
写真の3個の斑紋の並び方と黄斑の黒色眼状紋で、サトキマダラヒカゲと判定しました。
3個の斑紋は、サトキマダラヒカゲは直線に近く、ヤマキマダラヒカゲでは直角に近くなります。
また、黒色眼状紋は、サトキマダラヒカゲは小さく目立ちませんが、ヤマキマダラヒカゲは大きくて明瞭です。
しかし、ヤマキマダラヒカゲとの差は微妙で、パッと見たくらいでは判別できません。
サトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲ
<サトキマダラヒカゲ> <ヤマキマダラヒカゲ>
並べてみると、両者の斑紋の微妙な違いが見えてくると思います。
なお、両者の色の違いは、日蔭での撮影か、日が当たっている所での撮影かの違いが大きいです。
アサギマダラ(Parantica sita niphonica)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・
タテハチョウ科・マダラチョウ亜科・マダラチョウ族・アサギマダラ属>
タテハチョウ科アサギマダラ属に分類されるチョウで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、標高の高い山地に多くが生息する。
海外でも、朝鮮半島から中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布している。
分布域内ではいくつかの亜種に分かれており、日本に分布するのは亜種「P. s. niphonica」。
開張は80~100mmになる大型のチョウで、翅の半透明で青緑色の古称であるアサギ(浅葱)が和名の由来。
翅の内側が半透明な浅葱色で、前翅外縁は黒、後翅外縁が赤褐色できれいなグラデーションになっている。
オスの腹端には、へアペンシルというフェロモンを分泌する器官があり、これはマダラチョウ類に共通する。
メスを見つけるとオスはヘアペンシルを広げてメスの周りを飛び回り、メスを引き付ける。
幼虫は、黒地に黄色の斑点が4列に並び、その周囲に白い斑点がたくさんある。
また、前胸部と尾部に2本の黒い角があり、非常に目立ちやすい色彩をしている。
食草は、アルカロイドを含むキジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどで、体内に毒を蓄積する。
その毒は、蛹や成虫にも引き継がれるので、他の動物による捕食を防ぐのに役立っている。
前述の幼虫が非常に目立つ配色をしているのは、毒がある事を知らせる警戒色と考えられている。
長年、マーキング調査で、長距離移動する本種の移動が調べられている。
秋に日本本土から南西諸島や台湾への渡りが確認されており、初夏から夏に逆に北上する渡りも確認されている。
本州の太平洋岸の暖地や四国、九州では幼虫で越冬し、春先に羽化したと思われる個体も確認されている。
2014/5/30
昼休みに近くの商店街に買い物に行ったとき、たまたま通りかかった公園でみかけました。
あいにく手持ちのレンズが105mmだったので、あわてたこともあり、ピンぼけ写真ばかりになってしまいました。
飛び方はゆっくりなのですが、時間がなく、近づかないと大きく撮れないこともあり、あせった結果です。
それでも、翅の美しい浅葱色の模様と後翅の赤褐色の模様は、十分に分かると思います。
3枚目の写真は、止まりかけた所にキアゲハが飛び込んできて、また、飛び立ってしまったところです。
この後、木立の中に逃げ込まれてしまい、時間がなくてこれ以上の撮影は諦めました。
不鮮明な写真となってしまいましたので、下記の別の場所で撮影したものを参照ください。
タテハチョウ科マダラチョウ亜科のチョウ
アサギマダラ
2017/8/5
マダラチョウ亜科マダラチョウ族アサギマダラ属のチョウで、在来種。
八ヶ岳自然文化園の林内で見かけたアサギマダラです。
林内に生えていたヒヨドリバナに吸蜜に訪れていたものです。
オオゴマダラ
2009/3/7
マダラチョウ亜科マダラチョウ族オオゴマダラ属のチョウで、在来種。
沖縄の蝶々園で見たオオゴマダラです。サナギが金色になるのでアサギマダラと同じマダラチョウ亜科に属する大型のチョウで、アサギマダラ同様、フワフワとゆっくりと滑空するように飛翔します。
(参)アカボシゴマダラ
2016/7/20
タテハチョウ亜科コムラサキ族ゴマタラチョウ属で、奄美諸島のみで在来種が確認されている。関東で確認されているのは、大陸型の亜種(H. a. assimilis)とされ、これらの移入個体群は「特定外来生物」に指定されています。
なお、名前にゴマダラが付きますが、前2種とは異なるタテハチョウ亜科のチョウです。
イチモンジセセリ(Parnara guttata)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・セセリチョウ上科・
セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・イチモンジセセリ属>
2012/7/20 2012/9/4 2014/9/4
日本を含め、朝鮮半島から中国、ヒマラヤ、ボルネオと広範囲に分布している。
日本でもほぼ全国でみられるが、北海道ではあまり多くない。
幼虫または蛹で越冬するが、寒い地方では越冬できない。
全身が茶色一色で、前翅長は20㎜前後、後翅裏に横長の白紋が4つ、1文字状に並ぶ。
人家周辺から里山にかけて見られ、羽音を立てて敏速に飛ぶ。
幼虫の食草は、イネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物で、そのため、イネの害虫とされる。
成虫は年3~5回、6月~8月頃に発生し、南下して10月頃までいる。
2012/7/20 イチモンジセセリが飛び回っているのは以前から確認はしていましたが、撮影したのは初めてです。
普通に見られるセセリチョウですが、多摩川の河原で見かけたのは、6月くらいからです。
翅の色が茶系統で地味なのと、太短い体系なのでガと思っている人が多く、かわいそうなチョウです。
2012/9/4 8月に入ると個体数は飛躍的に増え、河原では相当数を見られるようになりました。
9月になっても個体数は減った気配はありません。
2014/9/4 イチモンジセセリは、翅の上面をなかなか見せてくれません。
翅を開いて給蜜している所をやっと撮ることができました。
2013/9/24
黄色いシチヘンゲ(ランタナ)で給蜜中の2匹のイチモンジセセリです。
右の2枚は、左端の写真から、比較しやすいように切り出して加工したものです。
翅の模様の違いは、個体差によるものと思いますが、腹部の形状や見え方にも違いが見られます。
メスに比べてオスの翅は小さめなので、オスの尾端は明瞭に飛び出して見えるとのこと。
この写真で見ると、上の個体の翅が大きめで、下の個体の翅は小さく、尾端が大きく飛び出しています。
気持ち的には、腹部のぷっくりとした上(中央)がメスで、下(右端)がオスと思われます。いかがでしょうか?
チャバネセセリ(Pelopidas mathias oberthueri)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・セセリチョウ上科・
セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・チャバネセセリ属>
セセリチョウ科に分類されるチョウで、東アジアからオセアニアにかけて分布する。
日本で見られるのは亜種で、関東以西の暖かい所で越冬する。
成虫の前翅長は13~21mm。イチモンジセセリと比べて翅が縦に長い。
また後翅裏の白点(イチモンジセセリは横に長い白点)が4ヶ所ある。
年3~4回、6月~11月頃に発生する。関東地方では秋に多く発生する。
幼虫の食草は、イネやススキなどのイネ科の植物や、タケ科やカヤツリグサ科の植物である。
2013/5/24
セイヨウタンポポで給蜜していましたが、今年初めて見かけたセセリチョウです。
翅を開いてくれなかったので、後翅の模様を手掛かりに同定しました。
模様がぴったり合うものがなく、最も近いチャバネセセリとしました。
チャバネセセリの場合、白点が4つ並んでいるはずですが、3つしか確認できません。
チャバネセセリの場合、白点が不明瞭になる個体があるということなので、見えていないのかもしれません。
なお、オスの後翅の上縁端は丸くなく、切った様になっているそうなので、この個体はオスと思われます。
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