ウリ科・キキョウ科・キク科(Ⅰ)

ウリ目

  ウリ科(アレチウリ、カラスウリ、ツルレイシ、ヒョウタン)  (参)キカラスウリ

キク目

  キキョウ科(ホタルブクロ)

  キク科アザミ亜科(アメリカオニアザミ、キツネアザミ)


アレチウリ(Sicyos angulatus)

<ウリ目・ウリ科・アレチウリ連・アレチウリ属>

        <雌花>             <雌花>          <雄花>

      <雌花序>           <雄花序>                .

ウリ科アレチウリ属のつる性一年草で、北アメリカ原産の帰化植物。

日本では、北海道から四国、九州までほぼ全国に分布している。

世界的には南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアに帰化している。

茎は数分岐した巻きひげでからみつき、長さ数m~十数mになり、太い刺状の剛毛がある。

葉は互生し、長い葉柄がある葉は5~7残裂し、表面はざらつく。

花期は8月~9月で、葉腋から雌雄で異なる花序を出すが、雌雄同株。

雄花序には10㎝を超える長柄があり、淡黄白色の花を総状に付ける。

雄花は直径1cm程で、オシベは花糸も葯も合着し、キノコのような形になっている。

雌花序の柄は5㎝前後と短く、淡黄白色の雌花が頭状に集まって付く。雌花の柱頭は3個。

果実は、長さ15㎜程の長卵形で、8個前後が球状に集まって付く集合果となる。

果実の表面には短毛と刺が密生し、刺は触るとすぐに取れ、触ったものに刺さる。

 2012/8/23

多摩川では河川の縁近くに大きな群落をつくっています。川の流れに乗って漂着するためでしょう。

ヤブガラシ、ヘクソカズラなどは主に土手に繁殖しているので、アレチウリとの競合はほとんどありません。

川岸近くの一部で、どちらにも群生しているガガイモと競合している程度です。

花は雌雄異花で、雌花は直径6mmほどで球状に集まり、雄花は直径10mmほどで総状に咲きます。

果実には鋭くしなやかな刺が密集し、固まって結実します。痛そうで、ちょっと手が出せません。

 アレチウリの繁殖力は凄まじく、多くの河川敷で群生が見られるようになったそうです。

多摩川流域では、ツバメのねぐらとなるヨシ原が浸食を受けて影響が出ているそうです。

地域によっては、官民共同で駆除、防除体制を取っているところもある「特定外来生物」です。

2012/9/25                 2012/10/17

 2012/9/25 アレチウリが結実していました。

まだ、未成熟で青々としていますが、たくさんの刺で守られています。

2012/10/17 枯れたアレチウリの蔓に、茶色く成熟した実がぶら下がっていました。

どちらも、ちょっと触りたくない見た目ですね。もちろん、素手では触れません。


カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)

<ウリ目・ウリ科・アレチウリ連・カラスウリ属>

ウリ科カラスウリ属のつる性の多年草で、雌雄異株。

中国、日本原産の植物で、日本では本州以南に自生する。

根は、常に束状に分枝して紡錘状に太くなる。

葉は長さ6~10cmで、3~5浅裂~中裂、または単葉と変化が多い。

裂片も、先が尖ったり、丸まったりする。葉表には短毛が密生し、ビロード状である。

葉裏には白毛が密生し、白みを帯びる。

花期は8月~9月、日没後から開花し、翌朝の日の出前にはしぼんでしまうことが多い。

カラスウリの花冠は5裂(4裂、6裂することもある)して、直径5~10㎝ある。

花冠裂片は楕円形で先がすぼまり、その先が細長い糸状になる。

雄花は、1ヶ所に複数付き、数日間連続して開花するが、雌花はほぼ単独で付く。

果実は、未熟時は縦に線の入った緑色であるが、熟すと濃い橙色になる。

種子は、幅1cm前後の黒褐色で、中央に幅4~5mmの盛上った帯がある。

形はカマキリの頭部に似ていますが、打ち出の小槌にも例えられ、縁起物として財布に入れることもある。

なお、カラスウリの種子の周りの果肉は、非常に苦く、食用にはならない。

2015/7/30(雄花)

多摩川へ向かう道路脇で、カラスウリが花を付けていました。

昼間だったので、ツボミとしぼんだ花しか付いていませんでしたので、夕方に期待しました。

19:30頃、昼間の場所に行くと、ツボミがしっかりと開花していました。

キカラスウリの花は見た事があるのですが、カラスウリの花を見るのは初めてです。

この花は、花の基部に膨らみがない雄花でした。

2015/8/18(雌花)

どこかに雌株がないか探したところ、少し離れたところで見つけました。

しぼんだ花の基部にしっかりと膨らみが見らる雌花です。

この膨らみが成熟して果実(果実の写真は「秋の野草」を参照ください)になります。

ツボミも付いていました。そのツボミに期待して、再び、夕方訪れる事にしました。

      <18:58>            <19:40>            <19:46>

                     2015/8/18(雌花)

昼間、見に行ったツボミですが、最初に見に行った時には、やっと開き始めたところでした。

1時間ほどして、再度見に行くと、ほぼ、開花してました。

花弁の1枚が解けきっていませんでしたが、見ている内の解けていき、6分後には8割方解けました。

    2015/7/30(雄花)         2015/8/18(雌花)          2015/8/18(雌花)

カラスウリの雄花と雌花です。

雄花では、3個のオシベが合着し、その葯の頂部が円柱のように見えています。

雌花では、通常、メシベの柱頭が3裂し、それが角のように花の中央から突き出しています。

ただ、中央の雌花では、柱頭は4裂しているようです。

雌雄の区別は、花が咲かなくても、花の基部にある子房の有無でも区別できます。

2015/9/14

カラスウリですが、多くの株が除草されてなくなってしまいました。

9月になり、1個だけ結実しているのを見つけました。

まだ、少々若い果実で、淡緑色の縞模様がきれいに出ています。

よく似たキカラスウリ

       <17:16>     2012/8/12(雌花)    <20:39>

 キカラスウリ(Trichosanthes kirilowii var. japonica)

<ウリ目・ウリ科・アレチウリ連・カラスウリ属>

ウリ科カラスウリ属のつる性の多年草で、雌雄異株。

中国、日本原産の植物で、日本では北海道から本州、四国、九州と全国に自生する。

地下にはカラスウリに似た芋状の塊根をがあり、デンプンを多く含んでいる。

葉は互生し、長さ8~15cmで3浅裂し、基部は円心形で、裂片の先は丸いが尖ることもある。

葉の縁には波状の切れ込みがある。葉表には短毛がまばらに生え光沢がある。長い葉柄がある。

花期は7月~9月で、日没後から開花し、翌朝にも咲き残り、午前中には萎んでしまう。

キカラスウリの花冠は5裂して直径5~10㎝になり、花冠裂片の先は広がり、その先は細長い糸状になる。

雄花は、1ヶ所に複数付き、数日間連続して開花するが、雌花はほぼ単独で付く。

花筒が非常に長く、夜行性のスズメガによって受粉される。

苞は大きく、長さ1.5~2.5cmの卵形で、大きな歯牙がある。

果実は、未熟時は若干の凹凸はあるが全体に緑色で模様はない。熟すと黄色になる。

キカラスウリの果実の周りの果肉は、甘くて食用になる。

カラスウリとは、葉の形状や表面の光沢、短毛の有無などが異なります。

また、下記のように花弁の幅に違いがあり、似てはいますが見た目の印象はかなり異なります。 

<カラスウリとキカラスウリ>

    <カラスウリ(雄花)>         <キカラスウリ(雄花)>

カラスウリとキカラスウリの雄花です。似ていますが、花冠の裂片の形やオシベの形が異なります。

カラスウリの花冠の裂片は、楕円形で先がすぼまり、その先が細長い糸状になっています。

キカラスウリの花冠の裂片は、先が広がり、その先が細長い糸状になります。

どちらも夕方から開花が始まりますが、カラスウリは明け方には萎んでしまいます。

一方、キカラスウリは翌日にも咲いていますが、それでも午前中には萎んでしまいます。

また、葯の頂部も、カラスウリの方がより円柱に近く、キカラスウリでは丸みが強いようです。


ツルレイシ(Momordica charantia var. pavel)

<ウリ目・ウリ科・ツルレイシ連・ツルレイシ属>

ウリ科・ツルレイシ属のつる性1年草で、熱帯アジア原産の栽培品種。

日本では、南西諸島や南九州で多く栽培されているが、近年は、夏の日除け用に栽培されることも多い。

標準和名の「ツルレイシ」であるが、果肉が苦いことに由来する「ニガウリ」も使われる。

なお、野菜としては、沖縄での呼び名である「ゴーヤ」あるいは「ゴーヤー」の方がよく使われる。

蔓は枝分かれして伸び、巻きひげで他物に絡みついて、長さ4~5mになる。

葉は互生し、長さ4~12cmで掌状に5~7深裂して、基部は心形。葉柄は長さ4~6cm。

花期は5月~10月で、雌雄同株。雄花は葉腋に単生する1日花で、花柄は3~7cm。

花冠は黄色で直径3~4cm、5裂して裂片は長さ20mm前後。オシベは3個。

雌花も葉腋に単生するが、雄花よりも数はかなり少なく、株が小さいと咲かないこともある。

花柄の長さは10~12cmで、花の基部に子房がある子房下位。メシベの柱頭は2裂する。

果実は、長さ10~30cmの長楕円形~紡錘形で、表面に多数のこぶ状突起がある。

成熟すると橙色になり、果皮(果肉)が裂けて紅色の種子が現れる。赤い仮種皮は甘みがあり食べられる。

食用には若い淡緑色の果実を使用するが、ビタミンCやK、カリウムなどが豊富で、果肉には苦みがある。

2012/10/24

多摩川の川縁に小さな群落があり、黄色い花が咲いているが気になっていました。

撮り忘れていたのを思い出し、まだ、花が咲いていたのを撮ったのがこの写真です。

ウリ科の花だとは確認していたのですが、ツルレイシとは思っていませんでした。

果実を見ればすぐにわかったんですが、あいにく、果実は見当たりませんでした。 

2013/8/29

多摩川での散歩の帰り道、ツルレイシのグリーンカーテンで完熟の果実を見かけました。

果実が裂開しているものもあり、中の赤い種子も見えています。

果実は成熟すると黄色くなり、裂けて赤い種子が出てきます。

その赤いのは種子を覆う仮種皮で、ゼリー状で甘いそうです(舐めてみると、確かに甘みがあります)。


ヒョウタン(Lagenaria siceraria var. gourda)

<ウリ目・ウリ科・トウガン連・ユウガオ属>

2015/7/30 12:33

2015/7/30 19:31

ウリ科の植物で、原産地のアフリカから食用や加工材料として全世界に広まったとされる。

最古の栽培植物のひとつで、乾燥した種子は耐久性が強く、海水にさらされても発芽率が高い。

一般に真ん中がくびれた、いわゆるひょうたん型の品種をいう。

しかし、果実の形状は、球形、楕円形、棒状など品種によって様々な形のものがある。

ヒョウタンは、ククルビタシンという苦味成分を含み、嘔吐、下痢などの食中毒症状を起こす。

ただ、品種によってはククルビタシンの含有が少なく、食用になる品種もある。

草丈は、2裂した巻きひげを絡み付かせて3~5mになる。

葉は互生して長い葉柄があり、葉身は3~5浅裂し、基部は心形。

花期は7月~9月で、葉腋から長い花茎をを伸ばし、先端に直径4~6cmの白い5弁花を付ける。

花は夕方に咲いて、翌日の昼頃までには萎んでしまう1日花である。

 

2015/7/30

多摩川へ行く途中の草原で、地面をウリ科の植物が這っていました。

変色してしぼみかけている雌花と後はツボミがいくつか見られました。

しぼみかけているその花を見て、これはユウガオの花だと思いました。

子供の頃、自宅でユウガオを作っていたので、地を這っているのを見た時にそう思ったのです。

しかし、ユウガオは干ぴょうの原料で、こんな所になぜ生えているのか疑問でした。

日没後、花を見に行きましたが、きれいに咲いていました。ただ、咲いていたのは雄花ばかりでした。

後日、調べてみると、ユウガオはヒョウタンの選別品種とのこと。

ヒョウタンには、苦味成分のククルビタシンが含まれており、食べると食中毒症状を起こします。

インドで、苦みの少ないものが選別、育成されたのがユウガオで、日本に伝わったと考えらています。

という訳で、ヒョウタンならここに生えていても不思議はないと思われ、様子見としました。

2015/8/18                2015/8/18        2015/10/5

8/18 しばらくたって、様子を見に行くと、結実した果実がひょうたん型をしています。

結果として、これはユウガオではなく、ヒョウタンであると分かりました。

良く考えれば、ヒョウタンも野生であれば地を這うのが自然ですよね。

10/5 ヒョウタンの果実、大きくなっていたのですが、2度ほど除草があり、無くなっていました。

しかし、横に寄せられただけでしたので、その後、ツルを伸ばして結実していました。

多くの果実は、葉の下になり、なんとか全体が分かるのはこの1個のみでした。

≪ヒョウタンの雄花と雌花≫

2015/7/30(雄花)          2015/7/30(雌花?)        2015/7/30(雌花)

最初の写真の拡大ですが、左端のツボミには膨らみはなく、中央のものでは膨らみは1つあります。

右端は、花後のものですが、膨らみは2つあるように見えます。

そのため、左端のツボミは雄花、右端の花後のものは雌花と分かりますが、中央は何者?

2015/8/18(雄花)          2015/8/18(雌花?)         2015/8/18(雌花?)

後日、膨らみのない雄花(左)と、膨らみが1つある花(中央と右)を撮影したものです。

右端は、花の下に膨らみが見えています。それをもう少し上から撮ったのが中央の写真です。

2015/8/18(雄花)          2015/8/18(雌花?→雄花)      2015/7/30(雌花)

上の写真の左側と中央の花芯を拡大したものが、左端と中央のものです。

この2つを見比べると、雄花のモジャモジャとしたオシベにしか見えません。

右端の写真は、花後の雌花を拡大したもので、団子が集まったような形のメシベが見えます。

したがって、結論としては、膨らみが1つあったものも雄花であったと言うことになります。

雄花の基部には膨らみはないはずなのですが、膨らみが1つできることがあるのかもしれません。

 

≪参考≫

ヒョウタンの親蔓(最初に伸びてくる蔓です)には、雄花しか付かないそうです。

雌花は、子蔓や孫蔓の3節目までに付くので、一般には親蔓、子蔓は摘芯してしまいます。

摘芯は、数節を残して行い、出てくる腋芽の良さそうなもの2つを残して、後は摘み取ります。

雄花と雌花が開花したら、人工授粉するのが確実なようです。

今回、見かけたものは何もされていないので、親蔓も子蔓も伸び放題。だから雄花が多かったんですね。

なお、雌花はしっかり受粉していたようで、果実は10cmほどになっていました。


ホタルブクロ(Campanula punctata)

<キク目・キキョウ科・ホタルブクロ属>

2013/6/12                 2013/6/28          2013/6/28

キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、在来種。

日本では北海道南部から本州、四国、九州に分布し、日本以外では、朝鮮半島から中国に分布する。

ホタルブクロの変種がホタルブクロの変種で、日本固有種となる。

草丈は、20~50cmと幅があり、葉は互生する。

開けた乾燥気味の草原や道ばたなどで見られる草本で、初夏に釣鐘型の花を咲かせる。

花は長さ5cmほどの壺型で下向きに咲き、先が浅く5裂する。

花色には淡赤紫色のものと白色のものがあり、前者が関東に、後者が関西に多い。

※ ホタルブクロとヤマホタルブクロの違いは萼片の形状(下記参照)で、これで容易に見分けられる。

ホタルブクロでは、萼片の間にある付属体の副萼片が発達して、上方に大きく反り返っている。

それに対して、ヤマホタルブクロは、萼片と萼片の間が盛り上がる程度でしかない。

 

多摩川への途中の公園で、ホタルブクロが植栽され、花を付けていました。

花色は白に近く、花冠の先の方がわずかに淡い赤紫色になっている程度です。

ホタルブクロとヤマホタルブクロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホタルブクロとヤマホタルブクロの識別の決め手は、萼片の形です。

ホタルブクロの場合は、付属体の副萼片が反り返っています。

ヤマホタルブクロの場合は、萼片と萼片の間が盛り上がるだけです。


アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)

<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属>

キク科アザミ属の多年草で、名前に「アメリカ」が入っているが、ヨーロッパ原産の帰化植物。

紛らわしいので「セイヨウオニアザミ」と呼ばれることもある。

日本では、北海道から本州、四国に分布している。

海外では、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアに移入分布している。

葉や茎、総苞片には鋭い棘があり、軍手程度では貫通する。

草丈は80~200㎝と大柄で、茎は堅く、不規則に不揃いな翼が付き、刺がある。

根生葉は羽状に深裂しロゼット状になるが、花期には無くなる。

葉の表面には細かな鋭い刺があり、葉の先端には長く鋭い刺がある。

頭花は直径が4㎝前後になり、腹数個が上向きに付く。

総苞は球形で、刺のある総苞片で覆い尽くされている。

花後、直径が数㎝になる大きな綿毛(果実に付く冠毛)が風に乗って飛散する。

2012/7/3

多摩川に行く途中の道端で見かけました。

花はきれいな紫色なのですが、その刺々しい姿が印象的なアザミでした。

とにかく、花の部分以外、茎や葉はもちろん、花の基部の総苞片にまで鋭い棘があります。

しかも、その棘は鋭く尖っていて、手袋もしっかりしたものでないと簡単に貫通しそうです。

2013/7/11

河川敷ではありませんが、武蔵小杉の綱島街道脇の工事現場に巨大な株を作っていました。

一部は、既に綿毛になっており、風に乗って飛ぶ準備をしていました。

良く見ると、綿毛には枝毛がたくさん出ていて、大きくても風に乗りやすい工夫があります。

※ アメリカオニアザミの成長過程など、詳細は「春の野草」を参照ください。


キツネアザミ(Hemistepta lyrata)

<キク目・キク科・アザミ亜科・キツネアザミ属>

キク科キツネアザミ属の越年草で、史前帰化植物とされている。

日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布している。

海外では朝鮮半島、中国、台湾、インド、オーストラリア等に分布している。

アザミの名が付くがアザミ属ではなく、独立したキツネアザミ属に属する。

草丈は20~150cmで、茎は1本が多いが稀に数本が直立して、上部でよく分枝する。

根生葉は、花期には枯れることが多い。中部以下の葉には数cmの葉柄があるが、上部では無柄である。

中部以下の葉は長さ10~20cmの狭楕円形で、頭大羽状深裂し、裂片は4~8対になる。

頂裂片は三角形状~卵形で、側裂片より大きい。葉表は無毛で緑色、葉裏は綿毛があり灰白色。

上部の葉は、狭卵状楕円形~線形で、上部に行くほど小さくなる。

葉身の質は柔らかく、アザミと名は付くが、アザミのような棘はない。

花期は5月~6月で、疎らな円錐花序に直径25mm前後の頭花を、長い花序柄の先に上向きに付ける。

総苞は直径10~30mmで、総苞片は4~10列あり、先は尖り、赤紫色を帯びる。

外総苞片は長さ数mmの三角状で短く、トサカ状の突起が顕著である。

中総苞片~内総苞片になるにしたがって、長さは13mmほどと長くなり、線状楕円形と尖る。

花冠は細く、長さ13~14mmで、淡赤紫色。狭筒部は長さ10mm前後、広筒部は3㎜前後である。

痩果は長さ2.5mmほどの長楕円形で、褐色、無毛。冠毛は白色。

2重の冠毛の内、外側は長さ1~2mmで、内側は長さ10~12mmで羽毛状に枝がある。

2012/5/9

多摩川に行く途中の道端で見かけましたが、確認できたのはこの1ヶ所のみです。

アザミの花に似ていますが、葉に刺がなく、それで識別可能です。